異年齢保育(縦割り保育)で活用できる遊びをご紹介!【ねらい・事例・保育園・育ち】

年齢の異なる子どもを同じクラスで保育するという”異年齢保育”。”縦割り保育”とも呼ばれ、数々の保育園で導入されています。この異年齢保育にはメリットがたくさんあるのをご存じですか?デメリットやポイントも押さえておけば、意味ある異年齢保育になります。そこで今回は、異年齢保育のねらいやメリットデメリットを紹介すると共に、年齢の異なる子どもみんなで楽しめる遊びのアイデアをまとめました。ぜひ日々の保育に役立ててみて下さいね!

異年齢保育とは?

異年齢保育とは、一般的な保育園のように年齢ごとにクラス分けを行う「年齢別保育」や「横割り保育」ではなく、さまざまな年齢の子どもでグループやクラスを作って一緒に保育を行うことです。

保育士くらぶ

異年齢保育の導入例

異年齢保育の形は園によって様々です。 ・年齢関係なくクラスを決めていき異年齢保育を行う ・クラスを設けずに園全体で異年齢保育を行う ・1週間のうちの何日か、異なる年齢の子どもたちを混ぜて行動を共にする異年齢保育を行う ・延長保育などの子どもの人数が少ない時に異年齢保育を行う などなど・・・・ 園に合わせたスタイルで導入されています。

異年齢保育を行うねらい

関わり方を学び社会性を育む

まず一つ目のねらいとして社会性を育むことが挙げられます。保育園を卒園すると、年齢の異なる人と関わりながら生活していかなければなりません。つまり、年齢の異なる人との関わり方や社会性が必要になってきます。異年齢保育では、年齢が異なる子ども達が一緒に行動するため、年上の子ども、年下の子ども、お互いがどう接したらいいか考えて行動するようになります。その中で関わり方を学び、お互いに成長していくことで、社会性が育まれていくでしょう。

役割を理解し協調性を育む

二つ目のねらいとして協調性を育むことが挙げられます。異なる年齢の子ども達が行動を共にすることで、相手に気持ちを伝えたり、汲み取ったりと、お互いが相手を考えながら行動すようになります。また、年上の子どもが年下の子どもを助けてあげたり、教えてあげたりと、自分の役割を理解し思いやりの心も育まれていくかもしれません。逆に年下の子どもが年上のお姉さんお兄さんの言うことを聞こうという心も芽生えてくるかもしれません。このように、お互いが相手やみんなのことを考えて行動する協調性が育まれていくでしょう。

異年齢保育を行うメリット

交流の幅ができ友達が増える

一般的な年齢別保育では、遊ぶ友達が同年代に固定化されてしまいがちです。しかし、異年齢保育では異なる年齢の子どもと交流するため、友達関係に幅ができるでしょう。また、年齢が違う子どもと遊ぶことで、やったことのない遊びを経験することもあります。子ども達の新たな発見にも繋がるでしょう。

思いやりや優しさを身に着けられる

年齢が違う子ども達が共に行動するということは、差が生まれやすいということです。例えば、道具を使う中で年上の子どもはできても、年下の子どもはできないという場面。そういった場面を通して、できる子どもが出来ない子どもに教えてあげたり、相手のことを考え優しく接することを子どもたちは意識するようになっていきます。こうして思いやりや優しさが育まれていくでしょう。

想像力が養われる

年齢が違う子ども達が一緒に遊ぶと時、それぞれの価値観がぶつかることがあるかもしれません。しかし、自分にはない価値観に出会うことで、新たな価値観を知り、受け入れる練習になります。そして、繰り返すことで、年上の子ども、年下の子どもどちらにとっても相手のことを考える想像力が養われていきます。人との関わり方や良好な人間関係を構築するのに大切な力を身につけられるでしょう。

異年齢保育を行うデメリット

遊びを楽しめない年齢の子供がでる可能性がある

年齢に合わない遊びを行うと、子ども達全員が楽しめない可能性があります。年齢によって発達の程度に差があるため、年下の子どもに合わせると年上の子どもが楽しくなかったり、年上の子どもに合わせると年下の子どもが遊びに参加できないという事態になりかねません。そのため、子ども達全員が楽しめるような遊びを用意する必要があるでしょう。

