保育技術検定とは?メリットと難易度を解説【保育士・検定・研修】

保育技術検定を取得するか、検討している保育士の方は多くいるでしょう。保育技術検定とは、保育士にとってプラスαになる検定のひとつです。「取得したらどんなメリットがあるの?」「難易度はどのくらいなの?」と疑問に思う皆さんへ、本記事では保育技術検定についての詳細と、級ごとの難易度を徹底解説します。他にも、保育士の方がぜひ挑戦してほしい研修や検定も紹介しているので、保育士としてスキルアップしたいと思っている人はぜひ参考にしてくださいね。

保育技術検定とは

保育の現場で求められる技術の検定

最初に、保育技術検定とは、保育の現場で求められる技術に関するスキルを試す検定のことです。4級から1級までの難易度があり、それぞれ求められる技術の種類が異なります。検定内容には音楽・リズム表現技術と造形表現技術、言語表現技術・家庭看護技術があり、それぞれ具体的な技術力が問題として出題されます。保育士として必要な技術がまとまっていて、検定を通して現場での業務スキルアップに繋がる経験を得られる検定です。

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保育技術検定を受けるメリット

技術的な能力を付けられる

まずは、保育技術検定を受けるメリットを紹介します。1つ目は、技術的な能力を身に着けることです。保育技術検定の内容は、名前の通り技術に関する内容が多いです。そのため、保育実習で学んだことや経験が少ないことの復習・練習になるでしょう。検定に向けた練習を通して、おのずと経験値は上がり、検定の結果に関わらず、保育園での実践に生きる経験を積めます。検定に合格したらよりレベルの高い技術に挑戦できるようになるでしょう。

専門的な知識を付けられる

2つ目は、専門的な知識を身に着けられることです。保育技術検定では、技術を練習する過程において専門的な保育の知識を学ぶことが求められます。実技をとおして得られる気付きや自分の特性なども保育士に必要な知識のひとつ。さらに3級と4級は実技科目のみですが、2級と1級になると筆記試験が加わり、より専門的な知識の学習が必要になるでしょう。筆記試験以外の対策も教材を用いて行うので、専門的な知識を覚えながら成長できる試験になります。

応用技術を付けられる

3つ目のメリットは、応用技術を身に着けられることです。技術的な能力に加え、難易度の高い2級などでは複数の動きを組み合わせた技術力などが求められ、応用力も必要になるでしょう。造表現技術では部分的な製作物に加え、全体の完成度を考える計画力なども試されます。次の段落から、級ごとの難易度と試験内容について詳しく解説しているので、自分は何級に挑戦するべきか、考えながら参考にしてみて下さいね。

保育技術検定の難易度

4級|短文の読み聞かせができる

最も難易度の低い4級に求められる技術力は、歌唱と折り紙、童謡等短文の読み聞かせになります。制限時間は歌唱に5分、折り紙に30分。看護技術は、乳幼児のだっこ・授乳・検温などがあり、個別で2分の時間内で行います。保育士としては基本的な技術内容が多く、比較的多くの人ができる技術です。4級のレベルは簡単だという方は、最初から3級を受験してみてください。4級は一度も現場で働いたことがない人におすすめです。

3級|ピアノを演奏できる

3級の試験内容は、ピアノ演奏と歌唱、折り紙と描画、紙芝居の実演で、それぞれ5分・40分・3分の時間が設けられます。乳幼児の生活の世話の内容は衣類の着脱で、それぞれ5分の時間内に行わなくてはいけません。ピアノ演奏は練習を必須とするので、検定を受ける前に必ず練習してくださいね。一度もピアノを触ったことのない人でも、簡単な楽譜から挑戦しましょう。衣類の着脱は技術力より経験が生きるので、実践練習を積む必要があります。

2級|おむつ交換ができる

2級の試験内容は、ピアノ演奏と童謡歌唱、貼り絵と絵本の読み聞かせです。それぞれ5分・50分・3分の時間が設定されます。乳幼児の生活の世話はおむつの交換で、制限時間はそれぞれ5分。2級から筆記試験が加わるので、事前の知識を勉強する必要があります。それぞれの設定時間が3級までと比べて少し長くなり、内容の難易度もあがりますね。童謡歌唱では、童謡を覚え正しく歌唱する必要があるので、事前の準備を行いましょう。

1級|素話の創作をできる

1級の試験内容は、ピアノ演奏と童謡の弾きうたい、壁面構成、素話の創作と実演です。それぞれ5分・50分・3分の制限時間があり、乳幼児の世話はけがの手当てになります。実践練習が必須になりますが、練習自体が難しいものもあるので、正しい対応方法などの学習に力を入れましょう。壁面構成や素話の創作と実演は、その場で考えなくてはいけない内容にもなるので、時間配分の対策をして、計画的に挑んで下さいね。

保育技術検定に合格するポイント

実践練習を行う

ここからは、保育技術検定に合格するためのポイントを3つ紹介します。1つ目のコツは、実戦練習を行うことです。技術に関しての検定なため、知識を付けたり教科書を利用した対策方法よりも、実戦練習を積み重ねてテストの流れに慣れることが最も重要になりますよ。検定を受ける時は理事校の指定した会場で試験を受けることになります。緊張や慣れない環境の元で本番をこなす必要があるので、テストの流れには必ず慣れておきましょう。

