保育士が退職する際の注意点は?【伝え方・理由・書類・伝える時期】

結婚や転職など様々な理由で退職を考えている保育士さんの中には、円満な退職を望んでいる方が多いのではないでしょうか。退職理由の伝え方やタイミングなど、どのようにすればよいのか不安ですよね。そこで、この記事では、退職する前に確認すべきことや退職を伝える際のポイントなどを詳しく解説していきます。「退職理由を伝える際の注意点が知りたい」「必要な書類はなにがあるの?」このような疑問や悩みをお持ちの方は、是非参考にしてみてくださいね。

保育士が園に退職を伝える前にすることは?

園の就業規則の確認

保育士が園に退職を伝える際は、事前に園の就業規則の確認をしましょう。保育園に限ったことではなく、企業では就業規則に退職に関する決まりが定められています。

・〇日前に退職届を提出すること
・退職を希望する〇ヶ月前には退職の意志を伝えること

このように明確な期日が指定されていることがほとんどです。退職を考えている保育士は、退職の意志を伝える前に必ず就業規則を確認し、規則にのっとって準備を進めましょう。退職の申し出については法律でも定められていますよ。

退職の申し出にいて:https://jsite.mhlw.go.jp/miyagi-roudoukyoku/library/miyagi-roudoukyoku/window/img/kiso_04.pdf

上司に相談する

保育士が園に退職を伝える前に上司に相談するようにしましょう。上司に事前に相談することで、職場の状況や自身の悩みを伝えて、解決策を一緒に模索する機会を設けることができます。また、事前に相談することで、上司と話し合いながら、退職する日の決定や手続きを円滑に進めることができます。上司への相談を通じて、もし改善策が見つかれば、退職を再考するきっかけになるかもしれません。いずれにせよ、慎重に計画し、誠実な対応を心掛けることが大切ですよ。

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保育士が園に退職の意思を伝える際のポイント

まずは直属の上司に伝える

保育士が園に退職の意思を伝える際のポイントとして、まずは直属の上司に伝えるにしましょう。一般的なマナーとして、退職を伝える際はいきなり園長に伝えるのではなく、まずは直属の上司(主任保育士や副主任保育士)に伝えたほうが良いでしょう。主任保育士に退職の意志を伝えたのに園長先生に話が伝わっていない、などのすれ違いが起こる場合もあります。そのため、直属の上司に伝えた後に園長先生にも直接伝えるようにしましょう。

時間に余裕があるときに伝える

保育士が園に退職の意思を伝える際は、時間に余裕があるときに伝えるようにしましょう。なぜなら、忙しい時間帯に退職の相談をしてもうまく伝わらないことがあるからです。朝は、園児の受け入れや準備があり職員がバタバタしているので避けたほうが良いです。同様に、夕方の時間帯も園児が帰る時間のため、避けたほうが良いでしょう。退職の意思を伝える際には、業務が落ち着く時間帯を見計らって、人が少ない時に相談するようにしてくださいね。

退職の意志を明確に伝える

保育士が園に退職の意思を伝える際は、退職の意志を明確に伝えるようにしましょう。なぜなら、職場環境の改善や給料の引き上げなどを条件に引き留められることもあるからです。そうなると、退職の意思が揺らぎ、結果として退職が長引いてしまうこともあります。このようなことを避けるためにも、退職の意思を明確に伝えることが重要です。なるべく職場に迷惑をかけないためにも「後任が見つかるまで退職を待ってほしい」という相談に応じることができる場合は、応じるようにしましょう。

保育士が園に退職理由を伝える際のポイント

伝えるタイミングと相手に注意する

保育士が園に退職理由を伝える際の1つ目のポイントは、伝えるタイミングと相手に注意することです。まず、繁忙期や行事前のタイミングは避けて、できるだけ早めに伝えるのが理想です。なぜなら、繁忙期などは全職員が忙しく、落ち着いて話し合いができないからです。また、退職理由は、直属の上司や園長に伝えるようにしましょう。同僚に先に伝えると情報が不適切に広まり、職場内の雰囲気に影響を与える可能性があります。退職理由を伝える際は、直属の上司や園長が忙しくないタイミングを選ぶようにしてくださいね。適切なタイミングは主に以下の通りです。

・子どもたちがお昼寝している時間
・子どもたちが帰った後

退職理由で嘘をつかない

保育士が園に退職理由を伝える際の2つ目のポイントは、退職理由で嘘をつかないということです。なぜなら、嘘をつくことでうしろめたさを感じ、罪悪感をもった状態で退職を迎える可能性があるからです。また、本当の退職理由が人間関係や給与面というネガティブな理由だからといって、「引っ越すことになったから」などと、嘘の理由を伝えるのは控えましょう。理由として、退職後に引っ越していないことが元職場にバレて、他の園でも言いふらされたり、元職場の職員と偶然会ったりしてしまう事例が実際にあるからです。特に、保育士同士の横の繋がりが強い地域では、自らの嘘が原因で、転職活動中や就職後に悪影響を及ぼす可能性がありますよ。

ネガティブな理由はポジティブに言い換える

保育士が退職理由を伝える際の3つ目のポイントは、ネガティブな理由はポジティブに言い換えることです。上記でご説明した通り、嘘の退職理由を伝えるのはよくありませんが、直接的な表現で伝えないほうが良いこともあります。例えば、退職理由が待遇面や人間関係などのネガティブな理由の場合です。このようなネガティブな理由を直接的な表現で伝えてしまうと角が立ち、園を攻めているように受け取られてしまう可能性があるので注意してくださいね。

伝え方の例
人間関係が理由の場合
「チームワークを重視している職種にチャレンジしたいため」

待遇が理由の場合
「自分の頑張りやスキルが評価により反映される職種にチャレンジしたいため」

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保育士が退職するときに必要な書類の違いは?