年齢差によるトラブルが起こる可能性がある

年齢が異なる子ども達が遊ぶことで、年齢差によるトラブルが起こる可能性があります。例えば、年上の子どもが年下の子どもにいじわるをしたり、おもちゃをとったりする事も。こういったことが起きると年下の子どもが楽しく遊ぶことが出来ません。そのため、保育士さんは年齢の異なる子ども同士でトラブルが起こっていないかしっかりと観察し、起こっている場合は声をかけるなどの対策が必要になってきます。

異年齢保育を行う時のポイント

年齢に合った遊びを用意する

上記にも書いたようにそれぞれの年齢に合った遊びを用意する必要があります。遊びのレベルをどちらかに合わせるのではなく、年齢ごとにルールを工夫したり、共同作業で達成する遊びを考えると良いでしょう。また、スキンシップをとれる遊びも距離が縮まるきっかけになるのでオススメです。

年齢の違いがお互いの負担にならないよう適宜フォローする

年齢の異なる子どもが一緒に遊ぶと、年上の子どもが我慢する場面がでてくるかもしれません。また、反対に年上の子どもが年下の子どものおもちゃを横取りするなど力の差で年上の子どもが悲しい思いをする場面もでてくる可能性があります。そのため、保育士さんはしっかりと子ども達を見守りその都度フォローしてあげる必要があるでしょう。その際、叱るのではなくどうしたらよいか提案してあげると子ども達が考えるきっかけになります。

安全性を保てるよう指導する

異なる年齢の子ども達が集まって遊ぶためよりいっそう安全性を確保することが大切になります。低年齢の子どもの中には、まだ指先の力が弱かったり、歩行が安定していなかったりする場合もあります。子どもたちに決まり事や注意事項を定期的に伝え、安全に活動するという意識をもってもらえるよう指導することが必要です。

異年齢保育で楽しめる遊び

しっぽとり

  1. 年上の子どもと年下の子どもでペアになり、年下の子どものズボンにしっぽになるもの(紙テープ、ハンカチ、鉢巻きなど)をはさむ
  2. スタートの合図で自由に動き回り、年上の子どもがほかの年下の子どものしっぽを取りに行く。
  3. しっぽを取られたペアは座る

ポイント

  • 年上の子は、しっぽを取られないように年下の子を守りながら動くので大変ですが、力を合わせて動くのでチームワークが生まれます。
  • 年下の子どもが転んだりけがをしないよう守ってあげることを、年上の子どもに伝えておくとよいでしょう。

スキップ鬼

  1. 鬼を決める
  2. 年上の子どもはスキップで、年下の子どもは走って逃げる
  3. 捕まったら鬼として追いかける

ポイント

  • 年上の子どもが年下の子どもよりも速く走ることができてしまうので、スキップで解消します

手つなぎ鬼

伝承遊びである手つなぎ鬼は異年齢保育でも活用できます。

  1. 年上の子どもと年下の子どもの鬼ペアを決める
  2. 追いかけてタッチされたら手をつないで鬼になる
  3. 4人まで増えたら、2人組の鬼に分裂して追いかける

ポイント

  • 年下の子どもの速さに年上の子どもが合わせてあげるよう伝えておく

じゃんけん列車

大縄跳び遊び

椅子取りゲーム・フルーツバスケット

ロンドン橋落ちた

最後に

異年齢保育を取り入れてみてはどうでしょうか?

今回は、異年齢保育について、ねらいやメリット・デメリットなどを紹介しました。異年齢保育には多くのメリットがあります。ただし、年齢に合わない遊びを行うと飽きてしまう子どもがでてきたり、力の差がでてしまったりする可能性があるため、全員が楽しめるようなアイデアを取り入れる必要があるでしょう。それらの点を工夫しながら、異年齢保育を取り入れてみてはどうでしょうか?

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