AIを保育に活用するとどうなる?活用事例や問題点を紹介!【保育ロボット・メリット・デメリット・仕事・なくなる・AI技術】

近年何かと耳にする機会が多いAI。実は保育現場にも取り入れる動きが出てきています。保育現場は今まで人間が関わることが当たり前とされてきました。そのため、「AIを保育に取り入れるってどういうこと?」と感じる人も少なくないでしょう。この記事では、保育でAI を活用する事例や、AIを導入するメリット、デメリットなどを紹介していきます。AIを賢く利用するためにも、保育士さんたちはぜひ参考にしてみてください。

AIとは

人の考えや行動を人工的に作り出す技術

そもそもAIとは何でしょうか。普段よく聞く言葉ですが、それが何かをしっかり理解している人は少ないかもしれません。AIとは、人の考えや行動を人工的に作り出す技術です。今までもコンピューターや電子機器は日常で使われてきましたよね。一方で、今までの電子機器の多くは事前に決められた通りにしか作動することができませんでした。AIは、人間と同じように自分で学習して作動することができます。全て決められた通りに動くのではなく、その場に応じた行動ができるのがAIの特徴です。

様々な業種での活用が広がっている

近年急速に発達したAI技術には様々な種類があります。そのため多くの業種で活用が広がっていますよ。瞬時に翻訳できる機能や、自動で文章や画像を生成してくれる機能などは使ったことがある人も多いのではないでしょうか。このように、汎用性の高いAI技術は活用の幅も広がりますよね。商品管理や労務管理など、今まで人の手で行ってきた多くのことをAIが行うようになってきていますよ。業種を問わず多くの場面で活用されています

保育士くらぶ

AIの保育現場での活用事例

子供の見守りロボット

それでは、保育の現場ではどのように活用されているのでしょうか。ここからは、保育現場でのAIの活用事例を紹介します。初めに紹介するのは、子供の見守りロボットです。保育現場では、子供が危険な行動をしていないか、安全に遊べているか、常に気を配る必要がありますよね。AIを活用した見守りロボットは、カメラで子供の様子を捉え、危険を察知して保育士に知らせることができます。子供の姿勢や様子を解析して、危険な状態にあるときにはアラートで知らせてくれますよ。子供が遊んでいる時や、お昼寝の時に活用することができますね。

保育士の労務管理

保育士の労務管理にも、AIを活用することができますよ。保育の現場では、多くの保育士さんが毎日働いていますよね。毎日の出退勤の時間や、有給の取得状況など、管理することは多いでしょう。一方で、DX化が進んでいない園ではそれらを手書きで管理しているところもあるのではないでしょうか。労務管理用にAIを導入することで、それらの手続きを簡略化することができますよ。時間の節約だけでなく、ミスを減らすこともできるので、事務作業の効率を上げることができますね

保育士同士や保護者との情報管理

保育園では、園内での情報共有だけでなく、保護者とのやり取りも欠かせませんよね。ここでもAIを活用することができますよ。例えば、保護者との連絡管理用のプラットフォームを導入すれば、お知らせを一斉に配信することができるようになります。1人1人の保護者と個別のやり取りも可能なので、伝達漏れが少なくなりますよ。他にも、園児の健康管理をアプリで行うことで、保育士さん同士での情報共有が簡単に行えます。健康アプリでは、必要に応じて内容を分析し、注意点やアドバイスをしてくれるのもAIの魅力と言えるでしょう。

子供の遊び相手になるロボット

保育の現場では、遊び相手として役に立つロボットも活用されています。例えば、ヒト型ロボットを導入することで、園児はロボットと会話しながら遊ぶことができますよ。保育士さんは、1人で多くの子供を見る必要がありますよね。全ての子供の話相手をするのは難しいときもあるかもしれません。そんな時に役に立つのが、おしゃべりロボットです。子供に合わせて話をしてくれるので、遊び相手として使うことができますよ。

AIを保育に導入するメリット

保育士の作業量が減る

AIを保育に導入するメリットとしては、保育士の作業量が減る、ということが挙げられます。保育士さんには、子供の様子を見守る以外にも沢山の仕事がありますよね。保育日誌の記入や保護者との情報共有、行事の準備など、保育を行うのと同時に細かな事務作業も行わなくてはなりません。AIを導入することで、これらの作業を簡略化することができます。先程紹介した労務管理や情報共有をAIに任せることで、他の仕事に時間を割けるようになりますよ。

保育現場の安全性が高まる

保育にAIを導入することで、保育現場の安全性を高めることができるようになります。保育現場では、多くの子供を少ない人数の大人で見ているため、全ての子供の安全性を完璧に守るには限界があります。近年では、送迎バスでの子供置き去り事件が話題になりましたよね。その後、置き去り防止システムの設置が義務付けられたことを知っている人も多いと思います。このように、AIを導入することで、人間の確認漏れやミスで生じる危険を防ぐことができますよ

保育士不足の対応策となり得る

保育士不足の対応策としても、AIの導入は有効ですよ。近年保育現場では、保育士不足の問題が指摘されています。保育園の需要は高まる一方で、長時間労働や低賃金の問題で保育士になりたい人が不足しているのが現状です。AIを導入することで、保育士不足の問題を改善することが可能ですよ。見守り機能がついたロボットやカメラの導入は、少ない保育士でも多くの子供を見るのに役に立つ機能です。また、事務作業をAIに任せることで、保育現場の労働状況も改善されます。それによって、保育士を目指す人が増えることも期待できますよね。このように、長期的な目線で見てもAIの導入にメリットがあることがわかります。,

