保育園では、子供たちの成長のためにさまざまな活動を行います。その活動の1つとしてあげられるのがクッキング。定期的にクッキングを行っている園も多いのではないでしょうか。子供たちに人気の活動ではありますが、保育園で行うクッキングには注意すべきこともあります。この記事では、ねらいや注意点など保育園で行うクッキングについて詳しく解説します。活動にクッキングを取り入れたい保育士さんは、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
保育園で行うクッキングとは?
子供たちが自分で作った料理を食べる体験活動
保育園で行うクッキングとは、子供たちが自分で作った料理を食べる体験活動のことを指します。最近では、このクッキングを食育の一環として取り入れている園が増えているようです。一般的には3歳児以上の幼児クラスで行うことが大半ですが、簡単な調理を1~2歳児クラスで行うこともあります。食育としてだけでなく、子供たちが交流したりコミュニケーションを取ったりする機会になることも期待できるでしょう。
保育園で行うクッキングのねらい
素材への理解を深める
保育園で行うクッキングのねらい1つ目は、素材への理解を深めることです。日常生活での食事では、調理される前の野菜などの素材を、子供たちが見ることはあまりないでしょう。野菜の皮をむいたり切ったりする工程を通して、野菜の手触りや断面、香りを知ることができます。さらに、野菜の栽培を行う機会があれば、より野菜についての理解を深め、食べ物に対する感謝の気持ちを学ぶことができるでしょう。
季節ごとの食事を楽しむ
2つ目は、季節ごとの食事を楽しむことです。野菜にはそれぞれ旬があります。野菜の旬に合わせたメニューでクッキングを行うことで、子供たちはどの季節にどんな野菜が採れるのかを学ぶことができます。また、季節の行事に合った行事食を取り入れるのも良いでしょう。具体的には、ひな祭りのちらし寿司や十五夜の月見団子、冬至のかぼちゃ料理などがあげられます。料理を作って食べるだけでなく、関連する絵本を読んだりクイズを出題したりするとより効果的ですよ。
調理方法や片付けの過程を学ぶ
3つ目は、調理方法や片付けの過程を学ぶことです。まず、調理方法を学ぶことで、食材の扱い方や調理器具の使い方を理解し、基本的な料理のスキルを身に付けます。また、片付けの過程を通じて、整理整頓や衛生管理の重要性を体験的に学びます。保育園でのクッキングを機会に料理に興味を持ち、子供たちが家庭でも料理の手伝いをするよう促せると良いですね。また、クッキング活動は少人数のグループで行うことが多く、協力して作業に取り組むことで、子供たちの協調性や自分で考えて行動する力を育むことができます。
食べることの楽しさを学ぶ
4つ目は、食べることの楽しさを学ぶことです。食べる楽しさを感じることは、食育の中でも大きな目標です。普段食べることが苦手な子や好き嫌いが多い子でも、自分たちが一生懸命作った料理なら苦手な食材でもおいしく感じられるかもしれません。それを機会にたくさん食べるようになったり好きな食材が増えたりすることもあるでしょう。子供たちが「食べるって楽しい!」と感じられるような活動になると良いですね。
保育園でクッキングを行うときの注意点
子供たちのアレルギーを確認する
保育園でクッキングを行うときに注意すべきことがいくつかあります。1つ目は、子供たちのアレルギーを確認することです。保育園でクッキングを行う際は、事前に保護者に詳細を知らせ、メニューにアレルギーとなる食材が含まれていないか確認しておくことが大切です。入園時等にアレルギー調査をしていることも多いでしょう。事前に子供たちのアレルギーが分かっている場合は、メニューを決める際に必ず配慮してくださいね。
衛生管理を徹底する
2つ目は、衛生管理を徹底することです。衛生管理がしっかりできていないと、集団食中毒や感染症が起きてしまう可能性があります。使う食器や調理器具、調理場の洗浄や消毒は注意深く行いましょう。子供たちへ事前に手洗い指導をしておくことも大切です。絵本や紙芝居を活用し、子供たちが衛生管理についてしっかりと理解できるようにしましょう。子供たちが衛生について学べる絵本には以下のようなものがあります。ぜひ参考にしてみてくださいね。
安全管理を徹底する
3つ目は、安全管理を徹底することです。子供たちがクッキングをする際にはさまざまな危険が伴います。包丁などの刃物や火を使った調理をする際は、特に注意しましょう。子供たちには難易度の高い作業は、保育士が事前に準備しておくといった工夫も必要ですよ。他にも、子供用の包丁を使ったり、ガスコンロではなくIHを使ったりという工夫も考えられます。また、ガラスや陶器ではなく、プラスチックや紙などの割れにくい食器を使うのも良いでしょう。
保育園で行うクッキングのおすすめメニュー9選!
