療育におすすめのカードゲームを紹介します!【効果・種類・おすすめ・ナンジャモンジャ・キャプテンリノ・イチゴリラ】

皆さんは、カードゲームやボードゲームなどのアナログゲームが、療育に有効であることをご存じですか?この記事では、療育でカードゲームを用いた際の効果や、実際に現場で使用されているカードゲームなどを詳しく解説していきます。

「カードゲームの種類が多すぎてどれを選べばいいかわからない」

「カードゲームって療育に効果的なの?」

このような悩みをお持ちの方は、是非参考にしてみてくださいね。

カードゲームとは?

カードを使ってするゲームの総称

カードゲームとは、広義ではカードを使って行うゲームの総称です。トランプを使ったゲームが一般的ですが、花札やUNOなど、さまざまな種類があります。カードゲームは、運や戦略、記憶力などさまざまな要素が絡み合い、勝敗が決まります。ゲームを通してコミュニケーション能力や集中力、問題解決能力などを向上させる効果が期待できるでしょう。ルールが簡単なものから複雑なものまで、さまざまな種類があるので、療育に使用する際は、子どもに合ったカードゲームを選ぶことが重要です。

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療育でカードゲームを用いた際の効果

コミュニケーション能力が向上する

療育でカードゲームを使用することで、コミュニケーション能力を向上させることができます。ゲーム中では、チームメイトや相手とコミュニケーションを取り、意見を交換したり戦略を話し合ったりする必要があります。この過程で、子どもは自分の考えを明確に伝えたり、友達の意見を受け入れたりすることを学びますよ。このような経験を通じて、子どもはコミュニケーションスキルを発展させ、他者と円滑に関わる能力を向上させることができるのです。

協調性が高まる

療育でカードゲームを使用することで、子どもの協調性を高めることができます。カードゲームのプレイ中には、友達とのコミュニケーションや連携が必要不可欠です。相手の手札や戦略を理解し、チームで勝つために協力して行動する必要があります。このような状況を通じて、子どもは他者との関わり方や協力の重要性を学びますよ。さらに、ゲーム中に起こる意見の相違に対処することで、子どもは対話や妥協のスキルを磨くことができます。

集中力や注意力が鍛えられる

療育でカードゲームを使用することで、集中力や注意力を鍛えることができます。ゲームプレイ中は、相手の動きを把握したり、戦略を立てるために集中したりしなければなりません。この行動により、ゲームに集中する能力が向上しますよ。また、カードゲームは状況に応じて即座に判断を下す必要があり、これは注意力を鍛えるのに役立ちます。ゲーム中に子どもは常に状況を把握し、最適な手を選択する必要があるのです。このように、カードゲームは、子どもの集中力や注意力を鍛えることができるのです。

記憶力や論理的思考力が鍛えられる

療育でカードゲームを使用することで、記憶力や論理的思考力を鍛えることができます。ゲーム中には、ルールやカードの配置などの情報を覚える必要があり、これは記憶力を鍛えるのに役立ちますよ。また、子どもは状況を判断し、最適な手を立てる必要があります。そのため、カードゲームを通じて、論理的思考力を鍛えることができます。このように、カードゲームは、楽しみながら子どもの記憶力や論理的思考力を向上させる事ができるのです。

療育効果のあるカードゲームの種類

体感型カードゲーム

体感型カードゲームは、通常のカードゲームに加えて、身体表現や五感を使った要素を取り入れたゲームです。単にカードを出し合うだけでなく、実際に体を動かしたり物を使ったりすることで、力の加減や体の動かし方を学ぶことができます。体験型カードゲームには、以下のような効果があります。

・五感を刺激し、脳の発達を促進する
・ゲームの課題を解決することで、問題解決能力を向上させる
・ゲームを通して、様々な感情を表現することができる

心理戦カードゲーム

心理戦カードゲームとは、相手の考えを読み、駆け引きをして勝利を目指すカードゲームです。単にカードの強さだけでなく、相手の行動を予測し、戦略を立てることが重要になります。心理戦カードゲームは、子どもたちの以下のような能力を向上させる効果があります。

・戦略を立てたり状況に合わせて行動することで思考力や判断力が向上する
・自分の考えを仲間に伝えたり、仲間の考えを理解したりすることで、コミュニケーション能力が向上する
・仲間と協力して勝利を目指すことで、協調性や社会性が向上する

戦略型カードゲーム

戦略型カードゲームは、プレイヤーがデッキからカードを引き、それらのカードを使用して戦略を立てるゲームです。さまざまなカードの組み合わせやプレイスタイルによって、選択肢が広がります。戦略型カードゲームは子どもの以下のような能力を向上させる効果があります。

・手札のカードや場の状況を分析し、最適な行動を選択することで、思考力や判断力が向上する
・カードの効果やデッキの構成を記憶することで、記憶力や情報処理能力が向上する
・様々な戦略を考え出すことで、柔軟性や発想力が向上する

協力型カードゲーム

協力型カードゲームとは、プレイヤー全員が協力して、共通の目標を目指すカードゲームです。対戦型カードゲームとは異なり、戦うのではなく、仲間と力を合わせて課題を解決していきます。協力型カードゲームは子どもの以下のような能力を向上させる効果があります。

・仲間と協力して目標を達成することで、協調性や社会性が向上する
・役割分担や情報共有をしながらゲームを進めることでコミュニケーション能力が向上する
・協力してアイデアを出し合うことで、問題解決能力や論理的思考力が向上する

