喃語はいつから始まるの?クーイングとの違いは?【喃語の種類・例・保育】

喃語とは乳幼児が発する「アーウー」など意味を持たない言葉を指します。乳幼児は叫換から始まり、クーイング、喃語、初語、一語文の流れで言語を習得します。今回の記事では乳児の言語発達段階について詳しく紹介します。また乳児が難語を話さない理由や難語を促す方法など説明するのでぜひ参考にしてください。保育士さんや喃語がなかなか出ずに困っている保護者の方も子どもの様子と比較しながら発達段階を確認をしてみましょう。

乳児が発する喃語とは?

アーウーなどの乳児特有の発語

乳児は生後4〜5ヶ月頃に「アーウー」や「ブブブ」などの喃語を発します。 生後1〜2ヶ月頃に発するクーイングは喉を使った母音を中心とする音である一方、喃語は子音と母音が繋がった音です。月齢が高くなると自分の名前が認識できるようになったり、自分の意思を伝えるために難語を発するようになりますよ。次第に「マンマ」などの意味のある言葉が出現し、乳児の目まぐるしい成長が窺えますね。喃語は別名宇宙語と言われるくらい理解することが難しいですが、周囲の反応が乳児の成長に大きく影響します。積極的に喃語に反応をして乳児の発達を確認しましょう。

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乳児の言語発達段階

【生後0ヶ月〜】泣く

乳児の言語発達段階を紹介します。0歳児は泣くことで注意を惹き、生理的欲求や心理的欲求を周囲に伝える唯一のコミュニケーションと言えます。この要求や伝えたいことによって、乳児の泣き方に違いが出るのですが聞き分けることは非常に難しいです。そのような時は、乳児が不快を感じていないか確認しましょう。空腹を訴えているならば授乳を、おむつや衣服が汚れていたりゴムが痒い時は新しい服に交換する以外にも、部屋の温度も適切か確かめると良いですね。それでも泣き続ける場合は最終手段として寝かしつけをしましょう。乳児を抱っこしたり、落ち着く音楽をかけるなどして安心を覚えてくれると良いですね。乳児が泣く時の対応方法を詳しく記事にしているのでぜひ参考にしてください。

【生後1~2ヶ月頃】クーイング

生後1・2ヶ月頃になると「アー」「クー」など単音を伸ばした発声をします。このクーイングは乳児の機嫌が良い時に出現し、言語音の基礎になりますよ。また口や声帯などの声を出す時に使う器官が発達している証拠でもあります。乳児がクーイングをした時、乳児の目線に合わせておうむ返しや褒めるなどの反応を示してコミュニケーションを楽しみましょう。少し高い声でゆっくりと話すことを意識し、クーイングが少ない時期であっても無理に言わせないように注意をしてください。乳児のスペースに合わせて自由にクーイングを発することができる環境を作ることが大切ですね。

【生後4〜5ヶ月頃】喃語

そして生後4〜5ヶ月頃に喃語を話しますよ。生後4ヶ月頃になると首がすわったことで周囲を観察するようになります。同時に様々な物や人に興味を持つようになり、感情表現も豊かになるので泣き声や笑い声でどのような気持ちなのか判断しやすくなりますね。喃語にも段階があり、初期段階では母音が中心の発音ですが成長に連れて子音も発音できるようになる時期を遊び期と言います。乳児は口や喉を使ってどのような音が出るのか確かめています。次第に乳児は自分の名前を認識し、周囲は喃語で感情の聞き分けができるようになるので成長をたくさん感じられるでしょう。

【生後7〜9ヶ月頃】指差し

生後7〜9ヶ月頃になると乳児は指差しをします。乳児は興味を引いた物や欲しい物に対して人差し指を向けます。まだ自分の意思を言葉で伝えることができない乳児にとって指差しは、感情を共有する重要なコミュニケーションを取る道具です。道端に咲いている花や綺麗な空を見せて声かけを行うことや、おもちゃを2つ見せて選択をしてもらうことで指差しを引き出すこともできますね。他には絵本の読み聞かせを行う時に、これは車だねなど子どもと一緒に指差しを行いましょう。

