毎年9月9日は、救急の日です。救急の日とは、救急医療や応急手当について理解を深め、いざというときの備えについて考える日です。保育園では、転倒によるすり傷や打撲、鼻血など、日々の保育の中で思わぬケガが起こることも少なくありません。突然のケガにも落ち着いて対応できるよう、普段から応急処置の方法を確認しておくことが大切。この記事では、救急の日の由来や子どもたちへの伝え方、保育園でできる取り組みをはじめ、さまざまなケガの応急処置や再発予防策についてわかりやすくご紹介します。救急の日をきっかけに、子どもたちの安全について改めて考えてみてくださいね。
毎年9月9日に制定されている救急の日とは?
救急医療や応急手当について理解を深める日

毎年9月9日は、救急の日です。「9(きゅう)9(きゅう)」の語呂合わせから名付けられ、1982年(昭和57年)に当時の厚生省によって制定されました。救急医療や救急業務について知り、いざというときに適切な対応ができるよう、救急への理解を深めることを目的としていますよ。また、9月9日を含む1週間は救急医療週間とされ、全国各地で救急医療について学べる講習会やイベントなどが開催されます。救急の日をきっかけに、身近なケガや急な体調不良への備えについて考えてみましょう。
毎日の保育、おつかれさまです
「今の園、ちょっと合わないかも」と思ったときが動きどき。まずはあなたの街にどんな園があるか、見るだけでもOKです。
救急の日を子どもにわかりやすく伝えるには?
乳児:ケガをしたときの治し方を教えてあげる
乳児には、救急の日について難しい言葉を使わず、身近なケガから伝えていくと理解しやすくなります。「9月9日は、ケガをしたときにどうしたらよいかを知る日だよ」と、簡単な言葉で知らせてみましょう。たとえば、お人形のひざに絆創膏を貼りながら、「痛いところに貼ってあげようね」と声をかけるのもおすすめです。遊びを通して応急手当の様子に触れることで、子どもたちは楽しみながら救急について学べますよ。
幼児:ケガの手当や救急車を呼ぶ場面を伝える
具体的な話を理解できるようになる幼児には、救急の日について伝えつつ、ケガをしたときの対応や救急車が必要になる場面について、一緒に考えてみるのもよいでしょう。まず「9月9日は救急の日。ケガをしたときにどうしたらよいかを知る日だよ」と伝えます。続いて、「転んで血が出たらどうする?」「具合が悪くて動けない人がいたらどうする?」など、身近な例を挙げて問いかけます。子どもたちから出た意見を受け止めながら、困ったときは自分だけで対応せず、近くの大人に知らせることを伝えていきましょう。また、職員も救急対応について学ぶ機会を設け、AEDや応急手当の方法を確認しておくと安心ですね。
救急の日に保育園でできる取り組みとは?
ケガの対処法をクイズ形式で出題する
救急の日には、ケガをしたときの対処法をクイズ形式で出題してみましょう。クイズ形式を取り入れることで、遊びのような感覚で自然に知識を身につけることができますよ。また、子どもたちが経験しやすい場面を問題にするのもポイントです。以下の問題例を参考にしてみてくださいね。
鼻血が出たときは、どうしたらいいでしょう?
A. 上を向いて、首の後ろをトントン叩く
B. 下を向いて、鼻の柔らかい部分を軽く押さえる
C. 横になって、止まるのを待つ
答えを見る
答え:B
鼻血が出たときは、座って少し前かがみになり、鼻のやわらかい部分を押さえて止血します。
転んでひざから血が出てしまいました。まずどうする?
A. 傷口を水で洗う
B. すぐに絆創膏を貼る
C. 消毒液をたっぷりかける
答えを見る
答え:A
まずは流水で傷口をやさしく洗い、汚れを落とします。出血がある場合は、清潔なガーゼなどで押さえて止血します。
具合が悪くて動けない人がいて、救急車が必要そうです。どうする?
A. 子どもだけで救急車を呼びに行く
B. 近くの大人に知らせて助けを求める
C. 何もせず、そのまま遊び続ける
答えを見る
答え:B
子ども自身で判断して対応するのではなく、近くにいる保育士などの大人に知らせることを伝えましょう。緊急時には、大人が119番通報など必要な対応を行います。
救急をテーマにした絵本を読み聞かせる
救急医療の大切さを学べる絵本を選び、読み聞かせをするのもおすすめです。絵本を通して、困っている人を助ける仕事に興味を持つきっかけになるでしょう。
- 作品名:いそげ! きゅうきゅうしゃ
- 文:竹下 文子
- 絵:鈴木 まもる
- 出版社:偕成社
- 出版日:2017年10月24日
- 内容紹介:
救急車がどのような役割を担っているのかを、子どもにもわかりやすく描いた絵本です。ケガをした人や急に具合が悪くなった人のもとへ、救急車が急いで駆けつける様子が臨場感たっぷりに描かれています。さらに、遠くの病院へ患者さんを運ぶドクターヘリも登場しますよ。
救急箱の中身を一緒に確認する