クラッシュゼリー【3歳児向け】
ここからは、保育園で行うクッキングのおすすめメニューを対象年齢別に紹介します。まず最初に紹介するのはクラッシュゼリーです。3歳児など、年齢の低い子供たちでもチャレンジできるメニューですよ。材料や作り方は以下の通りです。
- サイダー(または水):250ml
- お湯:50ml
- 着色料:適量
- ゼラチン:5g
- フルーツ:お好みの量
- 着色料を水に溶かしておく。
- お湯にゼラチンを入れてよく溶かす。
- サイダーに溶かしたゼラチンを入れてよく混ぜる。
- 着色料水を入れてよく混ぜる。(混ぜずにマーブル模様にするのもOK!)
- 冷蔵庫に入れ冷やし固める。
- 固まったら、フォークで軽く潰す。
- 透明な容器にゼリーを入れ、お好みでフルーツを盛りつければ完成!
フルーツポンチ【3歳児向け】
次に紹介するのはフルーツポンチです。フルーツポンチの基本的な工程は盛りつけるだけなので、小さな子供でも作ることができるでしょう。材料や作り方は以下の通りです。
- フルーツ(缶詰や冷凍でもOK):お好みの量
- サイダー(または炭酸水):お好みの量
- 大きめのお皿にフルーツをお好みの量盛りつける。
- サイダーを適量入れたら完成!
フルーツの以外にも白玉やゼリーなど、他の食材を入れてオリジナルフルーツポンチを作ることができます。子供たちの好みや年齢に合わせてアレンジしてみてくださいね。
おにぎり【3~4歳児向け】
おにぎりも保育園で行うクッキングにおすすめのメニューです。きれいな三角形のおにぎりを作るのは難しいため、ラップを使った丸いおにぎりから挑戦してみると良いでしょう。子供たちの中には白ごはんが苦手な子もいます。白ごはんが苦手な子は、白ごはんにふりかけを混ぜてからおにぎりを作ると、食べやすくなりますよ。また、おにぎりの中に入れる具材を変えて、さまざまな種類のおにぎりを作ると子供たちはより楽しむことができるでしょう。
じゃがいももち【3~4歳児向け】
じゃがいももちは、もちもちとした触感が楽しめ、小腹が空いたときのおやつにもぴったりのメニューです。じゃがいもを潰して丸める作業が中心のため、子供たちのクッキングにもおすすめのメニューと言えるでしょう。材料や作り方は以下の通りです。
- じゃがいも:3~4個(360g)
- 片栗粉:60g
- 砂糖:大さじ1
- 水:30ml
- サラダ油:適量
- ☆しょうゆ:大さじ1
- ☆砂糖:大さじ1
- ☆水:大さじ2
- じゃがいもを洗って皮をむき、ゆでる。
- ゆであがったじゃがいもを潰し、片栗粉と砂糖を入れ、水を少しずつ入れ混ぜる。
- 食べやすい大きさに丸める。
- フライパンにサラダ油を入れ、焼き色がつくまで焼く。
- ☆の調味料を混ぜ合わせ、フライパンに入れ絡めたら完成!
スイートポテト【4歳児向け】
4歳児向けメニューとしておすすめするのはスイートポテトです。スイートポテトはサツマイモの旬である秋におすすめのメニュー。材料や作り方は以下の通りです。
- サツマイモ:1本
- 砂糖:大さじ1
- バター(またはマーガリン):大さじ1
- 卵黄:1個
- ごま:適量
- サツマイモを洗って皮をむき、柔らかくなるまでゆでる。
- ゆでたサツマイモを潰す。
- 潰したサツマイモにバターと砂糖を入れて混ぜる。
- スイートポテトの形に整える。
- 表面に卵黄を塗り、お好みでごまを乗せる。
- トースターで3~5分焼いたら完成!
