進級や入園から1ヶ月が経ち、子どもたちも少しずつ新しい環境に慣れてきた頃ではないでしょうか。5月5日といえば、こどもの日ですよね。こどもの日は、子どもたちの健やかな成長を祝う大切な行事です。しかし、いざ子どもたちに伝えようとすると「どうして鯉のぼりを飾るの?」「兜にはどんな意味があるの?」といった疑問に、どう答えるべきか悩んでしまうこともありますよね。そこでこの記事では、子どもたちの年齢に合わせた行事の由来の伝え方や、保育の現場ですぐに使える製作のアイデアなどをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
こどもの日とは
5月5日に制定された国民の祝日

こどもの日とは、5月5日に制定された国民の祝日です。祝日法によると、この日は「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」日と定められています。子どもが主役の日というイメージが強いですが、実はお母さんへの感謝も法律に明記されているというのは、少し意外に感じるかもしれませんね。子どもに伝えるためには、こどもの日の意味をギュッと凝縮した、わかりやすい一言を持っておくと便利です。
「みんなが元気に大きくなったことをお祝いする日だよ」
「お父さんやお母さんに『生んでくれてありがとう、育ててくれてありがとう』って感謝する日でもあるんだよ」
保育の現場で伝えるときは、難しい理屈よりもイメージを伝えるのがコツです。
毎日の保育、おつかれさまです
「今の園、ちょっと合わないかも」と思ったときが動きどき。まずはあなたの街にどんな園があるか、見るだけでもOKです。
こどもの日と端午の節句の違い
端午の節句は奈良時代に中国から伝わった
端午の節句は、中国の端午節と呼ばれる節句が起源となっています。端午の節句は奈良時代に中国から伝わったものですが、そのさらに古いルーツは、紀元前4世紀頃の中国の政治家屈原(くつげん)の供養祭にあります。端午節は、屈原が川に身を投げたことを偲ぶ伝統行事で、邪気払いの意味が込められていますよ。日本に伝わった、端午の節句は長い年月で形を変えていきました。元来、月の初め(端)の午の日として端午と名付けられていた点や午と五の読みが同じであることから5月5日になったのではないかという説があります。
端午の節句は男の子の成長を祝う

5月5日はこどもの日として広く親しまれていますが、古くから伝わる端午の節句には、また少し違った趣があるんです。もともとは男の子の健やかな誕生と成長を祝う大切な節目であり、宮中の行事から武家社会へと広まるなかで、その意味合いが深まっていきました。例えば、厄払いに使われる薬草の菖蒲(しょうぶ)にも、古くからの言い伝えがあります。菖蒲は武勇を尊ぶ尚武(しょうぶ)と同じ響きであることから、たくましく育ってほしいという願いがより強く込められるようになったと言われています。こうした古き良き習わしは、時代が変わっても子どもたちの未来を優しく見守る大切な宝物として、今も私たちの生活の中にしっかりと息づいているのです。
こどもの日の伝統的な飾り
鯉のぼり

こどもの日の伝統的な飾りの1つ目は、鯉のぼりです。鯉のぼりは、江戸時代に男の子が生まれたらのぼりを立てるという風習が始まりです。鯉が選ばれた背景には、中国の古い伝説である、登龍門の教えがありますよ。流れが非常に激しい滝を登りきった鯉が、やがて龍になって天へ昇ったというお話にちなみ、「どんな困難な状況でも力強く乗り越えて、立派に成長してほしい」という、親から子への切実な願いが込められているのです。
五月人形
こどもの日の伝統的な飾りの2つ目は、五月人形です。これは子どもの健やかな成長を願うお守りのような存在で、昔から人形には災いを身代わりになって受けてくれる力があると考えられてきました。五月人形には、「元気に大きくなってほしい」「たくましく育ってほしい」という願いが込められています。兜(かぶと)や甲冑(かっちゅう)、弓といった飾りは戦いの道具というイメージもありますが、実際には身を守るための大切な装備です。だからこそ、「わが子をしっかり守ってくれますように」という願いを込めて飾られているのです。
こどもの日に食べる物
ちまき

こどもの日に食べる物の1つ目は、ちまきです。ちまきは、細長い三角すいの形をした甘いおもちで、笹や茅(ちがや)の葉に包まれているのが特徴です。もともとちまきは中国から伝わったもので、邪気を遠ざける願いを込めて、おもちを葉で包んだことが始まりといわれていますよ。おやつの時間にちまきを食べながら「元気に過ごせますようにという思いが込められているんだよ」と伝統の意味をやさしく伝えながら食べるのもおすすめです。
たけのこ
こどもの日に食べる物の2つ目は、たけのこです。たけのこは古くから縁起の良い食べ物とされています。その理由は、その驚異的な成長の早さと、天に向かってまっすぐ伸びる姿にあります。たけのこは、わずか数日で数メートルも伸びるほど生命力が強く、また節があることでしなやかに、折れることなく真っ直ぐに成長します。また、竹は病気に強く、めったに枯れることも無いのです。この特徴を子どもたちの姿に重ね合わせ、「たけのこのように、どんな困難にも負けず、すくすくと健やかに育ってほしい」という願いが込められているのです。
カツオ

