認定保育園とは?認可保育園やこども園との違いを説明【料金・川崎市・保育所・補助金・メリット】

「保育施設の種類が多くてよくわからない…」「どの保育園が向いているの?」そんな悩みを抱えている保育士さんはいませんか?保育施設には様々な種類があり、保育園だけでも4つに分類することができます。その中でも、認定保育園は認可保育園と認可外保育園のメリットを併せ持つ保育施設として人気ですよ。この記事では、認定保育園について、認可保育園との違いや働くメリットなどを紹介していきます。これから保育士としてどんな施設で働くか迷っている人はぜひ参考にしてみてください。

認定保育園とは

行政の基準を一部満たした保育園

認定保育園とは、行政の基準を一部満たした保育園を指します。行政は自治体ごとに、保育施設に必要であるとされる基準を定めています。施設の広さや保育士の配置人数など、項目は様々ですが、これらの基準を一部満たした施設を認定保育園と呼びますよ。認定保育園は、認可保育園よりも保育料が安い傾向にある一方で、認可外保育園よりは経営が安定していることから人気の保育施設だと言えるでしょう。意味は同じですが、認証保育園と呼ばれることもありますよ。

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保育施設の種類

保育施設には4つの種類がある

保育施設には、主に4つの種類があります。認可保育園、認定保育園、認定こども園、認可外保育園の4つです。4つも種類があることを知らなかった人もいるのではないでしょうか。行政が保育園に必要だとする基準を全て満たす認可保育園から、行政による認証を受けていない認可外保育園まで、その特徴は様々です。どの施設も保育を目的としている点に変わりはないですが、保育方針や保育料、保育士の働き方などが異なりますよ。

認定保育園と認可保育園の違い

行政が定める基準を全て満たしているか否か

認定保育園と認可保育園の最も大きな違いは、行政が定める基準を全て満たしているか否かです。児童福祉法では、保育所の面積や保育士の配置人数、衛生面など、様々な項目において適切な保育所として必要とされる基準を定めています。認可保育園はこれらの基準を全て満たした保育施設であり、国に正式に認められた保育園だと言えるでしょう。一方で、何らかの事情で満たせない基準がある場合は認定保育園と分類されます。国の基準を全て満たしているわけではないものの、自治体が独自に定める基準を満たしている施設がほとんどでしょう。そのため、安全面や信頼性は維持しつつ、運営できるのが特徴です。

保育方針の自由度

認定保育園と認可保育園には、保育方針の自由度に違いがある場合もあります。認可保育園は、国の基準を全て満たした保育施設です。そのため、保育方針も国が定めた指針に従う施設がほとんどであり、自由度の高い保育は行いにくいと言えるでしょう。一方で、認定保育園は国の認可を受けていない分、自由に保育方針を決めることができます。国が定めた基準に全て従わなくても良いからこそ、それぞれの保育所が自主的に運営することができるのですね。

認定保育園と認定こども園の違い

教育を受けさせられるか否か

認定保育園と認定こども園の違いは、保育のサービス内容に教育が含まれているかどうかです。皆さんは、そもそもこども園がどのような保育施設が知っていますか?こども園は、保育園と幼稚園の両方の特徴を併せ持つ保育施設として2006年に作られました。幼稚園は子供の教育を目的とした施設である一方、保育園は保育を目的とした施設ですよね。こども園では保育のみならず教育を行うことができるため、認定こども園でも幼児教育が行われます。一方で、認定保育園はあくまでも保育がサービスの中心であるため、教育活動には力を置いていないという違いがあります。

入園基準の厳しさ

認定保育園と認定こども園では入園基準の厳しさも異なります。認定保育園は、保育を目的としているので、親が保育を行えない場合に限って子供を入園させることができます。例えば仕事で家にいない、病気で子供の面倒を見ることができない、などの理由があるでしょう。一方で、こども園では幼児教育を希望する全ての親の子供を受け入れています。そのため、仕事や病気などの理由が無くても入園させることができますよ。

認定保育園と認可外保育園の違い

経営の安定度

認定保育園と認可外保育園の違いには、経営の安定度が挙げられます。まず、認定保育園も認可外保育園も、行政基準を満たしていない保育施設であるという点では同じです。そのため、認定保育園も認可外保育園の一種であると言えますね。一方で、完全に自由な経営方針で運営している認可外保育園と、自治体が定める基準を満たしている認定保育園では違いがあります。基準を満たしている認定保育園では、自治体からの補助金を受け取ることが可能です。そのため、補助金を受け取らずに運営を行う認可外保育園よりは、認定保育園の方が経営は安定していると言えるでしょう。

保育料の設定方法

保育料の設定方法も、認定保育園と認可外保育園の違いの1つです。認定保育園は、認可保育園ではないものの、自治体の基準を一部満たす保育施設です。そのため、自治体から補助金を受け取っている園も多くあります。一方で、完全に独自で運営を行っている認可外保育園では、補助金を受け取らずに経営している園もあります。そのような認可外保育園では、認定保育園と比べて保育料が高くなる傾向にありますよ。

認定保育園にはどんな子供が入園する?

