ハンドリガードとは?【いつ・意味・おもちゃ・しない・フットリガード】

赤ちゃんの成長過程に見られるハンドリガードというものをご存知ですか?ハンドリガードは、赤ちゃんの健やかな成長において必要不可欠なものと言えます。今回の記事では、具体的な時期やハンドリガードをする理由などを解説していきます。また、ハンドリガードを始めた赤ちゃんに対する心がけについても紹介しているので、どのように対応するべきか悩んでいた方は是非参考にしてくださいね。赤ちゃんがハンドリガードをしなくて焦りを感じている方にとっても、参考になる記事となっていますよ。

ハンドリガードとは?

成長過程に見られる赤ちゃん特有のしぐさ

ハンドリガードとは、赤ちゃんの成長過程に見られる特有のしぐさ。そのしぐさは可愛らしいだけでなく、赤ちゃんの成長に大きく関わっているのです。具体的には以下のようなしぐさです。

・自分の手をじっと見つめる
・髪の毛をむしるしぐさの後に手のひらを見つめる
・手をグーやパーにして繰り返す
・手を揺らす
・手を上げたり下ろしたりする
・手や指を口の中に入れて舐める

赤ちゃんは様々な種類のハンドリガードを通して自分の手の存在を認識し、そこから自らの発達を促しているのです。

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赤ちゃんがハンドリガードをする時期

生後2~5か月頃

赤ちゃんがハンドリガードをする時期は、一般的に生後2か月から5か月頃。ハンドリガードが見られる期間は長くても3か月程で、赤ちゃんが成長していくと共に徐々に見られなくなります。これは、赤ちゃんの興味の対象が自分の手から周囲の様々なものへと広がっていくからです。また、ハンドリガードを行う期間は個人差があるため、すぐに終わってしまう赤ちゃんや長く続ける赤ちゃんもいます。どちらであっても焦ることは無いのでゆっくりと見守っていきましょう。

赤ちゃんがハンドリガードをする理由

見る力と認識する力を発達させるため

赤ちゃんがハンドリガードをする理由は、大きく分けて4つあるので、1つひとつ詳しく解説していきますよ。1つ目は、見る力と認識する力を発達させるためです。生後2か月から5か月頃の赤ちゃんは、見る力や認識する力が育ってきます。赤ちゃんが順調に成長している証拠として、追視というものがありますが、これは動くものを目で追うことで、生後1か月ほどで見られます。また、視力が発達すると両親の顔を認識するようになります。この見る力と認識する力がある程度育つと、ハンドリガードを行うようになるのです。そして自分の手を見つめることで更に見る力が発達し、この手は体の1部だと認識する力も育まれていきます。

体を動かす力を発達させるため

2つ目は、体を動かす力を発達させるためです。ハンドリガードでは、赤ちゃんは自分の手を目の前まで持ち上げますよね。しかし、実は生まれたばかりの赤ちゃんにとって、手を持ち上げ続けるという動作は、力が足りない場合が多く、とても難しいのです。そのため、赤ちゃんがハンドリガードを始めたということは、ある程度力が付き、自分の意思で体を動かすことが出来るようになったからと言えます。そしてハンドリガードを通して運動機能を養っていくのです。

興味・関心を発達させるため

3つ目は、興味・関心を発達させるためです。赤ちゃんは生後数か月の間で脳が大きく成長します。それによる興味関心の発達もハンドリガードに大きく影響していると言えるでしょう。先述した見る力の発達に伴い、赤ちゃんは見える周囲のものに対して強い興味と関心を抱きはじめます。どんな感触なのか、どんな味なのかが気になり、それを確かめようとします。その1つがハンドリガード。ですから、赤ちゃんがハンドリガードを始めたと言うことは、興味・関心が順調に育っている証なのです。