【1歳頃】一語文

1歳頃になると自分の意思を伝えようと一語文を話すようになります。1歳頃に上下の唇を使い摩擦をさせて発する両唇音ができますよ。そのため「マンマ」や「パパ」、「バーバ」などパ行、バ行、マ行の音が初語になることが多いでしょう。1歳半に成ると「ワンワン」や「ニャンニャン」などの1音節や2音節を繰り返す単語を発音します。まだ二語文を話せない乳児は「ブーブー」という単語から様々な要求が込められています。車を見たいよや車に乗りたい、車のおもちゃを取ってなど様々な意味があるので、何を伝えたいのか模索しましょう。

【2歳頃】二語文

2歳頃に目的語と述語などの2つの単語から成る二語文を話し始めます。「ワンワン いる」や「マンマ ちょうだい」など一語文と比べると言葉でより多くの情報を伝えることができます。そして二語文が話せるようになると物事を知りたい気持ちが芽生え、大人になぜ?を投げかけるので応答しましょう。語彙を増やしたい時には、二語文に対して三語文で返答をしたり物と言葉を結びつけることができるように物の説明をしましょう。

【3歳〜4歳頃】重文や複文を理解する

3歳〜4歳にかけて約1700語の単語を話せるようになり、大人との会話を無理なくすることができます。また3歳〜4歳頃に重文や復文を使い始めるようになります。重文とは単文が2つ以上並列に重なった文を指し、「僕は車もトラックも好き」のように2つ以上の好きな物を相手に伝えることができます。一方で復文とは1つの単文に単文が組み込まれている文を指し、「私はパパが買ってくれた人形が宝物なの」のように補足説明を加えることができます。日常的な言葉のやり取りができるので、コミュニケーションを楽しみましょう。

喃語とクーイングの違い

唇や舌を使う発声かどうか

喃語とクーイングの違いは唇や舌を使う発声かどうかです。クーイングは乳児の機嫌が良い時に出る「アー」「クー」などの舌を使わない発音です。クーイングを通して大人とやり取りを行うため、コミュニケーション能力の発達に良い作用を及ぼします。一方喃語は唇や舌を活用するため、発音の種類が豊富になりますね。このように乳児は発達に伴い、音を作り出す口や唇、下顎などの使い方や肺から送り出す空気を調節することを覚えるようになるのです。

喃語を話さない理由は?

コミュニケーションを取りたい気持ちが湧いていない

月例ごとの乳児の発達を示す情報と比べて不安になったり喃語が少なくなったなどのお悩みを持つ保護者の方や保育士さんも少なくありません。なぜ喃語を話さないのか理由を紹介しましょう。理由に乳児との間にコミュニケーションを取る関係性が構築できていない点が挙げられます。乳児は泣いていると抱っこしてくれたり、クーイングに反応してくれるなど日常生活を通して周囲の大人に信頼を抱きます。そして乳児は、もっとやり取りをしたいという気持ちからクーイングが喃語に発展しますよ。また乳児が要求をする前に、先回りして全ての要求を満たすと意思を伝えようとする気持ちが減ります。今一度乳児がコミュニケーションをしたい気持ちが芽生える環境か確認しましょう。

発声器官や聴覚が未発達である

人間が話すために必要な下顎や身体的な基礎が未発達であると喃語の影響を与えます。また言語獲得において重要な耳が大きな役割を果たします。この耳で物音や大人の声、そして自分の声を聞くことで喃語は促されますね。そのため聴覚に問題があると自分の出した音の聞き取りが困難で、自分が発声したという感覚が薄まり発語の楽しさが軽減するでしょう。聴覚に不安があると感じた方は、乳児の耳の聞こえを検査する新生児聴覚スクリーニング検査を受けることができます。耳鼻科や耳鼻咽喉科、分娩取り扱い医療機関、助産所が実施しているのでお住まいの地域を確認しましょう。

