保育園で園児が友達との関わりを作るときに保育士がするべきサポート【幼児・年齢別・遊び方】

保育園は、園児たちが初めて友達との関わりを経験する場所です。家族としか関わらなかった子供たちは、同年代の子供たちと初めて出会い、関わりを築くようになります。友達という存在のことを考え、自分の行動に影響するようになります。本記事では園児の友達との関わりについて、年齢別の特徴と保育士がするべきサポートを解説。さらに、友達との関わり方を深めるために使えるゲームを多数紹介しているので、ぜひ参考にしてくださいね。

保育園での友達との関わり方は重要

保育園は友達を作る方法を学ぶ場所

保育園は、園児たちにとって同い年の人との関わりが生まれる初めてのコミュニティの場所になります。そのため、最初に過度な苦手意識を感じてしまったら、その後の成長において様々な弊害を感じながら過ごしていくことになってしまうでしょう。保育士は、園児たちにとって友達との関わりがストレスにならないような適切なサポートをする必要があります。保育園で友達との関わりが楽しいと学んで、小学校からも素敵な友達を作れるようにしてあげましょう。

保育士くらぶ

友達との関わり方の年齢別特徴

3歳児|集団遊びをするようになる

まずは、園児たちの友達との関わり方にどのような特徴があるのか、年齢ごとに見ていきます。年少さんである3歳児の子たちは、人間の発達段階では、きちんとした受け答えができる段階。そのため友達との会話はどの道具を使う?などの受け答えが成立するでしょう。また、個人遊びではなく集団遊びを始め、一人ではなく他の人と同じことをするということを経験します。まわりで複数人で遊んでいるのをみて、自分も他の人と一緒の行動をしようと思うようになるのです。

4歳児|気の合う友達を探すようになる

年中さんは、発達段階で言うと自分の気持ちを伝えられるようになり、想像力が働き始める段階。自分のやりたいことを伝え、気の合う友達を探すようになります。自分の使いたい遊び道具が使われていたら、使えないと判断するようになり、自分と同じ遊びをしているのがどの子なのか、自分がやっている遊びをしているなら一緒に、というような考えが働くのです。仲間意識が芽生え、自分のことを分かっている人であるという意識を友達に対して持つようになるでしょう。

5歳児|自分で気持ちを伝えるようになる

年長さんは、表現力と想像力だけでなく理解力や社会性が育ってくる段階。集団遊びするうえでお互いのことを考えるようになり、自分以外の存在を踏まえた態度をとるようになります。自分はこう思うけど、あの子はどうだろう?と気になるため、他の手がかりから相手の気持ちを知ろうとするでしょう。相手の思いを聞きたがり、自分と相手が良い関係になることが良いことだという意識が芽生えていき、友達との関係が徐々に深まっていきます。

保育士がするべきサポート

声かけをして子供たちのパイプ役になる

以上の年齢別の特徴を踏まえて、園児の友達との関わりをサポートするために、保育士さんがするべき役割を4つ解説します。1つ目は声かけをして、子供同士のパイプ役になることです。園児達は、自分とどの子が一緒にいるべきか、などが最初は分かりません。同じ遊びをしているという判断力と、同じ遊びをしているから一緒に遊ぶことができるという経験を経て、友達に声をかけるようになります。そのため保育士の方が、あのこも同じ遊びをしているよ、と声をかけたり、ひとりの子をグループの中に入れてあげて、子供同士のパイプ役になりましょう。

気持ちを尊重する

2つ目の役割は、子供たちの気持ちを尊重することです。全て子供たちのためだと思い込んでサポートしてあげても、子供たちにとっては無理に感じることもあるでしょう。尊重するべき部分とサポートするべき部分の境目は一概には言えませんが、しつけのように無理を強いるような接し方は控えましょう。サポートすることも大事ですが、友達との関わり上で大事なことは自分で考えるようになることなので、子供たちの気持ちを第一に考えてあげてください。

伝え方を教えてあげる

3つ目の役割は、子供たちに伝え方を教えてあげることです。子供たちは、自分の意見の伝え方や、何を伝えるべきなのかを分かっていません。仲良くしたい友達がいたり、謝りたい相手がいても、どのように声をかけるべきなのかが分からず、そのままにしてしまうことがあります。そこで、保育士の方は悩んでいそうな子がいることを感じたら声をかけてあげましょう。悩みを聞いて、どうするべきかを伝え、子供たちを助けてあげてくださいね。

子供の主体性を大事にする

4つ目の役割は、子供たちの主体性を大事にしてあげることです。子供たちの主体性とは、考えたことを元に、行動しようとすることです。保育園で様々な遊びをすることによって、物事の流れや自分のお気に入りを学び、主体性が養われていくでしょう。自分がしたいことを達成するための方法を考えて、アプローチしようとします。保育士の方は子供達がしたがっていることを聞き、「できるためには何が必要かな?」と質問しながら、子供たちの主体性を育てましょう。2つ目の気持ちを尊重することと似ていますね。

友達との関わりをつくる遊び

追いかけっこ

ここからは、園児たちが友達との関わりを作る上で便利な遊びを紹介します。1つ目は、追いかけっこです。保育園では細かいルールを決めてしまうと分かりづらいため、保育士さんが鬼になるのがおすすめ。追いかけっこで捕まえた!や見つけた!などと発言しながら遊ぶので、コミュニケーション力があがります。加えて、小走りで校庭や教室を駆け回るので運動能力も向上するでしょう。また鬼を見つけたときに鬼だという判断をしたり、自分自身がおいかけられていると認識するような判断力が身に付きます。

