乳幼児突然死症候群(SIDS)の予防と対策とは?【保育・原因・確率・リスク】

日本では、年間約40~80人の子どもたちが乳幼児突然死症候群(SIDS)で亡くなっていると言われています。はっきりとした原因は不明ですが、予防法について知っておくことで乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを下げることができますよ。今回の記事では、乳幼児突然死症候群(SIDS)の症状や原因、対策について紹介しています。保育施設などで子どもたちに関わる仕事をしている方に、ぜひ読んでいただきたい記事です。参考にしてみてくださいね。

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは?

乳幼児が突然亡くなる原因不明の病気

乳幼児突然死症候群(SIDS)とは、健康に見えた乳幼児が睡眠中などに突然亡くなる病気です。死亡時の状況や解剖を行っても明確な原因が特定できていません。発症のピークは生後2〜6か月頃で、特に、室温上昇により赤ちゃんが熱を放散できない環境、うつ伏せ寝や保護者の喫煙環境などが危険因子とされています。複数の要因が重なり合って起こると考えられているため、乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防する対策も複数行う必要がありますよ。

完全な予防方法は確立されていない

乳幼児突然死症候群(SIDS)を完全に予防できる方法は確立されていません。理由は、発症の原因が単一ではなく、未熟な呼吸・覚醒機能や遺伝的要因、睡眠環境など複数の要素が複雑に絡み合うと考えられているためです。また、発症が突然で再現が難しく、倫理的にも実験的検証が制限されるため、決定的な因果関係の特定が困難であることも影響していますよ。このような背景から、乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防するためには、様々な要因に気を配り対策を徹底することが大切なのです。

日中ではなく夜間睡眠中に見られる

乳幼児突然死症候群(SIDS)は日中ではなく夜間睡眠中に見られることが多いです。そのため保育現場においても、午睡時の安全管理が重要となります。子どもは仰向けで寝かせ、顔周りに物を置かない環境を徹底しましょう。また、一定間隔で呼吸や体位の確認を行い、記録を残すことも大切です。室内の温度や衣服の調整にも配慮して過度な保温を避け、安全で安心できる睡眠環境を整えていきましょう。

複数の要因が重なって発症する

乳幼児突然死症候群(SIDS)は複数の要因が重なって発症する病気です。未熟な呼吸調節や覚醒反応の弱さといった体質的要因。さらには、うつ伏せ寝や柔らかい寝具、受動喫煙などの環境要因が影響すると考えられています。しかし、個々の要因の関与の度合いは一様ではなく、同じ環境でも発症しない例も多いため、発症の仕組みは完全には解明されていません。そのため予防も限定的とされています。

保育士くらぶ

うつぶせ寝が良くないのはなぜ?

睡眠時無呼吸からの覚醒が遅れ死に至るため

うつぶせ寝は乳幼児突然死症候群(SIDS)のリスクを高めると言われているため、避けたほうが良いでしょう。うつぶせ寝によって睡眠時無呼吸が発生し、覚醒が遅れることで乳幼児突然死症候群(SIDS)につながると言われています。また、顔が寝具に近づくことで呼気中の二酸化炭素を再び吸い込みやすくなり、酸素不足に陥る可能性も指摘されていますよ。さらに、体温がこもりやすく身体が高温になることも危険因子の1つです。

保育園で乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐには?

あおむけに寝かせる

保育園で乳幼児突然死症候群(SIDS)を予防する方法をいくつか紹介します。まずは、お昼寝の時間は子どもを必ず仰向けに寝かせることです。仰向けに寝かせることで、顔が寝具に埋もれる危険を避けながら、安定した呼吸を確保することができます。また、呼気中の二酸化炭素を再び吸い込むリスクが低下し、酸素不足を防ぐ効果もありますよ。さらに、異常が起きた際に覚醒しやすくなると考えられており、睡眠時無呼吸の予防にもつながります。

枕元はすっきりと片付けておく

睡眠時の窒息を避けるため、子どもたちの枕元はすっきりと片付けておきましょう。具体的には、枕元にぬいぐるみやタオル、クッションなどの柔らかい物を置かないようにします。また、布団やシーツは顔にかからないよう整え、余分な物はベッド周りから離して収納しましょう。おもちゃや小物も手の届かない場所に片付けることで、誤って口や鼻をふさいでしまう危険を防ぐことができます。加えて、保育士の目線からも見通しよく子どもが確認できる状態を保つことも大切ですよ。

1歳までは掛布団を使わない

保育園で乳幼児突然死症候群(SIDS)を避けるために、1歳までは掛布団を使わないようにしましょう。その代わりに、季節に応じて通気性のよい衣服を重ね着させることで体温を調節します。例えば、薄手の肌着や長袖のパジャマを組み合わせるとよいでしょう。また、室温は適切に管理し、暑すぎたり寒すぎたりしない環境を整えることも大切です。さらに、スリーパーなどの着る寝具を活用することで、顔にかかる心配なく安全に保温することができます。

硬めの寝具を使う

硬めの寝具を使うことで、乳幼児の窒息を防ぐことができます。寝返りが完璧にできない子どもが柔らかい寝具で眠ると、息ができない体勢のまま身動きが取れず、窒息してしまう恐れがあります。硬めの寝具を使えば寝返りをしても顔が沈み込みにくく、口や鼻がふさがれるリスクを減らすことができますよ。また、万が一うつ伏せになってしまっても呼吸のための空間が確保されやすく、安全性が高まります。