療育に使用されているおすすめのカードゲーム

なんじゃもんじゃ

ナンジャモンジャは、カードに個性豊かなキャラクターが描かれていて、プレイヤーはそのキャラクターに好きな名前をつけていく体験型カードゲームです。キャラクターに名前をつけて、再度同じキャラクターが出てきたらつけた名前を思い出して、その名前を呼びます。一番早く名前を読んだ人が、重なったカードを貰うことができます。記憶力と発想力が重要なゲームですね。ナンジャモンジャでは主に以下のような効果が得られます。

・名前を覚えておかないと行けないため記憶力が向上する
・ゲーム中は常にカードの絵柄に注目するため集中力が向上する
・覚えやすい名前をつけるために発想力が鍛えられる
・遊びを通じて自然と会話が増えるためコミュニケーション力が向上する

キャプテン・リノ

キャプテン・リノは、ビルを崩さないように、折り曲げたカードを重ねていく体験型ゲームです。順番に、屋根カードの絵柄通りに柱を立てる→手札の屋根カードを重ねる、という手順を繰り返していきます。これを繰り返して、ビルを倒さずに手札をなくすことを目指します。キャプテン・リノでは、主に以下のような効果が得られます。

・カードタワーを倒さないようにカードを置かないといけないため、集中力が向上する
・自分の手がぶつからないように、自分の体の位置や手の動きに注意を向けるた注意力が向上する
・タワーを倒さないようにそっと置くため力加減や感覚を養う

イチゴリラ

イチゴリラは、神経衰弱の要領で裏返したカードをめくり同じ柄を揃えていく戦略型カードゲームです。神経衰弱と違うのは、同じ絵柄のカードが3枚セットや5枚セットのものがあり、2枚だけとは限らないという点です。イチゴリラでは主に以下のような効果が得られます。

・自分のターンで2枚セットで小さい得点を狙うか、3〜5枚の大得点を狙うかの戦略を考えることで判断力が鍛えられる
・カードには絵柄が紛らわしいものが混ざっているため注意力が向上する
・カードの位置を覚えないとめくれないため、記憶力が向上する

トランプ

トランプとは、4種各13枚の合計52枚を1セットとするカードゲームです。トランプは、1つで様々な遊び方ができるため飽きることはありません。療育にぴったりなトランプゲームは以下の様なものがあります。

・七並べ:7を基準に順番に並べるゲーム
・一番大きな数字は誰:一斉にカードを1枚場に出し、最も大きいカードを出した人がその回のカードを回収するゲーム
・スピード:台札と数字がつながるカードを素早く出していくゲーム
・神経衰弱:裏向きに並べたカードから同じ数字のカードを2枚引き当てるゲーム
・ババ抜き:ババ(ジョーカー)を引かないようにカードのペアを捨てていくゲーム

療育でカードゲームをする際の子供への対応

癇癪を起こさないようにする

カードゲームをする子どもへの対応として重要なのは、子どもが癇癪を起こさないようにすることです。なぜなら、ゲームに負けた瞬間に泣きわめいたり、周りのものにあたってしまう子どももいるからです。子どもの癇癪を起こさないように、大人は以下のサポートをおこなうようにしましょう。

・他の子どもの行動に意識が向かうようにする:「〇〇くんが今は有利だね」「次は〇〇ちゃんの番だね。」と他の子どもの行動に意識が向くように声がけをする

・ゲーム終盤に見通しを伝える:「トップと◯点差だから、勝つのは難しいかもしれないけど、最後まで諦めずに頑張ろうね」と、声を掛ける

輪の中に入れない子供に積極的に声をかける

カードゲームをする際は、輪に入れない子どもへの対応も考えてあげるようにしましょう。カードゲームは、子どもたちのコミュニケーション能力や協調性を育むのに効果的な遊びです。しかし、輪に入れない子どもがいる場合、その子の孤立感を招き、ゲームの楽しさを損なってしまう可能性もあります。そのようなことを避けるためにも、以下のような対応をしてあげましょう。

・無理に参加させない:カードゲームはあくまでも楽しむためのものです。無理に参加させてストレスを与えるのではなく、子どものペースに合わせてあげる。

・サポート役をつける:サポートしてくれる大人をつけて、そばで褒めてあげるようにする

・ゲーム内容を調整する:輪に入れない子どもの得意なゲームなどを行い活躍できる場を作る

ルールを明確に説明する

カードゲームをする際は、ルールを明確に説明してあげるようにしましょう。なぜなら、ルールが曖昧だと、子どもたちは混乱し、ゲームを楽しめなくなってしまうからです。特に重要なのは、子どもたちの理解度を確認することです。質問を受け付けるだけでなく、実際にプレイしながら理解度を確認しましょう。このようにすることで、子どもはルールを守ることの大切さを学びながら、カードゲームを楽しむことができます。

勝ち負けよりもできたことを積極的に褒める

カードゲームをする際は、勝ち負けよりもできたことを積極的に褒めてあげるようにしましょう。なぜなら、勝ち負けにこだわりすぎて、ゲーム本来の楽しさを忘れてしまうことがあるからです。勝ち負けよりもできたことを積極的に褒めることで、子どもは自信を持ち、ゲームをより楽しむことができますよ。

具体的には、以下の点を褒めてあげましょう。

・ルールを守れた
・最後まで諦めずにプレイした
・チームメイトと協力した
・新しいカードの使い方を覚えた
・上手にカードを出せた

まとめ

目的に合わせて療育で使用するカードゲームを選びましょう!

いかがでしたでしょうか?カードゲームは、療育において子どもたちの様々な能力を向上させる効果的なツールです。カードゲームは、その種類によって子どもに違う効果を与えてくれます。カードゲームを行う際は、癇癪を起こしてしまう子や輪に入れない子もいるでしょう。そのような場合は、大人が行う子どもへの対応が重要になってきます。この記事を参考に、目的に合わせたカードゲームを選んで遊んでみてくださいね。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/