タイマーで時間を計る

2つ目のコツは、タイマーで時間を計りながら練習することです。実践練習をする中で、ただ同じ流れを何度もするだけだと十分な試験対策とは言えません。タイマーを利用してより本番に寄せたシュミレーションをしましょう。時間配分を見返して、自分がテストの中で最も時間がかかる部分を理解しておくのがおすすめです。タイマーを使った練習で、試験当日に想像より時間が長く感じたり、時間の制限によって焦るような状態を予防しましょう。

撮影して見返す

3つ目のコツは、自分の実践練習の様子を撮影して見返すことです。自分の感覚や時間配分の仕方で自分の苦手な部分を理解したら、一連のテストの流れを撮影して見返してみましょう。第三者目線からの試験の様子が分かるので、気付かないうちに癖になっている部分などの課題点を見つけられます。試験はその日に初めて会う人が試験官です。自分で撮影して自分で違和感がある部分は試験官の人にとっても違和感を感じてしまうでしょう。癖を直して本番に挑みましょう。

保育士におすすめな保育技術検定以外の資格

絵本専門士

ここからは、保育技術検定の他にも保育士の皆さんにおすすめの検定を紹介します。1つ目は絵本専門士です。絵本専門士は、絵本に関する知識や、読み聞かせの技術を持った絵本の専門家であることを証明する資格です。園児や本に関する資格を持つ人が応募要件を満たしているため、全ての人が応募できる訳ではありません。エントリーシートを応募し選考を通過し、絵本専門士養成講座を受講することで、検定に合格できます。毎年講座を受けられる人は限られているので、書類選考と選考対策をしっかり行うことが重要になります。

幼児教育・保育英語検定

2つ目の検定は幼児教育・保育英語検定です。幼保英語検定と訳され、その内容は幼児教育施設において、英語でのコミュニケーション力の習得状況を知り、向上させるものです。乳幼児との会話や教育の中で実用的な英語を習得できる検定になります。4級から準1級まで難易度が分かれていて、検定の時間も難易度によって異なります。英語のレベルは準1級は大学中級程度から、4級は中学初級レベルと幅広く、自分の難易度に合わせて受験することも可能な検定です。

医療保育専門士

3つ目に紹介する検定は、医療保育専門士です。一般社団法人日本医療保育学会が認定する資格で、入院している0~18歳までの子供に、ケアを行う保育士の資格です。入院している子供たちの食事や着替えの手伝いや遊び・勉強のサポートなど、医者と看護師では対応しきれない部分のケアを行います。資格取得には最低限の医学知識が必要になり、勉強での対策は必須です。また実務経験も必要になるため、挑戦する場合は計画的に申し込みましょう。

スキルアップにつながる保育士におすすめの研修

保育士キャリアアップ研修

最後に、保育士におすすめの研修を3つ紹介します。保育士の基本的な技術に加え、個人としてのキャリアアップにも繋がるため、興味のある物はぜひ挑戦してみて下さいね。1つ目の研修は保育士キャリアアップ研修です。研修には8つの分野があり、1分野の受講時間は15時間以上になります。受講を通して保育士の昇格に繋がりやすくなるスキルを身に着けられます。初任後から中堅までの保育士さんが受講対象となっていて、新米保育士さんでも挑戦しやすい研修です。

コミュニケーション研修

続いて紹介するのはコミュニケーション研修です。子供達や保護者の方とコミュニケーションを取る機会が多い保育士の方は、円滑なコミュニケーション能力が求められます。この検定では伝えることや指紋力などのスキルを磨くことができ、不安要素や壁になりがちな保護者の人とのコミュニケーションにも活かせるでしょう。保育士ではなくても受けられる検定なので、特にコミュニケーションに関しての不安が大きい方は挑戦することをおすすめします。

障がい児研修

障がい者研修は、障がい児保育の基礎や在り方を学べます。保育園で働く上で障がいのある子供についての問題はデリケートになりがちで、子供との接し方に悩む保育士が多くいます。障がい者研修では、今まで行ってきた保育方法を見直すきっかけになり、視野を広げるいい機会になるでしょう。15時間で受けられるレッスンで、保育以外にも社会的に、活かせる学びがあります。より保育士としての幅を広げたい方や、興味を持つ方はぜひチェックしてみてくださいね。

まとめ

保育技術検定を取得して応用技術を身に着けよう

本記事では、保育技術検定について詳しく解説してきました。主に技術的なスキルが身につく検定で、難易度も様々です。検定に合格していると実際の現場で役に立つ機会が多くなるでしょう。紹介した3つのコツをおさえて実践練習を重ね、試験に挑んでくださいね。他にも、紹介した検定や研修で興味のあるものを見つけたら、ぜひ挑戦するのをおすすめします。保育士としても人としても、スキルアップをして自信を付けていきましょう。

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