障害児支援に関わるおすすめの資格8選!【資格取得のメリット・スキル・勤務先】

発達障害のある子供やグレーゾーンと呼ばれる子供たちを支援する仕事につきたいと考えている方も多いのではないでしょうか。療育施設や放課後等デイサービスだけでなく、保育士の方にも発達障害児の対応を求められるようになってきています。そこで今回は、障害児支援に関する資格をご紹介します。資格を取るメリットや活躍できる場についても説明しているのでぜひ参考にしてみてくださいね。発達障害のある子供を支援するための資格についてしっかり理解し、子供たちをサポートしましょう。

障害児支援に関する資格

児童発達支援管理責任者

児童発達支援管理責任者とは、障害を持っている子供の保育や療育に関わる専門職の一つです。この資格を取得することで、児童福祉法におけるさまざまな障害児支援施設で働くことができます。主な仕事内容は、個別支援計画書の作成、計画書に基づいた支援や療育の管理をすることが多いでしょう。児童発達支援管理責任者になるには、実務経験の要件を満たし研修を修了することが必要です。

実務経験の要件

1. 相談支援業務を5年以上経験している

2. 直接支援業務を8年以上経験している

3. 特定の資格保有者としての相談支援・直接支援業務を5年以上経験している

これらのいずれかに該当していなければなりません。

児童発達支援士

児童発達支援士とは、発達障害がある子供を対象に能力を引き出し、自立に導くための支援を行うスキルが認定されている資格です。児童発達支援士の資格は、発達障害についての専門知識と、子供の能力を引き出す接し方に特化していることが特徴的です。受講要件は特に設けられていないので、自分のペースで資格取得を目指すことができるでしょう。

児童発達支援士の資格情報

受験資格:特になし(療育に従事する人や保育士、幼稚園教論などを対象としている)

学習目安:15〜30時間程度

取得方法:オンライン試験

取得費用:試験料金 4,070円(税込)

合格率:合格率は80〜90%と言われており、試験の合格基準は70%以上の正答率

子ども発達障がい支援アドバイザー

子ども発達障がい支援アドバイザーは、発達障害がある子供の成長に寄り添った適切な支援を行うための資格です。子供の発達や発達障害における正しい知識を身につけ、適切な支援方法で子供たちをサポートしていきます。子ども発達障がい支援アドバイザーは、誰でも受講することができ、一定の条件を満たしていると受講過程が一部免除されることも知っておくと良いですね。

子ども発達障がい支援アドバイザーの資格情報

受験資格:特になし

学習目安:3ヶ月

取得方法:自宅受験

合格率:認定試験の合格基準は70%以上

発達障害児支援士

発達障害児支援士は、発達障害児に関する専門的な資格で、実践力や対応力を向上させたい方に適しています。児童発達支援士とよく似ていますが、発達障害児支援士はより高い専門性を持ち、療育の現場で活躍したい方におすすめです。

発達障害児支援士の資格情報

受験資格:特になし

学習目安:6ヶ月

取得方法:自宅受験

合格率:80%以上

受験資格は特にありませんが、以下の方は講座内容が設定されています。

・保育士、幼稚園教論、小学校教論

・療育従事者

・発達障害児支援者

保育士

保育士資格は、保育の専門的な知識やスキルを証明する国家資格であり、児童発達支援施設や放課後等デイサービスなど障害児保育に携わる仕事には欠かせません。子供との関わり方や障害児に対する保育を学べる資格のため、支援施設でも大いに活かすことができます。

保育士資格の取得方法

・指定されている保育士養成施設を卒業する

・保育士試験(国家資格)に合格する

高卒であれば、児童福祉施設で2年以上の実務経験を経て、保育士試験を受験する必要があるため注意しましょう。

児童指導員

児童指導員とは、支援施設にいる子供に対し、日常的な動作やコミュニケーションの支援、学習のサポートを行います。支援する子供の個別支援計画や支援記録を作成し、保護者との面談を通して自立への手助けを行なっていきます。子供だけでなく、保護者の心のケア、送迎の実施なども仕事の一つとなるでしょう。児童指導員になるには、児童指導員任用資格が必要なため、満たすべき資格要件を確認しておくと良いでしょう。児童指導員という資格はないため、資格申請の必要はありません。

早期発達支援士

早期発達支援士は、子供に対する基礎的な知識を持ち、保育や療育業界に勤めている人におすすめの認定資格です。資格取得には、認定条件を満たしている必要があるため、注意しましょう。

早期発達支援士の受験資格

1. こども家族早期発達支援学会の一般会員(または正会員)

2. 以下に該当し、過去5年間において以下の業務における400時間異常の実践経験

  幼稚園、学校教員(非常勤含む)

  公的児童相談関係職員(非常勤含む)

  保育園または児童福祉施設職員(非常勤含む)

  発達支援に関する医療または療育機関職員(非常勤含む)

  保育園、学校、学童などの支援経験

  学校心理士、特別心理士、臨床心理士、臨床発達心理士

  大学、大学院などで子どもの発達に関する臨床、研究を行っている人

  こども家族早期発達支援学会が認めた実績を持つ人

資格認定のためには、主催団体が行う講座を受講後、支援を行なった内容を報告書として提出する必要があります。

チャイルドカウンセラー

チャイルドカウンセラーは、発達障害に特化した資格ではありませんが、子供への関わりについて深く学ぶことができます。子供の性格や人格に関する知識に加えて、心理サポートの技術を備えることができる資格で、医療や福祉の現場で活かすことができます。子供の心理を専門的に学べる資格のため、支援施設以外でも活かすことができるでしょう。試験は、日本能力開発推進協会が指定している認定教育機関などが行う教育訓練で、全カリキュラムを修了した人を対象としています。資格取得を目指す際には、認定講座かどうか事前に確認しておきましょう。