ベッドと壁の間に隙間ができないようにする

ベッドと壁との間に隙間ができていないかよく確認しましょう。隙間があると、子どもが体を挟んでしまい、顔や胸が圧迫されて窒息につながる危険があります。特に寝返りを始めた時期は思わぬ方向に動くため注意が必要です。ベッドは壁にしっかり寄せるか、隙間を埋める専用器具を使用して安全を確保しましょう。また、定期的に配置を見直し、危険なスペースがないか確認することが大切です。

口に異物が入っていないか確認する

お昼寝の時間の前には口に異物が入っていないか確認しましょう。口に物が入っていると窒息リスクに繋がります。また、お昼寝中は常に子どもの顔が確認できるようにして、お昼寝中の誤飲にも気を配りましょう。特に乳幼児は眠っている間に無意識で物を口に含むことがあり、誤飲や窒息のリスクが高まります。食べかけの食べ物やおもちゃの小さな部品、小物などは事前に取り除き、手の届かない場所に片付けましょう。

十分な人数の保育士を配置する

子どもたちを守るために、十分な人数の保育士を配置しましょう。子どもの睡眠中は目が届きにくくなるため、複数の職員で見守る体制が重要ですよ。定期的に呼吸や顔色、体位を確認し、異変の早期発見につなげましょう。また、職員同士で声を掛け合いながらチェックを行い、記録を残すことで安全管理の質を高めることができますよ。子どもたちが安心して眠れる環境づくりを意識しましょう。

睡眠時の生存確認法をマニュアル化する

乳幼児突然死症候群(SIDS)は睡眠時に起こるため、睡眠時の生存確認法をマニュアル化しましょう。保育士全員が一定の間隔で呼吸や体勢を確認する手順を統一できますよ。具体的には、胸やお腹の動きを観察したり、顔色や肌の温度をチェックしたりする方法を盛り込みます。さらに、異常を発見した場合の対応手順も明確にしておくことで、迅速かつ適切な処置が可能になりますよ。こうした統一された巡回と確認の徹底が、乳幼児突然死症候群(SIDS)による死亡リスクの低減につながります。

家庭で乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐには?

たばこをやめる

家庭において乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐためには、保護者がたばこをやめることです。禁煙により子どもの健康を守ることができますよ。たばこの煙は受動喫煙として赤ちゃんに悪影響を及ぼし、呼吸機能の未熟さに負担をかけるとされています。また、妊娠中や出産後の喫煙はリスクを高める要因の1つです。家庭内は禁煙を徹底し、来客者にも配慮を求めるなど、子どもが安心して過ごせる環境づくりを心がけましょう。

無理のない範囲で母乳育児に取り組む

家庭で乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ぐためには、無理のない範囲で母乳育児に取り組むことが有効とされています。母乳には免疫物質が含まれ、赤ちゃんの感染症リスクを下げることが期待されます。一方で、母親の負担が大きくなりやすく、睡眠不足や体調不良につながるデメリットもあります。そのため、粉ミルクとの併用や周囲のサポートを活用し、無理なく母乳育児を続けるのがおすすめですよ。

赤ちゃん専用のベッドで寝かせる

赤ちゃんは大人と一緒に寝かせるのではなく、赤ちゃん専用のベビーベッドを用意しましょう。ベビーベッドには硬めのマットレスを使用し、枕やぬいぐるみなどは置かないようにします。赤ちゃんは仰向けで寝かせ、顔周りに物がかからないように注意しましょう。また、室温や衣服を調整し、体温が高温にならないように配慮することも大切です。赤ちゃんにとって安全な睡眠環境を整えることが、乳幼児突然死症候群(SIDS)リスクの軽減につながります。

乳幼児突然死症候群(SIDS)の応急処置

心肺蘇生法(CPR)が用いられるが成功率は低い

乳幼児突然死症候群(SIDS)を発症してしまった場合、どのような応急措置がとられるのでしょうか。乳幼児突然死症候群(SIDS)が疑われる場合、保育士はまず意識や呼吸の有無を確認し、呼吸や心拍がない場合は直ちに119番などに通報。その上で乳児用の心肺蘇生法(CPR)を開始しますが、SIDSの場合は発症が突然であり内部的要因が大きいため、CPRの成功率は低いとされています。万が一に備え、保育園での対応のしかたを確認しておきましょう。

まとめ

赤ちゃんの呼吸に注意し乳幼児突然死症候群(SIDS)を防ごう

この記事では、乳幼児突然死症候群(SIDS)とは何か、また、保育園や家庭で乳幼児突然死症候群(SIDS)の発症を防ぐためにできることを紹介しました。乳幼児突然死症候群(SIDS)の原因はわからず、完全な予防方法は確立されていません。そのため、大人は子どもたちの睡眠環境や日々の様子に十分注意を払い、小さな変化にも気づけるよう見守ることが大切です。正しい知識を共有し、家庭と保育現場が連携して取り組むことで、リスクの低減につなげていきましょう。

おしえて!保育求人ガイド

ABOUTこの記事をかいた人

おしえて!保育求人ガイドは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。おしえて!保育求人ガイドでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/