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保育士の不足が深刻な問題になっている
現在、保育士の不足が大きな問題となっていますね。その深刻さはテレビや他のメディアでもたびたび報じられているように、今や大きな社会問題の一つになってしまいました。
では、保育士の不足はなぜ起きてしまっているのでしょうか。その原因と現状について、解説していきます。
また、どうすれば保育士不足の解消に向かえるのでしょうか。その解決策についても見ていきましょう。
保育士不足の現状
保育士が足りない!
保育士不足はいまや社会問題の一つとして認知されていますが、実際にはどれくらい不足しているのでしょうか。
厚生労働省の平成26年の発表によると、平成29年度末には約7.4万人もの保育士が不足しているとされています。
また、保育士の有効求人倍率は平成26年1月では全国平均で1.74倍となっており、この数字からも保育士の不足の甚大さが伺えるかと思います。
「潜在」している保育士
厚生労働省の調べによると、指定保育士養成施設卒業者のうち、約半数は保育所に就職していません。
また、保育士の資格を保有しながら保育士としての就職を希望しない求職者のうち、半数以上が勤務年数5年未満であり、早期離職者が多いという問題もあります。
こうした「潜在保育士」が増えていることで、保育士不足の規模が拡大しているようです。
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「待機児童」の問題
「保育園落ちた日本死ね!!!」という投稿が国会で取り上げられ、2016年のユーキャン新語・流行語大賞でトップテン入りしたことはニュースでも報じられ話題になりましたね。
この投稿の背景には待機児童問題がありますが、待機児童問題が引き起こされている大きな要因として、保育士の不足があげられます。
こうした「待機児童」問題の改善のためにも、保育士不足の解消は早急に取り組むべき課題と言えるでしょう。
保育士不足の原因
先ほどお見せしたように、保育士の資格を保有しながら保育所への就職を望まない潜在保育士の数が増えています。では、なぜ保育士になることを望まないのでしょうか。
責任の重さ
厚生労働省の調べによると、保育士資格を有しながら保育士としての就職を希望しない人の理由(就業継続に関する項目)で多かったものは、「責任の重さ・事故への不安」でした。 同項目では続いて「保護者との関係がむずかしい」「教育・研修体制への不満」という理由があげられています。
給料が低い
厚生労働省の同調査によると、職場の環境改善に関する項目では「賃金が希望と合わない」という理由がトップになっています。
厚生労働省の平成28年賃金構造基本統計調査によると、保育士(女性)の平均月額給与は221,900円となっています。またボーナスは584,200円で年収に換算すると、3,247,000円です。 (平均年齢36.3歳)
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労働環境の問題
上記のグラフを見てみても、「就業時間が希望と合わない」や「休暇が少ない・休暇がとりにくい」のように、職場の条件・環境が合わないことを理由にあげている人も多いことがわかります。特に就業時間の長さが保育士さんの仕事のつらさに直結しているようです。
賃金の問題や責任の重さと合わせると、過酷な労働環境であり、お子さんを預かる責任ある職であるにも関わらず給料が低いというように、様々な要因が複合的に合わさって保育士への就職希望者の低さにつながっていると考えられます。
まとめると
保育士不足の原因として、
- 給料が低い
- 責任が重い
- 労働環境が過酷
という点があげられます。また、保護者との関係の難しさといった保育園という環境ならではの要素など、その他様々な要因があるようです。
こういった様々な原因が複合されて、保育士さんの不足につながっています。
保育士不足の対策
なぜ、なかなか解決されないのか
ここまで、保育士不足の現状とその原因を解説してきました。保育士不足の問題が複雑でなかなか解決されないのはなぜなのでしょうか。
先に原因の項目で触れた給料の問題ですが、認可保育園の場合、保育士の給料の主なソースは補助金から成り立っているため、簡単に引き上げることができない仕組みになっています。また認可外保育園に関しては、基本的に保育料だけでまかなっています。この保育料は公的価格で決定づけられているので増額することができないというわけです。
このように、保育士の処遇改善には障壁が多々存在しています。
保育士キャリアアップ研修
保育士キャリアアップ研修とは、厚生労働省が打ち出した、保育士さんのキャリアアップの指針を定め、研修制度を見直す取り組みです。これにより、保育士さんは個人のスキルに合った給料を受けることができるようになります。
またこの制度下では、研修制度がが確立され個人のスキルアップに繋がるだけでなく、新しく副主任保育士・専門リーダー・職務分野別リーダーという役職を設けることで、各役職に就いた保育士さんにそれぞれ手当を支給する体制を築くことができます。各役職に就くための条件・待遇を下の表にまとめました。
労働環境を改善しましょう!
保育士さんが働きやすい職場環境を実現するためには、上記の保育士キャリアアップ研修のような諸制度の確立だけではなく、各保育園内での環境作りの努力も不可欠です。
まずは、現状の環境の改善から進めていきましょう。
具体的には、保育士さん同士でよくコミュニケーションをとるなどして働きやすい雰囲気作りができると、精神的負担も緩和されるはずです。相互に協力し合って離職者のでない職場を作っていきましょう。
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