自閉症など発達の遅れがある

自閉症スペクトラム障害などの先天性の脳の機能障害がある乳児は、喃語を含め言語発達に影響を及ぼす場合があります。主な特徴として1〜2歳頃から目がなかなか合わないや名前を呼んでも振り向かない、感情の起伏が激しいなどが挙げられます。また周囲と感情を共有することや対人関係を築くことを困難に思う傾向がありますね。しかし言語発達は個人差が大きく、周囲の大人とのやり取りが消極的であっても必ずしも発達障害であると判断を下すことはできません。そのため小児科や地域子育て支援センター、児童相談所などで専門家に相談することも良いでしょう。

喃語を促す方法

抑揚をつけて話しかける

最後に喃語を促す方法を紹介します。まずは対乳児発話と呼ばれる声かけを意識して話しましょう。対乳児発話とは乳児に話しかける時にゆっくりとしたテンポで、抑揚をつけて高い声で話しかけることです。抑揚をつけることで言葉が聞きやすく、言葉に興味を持つようになりますね。また話すときは口をしっかりと見せると、乳児は音の出し方や言葉を学ぶことができますよ。さらにアイコンタクトをして言葉を伝えると、真似をしてみようという気持ちを引き出すことができるので試してみましょう。

赤ちゃん言葉を使う

大人も難語を含めた赤ちゃん言葉を使うと、乳児の言葉への意欲や語彙力が向上します。赤ちゃん言葉は音がわかりやすく耳に馴染みやすいです。また言葉と動作や感情を結びつけて理解することに役立ちますね。乳児が興味を持っている物を見つけた時に、「ブーブー走ってるね」や「ニャンニャン小さいね」と話しかけましょう。やり取り以外にも乳児は歌や大人の会話から、言葉をたくさん吸収しますね。正しい発音も大切ですが、言葉を発したいという気持ちやコミュニケーションの楽しさを知ってもらいましょう。

口の動きを鍛える

喃語を話す上で舌やあごの筋力を鍛えることは重要です。この舌やあごの筋力は食事を通して鍛えることができますね。生後6カ月前後から始まる離乳食を利用して、噛む回数が多くなるような食材を選ぶなど工夫を施しましょう。また歯固めを使って噛む練習をすることもお勧めです。歯固めとは乳児の歯を刺激して歯を丈夫にする道具ですね。また乳児がなんでも口に含んでしまう歯ぐずりを防止する効果もありますよ。人気な歯固めをピックアップしたのでぜひ参考にしてください。

絵本の読み聞かせや手遊びを行う

絵本の読み聞かせや手遊びが喃語を促す上で効果的です。絵本の読み聞かせで言語に触れることで、言語力の上昇が期待できます。まだ言葉の意味を理解できなくともたくさんの言葉を聞くことは言語発達に良い影響を与えるでしょう。絵本の読み聞かせを行う時は子どものペースに合わせて、顔をみながら話すことを意識すると良いですね。また歌を通して言葉に興味を持つことがあるので、手遊びもぜひ取り入れたいところです。簡単でリズムが取りやすい手遊びを楽しんでもらいましょう。

まとめ

喃語は乳児が話そうとしている発達の証です

喃語は周囲の人とやり取りをしたい気持ちから発声されるので、発達の証と言えます。また唇や舌を使った音を楽しみながら、一語文や二語文など次の段階に進めるよう声かけや歌などの工夫をしましょう。日常生活から多くの言葉を吸収する乳児の成長は目を張るものがありますよ。また言語発達は個人差が大きいため、発達を見守ることも大切ですね。ぜひ本文で紹介した方法を用いて、乳児と喃語でやり取りをすることを楽しみましょう。

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