身近にある救急箱を使って、応急手当について学ぶ時間をつくるのもおすすめです。子どもたちと一緒に中身を確認しながら、「絆創膏は小さな傷を保護するために使うよ」など、それぞれの役割をわかりやすく伝えてみましょう。実際に道具を見たり触れたりすることで、応急手当の方法をより身近に感じながら、実践的に学ぶことができますよ。
以下の記事では、保育園で必要な防災グッズをご紹介しています。この機会に、救急箱とあわせて、いざというときに備えた非常用品も確認しておきましょう。
救急に携わる人たちの仕事を紹介する

救急の日は、私たちの命を守るために働く人たちの仕事について知る機会にもなります。子どもたちには「救急車が到着したあと、どんな人が助けてくれるのかな?」などと問いかけながら、救急救命士や医師、看護師の役割を紹介してみましょう。たとえば、救急救命士は救急車の中で応急処置を行い、医師は病院で診察や治療を担当します。看護師は診療のサポートや患者さんのお世話などを行っており、それぞれが力を合わせて命を支えています。仕事の流れを順番に伝えると、子どもたちも救急に関わる人たちの役割をイメージしやすくなるでしょう。
救急の日に今一度確認したい応急措置・再発予防策
擦り傷

- 傷口を流水でやさしく洗い流し、汚れを取り除く
- 傷口を殺菌消毒液で消毒し、清潔なガーゼなどで拭き取る
- 傷口を絆創膏やガーゼで保護する
-
<再発予防策>
園内の床や園庭の遊具を定期的に点検し、障害物を取り除くなど、ケガのリスクを抑えましょう。必要に応じてマットや人工芝を敷き、転倒した際の衝撃を和らげる工夫も大切です。また、子どもたちには年齢に合った遊具の使い方や安全な遊び方、走らない場所を繰り返し知らせることも重要ですよ。
切り傷
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浅い切り傷の場合
- 出血している場合は、清潔なガーゼなどを傷口に当てて止血する
- 傷口を殺菌消毒液で消毒し、絆創膏やガーゼで傷口を保護する
-
深い切り傷の場合
- ガーゼやハンカチなどを傷口に当てて、しっかり圧迫して止血する
- 可能であれば、傷口のある部分を心臓より高い位置にする
- 出血が続くなど緊急性が高い場合は、速やかに医療機関を受診する
-
<再発予防策>
園内の家具や玩具、遊具を定期的に点検し、角の保護や壊れた玩具の修繕など、安全な環境を整えることが大切です。また、「はさみは座って使う」「お友だちに向けない」など、危険な道具を使う際の約束も繰り返し伝えましょう。
鼻血

- 椅子などに座り、衣服を緩めて、少し前かがみになる
- 鼻の柔らかい部分(小鼻)を指でしっかり押さえる
- 必要に応じて、鼻の周辺を冷やす
- しばらく安静にして様子を見る
- 出血がなかなか止まらない場合や、出血量が多い場合は医療機関を受診する
-
注意点
- 上を向いたり仰向けに寝かせたりすると、血液を飲み込んで吐き気や窒息の原因になります。
- ティッシュを鼻の奥まで詰め込むと、粘膜を傷つけてさらに出血するおそれがあります。
-
<再発予防策>
鼻を強くこすったり、ぶつけたりしないよう、子どもたちにやさしく伝えておきましょう。また、鼻血が出たときに慌てないよう、日頃から落ち着いて座ることやすぐ大人に知らせることを伝えておくと安心です。
ハチ刺され・咬傷
- ハチがいる場所からすぐに離れる
- 患部を流水でしっかり洗って毒を薄め、冷やして痛みや腫れを和らげる
- 針が残っている場合は、ピンセットなどで取り除く
- 清潔なタオルや保冷剤で患部を冷やして安静にする
- 全身の症状がないか確認する
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注意点
- 患部を強くつまんで毒を絞り出そうとするのは避けましょう。かえって体内に毒を押し出してしまうおそれがあります。
- じんましん、顔や唇の腫れ、息苦しさ、嘔吐、ぐったりするなどの症状が現れた場合は、アナフィラキシーの可能性があります。すぐに119番通報するか、速やかに医療機関を受診しましょう。
-
<再発予防策>
園庭や散歩先では、ハチの巣がないか事前に確認し、草むらや木の茂みなどに不用意に近づかないようにします。ハチを見つけたときは、手で追い払ったり刺激したりせず、静かにその場から離れることも子どもたちに伝えておきましょう。
以下の記事では、戸外活動で注意したい危険な虫をご紹介しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
打撲
- タオルで包んだ保冷剤などを患部に当てて冷やす
- 無理に動かさず安静にする
- 低温やけどや凍傷などのおそれがあるため、冷やしすぎに注意する
- 時間が経っても強い痛みや腫れがある場合は、医療機関を受診する
-
<再発予防策>
室内や園庭を定期的に点検し、柱や家具の角にクッションを取り付けたり、滑りやすい場所にマットを敷いたりして、ぶつかった際の衝撃を和らげる工夫をしましょう。保育士同士で危険な場所やヒヤリハットを共有し、死角になりやすい場所にも目を配ることが大切です。
突き指・捻挫