こどもの日に食べる物の3つ目は、カツオです。カツオがこどもの日に食べられる理由は、その名前に込められた縁起の良さにあります。カツオという響きが勝つ男(かつお)に通じることから、昔から縁起の良い魚と言われているのです。さらに、3月〜5月に水揚げされるカツオは初カツオと呼ばれ、まさに旬の盛りを迎えます。育ち盛りのこどもに必要な栄養をたっぷりと含んでいるので、是非メニューに加えてほしい食材です。
ぶり
こどもの日に食べる物の4つ目は、ブリです。ブリは、その大きさや成長段階に合わせてワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ(関東の場合)と名前が次々に変わっていくことから、出世魚と言われます。子どもの将来の立身出世を願う端午の節句にぴったりの食材とされていますよ。特に西日本では、お祝い膳の主役として照り焼きや刺身などで供されることが多く、子どもたちの輝かしい門出を祝う象徴として古くから親しまれてきました。「今の姿も素敵だけれど、これからもっと立派な大人になってね」という、メッセージも込めてブリをメニューに入れてあげてくださいね。
ちらし寿司

こどもの日に食べる物の5つ目は、ちらし寿司です。ひな祭りの定番というイメージが強いかもしれませんが、端午の節句でもお祝い膳として多くの家庭や保育園で親しまれています。ちらし寿司が選ばれる大きな理由は、散りばめられた具材の一つひとつに縁起の良い意味が込められているからです。
れんこん: 穴が開いていることから、先の見通しが良くなるようにという願い
豆: 健康でまめに働けるようにという願い
こどもの日の伝統的な習慣と過ごし方
菖蒲湯に入る