蒸しパン【4歳児向け】
蒸しパンも4歳児向けおすすめメニューの1つです。今回は基本のレシピを紹介しますが、ココアパウダーや抹茶パウダーを入れてアレンジするのもおすすめです。基本の材料や作り方は以下の通りです。
- ホットケーキミックス:100g
- 牛乳:80ml
- サラダ油:大さじ1
- 牛乳とサラダ油をボウルに入れ、泡だて器で軽く混ぜる。
- ①にホットケーキミックスを入れて混ぜる。
- フライパンにシリコンカップを並べ、②をスプーン等でカップに入れる。
- フライパンに200mlほどの水を張り、蓋をして10分間弱火で蒸す。
- 完成!!
クッキー【4~5歳児向け】
クッキーも比較的簡単に取り組めるメニューです。型を抜く工程を通して手先の器用さを鍛えることもできるでしょう。材料や作り方は以下の通りです。
- 薄力粉:220g
- 無塩バター:100g
- 粉糖:70g
- 卵:30g
- バターを常温に戻し、白くなるまで混ぜる。
- ①に粉糖を加え混ぜ合わせる。
- ②に卵を加え混ぜ合わせる。
- ③に薄力粉を加え、切るように混ぜ合わせる。
- ④をお好みの厚さに伸ばし、冷蔵庫で1時間冷やす。
- ⑤から型を抜き、160度に予熱したオーブンで15~18分焼く。
- 完成!チョコペンやアラザンでデコレーションしてもOK!
カレーライス【5歳児向け】
次に紹介するのはキャンプの定番、カレーライスです。普段の活動で作るのも良いですが、お泊り保育の際にカレーライスを作ると、よりお泊り保育の雰囲気を楽しむことができるでしょう。具材はお好みによってアレンジしてみてくださいね。材料や作り方は以下の通りです。
- 肉:300g
- 玉ねぎ:中2個
- にんじん:中1本
- じゃがいも:中2個
- オリーブオイル:大さじ1
- カレールウ:1箱
- 水:600ml
- 肉や野菜などの具材を1口サイズに切る。
- 鍋にオリーブオイルを入れ、具材を5~10分炒める。
- ②に水を加える。
- 沸騰したらアクを取り、20分ほど煮込む。
- 火を止めてルウを入れ、よく溶かす。
- 時々かき混ぜながら5分ほど煮込み、完成!
お味噌汁【5歳児向け】
最後に紹介するのはお味噌汁です。出汁からとるお味噌汁を作ることで、食材のうまみを知ることができるでしょう。また、旬の食材を使うことで季節を感じることもできます。今回は基本の具材を使ったレシピを紹介します。材料や作り方は以下の通りです。
- 昆布:10g
- かつお節:10g
- 水:1000ml
- 長ネギ:2本
- 油揚げ:1枚
- みそ:大さじ2
- 水に昆布を入れて1晩置く。(時間がなければ20分程度でもOK)
- 鍋に水と昆布を入れて中火にかけ、沸騰直前に昆布を取り出し、かつお節を入れ、弱火にして1〜2分加熱し、火を止める。
- かつお節が沈むまで置き、キッチンペーパーを敷いたざるで濾す。
- 長ネギを1㎝幅に斜め切り、油揚げを横半分に切りさらに1㎝幅に切る。
- 出汁の半量と油揚げを火にかけ、沸騰したら長ネギを加える。
- 1分ほど煮たら火を止め、みそを溶かす。
- 完成!!
まとめ
保育園でのクッキングを通して食の楽しさを伝えよう!
いかがでしたか?今回は、保育園で行うクッキングについて詳しく解説し、年齢別におすすめのメニューを紹介しました。保育園でクッキングを行うことは、子供たちに食の楽しさを伝えるとても有効な方法です。また食の楽しさを学ぶだけでなく、グループ活動を通して子供たちの協調性や思いやりの心を育む機会にもなります。子供たちにとって大きな成長の機会となるクッキングを、ぜひ保育園での活動に取り入れてみてくださいね。