非認知能力が大切だと聞いた事はあるけど、どういった能力なのかよくわからない。という方も多いのではないでしょうか。この記事では、非認知能力がどんな能力なのかや非認知能力が必要な理由、子どもの非認知能力の高め方や大人が気をつけるべき行動などを詳しく解説していきます。「非認知能力ってどんな能力?」「非認知能力を高めるためにできることは?」このような疑問をお持ちの方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
非認知能力とは?
知能検査や学力検査では測定できない能力
非認知能力とは、知能検査や学力検査では測定できない能力のことです。具体的には、以下のような能力です。
・協調性
・粘り強さ
・忍耐力
・計画性
・自制心
・創造性
・コミュニケーション能力
など
参考:EdTechZine(エドテックジン)|用語集|非認知能力
非認知能力が向上することで、認知能力も向上するという研究もあります。子どもの精神的な部分に作用して認知能力を向上させるのに必要な非認知能力は、世界で注目されていますよ。
参考:https://www.zenfuren.org/shorui/ochayouitakukennkyu/honnbunn.pdf
非認知能力の分類
自分を制御する能力
1つ目は自分を制御する力です。自分を制御する力とは、自分の気持ちや考え方を自分で制御しコントロールすることです。主に次のようなものが挙げられます。
批判的思考力:先入観にとらわれずに俯瞰的な視点で考える能力
主体性:自分の意志や判断で責任を持って行動する姿勢
自己管理能力:自分を律し自己を分析する能力
自己肯定感:自分の価値や存在意義を肯定できる感覚
実行力:計画を立案し、遂行できる力
創造性:独自で生産的な発想を考え出すこと
探究心:物事の本質をとらえる姿勢
独自性:独自の観念で行動しようとする姿勢
他者と関わる能力
2つ目は、他者と関わる能力です。他者と関わる能力とは、自分の気持ちを伝えたり人の気持ちに共感したりする力のことです。主に次のようなものが挙げられます。
コミュニケーション能力:相手の気持を理解し、適切な方法で自分の気持ちを伝えたり相手の気持を理解したりして、信頼関係を築く力
統率力:目的達成のために集団をひとつにまとめて、行動することができる資質や力
共感性:他の人と感情を共有したり感情を感じ取ることができたりする感性のこと
社会的な能力
3つ目は、社会的な能力です。社会的な能力とは、集団でのルールを守る規範意識や善悪を判断する道徳心などのことです。主に次のようなものが挙げられます。
倫理観:善悪の判断において規律となる捉え方や考え方
規範意識:道徳や倫理、法律などの社会的なルールを守ろうとする意識
公共性:価値観が違うと感じる組織や集団、社会での自分の役割を理解して、責務をまっとうしようとする姿勢
非認知能力が必要とされている理由
入試や就活でも試されるから
非認知能力が必要とされている1つ目の理由は、入試や就活でも試されるからです。平成元年までは、知識重視の詰め込み学習でした。しかし、近年は関心や意欲、態度を重視するようになりました。そのため、大学入試では小論文や面接などの個別入試が増えています。小論文や面接などの個別入試を通して、受験生の人柄や人間性を見ているのです。入社試験も同じで、プレゼンテーションやグループディスカッションなどを通して、求職者の非認知能力が試されますよ。
参考:https://wedge.ismedia.jp/articles/-/25612?page=2
予期せぬ事態への対応が求められるから
非認知能力が必要とされている2つ目の理由は、予期せぬ事態への対応が求められるからです。予期せぬ事態の例えは次の通りです。
・事件
・事故
・コロナなどの感染症の拡大
このような突然の変化や困難な状況に直面した際は、適応力や問題解決能力などの非認知能力が重要です。これらのスキルは、迅速かつ柔軟に行動し、周囲と協力して対策を練るために必要です。これから生きていく子どもにとって、状況を的確に判断して自ら行動する力は重要と言えるでしょう。
社会問題を解決する鍵になるから
非認知能力が必要とされている3つ目の理由は、さまざまな社会問題を解決する鍵になるからです。スケールが大きい話ですが、世界は貧困や差別、環境問題や戦争など、様々な問題を抱えています。そのため、現代社会が直面する様々な課題に対して、創造力や共感力、リーダーシップなどの非認知能力が求められているのです。これらのスキルは、多様な視点を取り入れ、解決策を見つけるために必要です。非認知能力は、社会的な問題を解決する可能性があるとして、世界中で注目されていると言えるでしょう。
子どもの認知能力を見極めるには?
