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保育園の「慣らし保育」とは?
さて今回は、「慣らし保育」という制度について、解説していきます。
みなさんはこの慣らし保育についてご存じでしょうか?
言葉からなんとなく把握はしていても、その詳しい内容や特徴に関してはわからないという方もいらっしゃるかと思います。
まずはこの「慣らし保育」がどんなことを指しているかという概要と目的についてお話します。
そもそも慣らし保育とは?
慣らし保育とは、一言で言うと「本格的な保育が始まる前の時間の短い保育」のことです。
保育園に通うことになる子どもたちが長時間の集団保育に段階的に、徐々になれていくための準備期間にするという目的で行われます。
保育所によっては、育児休業期間終了時を含め、新規に保育所に入所する児童については、集団生活への適応等を目的として、通常の保育の実施よりも時間を短縮して行う、いわゆる「ならし保育」が実施されている場合がある。
参考:厚生労働省「○育児休業期間終了時における保育所入所の弾力的取扱いについて」
しかし、慣らし保育には子どもたちが保育園になれるということ以外にも目的があります。
慣らし保育期間の目的・ねらい
目的①子どもたちが保育園に慣れるため
慣らし保育の目的の第一は、先ほどもご紹介したように、子どもたちが段階的に保育園での生活に慣れるためです。
子どもたちにって保育園での生活は、未知との出会いの連続であり、不安なものです。
大好きな親御さんから長い時間は慣れて過ごすこと、保育士さんという親以外の大人と過ごすということ、さらに同じ年の他の園児たちとの集団がはじまることなど、すべてが新しい経験です。
いきなり長時間こうした新しい環境で過ごすということはかなりの負担になります。
慣らし保育はこうした子どもたちの負担を減らすことが目的のです。
目的②保護者が子どもと離れることになれるため
慣らし保育の目的として次にあげることができるのは、保護者が子どもと離れることになれるためということです。
子どもたちと同じように、親御さんたちも大切な子どもたちと長い時間離れて過ごすことは最初はなかなかなれません。
自身の目の届かないところにわが子を預けることに最初は不安を感じるでしょう。そんななかでいきなり長い時間を保育園に預けるとなると、気がかりに感じてしまう保護者の方が、徐々に慣れていくという目的も、慣らし保育にはあるのです。
また、そうした心理的な側面だけでなく、保護者のかたが、いままで家庭の中でコントロールしていた生活リズムを、保育園の時間に適応させていくことも、徐々にできるという点でも慣らし保育は効果的です。
では次に、慣らし保育の実態を見ていきましょう。
期間やスケジュールについてご紹介します。
慣らし保育の期間とスケジュール
期間は通常1週間〜1ヶ月間ほど
まず、慣らし保育の一般的な実施期間は、1週間から1カ月ほどです。
ただこれはあくまでも目安の期間であり、各保育園の方針などによって多少の違いはあるでしょう。数日間のみというケースもあります。
子どもたちの慣れの状況しだいでは、期間を延長することもあります。
子どもたちそれぞれに合わせて、保育園と保護所の方が相談しあいながら期間を決めていくのが良いでしょう。
具体的なスケジュール
続いて慣らし保育の具体的なスケジュールについて、最初の1週間の例をご紹介します。
最初の1週間のスケジュール
何日目か | 過ごす時間 | ポイント |
---|---|---|
初日〜2日目 | 9:00〜11:00 | 昼食はなし |
3,4日目 | 9:00〜11:30 | 昼食を食べるまで |
5日目 | 9:00〜15:00 | お昼寝まで | 6日目 | 夕方まで | お昼寝,遊びまで | 7日目 | 通常保育 | 通常保育 |
ポイントとなるのは、
- 昼食を始めるタイミング
- お昼寝を始めるタイミング
- いつから遊びを取り入れるか
- 通常保育にいつ移行するか
といった点です。子どもたちの様子を見ながら調整していくことになります。
また、午前までで終わりにするか、午後までにするかという視点でまず考えて、その中でどこまでできるか考えるとわかりやすいですね。
保護者の仕事復帰に関すること
慣らし保育の制度は、保護者の方にとっても重要な事項になります。