保育士くらぶ

障害児支援に関する資格を取得るメリット

1. 就職や転職に活用できる

障害児支援資格を保有することで、療育現場への就職や転職活動に有利になります。資格を保有していることが、採用時に有利に働くこともあるでしょう。また、資格を有していることで、資格必須の求人にも応募することができ、療育の現場では大きな強みとなります。障害児支援の資格があれば、未経験でも歓迎されることが多く、資格を活かせる幅が広がるでしょう。知識を意欲的に習得していることや、子供の支援に対する積極性を評価されることが多いため、アピールすることが大切です。

2. 発達障害や療育についての知識が身につく

児童発達支援の資格を取得することで、発達障害や療育に関する知識を身につけることができます。児童発達支援の資格は、療育の現場でしっかり役立つ知識を学べ、すぐに実践できるものが多いことがメリットです。資格取得に向けた学習を通して、療育の現場で役立つ専門知識を取得できるでしょう。すでに施設で働いている人でも、知識のアップデートやキャリアアップにつながります。支援が必要な子供と関わるときに必要な知識や対応方法を身につけることができ、療育の現場で活かすことができます。

3. 保護者の安心や信頼に繋がる

知識があることを証明する障害児支援の資格を保有していることは、保護者の方の安心や信頼に繋がります。専門的な知識を持ち、それぞれ異なる障害を持っている子供に対して的確な支援を行えることは、保護者との関係構築にもつながるでしょう。個々のニーズに対応し、保護者や子供に対して誠実で継続的なサポートを行なっていくことが大切です。専門家として、保護者とのコミュニケーションを積極的に行うことは、保護者が信頼や安心を抱くきっかけづくりとなります。

障害児支援の資格が活かせる場所

児童発達支援センター

児童発達支援センターは、子どもへの療育支援だけでなく、家族のケアや療育施設と連携した専門的な支援を提供しています。医療型児童発達支援センターでは、医師や看護師、理学療法士など医療の専門家と連携した療育の提供も行なっています。障害児支援利用計画の作成や、保育所や教育機関などへの助言指導にも取り組んでいるため、障害児支援の資格を活かすことができるでしょう。地域と連携した療育支援を行なっているため、児童発達支援事業への専門的な知識を活かして、地域の支援スキルを高めることもできます。

福祉型障害児入所施設

福祉型障害児入所施設は、知的障害や盲ろうあ、肢体不自由児などを対象に支援を提供しています。入所している子供に対して、食事や排泄、入浴などのサポートを主に行います。また、相談支援や機能訓練、レクリエーション活動などの自立支援も提供しています。児童指導員や保育士などの配置が定められているため、これらの資格を保有していると大いに活躍できるでしょう。入所している子供の障害によって、資格を保有している職員が施設に配置されます。

放課後等デイサービス

放課後等デイサービスとは、主に障害のある就学児童向けに支援を行なっている施設です。子供の日常生活に関わり、個別支援計画に基づいた発達支援を行うため、学童クラブのような役割を持っているでしょう。放課後等デイサービスでは、保育士や児童発達管理責任者などの専門資格を保有している職員の配置が定められていす。障害児支援の資格を保有し、”障害のある子供の支援をしたい”と考えている人におすすめの施設です。

児童発達支援事業所

児童発達支援事業所は、障害がある未就学児に対して、日常生活の動作や知識、スキルを身につけるためのサポートを行なっています。また、子供が集団生活に適応できるように、さまざまな支援を提供しています。通所施設として、施設で支援を受ける子供たちのケアや家族に対するサポートも、重要な仕事となるでしょう。児童発達支援事業所は、療育を受けられる場として、より多くの子供に支援を提供できるように数多くの地域に存在します。そのため、自分に合った環境で、障害児支援の資格を活かすことができるでしょう。

障害児支援で大切なスキル

コミュニケーション能力

障害児支援で大切なスキルの一つは、コミュニケーション能力です。障害のある子供の支援には、日常生活だけでなく進路相談など、コミュニケーションを通してサポートする仕事が多いでしょう。また、子供だけでなく保護者との関わりも欠かせません。心理的なケアや子供との接し方など、専門的な知識を用いてアドバイスすることで、関係を築いていくことが大切です。子供や保護者と良好な関係づくりを構築する上で、コミュニケーション能力は重要なスキルになります。

子供それぞれの特性を見つける観察力

障害を持っている子供の支援を行う中で大切なことは、子供それぞれの特性を理解することです。同じ障害であっても個人差があり、その子自身の性格によっても必要とするサポートは異なるでしょう。個々の特性を見つけ、それに合わせた支援方法を見つける観察力が必要になります。障害の専門知識だけでなく、”子供のペースに合わせる””積極的にサポートする”など子供との関わりを理解することも大切です。

まとめ

障害児支援に関する資格を取得し専門的な支援を行おう

障害児支援に関する資格は、内容や目的に応じて異なる種類があります。子供が自立し、集団生活にも適用できるようにサポートしていくことが主な仕事となります。資格を取得することで、障害に対する知識を学べるだけでなく、資格を活かせる場を広げることもできるでしょう。障害児支援に携われる施設を紹介しましたが、必要な資格や仕事内容はそれぞれの施設によって異なるため、事前に確認しておくと良いですね。専門知識を用いて、子供の特性や発達にあった支援を提供しましょう。

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