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新年度になり、春から保育士として働き始めた人も多いのではないでしょうか。わからないことだらけでうまく仕事をこなせず、多くの悩みを抱えやすいのが1年目です。抱いていた理想と現実のギャップに悩まされ、離職してしまう人が多いのも1年目と言われていますよ。この記事では、保育士1年目の仕事内容や抱えやすい悩み、乗り越えるためのポイントについて解説します。大変なことがたくさんある中でも楽しいことを見つけて、子どもたちの成長を支えられるような保育士を目指していきましょう!
1年目の保育士の仕事内容は?
クラス担任または補助

1年目の保育士が担当する仕事内容として、クラス担任または補助があります。園の規模によって異なりますが、1年目の保育士は複数人で担任する0歳児や1歳児クラスの担任になったり、先輩保育士の補助に入ったりすることが多いようです。ベテランの保育士と組んで仕事をすることが多いため、先輩保育士の背中を見てたくさん学んでいきましょう。わからないことがあったらきちんと質問することも、成長するうえで大切ですよ。
保護者対応
保育士1年目であっても保護者対応は欠かせない仕事です。若手の保育士が大きな悩みとして抱えやすいと言われている保護者対応。その理由には、1人1人の子どもと保護者の顔を一致させるのに苦労するだけでなく、保護者との相性の良し悪しも挙げられるでしょう。特定の保護者とのみ仲良くなるのは避け、全員の保護者とうまく付き合っていくことが大切です。小さなコミュニケーションを積み上げることで、保護者との信頼関係を構築することができそうですね。
行事の計画や準備

行事の計画や準備を行うことも保育士の重要な仕事です。1年目のうちは、年間を通じた行事の流れを把握し、それぞれの行事がどのような目的で行われるのかを理解することが大切です。2年目以降は、スムーズに準備や運営ができるようになることを目指しましょう。そのためには、各行事の準備にどれくらいの期間が必要か、どのような準備を行うべきかをしっかり把握しておくことが重要です。こうした経験を積むことで、将来的には自分が主体となって行事を運営することができるでしょう。
保育カリキュラムの作成

各保育園では、日々の保育や教育の方針についてカリキュラムが作成されています。カリキュラムの作成は、厚生労働省によって制定されている保育所保育指針に基づき、長期・中期・短期の期間に適したカリキュラムを作成します。保育の5領域や10の姿などを意識し、子どもたちの成長につながるようなカリキュラムを作るようにしましょう。保育所保育指針について、詳しくは以下の記事も参考にしてみてくださいね。
おたよりの作成や連絡帳の記入など事務作業
日々の保育の合間には、おたよりの作成や連絡帳の記入などの事務作業も行います。おたよりには、毎月の行事やイベントのお知らせ、全保護者へのお願い事などを記載します。連絡帳には、子どもたちの日常や成長の様子を記載します。特に連絡帳は、子どもの成長記録として大きくなってからも保管しておく保護者もいますよ。ただ単に状況を記載するだけでなく、どのような点で子どもたちの成長が見られたのかなど、詳細に記載することが大切です。連絡帳の書き方については、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
保育士1年目に抱えやすい悩みは?
子どもとの接し方がわからない

慣れない職場でさまざまな仕事をこなさなければいけない保育士1年目は、多くの悩みを抱えることでしょう。そんな保育士さんが抱えやすい悩みの1つ目は、子どもとの接し方がわからないことです。保育士資格を取得する過程で、子どもについて多くの知識を得るでしょう。しかし、事前の知識通りにはいかないのが保育の現場です。いきなりクラス全体と仲良くなろうとするのではなく、焦らずに1人1人と向き合い信頼関係を築いていくことが大切です。
仕事量が多い

2つ目は、仕事量が多いことです。前述したように、保育士の仕事は多岐にわたり量も膨大です。子どもたちと直接関わる仕事だけではなく事務作業も多いため、イメージしていた保育士の仕事とのギャップに悩まされることもあるでしょう。また、時間外の作業や持ち帰りの仕事で体力的な疲弊を感じる可能性もあります。仕事に優先順位をつけたり効率的に仕事をこなすための工夫をしたりすることで、身体や精神面への負担を減らすことができると良いですね。
保護者との関わり方が難しい
3つ目は、保護者との関わり方が難しいことです。特に、保護者の大半が自分よりも年上の場合は、どのように関わればよいか悩むことが多いでしょう。ケガや子ども同士のトラブルなど、伝えにくいことを伝えるときは特に気を遣いますよね。また、中には理不尽なクレームを言う保護者もいます。日頃から適切な言葉遣いと態度で接し、保護者と保育士のトラブルが起きないように細心の注意を払いましょう。保護者からのクレームに関しては、以下の記事も参考にしてみてくださいね。
職場の人間関係がうまくいかない