こどもの日の伝統的な習慣と過ごし方1つ目は、菖蒲湯に入ることです。菖蒲(しょうぶ)は、すっきりとしたさわやかな香りが魅力の植物です。菖蒲湯には、体を温めて血行を良くし、肩こりや腰の重だるさをやわらげる効果が期待されています。また、その香りには邪気を払う力があるとされ、昔から無病息災や健康を願って菖蒲湯に入る風習が大切にされてきました。保育の現場でも、「いい香りだね」「これがお風呂に入るんだよ」と子どもたちに伝えると、興味をもって触れたり香りを楽しんだりする様子が見られます。
五月人形や鯉のぼりを一緒にかざる
こどもの日の伝統的な習慣と過ごし方2つ目は、五月人形や鯉のぼりを一緒にかざることです。単に飾ってあるものを眺めるだけでなく、準備の段階から子どもと一緒に楽しむことで、行事への期待感や大切にされているという実感をより深く育むことができます。
「これはみんなを病気から守ってくれる、かっこいいバリアなんだよ」
「お空の鯉さんは、みんなが元気に大きくなるのを見守ってくれているんだね」
このように、由来を優しい言葉で添えながら飾ることで、子どもたちにとって伝統文化がより身近で温かいものに感じられるはずです。
本を読む
『こいのぼりぐんぐんこどもの日!』
こどもの日におすすめの絵本1冊目は、『こいのぼりぐんぐんこどもの日!』です。この絵本は、体が弱く外で遊べない男の子たつやくんが、こいのぼりと出会い、一緒に空を旅する心あたたまるお話になっています。こいのぼりの背中に乗って大きな滝へ向かう場面では、子どもたちも「どうなるのかな?」とワクワクしながら物語に引き込まれていきます。また、物語の中には柏餅や菖蒲などの由来もやさしく紹介されており、「どうして飾るの?」といった疑問にも寄り添いやすいのが魅力です。
参考:https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=111598
『くわずにょうぼう』
こどもの日におすすめの絵本3冊目は、『くわずにょうぼう』です。このお話は、日本の昔話をもとにした少しドキドキする内容で、欲張りな男のもとに「ごはんを食べない」という不思議な女房がやってくるところから始まります。ところが、ある日その正体が鬼婆だったと分かり、物語は一気に緊張感のある展開へと進んでいきます。5月5日、端午の節句に、菖蒲湯に入る由来話となっています。怖さの中にも学びがあり、昔話ならではの深い意味に触れられる一冊として、子どもたちと一緒に楽しみたいですね。
参考:https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=9897
製作をする
紙コップで鯉のぼり
こどもの日におすすめの製作1つ目は、紙コップで作る鯉のぼりです。
・折り紙(鱗、しっぽ用:短冊状に切ったもの)
・丸シール(目玉用、鱗用)
・ストロー(太めのもの:持ち手の棒用)
・モール(こいのぼりと棒を繋ぐ用)
・ハサミ
・のり
・穴を開ける道具
(ハサミが難しい子はちぎり絵でもOK)
②白い丸シールに黒目を描く
③紙コップの側面に、作った鱗をのりでペタペタと貼り付ける
④目玉のシールも貼り付ける
⑤細長く切った折り紙を、紙コップの飲み口側にひらひらするように貼り付ける
⑥紙コップの底(頭側)に、モールを通すための穴を開ける
⑦持ち手となるストローにも、こいのぼりを固定したい位置に穴を開ける
⑧紙コップの穴にモールを通し、ストローの穴にも通して固定する
(穴あけが難しい場合は、直接モールで縛ったりテープで止めてもOK)
ビニール袋できる鯉のぼり
こどもの日におすすめの製作2つ目は、ビニール袋でできる鯉のぼりです。
・透明な袋:1枚
・画用紙
・丸シール:黒
・割り箸:1本
・ビニールテープ:好きな色
・両面テープ
・セロハンテープ
・マジックペン(模様を描く用)
・ハサミ
②袋の口をひねって、セロハンテープでしっかり止める
③画用紙をしっぽの形に切り、マジックで模様を描く
④白い丸の画用紙に黒い丸シールを貼り、目玉を作る
⑤画用紙を鱗の形に切る
⑥各パーツに両面テープを貼る
⑦袋の口(テープで止めた側)にしっぽを貼り付ける
⑧反対側に目玉を貼り、胴体の部分にバランスよく鱗を並べて貼る
⑨割り箸を割り、縦に繋げてセロハンテープで固定する
⑩その上からビニールテープを全体に巻き付ける
⑪棒の先端に丸い画用紙(金色や黄色など)を貼って飾りをつける
⑫出来上がったこいのぼりの体の側面に、持ち手の棒をセロハンテープで貼り付ける
新聞紙で作る兜
こどもの日におすすめの製作2つ目は、ビニール袋でできる鯉のぼりです。
・ハサミ
②新聞紙をもう半分に折り、折り目を作る
③三角形の左右の角を、頂点に合わせて折り上げ、ひし形の形にする
④ひし形の上下を入れ替え、下の2つの角を頂点(中心)に向かって折り上げる
⑤折り上げた角を、左右外側へ斜めに折り返し、かぶとの「つの」の部分を作る
⑥下側に重なっている2枚の紙のうち、上の1枚だけを上に折り上げる
(つので隠れない程度まで)
⑦さらにもう一度上に折り返して、かぶとの縁を作る
⑧残っている下の1枚を、かぶとの内側へ折り込めば完成
画用紙で作る本格的な兜
こどもの日におすすめの製作3つ目は、画用紙で作る本格的な兜です。
(メインの色3枚、別の色1枚)
・のり
・ハサミ
・セロハンテープ
②左右の辺を折り線に合わせて三角形に折る
③下の辺を1枚だけを上に折り上げる
④別の色の画用紙を細長く半分に折り、カットする
⑤帯を半分に折り少しずらして「Vの字」になるように折る
⑥土台を広げて丸みを持たせ、先端の尖っている部分を少し後ろ側に折ってテープで留める
⑦3枚目のメイン色の画用紙を4分の1におり、真ん中で切る
⑧兜の側面にのりで貼り付ける
⑨貼り付けたパーツを斜め外側に折り返す
⑩余った別の色の画用紙を少し丸くカットして、兜の前面(おでこの部分)に貼り付ける
⑪お好みでペンで模様を描いたり、余った画用紙で丸い紋を作って貼ったりすれば完成
まとめ
こどもの日について知って子どもの成長を祝おう!
今回はこどもの日について解説していきました。こどもの日は、こいのぼりや五月人形、ちまきや菖蒲湯など、さまざまな風習を通して子どもたちの健やかな成長を願う大切な行事です。それぞれに込められた意味を、絵本の読み聞かせや日々の関わりの中でやさしく伝えていくことで、子どもたちの興味や理解はより深まっていきます。こいのぼりの話を読んだあとに実際の飾りを見たり、ちまきを味わったりすることで、行事がぐっと身近に感じられるでしょう。この記事を参考に、こどもの日ならではの活動を取り入れてあげてくださいね。






