入園条件は自治体によって異なる

それでは、認定保育園にはどのような子供が入園するのでしょうか。認定保育園は幼稚園やこども園と違って、保育を目的とした保育施設です。そのため、親が働いていたり、病気にかかっていたりなど、保育を行えないという状況が入園条件として定められていることが多いでしょう。一方で、自治体の基準を満たしている認定保育園の入園基準は様々です。それぞれの自治体によって異なるので、どのような家庭の子供が入園基準を満たすのか、各自治体に問い合わせてみるのが良いでしょう。

認定保育園で働くメリット

子供と深く関わることができる

認定保育園で働くメリットとしては、子供と深く関わることができるという点が挙げられます。行政が定める児童福祉法では、子供の定員人数が60人以上と定められています。一方、認定保育園では小規模施設を想定して、定員数が10人から20人以上と定められている場合も多くありますよ。子供の定員人数が多ければ多いほど、沢山の子供と触れ合える一方で、1人1人と関わる時間は減ってしまいます。定員が少なく定められている認定保育園では、それぞれの子供と深く関わる時間が持てると言えますね。

通勤しやすい場所にあることが多い

認定保育園で働くと、通勤がしやすいというメリットもありますよ。認定保育園は行政の基準を満たさない一方で、保護者の多様なニーズに応えるために作られた保育施設です。そのため、働く保護者がより利用しやすいように駅前に設置してあることも多いですよ。園に毎日通勤する保育士さんにとっては、保育園の場所はとても重要なポイントですよね。駅前に保育園があることで、通勤時間を短縮することもできるかもしれません。

認定保育園で働くデメリット

給与が少ない

認定保育園で働くデメリットとしては、給与が少ないということが挙げられます。認可保育園は国の基準を満たしているので、国から補助金を受け取っています。そのため、余裕を持って運営を行うことができている園がほとんどです。保育士の待遇も良いと言えるでしょう。一方で、認定保育園においては補助金を受け取っていない園、または受け取っていても十分でない園もあります。認可保育園と比べると、給与の面で待遇に違いが出る可能性もあるでしょう。

勤務時間に差があることがある

認定保育園で働くと、勤務時間が不規則になったり、残業をする必要があったりすることがあります。認定保育園の中には、国の基準とは異なる開園・閉園基準を定めているところもあります。より多くの保護者のニーズに応えるために、延長保育などを積極的に受け入れている園もあるでしょう。そのような場合、保育士の勤務時間にも差が出ることが考えられます。認可保育園よりも長い時間の勤務を求められたり、出勤時間や退勤時間が前後することが考えられますよ。

認定保育園がある自治体の紹介

川崎市

ここからは、認定保育園の制度を設けている自治体について紹介していきます。初めに紹介するのは、川崎市です。川崎市は、待機児童の解消や多様な保育ニーズに応えることを目的として、川崎認定保育園という制度を定めていますよ。川崎市の基準を満たすことで、認可外保育園でも川崎市の認定保育園として補助金等の助成金を受けながら運営を行うことができます。施設によっては土曜日保育を行っているところもあるので、様々なニーズに向き合っていると言えるでしょう。

東京都

次に紹介するのは、大都市ならではの制度がある東京都です。東京都では、他の地域とは異なる保育ニーズや、都ならではの特性に見合った施設基準を設けています。民間企業を取り入れて、事業者同士を競合させているため、保育料を抑えつつも多様な保育サービスの提供を実現することができています。13時間の開所時間が定められていたり、0歳児からの受け入れを行っていたりなど、働く保護者が利用しやすい保育環境が整っていますよ。

千葉市

千葉市では、千葉市保育ルームという認定保育園の制度が運用されています。認可外保育園のうち、市の基準を満たした施設は千葉市保育ルームと呼ばれ、保育料が軽減されることがあります。保育料の軽減対象となるのは軽減要件を見たした児童の家庭のみですが、千葉市保育ルームへはどの児童も入園することができますよ。児童の定員も10人以上とされているので、子供1人人としっかりと向き合うこともできるでしょう。

横浜市

最後に紹介するのは、横浜市です。横浜市では、横浜保育室という認定保育園の制度を取っています。原則土曜日も開所しているため、働く曜日の幅が広がるでしょう。保護者の所得に応じて保育料を減額したり、兄弟の保育料が減免されたりと、各家庭に合わせた保育料の設定が魅力です。川崎の認定保育園制度とも連携しているので、近辺での勤務を考えている保育士さんはどちらの制度も確認しておくと良いでしょう。

まとめ

認定保育園の特徴を理解して、自分にあった保育施設で働こう

ここまで、認定保育園について、認可保育園との違いや働くメリット、デメリットを紹介してきました。自治体の基準を満たしながらも、ある程度自由な運営を行える認定保育園は、認可保育園と認可外保育園のそれぞれのメリットを持つ保育施設だと言えますね。保育園には様々な種類があり、施設によって働き方も異なります。保育士さんとして働くことを考えている人は、それぞれの施設の特徴を理解して、自分に合った保育施設で働くことができると良いですね。

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