保育園のプール開きはいつ?【持ち物・何歳から・遊び・ねらい・気温・コロナなど】

保育園や幼稚園では梅雨が明けて夏になるとプール開きを行います。プール遊びは子どもたちが大好きな夏の遊びの一つです。プール遊びは夏の暑さを水の冷たさ涼しさで和らげるだけでなく、子どもに水に慣れさせたり、小学校の準備ができるといったねらいがありますよ。保育士さんは子どもの体調管理やプール場の安全管理などといった準備がとても大変ですよね。今回は、保育園や幼稚園で行うプール遊びについてまとめてみました。

プール開きのねらい

水に慣れさせる

プール開きのねらいの一つとして、子どもが水に慣れることができるといったことが挙げられます。水に慣れさせるのは子どもたちのペースに合わせることが大切です。子どもたちの中には、プールや水に対して苦手意識を持っていることも。プールや水が苦手な子に対して「なんでできないの?」などといった言葉はNGです。水への抵抗感を少しずつ無くして子どもが自然とプール遊びが好きになれるように保育士さんがサポートしてあげることが大事になってきますよ。

小学校の準備ができる

子どもたちが小学校に上がるとプールの授業が必ずありますよね。保育園や幼稚園でプールに慣れておくことで子どもたちはプール場における集団行動の仕方を理解することができます。小学校へ上がったときに、みんなができている中で自分だけ泳ぐことができないと子どもは劣等感を感じてしまうかもしれません。小学校に上がる前に、水のなかで泳ぐことに対しての怖いという気持ちや苦手意識をできるだけなくしてあげたいですね。 

体力向上や運動不足の解消

最近、コロナ禍で外に出ることが少なくなり子どもの運動不足に更に拍車がかかっています。ですが、プール遊びではそんな悩みを解消することができます。プール遊びを行うことで必然と運動量が増えて、子どもの運動不足の解消につながります。身体を動かして遊ぶことで子どもの情緒も安定や身体能力の向上にもつながりますよ。また、身体能力の向上が期待できるでしょう。身体能力の向上は子供の体力アップにもつながるのでこの2点はとても大きなメリットですね。

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プール開きとプール納めの時期は?

地域によって違う

プール開きとプール納めの時期は、どちらも地域によっても違いがあります。一般的には、プール開きは気候と気温が安定する6月中旬頃におこなわれます。気温が高い地域(沖縄等)では、他の地域よりも早い5月頃にプール開きをすることもありますよ。プール納めは9月頃におこなうことが多いです。保育園や幼稚園などの規則によっても違いがありますので、自分の園のプール開きとプール納めの時期はいつなのかをきちんと確認しておきましょう。

プールは何歳から?

子どもの成長に合わせて0歳から楽しめる

プール遊びは、子どもの成長に合わせて0歳6ヶ月ごろから楽しむことができます。プールは、お座りができるようになったら始めるようにしましょう。赤ちゃんが入っても大丈夫なプールは水深が低いビニールプールです。水の量は、赤ちゃんが座った状態で腰くらいまでの水を入れて子どもの成長によって量を増やすようにしましょう。赤ちゃんは水深がわずか10cmでも溺れてしまうことがあるので水深は問題ないかを確認し、常に監視を行いながらプール遊びを行いましょう。

プール開きの遊びの例

おもちゃで遊ぶ

プール遊びのおもちゃといえば、水鉄砲や水に浮くアヒル、スーパーボール、水が出るシャワーなどたくさんの種類があります。本来ならお風呂用で使うおもちゃもプール遊びで使うのもアリでしょう。また、ペットボトルや紙パックなど耐水性の高い廃材を使えば、手作りでプール遊びに使えるおもちゃを作ることができます。作る過程から園児と楽しめるので、プール遊びがもっと楽しくなるかもしれませんよ。スーパーボールなどの小さいおもちゃは子どもが飲み込んでしまう可能性があるので扱いには注意が必要ですので気をつけましょう。

水中で宝探しゲーム

水中で行う宝探しゲームもプール遊びで子どもたちと楽しめる遊びの一つですよ。水中宝探しゲームは、プールの底におもりを沈めて園児に見つけてもらう遊びです。手作りおもちゃでつくった水中メガネを使えば、顔を水につけられない子どもでも遊べます。おもりは、子どもたちが安全安心にゲームができるように飲み込みにくいサイズと素材で素足で踏んでしまっても痛くないものを選ぶようにしましょう。

水中でリレー

大きいプールがある園では水中でリレーをしてクラスのみんなで競走を行ってみるのも楽しいですよ。リレー遊びは保育で楽しめるチーム遊びの一種としても挙げられます。リレーを行うことで、お友達と協力して一緒に達成感を味わうことができます。人間は成功体験を積み重ねていくうちに自分に対して自信がついてくるものです。子どものうちに成功体験を沢山経験することによって自己肯定感や自尊心が高まる効果も期待できるでしょう。水中リレーは遊びのルールが理解できるようになった3歳ごろから始めるのがおすすめです。リレーでは、BGMを流すことでより雰囲気が出てとても盛り上がりますよ。

プールで遊ぶ時の注意点

子どもたちの体調管理をしっかりする

まずは、子どもたちの体調管理についてです。プール遊びの計画をするときに子どもたちの体調について基準を決めておくと良いですよ。すでに園内で基準が決まっている場合も、プール遊びの計画をする度に確認し同じ認識をもっておきましょう。基準の例はこのようなものです。

