保育環境を工夫しよう!【ポイント・アイディア紹介】

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保育環境とは?

保育環境とはどのような意味でしょう?

保育所保育指針によると、保育の環境には、

  • 保育士や子どもなどの人的環境
  • 施設や遊具などの物的環境
  • 自然社会の事象

などがあるようです。

つまり子どもの周りにある全ての人・物・事象が保育環境に深く関わっているといえそうです!

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保育環境の例

人的環境

まずは人的環境について解説します。

子どもが成長するには親はもちろん、保育士や同い年のお友達など、様々な人との交流が欠かせません。

そのような周りにいる大人や子供、関わる全ての人が人的環境の要素になります。

こうした人との関わりを通して子供は、「嬉しい気持ち」「楽しい気持ち」「悲しい気持ち」などを学ぶので、人的環境は子供の成長に大きな影響を与えるといえるでしょう。

またこうした人的環境は直接的な関係だけではありません。

例えば、保育士間の雰囲気や、両親の仲の良さなども人的環境の1つであることを覚えておきましょう!

物的環境

物的環境は、部屋や保育室、遊具やおもちゃなど、子どもの周りにある「物」に関する部分です。

物的環境でまず大切な点は、危険性がないかを確認すること。また清潔に保つことも大事です。

それに加えて、「年齢に合った遊具やおもちゃがあるか」「子供が遊びたいものが手に取れるように置いてあるか」など、子供が自主的に遊べるような環境作りも大切になります。

自然・社会環境

自然や地域とのかかわりが、自然・社会的環境といえます。

「外に出て自然に触れる」「動物と触れ合う」「地域の人に何かを教えてもらう」などの実体験は子供にとって大切な経験になります。

部屋の外にでて広く世界と関わることが子供の成長に大きく影響するといえるでしょう。

保育環境のポイント

子供の立場になって考える

保育環境を整えるときに何より大切になるのが、子供の立場になることです。

大人からみた過ごしやすい環境と子供からみたそれとは少し違うことがあります。

例えば保育士さんの立場で考えると、園児が固まって遊んでいた方が、保育がやりやすく感じられるかもしれません。

ただ園児の中には、1人の空間が落ち着く子がいる可能性も。

この場合は保育士から見える範囲で少し空間を区切ったスペースを用意するなどの工夫をすると良いですね。

このように、子供の立場になって少し想像力を働かせてみることが保育環境を整えるポイントです。

子供の目線の高さを意識する

目線の高さについても子供と大人では大きく異なります。

例えば、おもちゃ箱の位置や高さなども、子供の目線の高さで、取りやすいかかどうかを意識することが大切です。

他にも「子供たちの背丈でこの導線は移動しやすいか?」「この空間は子供たちにとって動きやすい場所になっているか?」

など、常に子供の目線の高さを意識すると、子どもたちにとって過ごしやすい環境作りができるでしょう!

日々見直しと改善する

保育環境は、日々見直して改善することも重要です。

園児の様子を見ながら、「この子は最近この場所がお気に入りみたいだな」「この空間は少し遊びにくいのかな」などと観察して見直すと良いでしょう。

また会話ができる園児のいるクラスの場合は、直接園児の意見を聞いてみたり、保護者の意見を取り入れるのもおすすめです。

そういった意見交換を通した日々の見直しと改善によって保育環境はより良くなっていくでしょう。

年齢別の保育環境

0歳児の保育環境

0歳児は保育士や、保育園で過ごすことに対して「安心」を感じられることが何より大切です。

具体的には

  • 園児の身体の様子を細かく観察して、異常があればすぐに発見して、快適に過ごしやすいようにすること
  • 感染症や事故、怪我などがないように室内のものの配置を考えたり、消毒などをすること

などです。

こうした快適な環境づくりにより、園児は安心して過ごすことが出来るでしょう。

1歳児の保育環境

1歳児の環境づくりでも、0歳児と同じく何より安全に過ごせる工夫が大切です。

ただそれに加えて、1歳児は活発で自発的な行動も現れてくる時期なので、そうした成長を妨げないような環境づくりも重要になってきます。

安全で過ごしやすい中で、

「身体は動かしやすいか」「自分で遊びたいおもちゃを取れる環境か」など少しずつ自由な環境を整えていくことが大切になるでしょう。

2歳児の保育環境

2歳児は、安全で安心できる環境はもちろん、遊びや生活を通して、感性を伸ばすことも大切になってくる時期。

特にこの時期はお友達と遊んだり、保育士の話を聞いたり、さまざなものに触れることなどの「体験」を通して興味や関心が広がります。

そうした体験が出来るような環境を意識することが重要なポイントになるでしょう。

保育環境の工夫(アイデア紹介)

