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皆さんはサドベリースクールという言葉を聞いたことがありますか?聞きなれないという人も多いかもしれませんね。サドベリースクールでは、アメリカ発祥の少し変わった教育方針を採用しています。一般的な学校にはない様々な特徴がありますよ。ここでは、サドベリースクールの特徴について、メリットや問題点も含めて紹介していきます。サドベリースクールへの入学を検討している人はもちろん、サドベリースクールについて知らなかった人もぜひ参考にしてみてください。
サドベリースクールとは?
アメリカで生まれたサドベリー教育の理念を受け継ぐ学校

そもそもサドベリースクールってどんなところなの?と思っている人も多いでしょう。サドベリースクールとは、アメリカで生まれたサドベリー教育の理念を受け継ぐ学校です。サドベリー教育は、子供は本来から好奇心を持っているため、学ぶべきことは自然と自分で身に着けていく、という考えに基づいています。そのため、一般的な学校のような学習カリキュラムやクラス分けがありません。学校のルールや方針も、生徒と学校スタッフが決めていくなどの特徴があります。
サドベリースクールの特徴
授業やテストがない

サドベリースクールの特徴としては、授業やテストがないということが挙げられます。これは一般的な学校と最も異なる特徴でしょう。サドベリースクールでは、子供が自由に学べる環境というのを目指しています。授業やテストに対しては、強制的にやらされるもの、というイメージを持つ人も多いですよね。サドベリースクールでは強制的に勉強をやらせるということがありません。あくまでも子供が自主的に学びたいと思ったときに勉強できる環境なのが、サドベリースクールの特徴だと言えるでしょう。
ほとんどが自由時間

ほとんどが自由時間だというのも、サドベリースクールの特徴の1つです。サドベリースクールでは、授業やテストがないと説明しました。それでは学校にいる間は何をするの?と思った人も多いのではないでしょうか。答えとしては、生徒によって異なる、ということです。強制的に何かをやらされるということがないので、生徒は基本的に自由に時間を使うことができます。読書をしたい子は本を読むし、外で遊びたい子は遊び、ということですね。
クラスで分けられていない

サドベリースクールでは、クラス分けというものも行われません。一般的な学校では、決まった人数や学年によってクラス分けがされますよね。授業も行事も、クラス単位での参加が基本だと思います。一方で、サドベリースクールでは年齢によってクラスが分けられることはありません。全ての年齢の子供たちが、自由に関わり合うことができるのが特徴です。そもそも、みんなで行う授業や行事がほとんどないため、クラス分けの必要性がないとも言えるかもしれません。
生徒が学校運営に携わる

サドベリースクールの特徴として、生徒が学校運営に関わる、ということも挙げられます。一般的な学校でも、児童会や生徒会はありますよね。それによって生徒が学校運営に携わることはできるかもしれません。一方で、サドベリースクールにおける生徒の学校運営は、生徒会や児童会とは少し異なります。サドベリースクールでは、授業や行事がないため、教師や先生という人はいません。いるのは、先生や教師の代わりとなる学校運営スタッフです。学校の運営に関わる決定事項は、学校運営スタッフと、全ての生徒が参加するミーティングで決められるのです。学校運営に関する事柄について、生徒が全面的に関わることができるのは、サドベリースクールの特徴であると言えます。
サドベリースクールに通うメリット
子供の自主性を伸ばすことができる
サドベリースクールに通うことで、子供の自主性を伸ばすことができるでしょう。サドベリースクールでは、○○をする時間です、○○をしなさい、などというようなことはありません。ほとんど全てのことを、自由に決めて行動することができます。そのため、自分は今何をしたいのか、ということを常に考えながら行動することになります。一般的な学校では、完全な自由時間というものはあまりありませんよね。先生から言われたことを守る、先生に言われた通りにやる子が良い子とされる風潮もあります。それでは自主性が育たないのでは、という疑問を解決し得るのがサドベリースクールだと言えるでしょう。
個性を尊重した過ごし方ができる

サドベリースクールに通うことで、個性を尊重した過ごし方ができます。普通の学校では、集団行動が基本ですよね。そのため、みんなと一緒に同じような行動をすることが求められています。一方で、サドベリースクールではクラス分けも無ければ授業もありません。その時々に、それぞれがやりたいことをすることが許されているのです。特に日本の学校では、みんな同じであることを求められ子供の個性が尊重できていないのでは、という批判もありるでしょう。サドベリースクールでは、みんなと同じように行動する必要はありません。個性を伸ばしたい人にはおすすめの環境だと言えますね。
様々な年代の子供と接することができる

サドベリースクールでは、様々な年代の子供と接することができます。サドベリースクールでは、一般的な学校とは異なり年齢によってクラス分けをされることがありません。従って、違う年齢の子供たちとも自由に関わることができますよ。学校によって違いはありますが、ほとんどのサドベリースクールが対象年齢を5才~18才前後としています。小学校就学前の子供から、高校生の年代まで広く関わることができるのは、社会経験になるとも言えますね。
行動力や責任感が身に着く

