習字を保育に取り入れよう!年齢別の楽しみ方を紹介!【ねらい・お手本・漢字・幼稚園・ひらがな・洗い方】

学校の長期休暇の課題や人気の習い事としておなじみの習字。保育園でも習字を行いたいと考える一方で、取り入れ方に悩む保育士の方も多いのではないでしょうか。なにしろ保育園に通うのは文字の読み書きができない子供たちや、文字を読み書きし始めたばかりの子供たち。習字を本格的に行うのは難しいといえます。加えて幼い子供たちが習字を行うにあたっては、汚れや墨汁の誤飲といった心配も伴いますよね。しかしながら工夫次第では、保育園の子供たちにも習字を楽しんでもらうことが出来ます。保育園での習字の楽しみ方を年齢別に紹介していきますので、ぜひ参考にしてくださいね。

保育園・幼稚園での習字の教え方

習字の講師を呼ぶ

年長さんクラスさんの場合は、外部から講師を呼ぶのも一つの手。実際に外部講師から習字を行うことを恒例としている園もありますよ。そして外部講師を呼ぶメリットは、本格的な習字が体験できること。講師の方の所作や作品から、子供たちは多くのことを学びとることでしょう。一方講師を呼ぶ場合には、下準備が必要なことや費用がかかってしまうことが難点。前もって予定を決めておき、余裕をもって準備を行いましょう。また幼児期の子供を受け入れている習字教室は多くありますので、そちらから講師を呼ぶのがおすすめですよ。

習字が得意な保育士さんを中心に行う

習字や書道を習っていた経験のある保育士さんがいる場合、その保育士さんを中心に計画を立てることができます。日々子供たちと接する保育士さんならではのアイデアや工夫を提案してもらいましょう。一方習字や書道の経験がある保育士さんがいない場合も、保育園で習字を楽しむことは充分可能です。下記で紹介する楽しみ方を参考にして、講師の方に習うことが難しい幼い子供たちにも習字を楽しんでもらいましょう。

保育士くらぶ

乳幼児向け習字の楽しみ方

手形を付けて遊ぶ【0~1歳児】

0歳から1歳の子供は、手形をつけて楽しむのがおすすめ。まだ筆を持つことも、文字を読み書きすることも難しい0歳から1歳の子供たち。習字の概念に囚われず、半紙や墨汁といった習字の道具に親しむことから始めてもらいましょう。手に墨汁を付けて半紙に張り付けるだけで、立派なアートが出来上がりますよ。また子供たちには、順番交代で手形を付けてもらうのがいいでしょう。手形をつけるのを補助する保育士さん、墨をふき取る保育士さんといったように担当分けをして行うのがおすすめですよ。

指でなぞる【1~3歳児】

1歳から2歳の子供たちは、お手本を指でなぞって遊んでもらいましょう。なぞって楽しむことで、見本を真似する習字の基礎を身に着けてもらうことが出来ますよ。最終的にお手本をなぞることを目標とし、初めのうちは指を使って自由に書くことを楽しんでもらいましょう。お手本は丸や三角といった図形や、簡単な文字を題材にしたものを用意するのがおすすめですよ。また子供たちに上からなぞってもらうため、文字が縁取りされた見本を用意するのがおすすめです。

ひらがな【3~4歳児】

3歳から4歳の子供たちには、いよいよ筆を使って書くことに挑戦してもらいましょう。この際、初めに筆を使う上での注意事項を伝えておくのがポイントです。筆の先を友達に向けたり、半紙以外の場所に書いたりしないよう呼びかけましょう。練習は、筆で線を引いたり図形を書いたりすることからスタートするのがおすすめです。そして筆で書くことに慣れてきたら、ひらがなを書いてもらいましょう。ひらがなのお手本は種類をいくつか用意して、子供たちに選んでもらうようにすると楽しみの幅が広がりますよ。

簡単な漢字【4~5歳児】

文字を書いたり読んだりすることが段々と上手になってくる4歳から5歳頃の子供たち。この年齢の子供たちには、簡単な漢字を書くことに挑戦してもらいましょう。画数の少ない漢字や、名前に入っている漢字などを題材にするのがおすすめですよ。筆遣いに慣れてきたら、難易度の高い漢字に挑戦してもらうのもいいですね。また4~5歳は、小学校入学を控える年齢。習字の授業の前準備として、正しい道具の使い方等を知ってもらうのがいいでしょう。

汚れが心配な場合はこんな楽しみ方も!

水かき習字

保育園で行う習字の懸念点は、なんといっても服や床の汚れ。こういった汚れの心配をせずに習字を楽しみたい場合は、水かき習字がおすすめです。水かき習字は、その名の通り墨汁の代わりに水を使って行う習字。水で色が変わる特別な半紙を使用して行いますよ。一方で水かき習字を行う際、半紙の他に特別な道具を用意する必要はありません。市販の道具を使用して、普通の習字同様に楽しむことができます。また水かき習字用の半紙は、100円均一で手に入れることができますよ。

保育園・幼稚園で習字を行う際の準備

1.遊び方を決める

初めに、子供の年齢に合わせて習字の楽しみ方を決めておきましょう。遊び方に悩んだ際には、上記で紹介した年齢別の習字の楽しみ方をぜひ参考にしてくださいね。また幼児向けの習字の教え方をまとめた動画もあげられていますので、そちらを参考にするもいいでしょう。加えて年長さんの場合は、先程紹介したように外部講師を呼んで教えてもらう選択肢もありますよ。

