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2歳児の運動遊びは何をすればよいのか悩む保育士さんは多いのではないでしょうか。運動遊びは、運動能力や自我が発達してきた2歳児の心と身体を成長させるために行います。今回は、どんな運動遊びをすればよいか分からないという悩みを持つ保育士さんに向けて、2歳児と楽しめる運動遊びについてご紹介します。また、2歳児の特徴や運動遊びを行うにつれて注意するべきポイントもご紹介しますので、是非参考にしてくださいね。
2歳児の運動遊びを行うねらい
心と身体の発育
2歳児の運動遊びのねらいは心と身体の発育です。2歳児は1歳児に比べて運動能力が向上し、同時に自我が芽生え自己主張が強くなりがち。運動遊びには、そののような2歳児の特徴をうまく利用し、子どもたちの心と身体の発育させる役割があります。また、運動遊びを行うことで、楽しみながら物事に取り組む姿勢や、周りと協力しながら一緒に楽しむ姿勢なども身につけることが出来ますよ。
2歳児と楽しめる運動遊び
マット遊び
2歳児は1歳児よりも身体を動かす機会が増え、より活発な運動を行うようになります。マット遊びを行う際には、ただゴロゴロしたりハイハイしたりするだけでなく遊びにルールを加えるとよいでしょう。具体的には、マットの端から端までずれないようにゴロゴロしたり、ハイハイで競争したりなどするとよいです。マット遊びにルールを加えることで、運動能力と共に向上心を養うことが出来ますよ。
ボール遊び
ボール遊びは沢山のレパートリーがあり、運動能力の向上にとても効果的です。特にサッカーやキャッチボールなどは、走力や動くものとの距離感などを養うことが出来るためおすすめですよ。また、保育士が手で輪っかを作りゴールと見立て、そこにボールを入れる遊びを行うと、間近で子どもたちをみながら一緒に楽しむことが出来ます。ボール遊びには他にも野球や風船バレーなどもありますので、ぜひ色々な遊びを取り入れてみてください。
フラフープ遊び
フラフープは腰で回すだけでなく様々な遊び方があります。例えば、保育士がフラフープを立てて道をつくり、その輪たちをくぐるといった遊びがおすすめです。また、間隔をあけてフラフープを複数個床に置き、その輪の中から出ないようにジャンプして移動するという遊びも、楽しみながらジャンプ力を養うことができますよ。ポイントは、スタート地点とゴール地点を決めて競争形式で行うこと。そうすることで子どもたちのやる気が高まり、より楽しくフラフープ遊びを行うことが出来ます。
かくれんぼ
かくれんぼは室内でも室外でも気軽に楽しめる遊びですので、とても取り組みやすい遊びです。しかし、子どもだけが鬼をやっても見つからないときに機嫌を損ねてしまう可能性が高いため、保育士が鬼役をやってあげるとよいです。見つからないようにするにはどうしたらよいかを考える機会を与えることで、子どもたちの主体性を養うことが出来ますよ。注意点としては、危険な場所には隠れさせないように事前に伝えることです。いくら探しても見つからないということが無いように、目が届く範囲で行うようにしましょう。
おにごっこ
おにごっこは、楽しみながら運動能力を養う遊びとしてお手軽かつ有効な遊びです。普段から全力で走ることはなかなか無いですが、おにごっこのときは鬼と逃げる側はお互いに全力で走りますよね。したがって走力や脚力を養うことが出来ます。また、おにごっこで走るときは四方八方に動き回りながら走るため、身体を動かしながらコントロールする能力を養うことも出来ます。そして、仲間と協力して鬼からどう逃げるか考える過程は、子どものコミュニーケーション能力と協調性を高めるいい機会にもなりますよ。
縄跳び
2歳児が縄跳びを出来るのかと思う方もいるかもしれません。たしかにその通りで、2歳児が自分で縄跳びをすることはハードルが高いです。そのため、最初は保育士2人で縄を持ってあげて縄跳びを行うことをおすすめします。まずは低い位置で縄を左右に動かしてそれを跳んでもらい、動く縄に合わせてジャンプすることに慣れてもらいましょう。そして子どもたちが慣れてきたら自分で縄跳びをさせてみてください。はじめはなかなか跳べずに不機嫌になるかもしれませんが、縄跳びは跳べたときの達成感が大きいので諦めずに挑戦するようにサポートしてあげましょう。
サーキット遊び
サーキット遊びとは、様々な遊具や道具を組み合わせたコースを使って、それらを周回して取り組む遊びのことをいいます。サーキット遊びのメリットは、子どもたちのレベルに合わせて自由にコースを作ることが出来る点。運動能力には子どもによって差がありますから、複数コースをつくることで子どもたちは運動能力に合ったコースを選ぶことが出来ますよ。また、サーキット遊びはこれまでにご紹介した遊びを取り入れることも可能ですので、子どもたちは一度に複数の遊びを行うことが出来ます。コースをつくるときは、子どもたちが好きな遊びや興味のありそうな遊びを取り入れるとより楽しんでもらえますよ。
2歳児の特徴
運動能力が上がる
