ヨコミネ式とは?3つの特徴を解説!【保育園・メリット・デメリット・探し方】

ヨコミネ式という教育法をご存知ですか?保育施設での幼児教育法といっても、園によって教育方針は異なりますよね。ヨコミネ式も教育方針のひとつです。この記事では、ヨコミネ式とはどのような教育法なのかや、ヨコミネ式のメリット、デメリットを詳しく解説していきます。「ヨコミネ式ってどんな教育法なの?」「ヨコミネ式を取り入れてる園を探す方法は?」このような疑問をお持ちの方は、是非参考にしてみてください。

ヨコミネ式とは?

横峯吉文氏が長年の経験から生み出した教育法

ヨコミネ式とは、子どもの自立を促すための教育法です。ヨコミネ式では、子どもが自ら考えて判断し、行動や実践するという自立心の大切さを提唱しています。横峯吉文さんという鹿児島で保育園を運営している方が考案した幼児教育法です。様々な子どもと接していく中で、試行錯誤を繰り返して確立されました。現在では、鹿児島の園だけでなく全国の様々な保育園や幼稚園で取り入れられていますよ。

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【ヨコミネ式の特徴①】自立に必要な3つの力

心の力

自立に必要な1つ目の力は、心の力です。心の力とは、正義感や道徳心などの心に関する力のことです。子どもが持っている忍耐力や優しい心などは、子育てによって強くなったり弱くなったりします。非行の火種は3歳までに始まると言われており、幼児期の子どもへの接し方が重要と言われていますよ。ヨコミネ式では、小さいからといって甘やかして育てると、わがままな人間になると考えられています。そこで、ヨコミネ式では子ども達がちょっと難しい問題に取り組み、子ども同士でフォローしあえるような環境を作ることで、助け合う心を育てますよ。このように、ヨコミネ式では、過度に甘やかさないことで、問題やトラブルにぶつかってもくじけない心や人を思いやる“心の力”を育てるのです。

体の力

自立に必要な2つ目の力は、体の力です。体の力とは、体力や柔軟などの体を動かす力のことです。ヨコミネ式では、走力や泳力、柔軟性や体操などの運動神経を伸ばすための運動活動にも力を入れています。なぜなら、運動神経の基礎は6歳ごろまでに固まると言われているからです。運動神経の基礎が固まるこの時期に体をバランスよく動かすことで、体の力が養われるのです。主に次のような運動が取り入れられています。

・ストレッチ
・逆立ち
・跳び箱
・水泳

学ぶ力

自立に必要な3つ目の力は、学ぶ力です。学ぶ力とは、読み書きや計算を通して自ら学習する力です。テストなどで高得点をとれるようになることが目的ではなく、生きていくために必要な知識を自ら学べるようになることを目的としていますよ。ヨコミネ式で身につけたい学ぶ力とは、次のような力のことを言います。

・理解力:1を聞いて10を知る力
・思考力:次にどうなるかを即座に考える力
・洞察力:うわさに流されず、正しいことを正しいと見抜く力

【ヨコミネ式の特徴②】子どものやる気を刺激する4つのスイッチ

スイッチ① 子どもは競争したがる

子どもが才能を伸ばすためには、子ども自身がやる気をもって挑戦することが重要です。ヨコミネ式では、4つのやる気スイッチを刺激して、子どものやる気を引き出していますよ。やる気スイッチとは、言い換えれば子どもが自ら行動するようになる特徴のことです。1つ目の子どものやる気スイッチは、子どもは競争したがるという特徴です。子どもは、競争するのが大好きです。ヨコミネ式では、子どもが持つ「あの子に負けたくない」「もっとできるようになりたい」といった競争心を大切にしているのです。