4つ目は、職場の人間関係がうまくいかないことです。保育士の仕事には、職員間の連携が欠かせません。しかし、先輩への相談や質問ができず、こじれてしまうこともあるでしょう。また、女性が多い職場でもあるため、女性同士ならではのトラブルが発生しやすい傾向です。同期の職員や年齢の近い職員と仲良くなり、園の中で信頼できる存在を作っておくことが大切です。職場で過度な嫌味を言われたり嫌がらせを受けている場合は、園長や主任などへ速やかに相談しましょう。
体調管理が難しい
5つ目は、体調管理が難しいことです。1年目の保育士は、膨大な仕事量と労働時間の長さにより、体調を崩すことが多い傾向です。また、園では子どもたちがケガをしないよう1日中気を遣い、気を抜くタイミングはありません。そのため、体力的にも精神的にも疲労がたまり、休んでもなかなか疲れが取れないこともあります。日頃からバランスの良い食生活や十分な睡眠時間の確保を心掛け、体調を崩さないための予防をしましょう。
給料が安い

6つ目は、給料が安いことです。1年目が多い年代である20~24歳の保育士の平均月収は、約23万6000円です。すべての産業における20~24歳の平均月収が約25万6000円のため、保育士の給料はやや低いと言うことができるでしょう。しかし、ボーナスに当たる年間賞与その他特別給与額が、保育士は平均10万円以上高くなっています。しかし、財務状況の厳しい園ではボーナスの額が少ないこともあるため、働く園選びは慎重に行いましょう。(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」を参考)
保育士1年目を乗り越えるためのポイントは?
すべてを完璧にこなそうとしない

さまざまな悩みを抱える保育士1年目ですが、乗り越えるためのポイントとしてはどのようなことが挙げられるのでしょうか。1つ目は、すべてを完璧にこなそうとしないことです。最初からすべてを完璧にこなそうとすると、うまくいかなかったときに挫折しやすい傾向です。まずは「毎月1つのことをクリアできればOK」というように、短期で達成できそうな目標を立てて、少しずつ成長していけると良いですね。
積極的にコミュニケーションを取る
2つ目は、積極的にコミュニケーションを取ることです。子どもたちと積極的にコミュニケーションを取り、細やかな関わりを重ねることで、子どもたち1人1人との信頼関係を構築することができるでしょう。好きなものや最近楽しかったことなど、日常のささいな出来事をきっかけに話しかけるとスムーズに会話ができそうですね。子どもたちだけでなく、保護者や先輩保育士との積極的なコミュニケーションも欠かせません。特に先輩保育士に対しては「何かできることはありませんか?」など、前向きな言葉と積極的な姿勢を見せて自身のやる気を感じてもらうことが大切ですよ。
わからないことは質問する

3つ目は、わからないことは質問することです。常に忙しそうな先輩保育士に質問するのは躊躇しますが、「今お時間よろしいですか?」などと声を掛け、わからないことをそのまま放置しないようにしましょう。疑問点が些細なことであったとしても、それが子どもたちの安全に直結する場合もあります。子どもたちがケガや病気をすることなく、安全で健康な園生活を送るためにも、不安なことは早めに解決しておくことが大切です。1年目の保育士がわからないことだらけで不安なのは、先輩保育士も理解していることでしょう。安心して相談してくださいね。
報告・連絡・相談を徹底する

4つ目は、報告・連絡・相談を徹底することです。職員同士の連携がとても重視される保育の現場では、報告・連絡・相談は欠かせません。本当に細かいことでも子どもたちのケガにつながる可能性があるため、些細なことでも先輩保育士に伝えてみましょう。日常でのあいさつや世間話を重ね、日頃から職員間での信頼関係を築いておくことが大切です。また、わからないことは自己判断せず、周りに相談することも重要ですよ。質問して返答をもらった際には、必ずメモを取ることを忘れないようにしましょう。
気分転換になることを見つける
5つ目は、気分転換になることを見つけることです。膨大な仕事量や職場での人間関係、保護者対応など、保育士の仕事はストレスが溜まりやすいと言えるでしょう。ずっと気を張っていては精神的な負担が大きくなってしまうため、リフレッシュできることを見つけておくことが必要です。自分の趣味で気分転換するのも良し、好きな食べ物をたくさん食べて気分転換するのも良し。自分なりの方法で精神的な負担を軽くすることが大切ですよ。
笑顔を心掛ける

6つ目は、笑顔を心掛けることです。やはり1番大切なことは笑顔!子どもたちは大人の表情や感情にとても敏感で、先生が笑顔でいると安心感を持ち、自然と心を開いてくれます。保護者や職員に対しても同様ですよ。明るい表情で接することで良い人間関係を築きやすくなるでしょう。たとえうまくいかないことがあっても、笑顔を忘れずにいるだけで、周囲に与える印象は大きく変わります。笑顔は周りを和ませ、信頼を生む大切な力なのです。
まとめ
保育士1年目の悩みや失敗は成長に変えていこう!

いかがでしたか?今回は、保育士1年目に多い悩みや1年目を乗り越えるためのポイントなど、保育士1年目の過ごし方について詳しく解説しました。1年目は、うまくいかないことも多く、悩みを抱えやすい時期と言えます。しかし、悩んだり失敗したりする分、成長することができるのです。1年目であれば、周りもたくさんサポートしてくれるはずです。失敗を恐れずに、さまざまなことに自ら挑戦していきましょう!