AIを保育に導入するデメリット

子供が人と関わる機会が減る

ここまで保育現場にAIを導入するメリットを紹介してきましたが、デメリットも存在します。例えば、保育現場にAIを導入することで子供が人と関わる機会が減るのではないか、という問題があります。確かに、見守りロボットや遊び相手となるロボットが多く導入されると、今まで人と関わっていた時間がロボットと関わる時間になってしまいますよね。まだ脳が発達途中の子供は、人間との関わりが重要な時期でもあります。人とのちょっとした会話が成長には必要だという意見もあるかもしれません。人間との関わりが子供の成長に影響を与えると考えると、AIの導入で子供が人と関わる機会が減るのはデメリットとなるでしょう。

AI技術の限界がある

AI技術には限界がある、というのもAI導入のデメリットと言えます。人間にはうっかりミスがありますが、AIも機械である以上、故障や誤作動ということはあり得ますよね。また、人間であればその場の状況から総合的にできる判断が、AIにはできません。AIは、あらかじめプログラムされたことであれば高い精度で機能する一方、人間でなければできないことも沢山あります。例えば、見守り機能が付いたカメラでは、子供の危険を察知してアラートを鳴らしてくれる一方、AIが子供を助けてくれるわけではありません。実際に子供を抱きかかえて安全な状態を確保するのは人間ですよね。このように、AI技術は完璧ではない、ということは知っておく必要があるでしょう。

保育士が技術を使いこなせない可能性がある

保育士さんが、AI技術をどこまで使いこなせるか、という不安もあります。AI技術の中には、ある程度知識がないと使いこなせないものもあります。労務管理や勤怠管理のシステムなどは、操作する側にもある程度の知識は必要でしょう。また、子供と関わるロボットのようなAI技術については、安全を確保するためにも保育士さんがしっかりと使いこなせることが前提となるでしょう。AI技術の導入は最近の話なので、あまり使い慣れていない保育士さんも多いのではないでしょうか。その点が、デメリットとして考えられるかもしれませんね。

AIの導入で保育士の仕事は無くなる?

AI技術を導入しても保育士の仕事は無くならない

AIの導入で保育士の仕事が無くなるのでは?と心配している人もいるのではないでしょうか。確かに、AI技術の導入は保育士の人手不足の解決策になると説明しました。見守り機能が付いているカメラや、一緒に遊んでくれるロボットなどが導入されれば、保育士はもう必要とされなのでは…と考える人もいますよね。一方で、AI技術には限界があり、保育の現場には人間の手が必要な場面が必ずあります。子供の成長のためには、人間とのコミュニケーションが欠かせません。そのため、今後AI技術の導入が増えていったとしても、保育士としての仕事は無くならないと考えて良いでしょう。

AI技術を保育に取り入れる際の課題

保育士のAIに関する知識を充実させる

AI技術を保育に取り入れる際には、保育士がAIに関する知識を身につける必要があります。AI技術を賢く安全に使いこなすには、ある程度の知識が必要です。保育士さんの中には、AI技術にあまり慣れ親しんでいない人もいますよね。ロボットが故障したときにはどうしたらよいのか、適切に作動させるための初期設定のやり方は、など基本的な知識から学んでいきましょう。AIがどこまでできるのか、人間のフォローが必須な場面はどのようなときか、などの事例も学ぶとより安全にAIを使いこなせるようになるでしょう。

安全性に十分注意する

安全性に十分注意することも、AIを保育に取り入れる際には重要です。保育の目的は、子供が健やかに安全に成長できるようにすることですよね。そのため、AIを導入するときにも子供の安全は第一に考えなければいけません。見守り装置などの、安全性を高める技術であれば、それに甘んじて人間による確認を怠ってはいけません。AIにも誤作動や間違いはある、ということを頭に入れて、人間による安全確認も忘れず行うようにしましょう。また、子供と遊べるロボットなどの場合は、子供が触っても問題ない設計となっているか、使うときに注意すべきことは何かなどを十分に確認し、導入を検討することが大切です。

子供の成長環境を見直す

AIを保育に導入すると同時に、子供の成長環境を見直すことも大切です。AI技術はとても画期的で便利な技術ですよね。そのため、紹介した事例のように保育士の作業負担や労働環境を改善することが期待できます。一方で、子供との関わりを全てロボットに任してしまうのは良い導入例とは言えません。一度保育園の状況を整理して、AIに任せるべき部分と今まで通り保育士さんが行う部分を分けるようにしましょう。子供の成長環境を考えて、適材適所でAIを導入できると良いですね。

AIと人間が行う仕事のバランスを考える

AIと人間が行う仕事のバランスを考えるのも、AI技術の導入のときには必要なことです。AI技術には限界があり、時には人間が行った方が良いこともある、と説明しましたよね。AIが得意なことと、人間が得意なことには違いがあります。そのため、それぞれの仕事をどう分担するかを考えることが大切です。例えば、事務的かつ機械的な作業はAIに任せることでミスも減り、効率を上げることができるでしょう。一方で、子供との関係構築や、安全面への気配りなどは人間が行うべき仕事です。AIに任せるべきこととそうでないことをしっかり決めるのが重要ですよ。

まとめ

AIを上手く活用して保育現場にも生かそう

ここまで、保育現場におけるAI技術について、活用事例や導入のメリット、デメリットを紹介してきました。AI技術は近年注目が高まっており、保育現場に限らず様々な分野での導入が進んでいます。今までのコンピューター技術ではできなかったことができる一方、保育現場では人間の力もまだまだ必要です。特に、子供を相手にする職業なので、子供の健やかな成長や安全面を考慮すると保育士さんの仕事が重要であることに変わりはないでしょう。AI技術を導入するときの注意点を十分理解して、賢く保育に活用できると良いですね。

保育士くらぶ

ABOUTこの記事をかいた人

保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/