子どもの言動や行動を注意深く観察する
子どもの認知能力を見極めるには、子どもの言動や行動を注意深く観察することが大切です。非認知能力は、認知能力のようにテストなどで数値化することは難しいです。そのため、子どもの言動や行動をよく観察することで見極めることができますよ。
・わからないことは自分で調べようとする
・周りの意見に流されない
・意見分かれても話し合いで解決している
・保育園や家庭のルールを常に守っている
※非認知能力が高い全ての子どもがこのような行動を取るわけではありません
非認知能力の鍛え方
非認知能力を鍛える遊びを取り入れる
非認知能力の1つ目の鍛え方は、非認知能力を鍛える遊びを取り入れる方法です。この方法の良い点は、無理なく非認知能力を鍛えることができることです。例えば、次のような遊びや活動がおすすめですよ。
発想力や想像力、集中力などを鍛えることができる
・読書
自己肯定感や論理的思考能力などを鍛えることができる
・料理
協調性や社会性などを鍛えることができる
・ボール遊び
コミュニケーション能力や協調性を鍛えることができる
子どもが興味を持ったことへの挑戦は積極的に応援する
非認知能力の2つ目の鍛え方は、子どもが興味を持ったことへの挑戦は積極的に応援することです。子どもが興味を持ったことに対して、挑戦したり楽しんで取り組んでいることを応援してあげると、非認知能力が高まると言われています。なぜなら、応援してあげることで、自分が頑張っていることは良いことだと、自己肯定感が上がるからです。子どもが興味を持ったことに対しては、時間がないから、危ないからといった理由で大人が一方的に制止しないようにしましょう。
子どもが自分で決めるという経験をさせる
非認知能力の3つ目の鍛え方は、子どもが自分で決めるという経験をさせることです。なぜなら、自分に決定権があることで子どもは、自分の意見が尊重されていると感じて自己肯定感が高まっていくからです。「君はどうしたい?」や「どっちを選ぶといいかな?」など、できるだけ多くの場面で子ども自身に決めさせるようにしましょう。そうすることで、自己肯定感だけでなく、決断力なども鍛えることができますよ。
がんばっていることを褒める
非認知能力の4つ目の鍛え方は、がんばっていることを褒めることです。子どもが努力している姿勢を認め、具体的に褒めることで自己肯定感が高まり、さらに挑戦し続ける意欲が育まれます。褒める際には、結果だけでなく過程を評価することが重要です。例えば、「よく頑張ったね」や「最後まで諦めなかったね」といった言葉をかけることで、子どもは自分の努力が認められたと感じ、自信を持つようになりますよ。単に「えらいね」と褒めるだけでは、子どもにうまく伝わらないこともあるのです。
失敗しても前向きな声掛けでサポートしてあげる
非認知能力の5つ目の鍛え方は、失敗しても前向きな声掛けでサポートしてあげることです。子どもに限らず、失敗してしまうことは誰にでもありますよね。そんなときに、失敗を責めたりがっかりしたりするのは、よくありません。子どもが失敗した時に、励ましの言葉をかけることで、彼らは挫けずに再挑戦する勇気を持てます。「失敗は成功へのステップだよ」や「次はもっと上手くいくよ」といった前向きな声掛けを行うことで、子どもは失敗を学びの機会と捉え、問題解決力や忍耐力を養うことができるのです。
子どもの非認知能力を育てるために大人が避けるべき言動
他人と比較する
子どもの非認知能力を育てるために大人が避けるべき1つ目の言動は、他人と比較することです。子どもを他の子どもと比較すると、自己肯定感が低下し、やる気や自信を失いやすくなりますよ。「○○ちゃんはできるのに、なぜあなたはできないの?」といった言葉は、子どもの心に大きなストレスを与えます。子どもにはそれぞれ、個性やペースがあります。他の子どもと同じことができてもできなくても、比較する言動は避けましょう。
子どもの行動に口出しをし過ぎる
子どもの非認知能力を育てるために大人が避けるべき2つ目の言動は、子どもの行動に口出しをし過ぎることです。過度に口出しすることで、子どもは常に親の顔色を見て行動するようになってしまいます。過度な干渉は、子どもの自主性や問題解決能力を妨げ、依存心を強める原因になりますよ。このようなことを避けるためにも過度な干渉を避けて、子どもが自分で考え試行錯誤する時間を尊重し、失敗から学ぶ機会を与えることが重要です。
失敗を防ぐために手助けする
子どもの非認知能力を育てるために大人が避けるべき3つ目の言動は、失敗を防ぐために手助けすることです。失敗してしまったら可哀想、と先回りして失敗を防ぐ行動や声掛けをしてしまう方は多いかと思います。しかし、失敗は学びの重要な一部であり、失敗を経験することで子どもはどんどん成長しますよ。ケガなどには配慮する必要はありますが、できるだけ子どもが自分で行動し、解決策を見つけられるよう促すことが大切です。
怒ったり声を荒げたりする
子どもの非認知能力を育てるために大人が避けるべき4つ目の言動は、怒ったり声を荒げたりすることです。子どもは、大人が思う以上に敏感です。大人がイライラしたり失敗に対して大きな声で怒鳴ったりすると、子どもに不安感や恐怖を与え、子どもの自信や自己肯定感を損なわせる可能性が高いです。大人は多忙な日々でイライラしてしまうこともあるかもしれません。それでも、冷静で穏やかな態度を保ち子どもを見守ってあげることで、子どもは安心感を持ち、自己肯定感を育むことができますよ。
まとめ
幼少期から非認知能力を鍛えよう!
いかがでしたか。今回は、非認知能力について解説していきました。非認知能力とは、テストなどで数値化することが難しい協調性やコミュニケーション能力などのことです。非認知能力を高めることで、学校の入試や就活の入社試験に活かすことができたり、予期せぬ事態が起こった際に素早く対応できたりします。そして、子どもの非認知能力を高めるためには、自分で決断させたり挑戦を積極的に応援してあげたりすることが重要ですよ。この記事を参考にして、子どもの非認知能力を高め、国際化や多様化が激しいこの時代を生き抜けるスキルを養ってあげましょう。
以下の記事は子どもの自己肯定感に関する記事です。ぜひ参考にしてみてください!