スイッチ② 子どもはまねをしたがる

2つ目のやる気スイッチは、子どもはまねをしたがるという特徴です。子どもは好奇心旺盛で、周りの人の行動を見て学び、まねを通じて成長しますよ。ここで大切なのが、無理にまねさせるのではなく、周りにいる“できる子の姿”を見せることです。他の子ができているのを見ると「自分もできるかも」と自ら挑戦するようになります。この特性を活かして、ヨコミネ式では子どもが興味を持つようにお手本を示して、自然とやる気が引き出されるような環境を整えています。

スイッチ③ 子どもはちょっとだけ難しいことをしたがる

3つ目のやる気スイッチは、子どもはちょっとだけ難しいことをしたがるという特徴です。子どもは、自分ではどう頑張ってもできなさそうな難しいことには挑戦しません。また、すぐに達成できるような簡単なことは飽きてしまう傾向があるのです。ヨコミネ式では、それぞれの子どもに合った「ちょっと難しい」ことにチャレンジできるようにサポートをしています。子どもが「もしかしたらできるかも!」と思えることに自分で考え挑戦して、成功する体験が大切です。

スイッチ④ 子どもは認められたがる

4つ目のやる気スイッチは、子どもは認められたがるという特徴です。大人も子どもも認めてもらうことでやる気スイッチが入ります。「何かに挑戦して、成功したら褒められた」という経験が、子どものモチベーションを維持するうえで大切なのです。ヨコミネ式では、読書記録をつける習慣を大切にしていますよ。なぜなら、記録が増えると褒めてもらえるからです。このように認められることが嬉しくて、また挑戦するようになる工夫がされているのです。

【ヨコミネ式の特徴③】才能開花の法則

子どもが持っている力を引き出してあげる法則

ヨコミネ式教育法で大切にされているのが才能開花の法則と呼ばれているものです。ヨコミネ式では、子どものやる気を引き出して、才能を開花させるために以下のような法則を提唱しています。

できることはおもしろい

おもしろいから練習する

練習すると上手になる

上手になると楽しい

次の段階に行きたくなる

この流れを繰り返すことで、次第に達成感を感じて、自ら学ぶ力や行動する力を身に着けていくとされています。このように、ヨコミネ式では子どもの学びの習慣が自然とつくような工夫がされているのです。

参考:https://www.yokomine-study.com/

ヨコミネ式を導入している保育園で働くメリット

子どもが自立できる環境を作れる

ヨコミネ式を導入している保育園で働く1つ目のメリットは、子どもが自立できる環境を作れるという点です。ヨコミネ式では、子どもが自立することを目指しています。「子どもが困ったときに助けてあげるのではなく、子どもが自分で考えて解決できるようになってほしい。」と、思っている保育士にとっては、ヨコミネ式の教育理念が合っているかもしれませんね。また、ヨコミネ式の教育によって日々成長していく子どもの姿を見ることは、保育士にとって働くモチベーションにもつながるでしょう。

子どもにメリハリのある教育を提供できる

ヨコミネ式を導入している保育園で働く2つ目のメリットは、子どもにメリハリのある教育を提供できる点です。ヨコミネ式では、3つの力を育てるために読み書きや計算、体操や音楽などの活動に力を入れていますよ。読み書きの時間や体操の時間、音楽の時間などが決められているため、自由時間ばかりではなく集中して活動に取り組むことができます。このように、ヨコミネ式ではメリハリのある教育を提供することができるでしょう。

明確な理念や方針に合わせて教育することができる

ヨコミネ式を導入している保育園で働く3つ目のメリットは、明確な理念や方針に合わせて教育することができる点です。ヨコミネ式では、この記事で紹介した3つの力や4つのやる気スイッチ、才能開花の法則など、明確な理念や方針の下で教育活動を行います。そのため、保育士は一貫性のある指導が可能になり、教育の方向性に迷うことなく子ども達の成長を効果的にサポートすることができますよ。また、方針に沿った活動によって成長していく子どもを支えることで、仕事へのやりがいを感じる場面も多いかもしれません。

