子どもの成長の中で見られる赤ちゃん返りは、多くの保護者が一度は戸惑う現象ですよね。急に甘えるようになったり、できていたことをやらなくなったりする姿に、不安や心配を感じることもあるでしょう。しかし、赤ちゃん返りは子どもの心の成長過程において大切な意味を持つ行動です。今回の記事では、子どもの赤ちゃん返りについて主な行動やその理由、赤ちゃん返りが見られた際の対応などを紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
赤ちゃん返りとは?
幼児が赤ちゃんのような行動をとる現象

赤ちゃん返りとは、主に幼児期の子どもが、できていたことを急にやらなくなったり甘えが強くなったりするなど、まるで赤ちゃんのような行動をとる現象を指します。例えば、抱っこを頻繁に求めたり、言葉遣いが幼くなったり、指しゃぶりや後追いなどが見られることがあります。これはわがままや退行ではなく、環境の変化や不安、愛情を再確認したい気持ちの表れであり、子どもにとって大切な心の成長過程の1つといえます。
子どもが赤ちゃん返りをする理由
下の子が生まれて甘えたい気持ちが強くなる

下の子が生まれると、それまで家庭の中心だった上の子は、急に環境の変化を感じやすくなります。親の関心や時間が赤ちゃんに向かうことで、「自分ももっと見てほしい」「甘えたい」という気持ちが強くなり、赤ちゃん返りとして表れることがあります。例えば、わざとできないふりをしたり、抱っこを求めたりする行動は、愛情を確認したいサイン。このような姿は成長の後退ではなく、安心感を取り戻すための大切な過程であり、しっかり受け止めることが重要ですよ。
保護者の関心を引きたい

子どもが赤ちゃん返りをする理由の1つに、保護者の関心を引きたいという気持ちがあります。特にきょうだいの誕生や生活環境の変化によって、これまで自分に向けられていた愛情が減ったと感じると、不安や寂しさから甘えた行動が増えることも。抱っこを求めたり、できていたことをあえてしなくなるのは、「自分を見てほしい」「もっと関わってほしい」というサインです。このような行動は、子どもが安心感を取り戻そうとする自然な反応であり、十分な関わりを通して心の安定につながっていくでしょう。
環境の変化による不安やストレス

環境の変化による不安やストレスも子どもが赤ちゃん返りをする理由の1つ。入園や進級、引っ越しなど生活環境が大きく変わると、子どもはこれまでの安心できる状態が崩れたように感じ、不安定になりやすくなります。その結果、再び甘えたい気持ちが強まり、赤ちゃんのような行動で周囲の関心や愛情を確かめようとします。これは自分の心を守るための自然な反応であり、安心感を取り戻そうとする大切なサインといえます。
保育園や幼稚園で頑張っている反動
保育園や幼稚園では、集団生活の中でルールを守ったり、友達との関わり方を学んだりと、子どもは日々多くのことに気を配りながら過ごしています。年齢が上がるにつれて「お兄さん・お姉さんらしくしよう」と無意識に頑張る姿も見られ、心の中では疲れや緊張が蓄積していることもあります。その反動として、家庭という安心できる場所に戻ったときに気持ちが緩み、抱っこを求めたり、できていたことをやらなくなったりと、赤ちゃんのような行動が現れることも。これは心を安定させるための自然な反応であり、子どもなりのストレス発散の1つといえるでしょう。
愛情を確かめたい
赤ちゃん返りは、保護者からの愛情を改めて確かめたいという気持ちから生じることも多くあります。特に下のきょうだいの誕生や進級・環境の変化などがあると、「自分はちゃんと大切にされているのか」という不安や寂しさを感じやすくなるでしょう。そのため、あえて赤ちゃんのような行動をとることで、保護者の関心や愛情を引き寄せようとします。例えば、急に甘えが強くなったり、手がかかる行動を繰り返したりするのもその1つ。これはわがままではなく、安心感を求める大切なサインであり、十分に受け止めてもらうことで徐々に落ち着いていく傾向があります。
赤ちゃん返りの主な行動
急に甘えるようになる

赤ちゃん返りの代表的な行動として、これまでよりも急に甘えが強くなる様子が見られます。抱っこを頻繁に求めたり、常にそばにいようとしたり、少しの時間でも離れることを不安がる姿が増えることもあります。これは単なる甘えではなく、安心感を得たいという気持ちの表れ。子どもは不安や寂しさを感じたとき、信頼できる大人に甘えることで心を落ち着かせようとしています。十分に受け止めてもらうことで、安心して再び自立した行動へと戻っていくでしょう。
赤ちゃんのような話し方をする
普段はしっかり話せていた子どもが、急に幼い話し方に戻ることも赤ちゃん返りの特徴の1つ。語尾を伸ばしたり、片言のような言葉遣いになったりすることで、自分をより小さな存在として見てもらおうとします。「〜なの」「〜してほしい」といった甘えた表現が増えるのもよく見られる変化です。この行動には「もっと構ってほしい」「優しくしてほしい」という気持ちが込められており、言葉を通して愛情を引き出そうとする姿といえるでしょう。安心できる関わりの中で、徐々に元の話し方へ戻っていきますよ。
自分でできることをやらなくなる
これまで1人でできていた着替えや食事、トイレなどを「やって」と頼るようになるのも赤ちゃん返りの1つ。あえてできないふりをすることで、保護者に関わってもらう時間を増やそうとしています。時には「できない」と言い張ったり、途中でやめてしまうこともあり、成長が後退したように見えることも。しかしこれは退行ではなく、安心感を求める自然な行動です。無理に自立を促すのではなく、気持ちを受け止めながら関わることで、再び自分でやろうとする意欲が戻っていくでしょう。
わがままやイヤイヤが増える