  • 事前の検温や体調の基準を設ける
  • 健康チェックリストをつくり、登園前の園児の健康状態を保護者と共有する
  • 登園後も園児の体調をチェックする

安全点検をする

次に、プール遊びで使用するプールや水場の安全点検を行います。安全点検に関しても共通の基準を設け、誰が点検しても一定の安全性を保つ仕組みづくりを行いましょう。安全点検の例は以下の通りです。

  • プールサイド等に救命具を準備しているか
  • 排水口の吸い込み防止の金網・蓋は固定されているか
  • 気温・水温・水質は適切か

厚生労働省「保育所、地域型保育事業及び認可外保育施設においてプール活動・水遊びを行う場合の事故の防止について」参照

安全点検の基準を設ける際や、見直し、共有する際に必ず目を通しておきましょうね。

溺死に注意

子ども用のプールは水深が浅いものが多いですが、深さ数センチの水でも成人男性が溺死したことも過去にありました。溺死の原因の多くは、水面に顔をつけてしまい気管や肺に水が入り込むことによる窒息状態です。まだ幼い子どもは顔を水面に着水してしまうこと自体を注意する必要があります。子どもたちに少しでもおかしな動きはないか常に様子を見るようにしましょう。

子どもたちを常に監視

プール遊びでは、子どもたちの安全のために常に監視する必要があります。監視をする先生は、プールで動かなかったり沈んでいる子どもや普通と違う動きをしている子どもをみつけなければなりません。水中や底で動かない園児をみつけるのは、非常に困難です。監視についても事前に役割分担やルールを設け、担当者は子どもたちの監視のみに集中できるようにしておきましょう。

  • 監視担当者は、指導者とは別に担当する
  • 監視担当者が園児の監視を行っているときは、他の業務を頼まない
  • 十分な監視体制が確保できない場合は、プール活動の中止も選択肢とする

といったようにルールを設けるようにしましょう。

感染症予防を徹底的に

昨今流行してるコロナウイルスへの対策も忘れてはいけません。プール遊びでの、コロナウイルスの感染リスクは外遊びと同じで水を介した子どもへの感染リスクはほぼないものの感染症対策は徹底して行わなければなりません。タオルなどは共有して使わないことや子どもたちが触れるところは消毒をマメ行う、体をきちんと洗うなどといった基本的なこともしっかり行うようにしましょうね。

熱中症に注意する

プールに入ると体が冷えて、熱中症とは無関係だと思われがちです。しかし、プールに入ると普段とは違う体温調整が行われて子どもの体内に熱がこもりやすくなってしまうのです。必ず休憩時間を設けたり、水分補給をさせるといったことを行い、子どもたちが安全にプール遊びを楽しめるようにしましょう。子どもたちと休む時はなるべく日陰で休ませるようにしてくださいね。

マニュアルを作成する

プール遊びのマニュアルを作成して職員全員がいざという時に連携を取れるようにしておくと子どもに何かあった時の対応もスムーズにいくかもしれません。水のなかでは、子どもたちの安全が第一に動くことが大切です。万が一何かがあったときに連携できるようにマニュアルはしっかり用意しておきましょう。マニュアルを作成するだけでなく、読み込んでおくことも大事ですよ。

プールの水温と気温の基準は?

気温25度以上で水温22度以上が好ましい

プールで遊んでもOKな気温と水温の基準は気温が25度以上、水温が22〜30度が好ましいです。水温が21度以下だと体温が下がりやすく、体力を消耗してしまうのでこの数字が基準のようです。ただし、数値はあくまで目安の数字ですので、天候を見ながら、保育士さんたちでプール遊びを行うかを判断しましょう。風は体の熱を奪って体を冷やしてしまうので、風の強い日は避けてプール遊びを行いましょう。

プールの時の服装

子ども編

プールでの服装は、子どもはサイズはぴったりのもので素材はストレッチ加工のものがおすすめです。子どもの体にフィットするため水中でも動きやすいといったことからジャストサイズのものが適しています。また、おむつが取れてない子どもには、水遊びパンツをはかせましょう。水にぬれてもふくらまず、水の中で排泄をしてしまったときも水遊びパンツが守ってくれますよ。

保育士編

保育士さんの水着は肌の露出が少ないものが基本です。男性でも女性でも性別関係なく露出が多いものは避けるようにしましょう。露出が少ない水着の代表的なものとして、上下セパレートタイプの水着や長袖スパッツの水着などが挙げられます。また、日焼けが気になる方は水着の上にラッシュガードを着ると日焼け対策ができますよ。仕事で着ても問題ない適切な水着を選ぶようにしましょう。不安な方は周りのベテラン保育士さんに相談すると良いと思います。

まとめ

事故がないように子ども達を見守ろう!

今回は保育園や幼稚園でおこなうプール遊びについてまとめてみました。いかがでしたでしょうか。プール遊びは、楽しみながら五感を刺激したり、小学校の準備もできるといったねらいがあります。プール遊びでは、子どもたちの安全が第一です。水の事故が起きないように保育士さんは細心の注意を払って子どもたちのことを見守りましょう。子どもたちにとってプール遊びが楽しい思い出となるように保育士さんは準備を怠らずにしましょう。そして自分も子どもたちとのプール遊びを楽しめるといいですね。

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