保育士自身も成長できる

ヨコミネ式を導入している保育園で働く4つ目のメリットは、保育士自身も成長できるという点です。ヨコミネ式を導入している施設では、体操や音楽、読み書きなどいろいろな取り組みを行っています。そのため、研修に参加したり自習をしたりして、ヨコミネ式のメソッドを身に付ける必要があります。ヨコミネ式に携わる経験は、子どもの可能性を引き出す保育士としてのスキルを高めることができるでしょう。

ヨコミネ式を導入している保育園で働くデメリット

高いレベルの運動をするので子どものケガが増える可能性がある

ヨコミネ式を導入している保育園で働く1つ目のデメリットは、高いレベルの運動をするので子どものケガが増える可能性があるという点です。ヨコミネ式では、逆立ちや跳び箱、水泳など、普通の保育園と比べると高いレベルの運動を行います。そのため、子どもがケガをしてしまうことも増えるのです。このようなリスクを軽減するためには、保育士が細心の注意を払って指導する必要がありますよ。しかし、完全にケガをなくすことは難しく、保育士にとっても負担が大きくなることがあります。

独特なカリキュラムなため把握するまでは学びが必要

ヨコミネ式を導入している保育園で働く2つ目のデメリットは、独特なカリキュラムなため把握するまでは学びが必要という点です。ヨコミネ式の園では、様々な活動を取り入れて子どもに自学自習をする習慣を養います。このような習慣を子どもが身に付けるには、保育士自身も学び続けることが必要なのです。このように、ヨコミネ式を導入している保育園で働くためには、ヨコミネ式の研修に参加したり講演会に参加したりして、ヨコミネ式の教育について自ら学ぶ姿勢が必要でしょう。

ヨコミネ式を導入している保育園の求人を探す方法

ヨコミネ式教育法のオフィシャルサイトから探す

ヨコミネ式を導入している保育園の求人を探す1つ目の方法は、ヨコミネ式教育法のオフィシャルサイトから探すという方法です。ヨコミネ式教育法にアクセスすると、ヨコミネ式を導入している園の各園へのHP付きのリストがあります。ヨコミネ式を導入している園を探したい方は、サイトにアクセスして、自分が住んでいる地域に近い保育園を検索してみてください。

検索の流れ
①下記のURLよりヨコミネ式の公式サイトにアクセス
②導入園一覧を押す
③導入園リストの検索欄から自分が住んでいる県を選択して検索する

ヨコミネ式教育法公式サイト:https://www.yokomine.jp/index.html

保育士向けの求人サイトを活用する

ヨコミネ式を導入している保育園の求人を探す2つ目の方法は、保育士向けの求人サイトを活用するという方法です。保育士を対象とした求人サイトでは様々な種類の保育園の求人を取り扱っています。求人サイトの検索欄で「ヨコミネ式」という条件を付けて検索して探して見るのもおすすめですよ。

アスカグループでは、保育求人ガイドという保育士さん向けの求人サイトも運営しています。気になる方は、ぜひご覧になってみてください。

保育求人ガイドはこちら:https://hoikukyuujin.com/

まとめ

ヨコミネ式は子どもも保育士も成長できる!

いかがでしたか。今回は、ヨコミネ式の教育法について解説していきました。ヨコミネ式は、横峯吉文さんという方が考案した教育法で、子どもが自ら考えて判断し行動する自立心を大切にしています。心の力や体の力、学ぶ力といった3つの力と、子どもの特徴を刺激してやる気を引き出す4つのスイッチや才能開花の法則など、ヨコミネ式ならではの教育理念が特徴ですよ。ヨコミネ式は賛否両論のある教育法です。合うか合わないかで仕事のやりがいも大きな差が出てきます。ヨコミネ式保育園で働くことに興味のある方は、その教育理念がどのようなもので自分と合うかどうかを園見学で確かめてから、検討してみてくださいね。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/