慣らし保育の期間は通常保育と違い、午前中で保育園が終わったり、期間が変則的になることがあることで、保護者の方もお仕事をお休みする必要もあるのです。入園のタイミングで仕事復帰を考えている保護者の方は特に注意が必要になります。
いずれにしても、この慣らし保育の期間については保護者の方と保育園のコミュニケーションが重要になります。
仕事復帰のタイミング
お子さんの入園タイミングでの仕事復帰を考えている保護者の方は、保育園に慣らし保育園の有無について、まず確認する必要があります。
また慣らし保育期間がある場合、重要になるのが、
- 慣らし保育の期間
- 期間中の具体的な登園時間、お迎え時間
といった時間の情報です。
特に慣らし保育期間については、仕事復帰のタイミングを判断する為にもきちんと保護者の方に伝える必要があります。
慣らし保育期間は育休延長も
慣らし保育の有るとなればその期間は育休の延長も検討する必要があるでしょう。
そうした場合は、会社に相談することになります。
会社に事前の相談が必要なことであるため、後になってから慣らし保育があることを知らなかったと決してならないように、やはり保育園との事前確認が必須です。
場合によっては保育園の慣らし保育期間に関する書面が必要となることもあります。
いずれにしても、自治体に確認しておく必要があります。
育児休業給付金については?
育児休業給付金についても、通常は入園が決まった時点で、その月から貰えなくなることが多いです。
しかし、その地域によっては慣らし保育の期間も日割りで育児休業給付金が支給される問いうケースもあるようです。
こちらも自治体への確認が必要になります。
慣らし保育期間の悩みと対処法
慣らし保育期間は保護者にとっても保育士にとっても大変なことがたくさんあります。ここでは慣らし保育期間に注意したいよくある悩みについて確認して行きます。
悩み①保護者と離れたがらない
まず挙げられるのは、子どもが保護者の方と離れたがらないということです。
保育園に登園した際に、一緒に来ていた保護者の方が帰ろうとすると、子どもが大泣きしてしまうことがあります。
子どもたちからすれば、大好きなお母さんお父さんが側にいなくなってしまうということなので悲しくて泣いてしまうことは仕方ありません。
ですから最初はなかなか泣き止まないことも覚悟して、徐々に慣れていくようサポートする姿勢が何よりも大切です。
子どもたちも、一度いなくなってしまった保護者の方が、お迎えの時間にまた来てくれて会うことができるということを理解するようになります。
悩み②食べてくれない
続いて、子どもたちが給食やおやつをなかなか食べてくれないという問題も挙げられます。
まずは子どもが食べない原因を考えてみましょう。
好き嫌いがあり、手をつけられないのかもしれません。そうした場合は、好きなものだけでもまずは食べるよに勧めましょう。最初から完食を目指さなくても大丈夫です。
また、家以外の場所で食事をしたことがなく、それに対し抵抗があるということも考えられます。こうした場合も、無理に食べさせようとするのは良くありません。食事の時間自体を嫌いになってしまうことになりかねません。
やはり食べてくれるまで辛抱強く待つ姿勢でいましょう。少しずつ、食べられるようになるよう優しくサポートしましょう。
苦手なものや最初食べることができなかったものを食べることができたら、すごい!と褒めてあげましょう。保護書の方にも伝えてあげるといいですね。
悩み③昼寝ができない
さらに、昼寝がなかなかできないということも挙げられます。
子どもたちを寝かしつける際に重要になってくるのは、いかにして安心感を与えるかということです。
具体的には、
- トントンしてあげる
- 添い寝をする
- 音楽を聞かせる
といった方法が効果的です。
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まとめ
焦らずサポートしよう
今回は、保育園での慣らし保育についてまとめました。
慣らし保育は、子どもたち、そして保護者の方が保育園になれるための準備期間として大変重要な期間です。
そして、その期間についての情報は、家庭、仕事復帰に関わることであり、保護者の方と保育園との密なコミュニケーションが必要です。
また慣らし保育の期間には、子どもたちも不安からなかなか食べてくれなかったり泣いてしまったりとうまくいかないこともたくさんあります。
重要なことは、焦らず、少しずつ慣れていくよう見守るということです。