感覚を統合させるため

4つ目は、感覚を統合させるためです。ハンドリガードは赤ちゃんが異なる感覚を統合していくための過程でもあります。感覚の統合とは様々な感覚を整理する脳の働きのこと。人は全身の器官で刺激を受け、その情報を脳に送り適切な動作や反応をします。ここで言う情報とは視覚や聴覚、触覚、味覚、嗅覚などを指し、赤ちゃんはハンドリガードを通してこれらの情報を得ているということになります。そして徐々に自然な動作や反応を示すようになってくるのですね。

ハンドリガードを始めた赤ちゃんに心がけること

赤ちゃんの手を清潔に保つようにする

ハンドリガードを始めた赤ちゃんに対して心がけることは、何が挙げられるでしょうか。ここでは3つ紹介します。1つ目は、赤ちゃんの手を清潔に保つようにすることです。ハンドリガードのしぐさでは、手をじっと見つめるだけでなく、口の中に入れて舐めることも。そのため手を清潔にしておくためのお手入れは欠かせません。爪をこまめに切ってあげたり、石鹸とぬるま湯で手洗いをしたりして、清潔に保ってあげましょう。爪のお手入れは怪我の防止にも繋がりますよ。

積極的に赤ちゃんの感覚を刺激する

2つ目は、積極的に赤ちゃんの感覚を刺激することです。赤ちゃんは五感の中でも特に、触覚が敏感な時期です。赤ちゃんの肌に触れるだけで触覚が刺激されて脳の発達にも繋がります。また、体を動かしたいという意欲や好奇心の向上にも繋がるでしょう。赤ちゃんとたくさん触れ合ってスキンシップをとり、感覚を刺激してあげましょう。ベビーマッサージは赤ちゃんの情緒を安定させながら、感覚を刺激することができるのでおすすめです。手遊びをしたり、歌に合わせて体を動かしてあげたりするのも良いですね。

おもちゃは柔らかい素材のものを意識する

3つ目は、おもちゃは柔らかい素材のものを意識するということです。ハンドリガードを始めた赤ちゃんには、発達を促すためにいい刺激を与えてくれるおもちゃは欠かせません。この時期の赤ちゃんは好奇心がとても旺盛なので、赤ちゃんがおもちゃを使う際、大人が想像できない動きや遊び方をすることがあります。おもちゃを振り回して誤って顔に落としてしまったり、口に入れてしまったりすることも。そのような時でも柔らかい素材のおもちゃであれば安心ですよね。

ハンドリガードを始めた赤ちゃんにおすすめのおもちゃ

カラフルなラトル

では、ハンドリガードを始めた赤ちゃんにおすすめのおもちゃを、種類別に紹介していきます。この時期のおもちゃ選びには、効果や安全性など様々なことを考慮する必要があるので悩みますよね。まずは、赤ちゃんのおもちゃで定番なラトル。赤ちゃんが自分で持って音を鳴らすことができるラトルは、聴覚を刺激するだけでなく視覚や触覚も刺激します。ラトルを選ぶ時は顔に落としても大丈夫なように、柔らかい素材で、赤ちゃんが認識しやすいはっきりとした色のラトルを選ぶと良いでしょう。

ゆらゆら揺れるメリー

目の前でゆらゆら揺れるおもちゃが赤ちゃんの好奇心を刺激するメリー。メリーにはたくさんのカラフルなおもちゃが付いているため、赤ちゃんの視覚を刺激し視力の発達に良い影響をもたらすことが期待されます。また、メリーにぶら下がったおもちゃを掴もうとするので手指のコントロールも上達するでしょう。手で掴んで遊ぶおもちゃだと、赤ちゃんが落としたときに毎度拾う必要がありますが、メリーならその手間を省くことができます。赤ちゃんが1人で遊ぶことができるうえに発達も促してくれるメリーは、忙しくて一緒に遊んであげられない場合でも安心ですね。

噛んで遊ぶはがため

顎や口周りの発達を促す歯固め。歯固めを噛むことで粘膜が刺激され、乳歯がスムーズに生えてきやすくなります。また、顎や口周りの筋肉も発達するので、はっきりとした発音で話せるようになることにも繋がります。噛むという動作は脳の様々な部分を活性化させ、意欲や集中力を高める効果まであると言われているんですよ。ハンドリガードを始めた時期に、歯固めで発達を促してみてはいかがでしょうか。

赤ちゃんがハンドリガードをしないのはおかしい?