冒頭でも述べたように、2歳児は1歳児に比べて運動能力が上がります。出来るようになることの例としては、走ることや両足ジャンプ、しゃがむ、ボールを蹴るなどでしょう。今回ご紹介している運動遊びはそのような運動能力をさらに伸ばすためにあるので、普段の保育で積極的に取り入れてみてください。また、2歳児は運動能力が上がるおかげで行動範囲も広がりますので、保育士のみなさんは子どもを見失うことが無いよう気をつけましょう。
手先が器用になる
また、2歳児は手先が器用になり、身の回りのことを自分で行うようになります。例えばスプーンやフォークを上手に使えるようになったり、蛇口やドアノブをひねるといった動作が可能になります。他にもボタンの開け閉めや衣類の着脱といった自分の身の回りのことも出来るようになりますよ。1歳児のときに出来なかったことが出来るようになることで子どもたちは自信を持つので、どんどん挑戦させましょう。
主体性がみられるようになる
運動能力が上がったり手先が器用になったりすることで出来ることが増えると、子どもたちに主体性がみられるようになっていきます。これは、出来ることが増えたおかげで自信がつき、他のことも自分でやってみたいという気持ちが強くなるからだと言われています。子どもが自分からやりたいと言ったものは、安全を配慮しながらやらせてあげるとよいでしょう。また、主体性がみられるようになると同時に様々なものに好奇心を抱きます。子どもの好奇心を阻害してはいけないので「これってなに?」と質問をしてきたときは、答えられる範囲でいいので優しく答えてあげましょう。
自己主張が強くなる
2歳児になると、1歳児の頃に比べて話せる単語量が増えます。そのため、この時期は簡単ではありますが自分の意思や感情を言語化し始める時期になります。なかでも例として有名なのがイヤイヤ期。イヤイヤ期とは、2歳前後の子どもが「イヤ!ダメ!」と強い自己主張を示す時期のこと言います。そのため、運動遊びの途中で子ども同士が喧嘩をしてしまうことがあるかもしれません。その時は冷静にお互いの主張を聞き、お互いが納得する形で遊びのルールを変えるなど臨機応変に対応しましょう。この時期は身体と脳が新しいことをどんどん吸収する重要な時期です。運動遊び中に喧嘩が多かったり言うことを聞かなかったりしても、みんなが楽しめるように努力することが大切ですね。
2歳児の運動遊びは安全性を高めて行おう
安全性を確保する
2歳児の運動遊びを行う際は、必ず安全性を確保しましょう。親御さんから子どもを預かって保育をする立場としては、子どもに怪我をさせることはあってはならないことです。責任を持ち、遊びのなかに危険な箇所は無いかをよく確認してください。また、衛生面でも気をつけることが沢山あります。特にこのご時世ではアルコール消毒は必須ですし、遊具や道具の保存場所も清潔に保っておく必要があります。今一度ご自身の保育園の衛生環境を見直し、清潔な保育環境を保っていけるとよいですね。
遊具は軽くて柔らかいものを選ぶ
運動遊びに使用する遊具は軽くて柔らかいものを選びましょう。2歳児は1歳児に比べて運動能力が上がりますが、それでも身体の強度はまだまだ未熟です。とくにボール遊びを行う際は、硬いボールだと頭に当たると危険ですし、重いと思い切り蹴ったときに足を怪我してしまう恐れも。2歳児の子どもが持っても重くない重さで、軽い音でポンポンと跳ねるくらいの柔らかさのボールを使用することをおすすめします。
難易度を子どものレベルに合わせる
運動遊びにおいて難易度を子どものレベルに合わせることは安全管理のために重要なことです。運動遊びはスポーツではなく遊びですので、それぞれの遊びで難しい技をさせることは避けましょう。特にサーキット遊びでは様々な遊びを複合させることで身体を沢山動かすことが出来ますが、子どもにとって難しい種目含まれることがあるかもしれません。日頃から子どもたちが出来ることと出来ないことを探し、遊びを考える際はみんなが楽しく出来るようなものを選びましょう。
怪我をしないようにしっかり見守る
そして、運動遊びをしている間は子どもが怪我をしないようにしっかりと見守ってあげてください。遊具や環境の安全性を高めていても、子ども自身が無理をして危険な行動に出ることがあります。そのような事を防ぐためには、子どもが無理をしないように子どもによく目を配っておく必要があります。もし1人で見守ることが難しい場合は、運動遊びを行う際の保育士を増やして視野を広げましょう。また、子どもは思いもよらぬ行動を急にするため、油断をしないで常に周りを意識しておきましょう。
まとめ
2歳児が運動遊びを楽しめるよう安全面をサポートしよう
いかがでしたでしょうか。今回は2歳児の運動遊びについてご紹介すると共に、2歳児の特徴と運動遊びの注意点をまとめました。2歳児は1歳児の頃と比べて出来る遊びが増えると同時に、遊びの中で危険に晒される機会も増えます。そのため保育士は、遊ぶ環境や遊具の安全性を高めるほか、子どもが無理をして危険なことをしないように常に目を配る必要があります。2歳児は今後の発育に関わるとても重要な時期ですので、安全面に配慮して楽しく運動遊びを行えるとよいですね。今回の記事が参考になりましたら、是非取り入れてくださると幸いです。
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