- 流水や氷水などで20~30分間、患部を冷やす
- 低温やけどや凍傷などのおそれがあるため、冷やしすぎに注意する
- 痛みのある部分を無理に曲げたり伸ばしたりせず、安静にする
- 痛みや腫れが強い場合は医療機関を受診する
-
<再発予防策>
遊具や床を定期的に点検し、玩具やコード類など転倒につながる物を整理して、安全に動ける環境を整えましょう。サイズの合った靴を選び、外遊びの前には手首や足首を動かす準備運動を取り入れることも大切です。
骨折
- 患部に傷や出血が見られるときは、先に手当てをする
- 衣服などが患部を圧迫している場合は、無理に脱がせず、必要に応じて切り開くなどして圧迫を避ける
- 骨折が疑われる変形した部分を無理に元へ戻そうとせず、可能であれば副え木などを使って患部を固定する
- 速やかに医療機関を受診する
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<再発予防策>
転倒・転落が起こりやすい場所には安全マットを敷き、床の滑りやすさや靴の状態も確認して安全な環境を整えることが大切です。また、ケガの状況や活動の注意点は保護者とも共有し、園と家庭で一緒に再発予防に取り組みましょう。
やけど
- すぐに流水をかけて、15〜30分ほど冷やす
- 消毒液は使わず、清潔なガーゼなどでやさしく覆う
- 水ぶくれが大きい、皮膚が白くなっている、顔や関節などをやけどした場合などは、早めに医療機関を受診する
-
注意点
- 衣服が皮膚にくっついている場合は、無理に脱がせず、そのまま冷やしましょう。皮膚や水ぶくれが剥がれてしまうおそれがあります。
- 水ぶくれは菌から守る役割があるため、つぶさないように注意しましょう。
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<再発予防策>
保育室や調理室では、熱い飲み物や料理、ヤカンなどを子どもの手が届かない場所に置き、温度や取り扱いに十分注意しましょう。また、給食や食育活動などで温かい食べ物を扱う際は、子どもが触れる前に熱さを確認することも大切です。
歯のケガ

- 口の中を確認し、出血があれば、清潔なガーゼなどを当てて止血する
- 歯が欠けたり抜けたりした場合は、捨てずに保管する
- 腫れや痛みがある場合は、濡らしたタオルなどを頬の外側から当てて冷やす
- できるだけ早く歯科医院を受診する
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注意点
- 欠けた歯や抜けた歯は水道水で強く洗わず、乾燥させないよう牛乳や生理食塩水などに浸して保管しましょう。液体がない場合は、自分の舌の下に挟んで医院へ持参します。
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<再発予防策>
転倒につながる玩具やコード類を片付け、子ども用の安全な歯ブラシを選ぶなど、園と家庭の両方で環境を整えましょう。また、転倒時に手をつけるよう、ハイハイ遊びやバランス遊びなどを取り入れ、腕の力や体幹を育てていくことも重要ですよ。
以下の記事では、子どもの発達を促す療育の遊びアイデアをご紹介しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
誤飲・窒息
- 喉を押さえている(チョークサイン)、声が出せない、激しく咳き込んでいる、顔色が青白いなどの窒息のサインにいち早く気づく
- 咳ができている場合は、無理に吐かせず、咳をするよう促す
- 周囲の職員に助けを求め、119番通報を行う
- 年齢に応じた窒息時の応急処置を行う
- 誤飲で意識がはっきりしている場合は、自己判断で吐かせず、内容を確認して日本中毒情報センターなどの専門機関へ相談する
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注意点
- 乳児と幼児では適切な応急措置の方法が異なります。乳児には背部叩打法や胸部突き上げ法、1歳以上の子どもには背部叩打法や腹部突き上げ法などを行います。事前に職員間で方法を確認し、救命講習などで実際の手技を学んでおくと安心ですね。
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<再発予防策>
食事は年齢や発達に合わせて食材を小さく切ったり、柔らかく調理したりして、窒息につながるリスクを減らしましょう。また、正しい姿勢で落ち着いて食べさせ、食事中の会話や歩き回る行動にも気を配ります。誤飲防止のために、小さな玩具や部品、電池などは子どもの手の届かない場所で管理することも徹底しましょう。
まとめ
子どもたちと一緒に救急の知識を深めよう!
いかがでしたか?この記事では、救急の日に保育園でできる取り組みや、子どもたちへの伝え方、いざというときに役立つ応急処置や再発予防策についてご紹介しました。救急に関する知識は、子どもたちの安全を守るために、保育士が身につけておきたい大切なものです。日頃から安全な環境づくりを心がけながら、救急の日をきっかけに、もしものときにどうしたらよいかを子どもたちと一緒に考えてみてくださいね。






















