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生まれてきたばかりの赤ちゃんとの接し方について悩む方もいるのではないでしょうか。0歳児は発達のスピードが速くわずか1年の間でさまざまな変化があります。この時期は大人とコミュニケーションを取ることで信頼関係が築いてきます。たくさんスキンシップを取ってあげてくださいね。この記事では、0歳児の発達の特徴、関わり方のポイント、保育の中で意識することなどを紹介しています。ぜひこの記事を保育の参考にしてみてください!
0歳児の発達の特徴【機能別】
運動機能-発達のスピードが速く自分で遊べるようになる
0歳児は運動機能の発達が著しく見られる時期です。寝返り、ハイハイ、つかまり立ち、伝い歩き…。生まれたばかりのころは手足を動かす程度からたった一年で立って歩けるようになり、ものすごいスピードで発達していきますね。また、手や指先の機能も発達し、つかむ、ものを握る、押す、引っ張る、つまむといったことができるようになります。手や指先の発達によっておもちゃを使い一人でも遊べるようになります。運動機能の発達によってできる範囲が広がり赤ちゃんの好奇心も高まっていきますよ。
感覚機能-視覚はまだぼんやりしている
感覚機能とは、「聞く(聴覚)」「見る(視覚)」「触る(触覚)」「嗅ぐ(嗅覚)」「味わう(味覚)」という五感のこと。新生児は生まれたばかりでも聴覚や嗅覚は発達していると言われていますが、視覚はまだぼんやりとしているそうです。そのため、大人の顔もあまりわかっていません。運動機能が徐々に発達していくと同時にものに触れたり、なめたりして五感も発達させていきます。1歳児になるころには大人の顔を認知できるようになります。
認知機能-自分と外界の区別が曖昧
新生児は、まだ自分と外界の区別が曖昧です。自分以外の物や人、音を感じ取り運動機能や感覚機能を発達させていくことで、自分と外界の区別を認知していきます。そのため、周りの大人は赤ちゃんにいろいろなものに触れる機会を提供してあげましょう。いろいろなものに触れ、周りの大人が褒めたり共感したりすることで赤ちゃんの好奇心を掻き立て認知機能の向上につながっていきます。認知機能が向上すると、ものをつかもうとしたり、まねをしようとしたりといった行動も見られるようになります。
0歳児の食事の特徴
授乳のみから離乳食へうつる
新生児は生まれたばかりのころ、母乳やミルクを飲みます。そして生後5、6か月になると離乳食が始まります。離乳食は生後5、6か月から始めることが多いですが、赤ちゃんの様子を見てタイミングを決めることが大事ですよ。初めての離乳食は1日1回から始め、アレルギーの心配があるため初めて口にする食材は小さじ1からにしましょう。離乳食をあまり食べたがらない場合は赤ちゃんの機嫌の良い時間帯や体を動かして空腹を感じているときに食べさせるといいかもしれません。
0歳児の人間関係の特徴
愛着関係を築くことが大切
生まれたばかりの赤ちゃんは自分ではまだなにもできないため、すべての五感を働かせ、愛着関係を築こうとします。赤ちゃんに信頼してもらうためにも周りの大人は赤ちゃんの欲求にこたえ、不安を取り除いてあげることが大切です。十分なスキンシップをとり、密なコミュニケーションをとるよう心がけましょう。生後6か月頃になると人見知りが始まります。人見知りが激しい場合もありますが、赤ちゃんの成長の一つとして受け止め、見守ってあげましょう。
0歳児の睡眠の特徴
1日の大半を寝て過ごす
寝る子は育つというように赤ちゃんは寝るのが仕事。そのため、1日の大半は寝て過ごします。眠っている間に成長ホルモンが大量に分泌されるため、睡眠は赤ちゃんの健康な体と心を育てるのにとても重要な役割をしています。しかし、赤ちゃんは一度に長く眠ることはできません。そのため、赤ちゃんの月齢に適した睡眠時間を確保できるよう心がけましょう。また、赤ちゃんの睡眠リズムを整えるために毎日の生活リズムを一定にするようにしましょう。成長した時に規則正しい生活習慣を維持できるようになります。
0歳児の遊びの特徴
五感を育む遊びをする
0歳児は、目に入るもの、聞くもの、触れるものすべてが遊びにつながっています。身近にあるもので音を鳴らしてみせたり、ティッシュ箱からティッシュを出してみせたりするだけでも、赤ちゃんが楽しんでいるとそれは立派な遊び。また、赤ちゃんは遊んでいる最中、常に五感を働かせています。いろいろな音を鳴らしてあげたり、様々なものに触れることで子供の興味が広がっていきます。五感を育める遊びを意識して保育をしましょう。
0歳児の発達の特徴【月齢別】
生後0~3か月-クーイングが盛んになる
生後0~3か月の赤ちゃんはほとんど寝ていて手足を動かす程度のことしかできません。また、自分と外界の区別があいまいで、少しずつ周りの物や人を認知していきます。クーイングはご存知でしょうか。生後2か月頃になると「あー」「うー」といったクーイングを発するようになります。クーイングは特に機嫌のいいときに出す声です。生後3か月頃になると首が座る子や指しゃぶりが始まる子も出てきます。
生後4~6か月-おもちゃで自分で遊べるようになる