有無や時期には個人差がある

赤ちゃんがなかなかハンドリガードを始めないと、順調に成長しているのか不安に感じてしまいますよね。ハンドリガードは赤ちゃんに大切な成長過程だと解説してきましたが、実はハンドリガードの有無や時期には個人差があります。ハンドリガードはあくまでも成長過程において見られることの多いしぐさ。「そろそろ始まる?」と思う時期に見られなくても、心配する必要はありませんよ。基本的に、動くものを目で追いかけていたり手を動かして物を掴もうとしていたりというしぐさがあれば、問題は無いと言えるでしょう。

ハンドリガードに対して足を使ったしぐさは?

フットリガード

ハンドリガードの代わりに足を使ったしぐさをする赤ちゃんもいます。それをハンドリガードに対して、フットリガードと言います。フットリガードは主に以下のようなしぐさです。

・両足を持ち上げる
・手で足を持って遊ぶ
・足を口に入れて舐める

赤ちゃんが足を口に入れるしぐさは最初、驚くかもしれません。しかし、やめさせる必要はありませんよ。これは赤ちゃんが自分の体を認識しようとしている証。また、足を口まで運ぶ動きには柔軟性やお腹の筋肉が必要ですよね。赤ちゃんにとってそれだけの成長があってこそのしぐさです。出来るだけ足も清潔を保つようにしてあげましょう。

赤ちゃんの成長を促す方法

音を鳴らす

ここからは、赤ちゃんの成長を促す方法を紹介します。ひと月ごとに著しい成長を見せる赤ちゃんですので、その成長過程に合わせた適切な対応をする必要があります。その方法として1つ目は、音を鳴らすことです。音に反応し、その方向に顔を向けることが出来るようになるこの時期には、音の鳴るおもちゃを使って遊びましょう。保護者や保育士が音の鳴るラトルを持ち上げて一緒に遊ぶのも良いのですが、赤ちゃんの手首や足首に音の鳴るおもちゃを巻き付けてあげてみてください。赤ちゃんは自分の足の存在や動くと楽しい音が鳴ることを認識し、好奇心をくすぐられるでしょう。

視線を動かす

2つ目は、視線を動かすことです。動いている物を目で追う追視が出来るようになったら、赤ちゃんの目の前で物やおもちゃの音を鳴らし上下左右に動かしてみましょう。その際、「どこだどこだ〜?」「あったねー!」などと声をかけて好奇心を誘ってあげると良いですよ。追視で顔を動かすことは、首のすわりにも繋がります。赤ちゃんの視野を広げるためにも、視線を動かしながらたくさん遊んであげましょう。

体操をする

3つ目は、体操をすることです。赤ちゃんの体操は、成長段階に応じた運動機能に刺激を与えることで、運動能力の発達を促します。やり方は以下を参考にしてみてください。

①仰向けに寝かせた赤ちゃんの両足を持つ
②「のびのび〜!」などと声をかけながら赤ちゃんの足を伸び縮みする
③腕でも同様のことをする

この体操を通して、赤ちゃんが体の動かし方を覚えると、赤ちゃん自身で手足を曲げ伸ばし出来るようになりますよ。

まとめ

ハンドリガードが見られる前後は適切に赤ちゃんの成長を促そう!

いかがでしたか。ここまで、ハンドリガードについて詳しく解説してきました。ハンドリガードは赤ちゃんの成長過程に見られる特有のしぐさ。様々な発達に関わっていて、赤ちゃんが順調に成長している証です。個人差があるので、なかなかハンドリガードを始めないなと感じても焦る必要はありませんよ。ハンドリガードを始めた場合でも始めていない場合でも、今回紹介したおもちゃや遊び、体操を試して、適切に赤ちゃんの成長を促してみましょう。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/