ASDとは?症状や原因、ADHDとの違いについても紹介!【チェックリスト・診断テスト・苦手なこと・子供・大人・アスペルガー症候群】

皆さんはASDという言葉を聞いたことがありますか?ASDとは、発達障害の1つである自閉症を指す言葉です。多動症という言葉なら聞いたことがある、という人も多いかもしれませんね。ここではASDについて、具体的な症状や特徴について説明していきます。ASDの子が苦手なことや得意なことについても紹介していくので、ASDの子と接する機会がある人はぜひ参考にしてみてください。

ASDとは

自閉症スペクトラム障害・アスペルガー症候群のこと

ASDとは、Autism Spectrum Disorderの略で、日本語では自閉症スペクトラム障害といいます。簡単に自閉症と略される場合も多いですね。発達障害の1つとして、症状を持つ人が多い障害でもあります。社会的なコミュニケーションを取ることが苦手であったり、こだわりが強いなどの特徴が挙げられます。以前はアスペルガー症候群と呼ばれることもありました。子供に限らず、大人にもASDの症状がある人はいます。

ADHDとの違い

ASDとよく似た言葉として、ADHDというものがあります。何が違うの?と混乱してしまう人も多いですよね。ADHDとは、注意欠如・多動性障害のことを指します。多動症と略されることも多いでしょう。ASDと同様に発達障害の1つですが、症状や特徴は少しずつ異なります。ASDとされる自閉症は、対人コミュニケーションが苦手だったり、こだわりが強かったりなどの特徴がありますよね。一方で、ADHDでは、物事を順序立てて考えることが苦手だったり、衝動的な行動を起こしやすいなどといった特徴が挙げられるでしょう。

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ASDの症状

言葉の遅れ

ASDの特徴として初めに挙げられるのが、言葉の遅れです。一般的に、子供は2歳頃から使える単語が増え、3歳頃には大人ともコミュニケーションが取れるようになります。2歳~3歳になっても簡単な言葉が通じなかったり、日常のコミュニケーションに支障が出る場合は言葉に遅れがあると考えられるでしょう。また、言葉を話すことはできても注意が必要な場合もあります。一方的にまくし立てるような話し方だったり、会話の背景やニュアンスが上手く読み取れなかったりする場合は、言葉の遅れを疑ってみましょう。

感覚過敏

ASDの症状としては、感覚過敏も挙げられますよ。ASDの障害がある人の多くが感覚過敏の症状を持っています。光や音、匂いなどに敏感であるために脳が疲労してしまうのです。普通よりも強い匂いや光、大きい音を常に感じている状態を想像してみてください。普段の生活を送るだけでも支障が出てきてしまいますよね。感覚過敏だからといって必ずしもASDとは言えないですが、特徴の1つとしては覚えておくと良いでしょう。

反復行動

ASDの子は、反復行動を好む傾向にあります。反復行動とは、一見意味の無いように思える行動を繰り返し行うことです。例としては、くるくる回る、ぴょんぴょん飛び跳ねる、といったことが挙げられるでしょう。こだわりの強さから決まった行動を好むため、同じ行動パターンから抜け出しにくいこともあるようです。また、言葉の遅れから、自分の伝えたいことを伝える手段として反復行動を行っているとも考えられます。

オウム返し

ASDの場合、オウム返しの症状もあります。オウム返しとは、相手の言った言葉をそのまま繰り返してしまう症状のことです。それでは会話が成り立たず、コミュニケーションが上手く取れませんよね。オウム返しの原因としては、言葉の遅れによって相手の言っていることがよく分かっていないことが考えられるでしょう。また、相手の言っていることがわかっても、答え方が分からない場合も考えられます。オウム返しは、大人のASDの人にもよくある症状ですよ。

ASDの特徴はいつから出始める?

幼児期に気づく場合と大人になってから気づく場合がある

それでは、ASDの症状はいつ頃から出始めるのでしょうか。早い場合だと、2歳から3歳ごろに気づく場合もあります。症状の1例として紹介した言葉の遅れが目立つ場合などは、その時期に気づきやすいとも言えますね。一方で、子供の時には診断を受けずに、大人になってからASDの診断を受ける場合もあります。ASDと一言で言っても、症状の種類や程度は人それぞれです。気になる点があっても、周りの大人が特に気にしていない場合、大人になるまで診断を受けないケースもあるようですよ。

ASDの原因

遺伝的な要因で発症する

ASDは、遺伝的な要因で発症する障害だとされています。生まれつきの障害のため、育て方や生まれた後の環境は関係がありません。また、1つの遺伝的要因ではなく、遺伝子や妊娠期の胎内の状態も影響しているとされています。そのため、兄弟や子孫に必ずしも遺伝する障害だと言いきれないのも特徴です。稀に、子供がASDなのは親のせいだと考える人もいますが、親のせいではないことは理解しておきましょう。