ダンス

2つ目の遊びはダンスです。音楽を流して、それに合わせて手拍子をしたり、手を振ったりして遊びましょう。ダンスをすると、園児たちの聴覚を鍛えられるうえ、表現力も身に付きます。子供同士のコミュニケーションは生まれづらいですが、楽しさを感じやすく、子供達と保育士さんで楽しく遊べます。体を動かすので運動神経の向上にもつながるでしょう。細かいルールもなく、走り回るスペースも必要ないので、大人数で一緒に遊ぶと時などにおすすめです。

ごろごろ遊び

3つ目の遊びはごろごろ遊びです。親子でも友達同士でもできるごろごろ遊び。寝っ転がれる場所で、ごろごろしながら遊びましょう。布団を敷いたうえで、お昼寝の時間の前などにもできる遊びです。足だけでなく体全体を動かそうとするので全身の運動神経の向上にもなるでしょう。ごろごろ遊びも頭をそれほど使わないで楽しめる簡単な遊びです。歩いたり走ったりするときには使わない部分や、上半身全体を使うので、ストレッチをしてから取り組んでくださいね。

ツミキ

4つ目の遊びはツミキです。形の組み合わせやうまく積み重ねることを目的に動こうとするので、脳の働きにもつながります。今まで紹介してきた遊びは室外でも室内でも、全身を動かしながら行う遊びでしたが、ツミキは場所を取らずに遊べます。高く積むことや、家の形に積み上げるなどの目標を立てて積み上げていくと、より想像力が養われるでしょう。ツミキは取り合いになる道具の一つなので、平等に子供たちにいきわたるように、時間を決めたりルールを作ったりして、工夫するのがおすすめです。

ごっこ遊び

5つ目の遊びはおままごとです。キッチンの道具やお店屋さんの道具を利用して、お店の店員さんや家族になりきって遊びます。ごっこ遊びの中で自分の役割を持つことで責任感が生まれ、いろんな人の役割を考えるきっかけになります。ごっこ遊びでは想像力と判断力を養えるでしょう。ツミキと同じように、道具が限られていて取り合いになる可能性が高いので、喧嘩にならないように友達の輪を作ってあげたり、道具でケガをしないように見守ってあげてくださいね。

お絵描き

6つ目の遊びはお絵描きです。お絵描きによって、表現するおもしろさを経験したり想像力の訓練をすることができます。また、色を取り入れながらお絵描き遊びすることで、色彩感覚を養います。動物や季節などをテーマにして、園児たちの作品として作るのもおすすめですよ。クレヨンや画用紙はひとりひとつ持っていることが多いので、道具の取り合いなどは起こりづらいです。しかし、人気の色などは貸し合いをすることで喧嘩の原因になりやすいので、譲り合いの気持ちを教えてあげましょう。

粘土遊び

7つ目の遊びは粘土遊びです。手を使って色んな形のものを作ることで、形の変化の学習をできます。手だけでなく色んな道具を使いながら作品を作る遊び方もできるので、どう作ったらどんなものが完成するかを考える想像力や、どの道具を使うのが最適化などの判断力も上がるでしょう。粘土があればどこでもできるので、場所を取らずに動かないまま遊ぶのにも最適です。粘土を使うときは、道具でケガをしたり、謝って口の中に入れたりしないようにきをつけましょう。

友達との関わり方で多い悩み

輪の中に入れない子がいる

園児たちが友達との関わりを作るのをサポートする中で、悩ましいポイントはいくつかあります。最後に、保育士の方に多く感じやすい悩みへの対処方法を紹介します。子供たちはある程度集団で遊ぶようになったが、輪の中に入れない子がいる場合は、同じ遊びをしている子や性格のテンションなどを見極めて、友達になりそうな子を見つけてあげてください。○○ちゃんと○○ちゃんは気が合うと思うよという伝え方をしても、園児からしたら分からないので、同じ遊びをしているから一緒に遊ぼうという形で、最初は保育士さんも含めて一緒に遊んであげるのがおすすめです。

ひとりが好きな子がいる

ほとんどの園児に友達ができ、集団で活動するようになっても、ひとりでいることを好む園児がいます。そんな時は無理に友達を作らせようとせず、ひとりの時間を過ごす姿を見守ってあげてください。友達に自分から声をかけることが出来ていない子には、保育士の方が声をかけて園児たちのパイプ役になる必要があります。一方、ひとりでいたい子に無理やり友達を作らせようとすると、恐怖心や不安感を抱いたり、トラブルの原因にもなります。クラス全体でのオリエンテーションなどの時に、全ての園児が誰かと関わる時など以外は、強制的に友達を作らせようとするのは控えましょう。

まとめ

園児に声かけをして友達との関わりを助けよう

園児たちは、友達との関わりを作るうえで、どのような行動をすればいいかなどが分かりません。最初のきっかけ作りを、声かけやグループ分けなどを通して保育士の方が積極的に行ってあげましょう。遊び始めたり最初のころは、子供たちを一緒のグループに入れたことで満足せず、遊びに参加して一緒に遊んであげるのがおすすめです。本記事で紹介した遊びで培われる能力は沢山あるので、ぜひそれらも参考にして、得意不得意を見極めながら取り入れて下さいね。

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