2.道具を用意する

次に習字道具を用意します。習字を行う際の基本的な道具は以下のようになっていますが、習字の楽しみ方によって必要な道具は大きく異なります。人数によって必要な道具の量も変わってきますので、事前に計算しておきましょう。床や机に新聞を敷くなど、汚れ対策も忘れずに。また外部講師を呼ぶ場合は、道具や机の配置といった事前準備について詳しく聞いておく必要がありますよ。

習字に必要な道具
・筆
・墨汁
・硯
・半紙
・文鎮
・筆置き
・下敷き

3.保護者に連絡する

墨で習字を行う場合、汚れてもいい服は必ず用意してもらう必要があります。習字を行う日程や、その他の必要な持ち物と合わせて保護者の方にに連絡をしておきましょう。余裕をもって1ヶ月前までに一回、そして直前にも一回呼び掛けるのが理想です。前の月のおたよりでトピックとしてまとめるのもおすすめですよ。加えて習字を行った後にも保護者への連絡を行うといいでしょう。子供たちの作品を掲示して写真にとったものなどをおたより等で共有すると、保護者の方に喜ばれますよ。

保育園・幼稚園で習字を行う時の注意点

墨汁の誤飲に注意

墨汁は舐める程度の誤飲ではほとんど無害ですが、大量に飲んでしまうと身体に害を及ぼす可能性があり危険です。特に小さい子供たちは気付かぬうちに飲んでしまう可能性が高いため、墨汁を使う際は保育士の方の目を離さないようにしましょう。

墨汁を飲んでしまったら… 少量の場合は、水か牛乳を飲ませて吐かせましょう。10ml以上の誤飲と考えられる場合は、病院での対応が必要です。

保育園・幼稚園で習字を行う際のポイント

礼儀作法にも注目する

綺麗な字を書くことだけではなく、和の習い事ならではの礼儀作法も同時に学んでもらいましょう。習字の時間の始めと終わりには、よろしくお願いします、ありがとうございましたの挨拶を行うこと。加えて道具を大切に扱うことや姿勢を正すことなど、習字における礼儀作法は幼い子供たちにも身に付けることができるものばかりです。挨拶など、当たり前だからこそなかなか注目する機会がない礼儀作法。習字を行うなかで、子供たちに正しい礼儀作法を学んでもらいましょう。

乳幼児時期に行う習字の効果とねらい

集中力を高める

綺麗な作品に仕上げるためには、一筆ずつ丁寧に書き進めることが必要不可欠。こうした習字の過程を経験してもらうなかで、子供たちの集中力を養うことができますよ。加えて落ち着きが出てくる年長さんの場合は静かに行うよう呼び掛け、より集中力を高めることを目指しましょう。一方保育園には集中を保つことが難しい子供もいます。そういった子供たちには集中するように注意するよりも、綺麗な字が書けるかな?などのモチベーションを高める声かけを行う方が効果的です。文字を書くことに意識が向けば、集中力は自然と養われますよ。

文字に親しむ

習字を行うことによって、子供たちに文字への親しみを持ってもらうこともできますよ。テレビや絵本などを通して日々たくさんの文字に触れている子供たち。一方で一つの文字をじっと見つめる機会はあまりないですよね。習字を通して文字にじっくり向き合うことで、漢字のかっこよさ、ひらがなの柔らかさといった文字そのものの美しさを堪能することができます。加えて文字は、意図を伝達するための記号としての役割を持っています。この機会に文字の意味や成り立ちに注目してみるのもいいですね。

日本文化に触れる

保育園で習字を行うことで、幼いうちから日本文化に触れてもらうことができます。室町時代から楽しまれている習字は、茶道や生け花、そしてそろばんなどに並ぶ伝統的な日本文化の一つ。また習字は海外からの人気も高く、海外の方と接する際の話題になることも多いようです。一方私たちの生活の多くは西洋化され、日本文化に親しむ機会は以前より少なくなっていますよね。保育園の子供たちが日本と海外、といった境を意識することは難しいかもしれませんが、幼いうちから日本文化に触れられることは貴重な体験になること間違いなしですよ。

習字に興味を持つ

習字に興味を持ってもらうことも、保育園で習字を行うねらいの一つです。特に文字に興味が出てくる年中さんや年長さんは、習字にも興味を持ってもらえる可能性が高いでしょう。加えて力の少ない子供たちは、鉛筆よりも筆の方が扱いやすい場合があります。こういった側面からも、習字は子供たちの目に魅力的に映ることでしょう。スマートフォンが普及した現代ですが、習字は今もなお人気の習い事の一つ。保護者にも共有し、興味を持った子供たちには習い事の選択肢に入れてもらうのがいいでしょう。

まとめ

保育園で子供たちと習字を楽しもう!

今回の記事では子供の年齢に合わせた習字の楽しみ方や、保育園で行う習字のねらいを紹介しました。小学校の入学準備や、日本文化に親しむための時間としてぜひ保育に取り入れてみてくださいね。また汚れが気になる場合は、紹介した水かき習字のセットを使った汚れない習字もおすすめですよ。加えて習字は本来見本通りの字を書くのが目的ですが、保育園の子供たちにはあまり固くならず自由に行ってもらういましょう。子供たちの個性あふれる作品が楽しめますよ!

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