退職願

退職願は、合意退職の申し入れを行う際に提出するものです。わかりやすく言えば、退職願を提出することで「やめたい」ということを伝えて、会社の承諾を得ると退職できるという方法です。一方的に辞めるのではなく、会社の同意や承諾を得てから辞めます。これはあくまで願いであり、会社が承認しない限り退職が成立しない点が特徴です。社内での雰囲気や今後の人間関係を重視する場合は、退職願を出すほうが良いでしょう。退職願を提出しても、会社が承認しない場合は、そのまま働き続ける必要があることもあります。

退職届

退職届とは、従業員が退職する意思を伝えるための文書です。退職願いとは違い、一方的な意思表示で退職の意思を伝えるものです。退職届を提出すると、会社が承認しなくても退職することができますよ。退職届は、引き止められても残る気がないときや、すでに会社側との交渉を終えている際に提出します。注意点は、退職届は原則として撤回できないということです。職場環境の改善などで退職を取り消す可能性がある場合は、退職届ではなく、退職願いを提出するのがおすすめですよ。

辞表

辞表は、公務員や役員が辞任の意思を表明する際に使用する文書です。保育士などの一般の従業員が提出する退職願や退職届とは異なり、辞表はより公式かつ権威ある立場の人物が、職務から退くための書面として使われます。また、役員が労働に従事している場合は、辞表と同時に退職届の提出を求められることもあるようです。辞表を出すのは主に次のような役職の人物です。

・代表取締役
・専務取締役
・監査役
・地方自治体に勤務する公務員

保育士が園に退職を伝えたあとの注意点

退職後の話は避ける

保育士が園に退職を伝えたあとは、退職後の話は避けるようにしましょう。退職をする理由は、転職や出産、結婚など様々です。退職を考えている方の中には、退職後の生活を楽しみにしている方も多いでしょう。しかし、退職後の生活について職場で話すことで、現在の職場で働いている同僚たちに「今の仕事に身が入っていない」と不安感や不満を抱かせてしまう可能性があります。職場の雰囲気を壊さないためにも、退職を控えている方はできるだけ業務に集中し、円満に業務を終えることが重要ですよ。

引き留められる可能性がある

保育士が園に退職を伝えたあとは、引き留められる可能性があります。園側としては、子どもや保護者から信頼されている保育士を失うのは大きな痛手です。そのため、待遇改善や勤務条件の見直しを提案されることもあるでしょう。しかし、退職の意思が固い場合は、その場で曖昧な返答をするのを避け、退職する理由をしっかりと伝え、冷静に対応することが大切です。引き留めに応じるかどうかは自身の将来を見据えて判断し、後悔のない選択をするように心がけましょう。

次の仕事を決めておく

保育士が園に退職を伝えたあとは、次の仕事を決められるように行動しましょう。退職後に収入が途絶えないようにするためにも、転職先や新たな仕事の準備を進めることが大切です。また、転職活動には時間がかかることもあるので、事前に計画を立てて希望する条件の職場を見つけることが大切です。退職した後も日常生活は続きますよね。生活するなかで収入が途絶えてしまうと、心の余裕を失う可能性があります。退職を決断する前に転職を見据えて行動し、スムーズに退職と転職ができるように心がけましょう。

保育士が退職当日までにやること

丁寧に引継ぎを行う

保育士が退職当日までにやる1つ目のことは、仕事の引継ぎです。退職後も園がスムーズに運営されるように、担当していた業務や子どもたちの情報をしっかりと後任に伝えることが大切です。引継ぎが不十分だと、他の職員に負担がかかり、子どもたちにも影響が及ぶ可能性があります。特に、責任のある役職を務めていた方は引き継ぎが重要ですよ。引継ぎの内容を整理し、文書化してマニュアルなどを作成しておくと、後任者が安心して業務を引き継ぐことができるでしょう。

担当しているクラスの子どもや保護者に挨拶をする

保育士が退職当日までにやる2つ目のことは、担当しているクラスの子どもや保護者への挨拶です。保育士の場合は、退職が決まってからすぐに伝えるのではなく、主任保育士や園長先生と相談したうえで、伝えるタイミングを決めると良いようです。子どもたちには、自分が辞めることをわかりやすく伝え、安心感を持たせることが大切です。保護者には、退職の旨とこれまでの感謝の気持ちを伝えるようにしましょう。もしも口頭で伝えるタイミングがない場合は、連絡帳やお便りなどの文章で書くと良いですよ。

退職日までは任された仕事をやりきる

保育士が退職当日までにやる3つ目のことは、退職日までは任された仕事をやりきることです。退職が決まったからといって、気を抜かず、最後まで仕事をやりきることが大切ですよ。これまで担当していた業務をきちんとこなすことで、同僚や子どもたちへの信頼を裏切ることなく、円満な退職を迎えることができます。特に、子どもたちの安全や成長に関わる仕事は最後まで手を抜かずに取り組み、感謝の気持ちをもって業務を遂行しましょう。

まとめ

伝えるタイミングや伝え方を工夫して円満退職しよう

いかがでしたか。今回は保育士さんの退職について詳しく解説していきました。保育士が退職を伝える前に、就業規則の確認や上司への相談が大切です。退職の意思を伝える際は、嘘の理由を伝えることは避けたほうが無難ですよ。また、ネガティブな理由で退職を考えている方は、この記事を参考にして、できるだけポジティブな表現で伝えられるようにしましょう。現在、退職を考えている保育士さんは、伝えるタイミングや伝え方を工夫して円満に退職できるようにしてくださいね。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/