ASDの子が苦手なこと

友達を作ること

ASDの子が苦手なことの1つとして、友達作りが挙げられます。友達を作るためには、相手の表情や話し方から気持ちを読み取ったり、その場に応じた振る舞いをることが求められますよね。ASDの子は、それらのコミュニケーション力が上手く備わっていない場合があります。また、他人への興味が極端に低い場合も少なくありません。幼稚園や保育園で、友達が作りにくいのはASDの症状が影響しているとも考えられます。

感情を共有すること

ASDの子は、感情の共有が苦手は場合が多いです。一般的に、特に教えることをしなくても、子供は感情の共有を自然と行うようになります。例えば、その日に保育園であったことを報告したり、悩みを相談したりすることがありますよね。しかし、ASDの場合はそれらを自然に行えないことがあります。相手の感情を読み取ることが苦手なのと同時に、自分の感情や思いを伝えることも苦手だからです。自分の考えや感じていることを上手く整理できなかったり、伝える言葉が上手く出てこなかったり、といった原因が考えられるでしょう。

集団行動をすること

集団行動は、ASDの子が苦手なことの1つです。集団行動では、みんなに合わせて同じことをする必要があります。時には自分のやりたいことや意見を我慢する必要もありますよね。一方、ASDの子は自分の行動や考えにこだわりが強い子が多いです。そのため、自分のペースをみんなに合わせることも苦手な子が多いと言えるでしょう。保育園や幼稚園では、みんなで行動する場面も沢山あるでしょう。そのようなときに、ASDの症状によって上手くみんなと合わせられないこともあるかもしれません。

ASDの子が得意なこと

高い集中力

ここまでASDの子が苦手なことを紹介してきました。しかし、ASDの子には他の子に比べて得意なこともあります。その中の1つが高い集中力です。ASDの子の特徴として、こだわりが強いということが挙げられますよね。こだわりが強いということは、自分が好きなことや興味のあることについては高い集中力で取り組めるということが考えられるでしょう。ASDの子が何にこだわりを持っているのかを理解することで、集中力を生かした取り組みが行えるようになりますよ。

ルールをしっかり守る

ASDの場合、ルールをよく守れる子が多いです。ASDの子は、あらかじめ決められていることを行うことに対しては抵抗を感じないことが多いからです。一般的な子供の場合、たまには普段と違うことをしてみたくなったりすることもありますよね。一方、ASDの子は普段と違う状況を嫌う傾向にあります。もともと決められているルールを守ることにおいては、他の子よりも優れていることがありますよ。

自分のこだわりを持つ

ASDの子が得意なこととして、こだわりを強く持つということが挙げられます。ASDの子が持つ特徴として、何度も説明してきたことの1つですよね。こだわりが強いというのは、柔軟な行動や臨機応変な対応については、マイナスに働くこともあります。一方で、何か物事をやり遂げたり、人とは違うことを成し遂げるためにはこだわりの強さは重要です。ASDの子が持つこだわりの強さは、捉え方によっては長所になるということがわかりますね。

ASDが疑われる場合の対応方法

診断テストを受けてみる

ASDかどうか疑う行動があった場合は、診断テストを受けてみることをおすめします。一番気軽に確認できるのは、ネット上の診断テストです。項目ごとにチェックしていくだけで、簡易的な診断ができますよ。より詳しい診断を受けたい場合は、専門機関を受診しましょう。普段の子供の様子を詳しく伝えることで、信頼性のある診断をしてもらうことができます。ASDだと思ってたけど実は違った、ということもあるので、最終的な判断は専門機関に行くことをおすすめします。

生活しやすい環境を整える

ASDだと疑われる場合は、生活環境を整えることも大切です。上記で説明した通り、ASDの子には普通とは異なる症状が見られます。そのため、それらの症状に合わせた生活環境を整える必要があるでしょう。例えば、子どもが行動しやすいように毎日のルーティンを決めたり、生活におけるルールを明確にしたり、などということが考えられます。言葉の遅れを理解して接することも大切ですね。生活環境を整えることで、ASDの子が必要以上にストレスを感じることを減らすことができますよ

療育に通う

ASDが疑われる場合は、療育に通うのもおすすめです。ASDだと診断されてからはもちろん、疑いがある状態でも療育に通うことはできます。施設の担当者に状況を説明して、通所許可をもらいましょう。療育施設では、それぞれの子供が持つ障害に合わせた支援を受けることができます。新たなコミュニティに参加することで、交友の輪が広がるというメリットもありますよ。いきなり通わせるのが心配な場合は、一度見学に行ってみるのも良いですね。

まとめ

ASDの特徴を理解して対応しよう

ここまで、ASDの特徴や症状、原因について説明してきました。発達障害の1つであるASDには、一般的な子供と比べて様々な特徴があります。症状によって苦手なこともありますが、その分得意なこともありますよ。ASDの特徴を理解して接することで、症状が緩和される場合もあります。障害が疑われる場合は早めに診断テストを受けてみましょう。ASDについての理解を深めて、適切な対応ができると良いですね。

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