生後4か月を過ぎると大声で泣いて訴えたり、周りの大人があやすと嬉しそうに笑ったりと徐々に感情が豊かになっていきます。また、「まんま」「ばぁー」といった喃語(なんご)を話し始めます。喃語は声帯の使い方の練習をしているともいわれているそうですよ。生後5か月頃になると、寝返りを自分で打てるようになったり、おもちゃで自分で遊べるようになります。生後6か月頃になると、人見知りが始まったり、早い子は歯が生え始めます。
生後7~9か月-ハイハイをする子が増えてくる
生後7か月を過ぎると、ずりばいを始める子が出てきて自分で動ける範囲が広がり周囲のものに興味を示し始めます。また、今までよりも手指が発達してきて、できるおもちゃ遊びが増えてきます。この時期になると、夜泣きが始まったり、物や人の認知が進み母親がいないと泣いてしまったりすることもあるかもしれません。生後8、9か月頃はハイハイをする子やつかまり立ちを始める子も出てきます。
生後10~12か月-赤ちゃん卒業の時期になってくる
生後10~12か月になると、そろそろ赤ちゃん卒業の時期になります。多くの子がハイハイやつかまり立ち、伝い歩きができるようになり、いろいろなものに好奇心をもつようになります。また、この時期は大人が言っている簡単な言葉を理解したり、記憶力が発達し大人のまねをしたりするようになってきますよ。言葉はまだ話すことはできなくても周りの大人に指を指すなどして自分のやりたいことを伝えたりするようになります。
関わり方のポイント【月齢別】
生後0~3か月-大人が赤ちゃんの反応に共感してあげる
生まれたばかりの赤ちゃんは泣くことによって何かを訴えようとします。そのため、生後0~3か月の時期は、赤ちゃんが泣いたり、目が覚めたりしたら抱っこをするなど安心させて寄り添ってあげることが大切です。赤ちゃんのいろいろな部分をタッチしたり、音を鳴らしたりして赤ちゃんの反応に共感してあげましょう。この時期にたくさんスキンシップを取ることで、その後の大人との信頼関係につながっていきます。
生後4~6か月-音楽をかけたり声をかけてあげる
生後4~6か月になると周りの大人を認知するようになり、手を伸ばしたり指を指したりと自分の意思を伝えてくれる機会が増えてきます。それに対して優しく受け止め声をかけてあげることが大事です。また、音の鳴るおもちゃやいろいろな感触のおもちゃに触れさせて五感を刺激してあげましょう。音の鳴るおもちゃを使う場合はいろいろな方向に追視させたり、音を聞かせてあげることがポイントです。
生後7~9か月-十分なスキンシップをとる
生後7~9か月は見知らぬ人がいると不安になったり、人見知りをしたり夜泣きが始まることが多いです。人見知りは愛着が形成され情緒が育っている証拠であるため、過度に心配する必要はありません。十分なスキンシップをとり、声をかけてあげたりと見守ってあげましょう。この時期はずりばいやハイハイを習得し動ける範囲が増えるため、赤ちゃんの周囲に危険なものがないか十分注意しましょう。
生後10~12か月-周りに危険なものがないか気をつける
生後10~12か月は立って伝い歩きをするようになるため、落下や転倒が起きないよう十分安全に配慮しましょう。また、周りに危険なものがある場合は事前に手の届かない場所に移してください。この頃になると手先が器用になり好奇心が旺盛になるため、いたずらに頭を悩ませることもあるかもしれません。そういうときは、なんでも否定するのではなく、根気強くやってはいけないことを伝えながら赤ちゃんの好奇心を満足させる遊びを取り入れてみましょう。赤ちゃんの成長につながりますよ。
0歳児の保育の中で意識すること
保護者との連携が重要
0歳児は自分の思いを言葉にして伝えることができません。そのため、保護者と保育士の連携が重要になってきます。家庭での状態を把握していると、保育園でさまざまな配慮をすることができます。例えば、夜泣きで夜あまり寝れていないならお昼寝の時間を長くする、離乳食を家庭で食べている形状に合わせるなどの配慮ができますよね。また、保護者と保育士が話している姿を見て子供が保育士を安心できる大人と思ってくれるかもしれません。
静かな事故が起きないよう注意する
0歳児は周りにあるものを何でも口に入れて確かめようとします。そのため、0歳児の周りは誤飲しやすいものを置かないように気をつけましょう。特に小さいおもちゃは0歳児にとって飲み込みやすく、のどに詰まりやすいため十分注意してください。また、ホコリなどのごみも口に入れやすいため、常に清潔な環境にするよう心がけましょう。そして、0歳児はハイハイや立って歩き始めたばかりの子などさまざまな状況の子がいます。歩行が安定しない時期で、もし転倒してしまい頭を打ちつけてしまうと大変なことになってしまいます。そのため、床におもちゃなど転倒の原因になるものが落ちていないか周辺の環境には十分配慮しましょう。
まとめ
0歳児の特徴を理解して保育をしよう
いかがでしたか。この記事から保育を行う上で参考になることはあったでしょうか。保育には0歳児の発達の特徴を理解し、関わっていくことが大切です。子供の成長は一人ひとり違うため、この記事で書いてあることにあてはまらないこともあるかもしれません。その場合は、保護者としっかり連携を取り、子供を不安にさせないよう子供に合わせた保育を行いましょう。一人ひとりに合わせた保育を行うことで、子供の情緒の安定につながり、健やかに育ってくれますよ。