赤ちゃん返りの時期には、普段よりもわがままやイヤイヤが増えることがあります。小さなことで怒ったり、思い通りにならないと強く反発したりと、感情の起伏が激しくなることも少なくありません。保護者に対して強い言葉を使ったり、泣いて訴える場面が増えることもあります。しかしこれらは、心の中にある不安やストレスをうまく言葉にできないために起こる行動。感情を否定せず受け止めてもらうことで、子どもは安心し、徐々に気持ちをコントロールできるようになっていきます。
イヤイヤ期についての詳しい内容はこちらの記事を参考にしてみてください!
保育園や幼稚園に行きたがらなくなる
それまで問題なく通っていた保育園や幼稚園に、急に行きたがらなくなることもあります。「行きたくない」と泣いたり、登園時に強く嫌がったりするのは、家庭での安心感をより強く求めているサイン。園で頑張っている反動や、友達関係、環境の変化による不安が影響している場合もあります。一時的に甘えが強くなることで、心のバランスを保とうとしているのです。このようなときは無理に引き離すのではなく、気持ちに寄り添いながら安心して送り出せるよう関わることが大切ですよ。
子どもが赤ちゃん返りをしたときの対応は?
否定せず気持ちを受け止める

赤ちゃん返りが見られたときは、まずその行動を否定せず、子どもの気持ちをしっかり受け止めることが大切。「もう赤ちゃんじゃないでしょ」といった言葉は、子どもの不安や寂しさをさらに強めてしまう可能性があります。代わりに「甘えたいんだね」「一緒にいようね」と共感的に関わることで、子どもは安心感を得ることができます。こうした安心の積み重ねが心の安定につながり、赤ちゃん返りの行動も徐々に落ち着いていくでしょう。
ゆっくり関わる時間を意識して作る
赤ちゃん返りが見られるときは、子どもが安心できる時間を意識的に作ることも大切です。忙しい日常の中でも、短時間であっても子どもと1対1で関わる時間を確保し、しっかりと向き合うことで「自分は大切にされている」という安心感を与えることができます。抱っこやスキンシップ、ゆったりと話を聞く時間を設けることで、子どもの心は満たされ、徐々に落ち着きを取り戻していくでしょう。日々の積み重ねが、安心できる土台づくりにつながります。
無理にお兄さんお姉さん扱いをしない

「もうお兄さん(お姉さん)でしょ」といった声かけは、子どもにとってプレッシャーとなる場合があります。赤ちゃん返りの時期は、成長しているからこそ不安や葛藤を感じやすく、その気持ちを受け止めてもらうことが重要です。無理に年齢相応の行動を求めるのではなく、甘えたい気持ちも尊重しながら関わることで、安心して自分らしさを取り戻すことができます。結果として、自然に成長した姿へと戻っていくでしょう。子どものペースを大切にすることが何より重要ですね。
下の子と比較する言葉を避ける
下のきょうだいがいる場合、「赤ちゃんはできるのに」「お兄ちゃん(お姉ちゃん)なのにどうしてできないの?」といった比較の言葉は、不安や寂しさを強めてしまいます。赤ちゃん返りの背景には、愛情を独り占めしたい気持ちや不安があるため、比較されることで自信を失うことにもつながります。1人ひとりの存在を認め、その子自身に目を向けた関わりを心がけることが大切。その子の良さや成長に目を向けて伝える姿勢が安心感につながります。
子どもの頑張りや我慢に気づき言葉で伝える

赤ちゃん返りをしている子どもは、日常生活の中で見えないところで多くの我慢や努力をしています。そのため、「頑張っているね」「さっき自分でできてすごいね」といった言葉で具体的に認めることが大切です。自分の頑張りに気づいてもらえることで、子どもは安心感と自信を得ることができます。こうした肯定的な声かけの積み重ねが、赤ちゃん返りの落ち着きにもつながり、子どもの心はより安定していくでしょう。
保護者も気分転換をする

赤ちゃん返りへの対応は、保護者にとっても負担に感じることがあります。子どもの甘えやわがままが続くと、ついイライラしてしまうこともあるでしょう。そのため、保護者自身も無理をせず、適度に気分転換を取り入れることが大切。周囲に頼ったり、1人の時間を作ったりすることで心に余裕が生まれ、子どもにも穏やかに接することができます。保護者の安定した関わりが、子どもの安心感にもつながります。無理をしすぎないことが、結果的に良い関わりにつながりますよ。
まとめ
赤ちゃん返りについて理解を深めて対処法を考えよう!

今回の記事では、子どもの赤ちゃん返りについて主な行動やその理由、赤ちゃん返りが見られた際の対応などを紹介しました。赤ちゃん返りは、子どもが不安や寂しさを感じたときに見せる大切なサインであり、決して悪いものではありません。保育園や幼稚園での頑張りや環境の変化など、さまざまな背景が関係しています。大切なのは、子どもの気持ちに寄り添い、安心できる関わりを続けること。焦って直そうとするのではなく、十分に甘えを受け止めることで、子どもは再び自信を取り戻し、自然と落ち着いていくでしょう。