サドベリースクールに通うことで、行動力や責任感が身に着くこともあります。サドベリースクールでは、ほとんどの時間を自由に過ごすことができると説明しました。そのため、何かをしたいと思ったときに、実際にそれを行動に移すことが可能ですよね。日々そのような環境で過ごすことで、自分自身で考え、行動する力が身に着くと言えるでしょう。また、自由な時間をどのように使うかだけでなく、学校運営にも全面的に関わるのがサドベリースクールの特徴です。自分たちが決めたことで自分たちの学校を作っていくので、責任感も養うことができるでしょう。
サドベリースクールに通って後悔?問題点や批判もある
十分な学力が身に着かない可能性がある

ここまでサドベリースクールに通うメリットを紹介してきましたが、サドベリースクールには問題点や批判もあります。そのうちの1つが、十分な学力が身に着かない可能性がある、ということです。サドベリースクールでは、一般的な学校のような学習カリキュラムがありません。学校にいる間は自由に過ごすことができるので、全く勉強しなくても良いのです。自主的に学びたいという意欲があり、勉強する子もいますが、中には1日中ゲームや漫画に触れるだけの子もいるでしょう。強制的に勉強させるということがない代わりに、学力の面では不安が残るかもしれません。
卒業資格を得られない

サドベリースクールの問題点の1つとして、卒業資格を得られないということが挙げられます。サドベリースクールには、一般的な学校とは異なる様々な特徴があると説明しましたよね。それらの特徴から、国からは公式の学校であると認められていません。そのため、サドベリースクールを卒業しても法的な卒業資格は得られないということになります。例えば、通常であれば高校卒業時期にあたる18才までサドベリースクールの通っていたとしても、高校卒業資格は得られないということですね。
時間管理や年功序列のルールが苦手になることも
サドベリースクールに通うことで、時間管理や年功序列のルールが苦手になるのでは、という批判もあります。サドベリースクールでは、細かく決めれられた校則も無ければ、時間割もありません。従って、決められたルールに従って行動する、という経験が十分に積めないことはあるかもしれません。また、年齢によるクラス分けや先生という立場の大人がいないため、目上の人に対する接し方などを学ぶ機会も少ないでしょう。特に日本では、時間厳守や年功序列を大切にする文化が強いので、社会に出たときに困るのでは、と危惧する人がいるのではないでしょうか。
経済的負担が大きい

サドベリースクールへの批判としては、経済的負担が大きいということも挙げられますよ。サドベリースクールの学費は高いとされています。学校によって異なるものの、大体年間50万円前後の学費がかかります。義務教育である小学校と中学校では、授業料は徴収されません。また、一般的な公立高校の学費も10万~20万です。それらと比べると、サドベリースクールに通う経済的負担は大きいと言えるでしょう。
サドベリースクールにかかる学費
地域や学校によって大きく異なる
それでは、サドベリースクールにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。サドベリースクールの学費は、地域や学校によって異なります。以下に日本にある代表的なサドベリースクールの入学金と学費をまとめました。
入学金 | 授業料 | |
サドベリースクール東京 | 550,000円 | 844,200円/年 |
札幌サドベリースクール | 65,000~85,000円 (年齢によって異なる) | 20,000円/月 (1年目のみ30,000円/月) |
湘南サドベリースクール | 50,000円 | 380,000/年 |
沖縄サドベリースクール | 10,000円 | 210,000円/年 |
日本にあるサドベリースクールの紹介
湘南サドベリースクール

ここからは、日本にあるおすすめのサドベリースクールを紹介していきます。初めに紹介するのは、神奈川にある湘南サドベリースクールです。湘南サドベリースクールの特徴としては、湘南という便利な立地にあります。東京にも近い一方で、都会からは少し離れた自然豊な場所に位置しています。古民家のリラックスできる空間が校舎なので、子供がのびのびと過ごすことができますよ。都会と田舎の良いとこ取りのサドベリースクールであると言えるでしょう。
湘南サドベリースクールについてもっと知りたい方はこちらから。
沖縄サドベリースクール

次に紹介するのは、沖縄サドベリースクールです。2009年に設立された沖縄サドベリースクールでは、沖縄ならではの自然豊かな場所で子供たちは自由に過ごすことができます。最初は校舎も方針も定まっていなかったところから、現在は5つの理念をもとに外人住宅での活動を行っています。外人住宅が校舎であるという点が、沖縄らしさを表していますね。卒業生の満足度も高いため、サドベリースクールに入学するか迷っている人にもおすすめすることができますよ。
沖縄サドベリースクールについてもっと知りたい方はこちらから。
サドベリースクール東京

最後に紹介するのは、サドベリースクール東京です。日本でも最も代表的なサドベリースクールであると言えるでしょう。そのため、全国から子供たちが集まってきます。サドベリースクールの魅力である多様性や個性を尊重できる、という点を最大限に活かせる場所であるとも言えるでしょう。首都圏でのサドベリースクールを探している人、多くの子供たちと触れ合うことを目的としている人にはおすすめのサドベリースクールです。
サドベリースクール東京についてもっと知りたい方はこちらから。
まとめ
サドベリースクールは一般的な教育とは大きく異なる点がある
ここまで、サドベリースクールの特徴や通うメリットについて紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。サドベリースクールには、一般的な学校では得ることができない様々な経験を得ることができます。普通の小学校や中学校に合わない、子供の自主性を重んじた教育を受けさせたいと考えている人にはおすすめの環境です。一方で、学力定着の面や社会的ルールを身に着ける上では不安が残る人もいるかもしれません。サドベリースクールのメリットデメリットをよく理解した上で入学を検討できると良いですね。