ひとりで過ごせる場所を作る

保育環境を考えるときに、「いかににぎやかに楽しく遊べるか」を考えることも大切ですが、それと同じくらい「1人ひとりのための環境づくり」という視点も重要になってきます。

ひとりで落ち着いて過ごしたり、落ち込んだときにひとりきりで泣くことのできる場所があると、子どもたちは自分のリズム・ペースを作ることが出来るのです。

こうした環境はちょっとしたことで整えることが出来ます。例えばパーテーションで仕切った空間を作ってみたり、家具などで囲われた場所を作ることで実現することが可能です。

座る環境を整える

騒いで遊んでいた子どもたちに「一旦、座ってみようか」と声をかけることで、大人しくなったことはありませんか?

座る」という行為は、子供にとって落ち着きを取り戻すというメリットがあるのです。

なので、いろいろな場所に椅子を用意したり、階段の段差に座るスペースを用意したりすることは、落ち着ける場所を作ることに繋がります。

活動にメリハリをつけることができるので、保育士さんにとっても保育がやりやすくなり大きなメリットがあるといえるでしょう!

また、椅子を複数用意して固めておいておいたり、長椅子を用意して置いておくことで、何人かの子供が一緒に座ることが出来るようになり、子供たち同士の親密なかかわりが生まれることもあります。

ちょっとした配置の違いで、こどもたちの行動が変わってくるので、少しの工夫が大切になりますね。


食育分離を心がける

食べる場所と遊ぶ場所を別々にすることも、活動にメリハリをつけるという点で重要になってきます。

スペースがある園であれば、食事のスペースを遊ぶ空間とは別に用意してみてはいかがでしょうか。

ただ施設的な問題で、どうしても遊ぶ空間の中に食事をする空間を作らざるを得ない園もあるかと思います。その場合は、食事の時間になったときに椅子や机を運び入れ、食の環境を用意するなどの工夫もできます。

或いは食事のときだけテーブルにクロスを被せてみたり花を飾ってみる、きまった音楽を流してみることなども環境づくりといえます。「あ!テーブルクロスが用意されたから、ご飯を食べる時間だ」「この音楽は食事のときの音楽だ!」などと子供たちの活動をきりかえるきっかけになりますね。

環境作りというと、ついつい「空間を仕切ること」を意識しがちですが、このようなちょっとしたアイデアによって整えることもできるということを意識できると良いですね!

手作りしてみる

保育環境を整えるとなると、仕切りとなるものを用意したり、室内を少しリフォームしたりと少しお金がかかるイメージのある方も多いのではないでしょうか。

もちろんある程度の予算を保育環境の整備のために用意することも大切です。ただお金をかけずにちょっとしたものを手作りすることで環境を変えることもできます!

たとえば段ボールなどで簡単な仕切りや本棚をつくってみたり、制作したものを飾る台を用意することも可能です。こうした手作りのものは、子供に丁寧さや手作りの温かみを伝えることができるのも嬉しいポイントです。

地域や保護者と協力する

地域や保護者の声を取り入れてみるのも視野が広がるのでおすすめです。

例えば、仕切りや棚や遊び道具などを手作りするときに、地域のボランティアの方や、保護者で協力してくれる方と一緒にやってみるのも良いでしょう。「こどもにとってどんなものが使いやすいのか?」とみなで相談することで良いアイデアが浮かぶかもしれません。

色々な人を巻き込んでこうした環境作りをすることで、いままで見えなかった子供の視点が発見できたら面白いですよね。

保育環境を整えてみよう

保育環境はちょっとした工夫で改善することができます。

「最近クラスの落ち着きがない」「園児の集中力がないのが気になる」「メリハリがつかない」

などのお悩みも、保育環境を良くすることで改善することができるかもしれません!

まずは現在の保育園の環境をチェックすることがはじめの一歩です。

  • 子供の目線の高さを考慮した配置になっているか
  • 子供が落ち着ける環境があるか
  • 食べる空間、寝る空間、遊ぶ空間が分けられているか(空間がない場合切り替える工夫をしているか)
  • 保護者や地域の方と一緒に保育環境について見直しをする機会はあるか
  • 毎年少しでも園内環境を変えているか

↑簡単なチェック項目を用意したので、自分の園に当てはめてチェックしてみて下さい♪

日々の行事などに追われるとついつい後回しにしてしまいがちな保育環境ですが、少し時間をとって整えてみてはいかがでしょうか。

よくある質問

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