保育園で子供の偏食を押すコツ【理由・指導案・いつ・1歳・2歳】

子供は食事の好き嫌いが激しく、どうしても食事内容が偏ってしまいがちですよね。しかし、その偏食の習慣が続いてしまうと、栄養が足りずに発育不足や精神が不安定になるなどの可能性があります。そのようなことを回避するためには、偏食の習慣を改善する必要があります。今回は、偏食の改善方法やコツ、おすすめのメニュー例などをまとめました。子供の偏食がなかなか治らないことに悩んでいる方は、今回の内容をぜひ参考にしてみてください。

偏食の理由は?

食べ物を口にしたときのイヤな経験

子供は、食べ物を口にしたときのイヤな経験をもとに偏食をします。ここでいうイヤな経験は人それぞれですが、例えば ・苦い ・からい ・食感が気持ち悪い などが挙げられるでしょう。 食経験が未熟な子どもにとって、すべての食材を美味しいと感じることは難しいことです。子供の頃はピーマンが苦くて嫌いだったのに、大人になってから美味しく感じるようになった方は多いのではないでしょうか?幼い子供は旨味や甘みの強い食材を好む傾向があります。とくに苦味や辛味のある食べ物は避ける子供が多いです。

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子供の偏食によるデメリット

栄養が足りず発育不足になる

偏食によるデメリットの一つは、栄養が足りずに発育不足になる恐れがあることです。食事に偏りがあることは、必要な栄養を摂取する機会が減ってしまうことに繋がります。そのため、必要な栄養素をまんべんなく摂ることが出来ず、栄養不足になってしまうでしょう。体の発育には様々な栄養素が必要になるため、偏った栄養ばかり摂ってしまうと健康に悪影響を及ぼします。なるべく多くの食材を食べ、栄養素の偏りが無いようにしたいですね。

栄養が偏り小児肥満になる

また、栄養が偏ってしまうと小児肥満になってしまう可能性も。特に、脂質の多い食事ばかりとってしまっていると肥満に繋がりやすいです。小児肥満の場合、肥満に伴う骨折や関節障害、運動能力の低下などがみられます。幼い子供の体は発育途中の段階ですので、この時期に怪我をしたら今後の発育に影響が出る恐れがあるかもしれません。大切な成長の時期に怪我をしてしまうのはイヤですよね。まんべんなく栄養を摂る食事を心がけ、日々の食事を成長にとって意味あるものにしていきましょう。

精神面が不安定になる

他にも、偏食が続くと、精神面が不安定になるというデメリットがあります。これは、偏食の影響で栄養が偏ることで、脳の成長が遅くなってしまうからです。特にビタミン類やミネラルが不足すると、不安感を抱いたり、集中力や記憶力が低下したりする恐れが。精神面の不調は、大事な成長期において大きな障害となり得ます。できるだけ豊かな食事内容を心がけ、子供たちが好んで食材を食べられるように工夫をとりたいですね。

子供の偏食を治すためには?

調理を工夫し豊かな食経験をさせる

子供の偏食を治すにはどのようなことをすればよいでしょうか。一つは、調理を工夫し豊かな食経験をさせることです。子供が苦手な食材をあえて入れて、この食材は食べられると子供に思わせる工夫をしましょう。はじめは苦手な食材を細かく刻み、気づかない程度に入れることから始めるとよいです。次第に量や大きさを変えていき、気づいたときには食べられるようになっていたという状態になるのが理想ですね。とはいえいきなり上手くいくものではありませんので、時間をかけてゆっくり行っていくことをおすすめします。

食事の空間を楽しいものにする

食事の空間を楽しいものにすることで、子供は目の前の料理を美味しく食べることができるかもしれません。例えば、食事中に歌を歌ってあげたり、アニメーションの動画を見せたりしながら食べさせると良いでしょう。しかし、ずっと歌や動画を見せているだけでは気が散って食べなくなってしまいます。あくまでも食事がメインですので、歌や動画の区切りのよいところで食事を口に運んであげましょう。

一緒に調理や栽培に挑戦し食と関わる

4~6歳の子供が偏食をするときは、一緒に調理をしてみることをおすすめします。盛り付けや調味料の準備といった簡単なものからで構わないので、一緒に食事の準備をしてみましょう。食事がどのように作られているのかを知ることで、子供の食事への姿勢は変わるはずです。また、一緒に野菜の栽培をするのも効果的です。野菜がどういう労力をかけて作られているのか子供が知ることで、苦手だった野菜への目線は変わるでしょう。食事より前の過程を経験させることで、子供の食への見方は変わり、苦手な食べ物を食べられるようになるかもしれません。

生活リズムを見直す

偏食を治すにあたり、一度生活リズムを見直すことをおすすめします。夜ふかしをしていたり、朝起きるのが時間ギリギリになっていたりする際は要注意。早寝早起きを心がける生活リズムに変更できるよう取り組みましょう。起床時間が変わるだけで、一日の食事の時間も変わり、食事リズムが改善されます。適切な食事リズムにあわせて上記の改善方法を行えば、その効果はより高まるでしょう。ぜひ挑戦してみてください。

子供の成長を信じて待つ

最後は子供の成長を信じて待ちましょう。これは、親や保育者が持つべき一番の心構えといえます。 子供を信じる気持ちを持つことで、なかなか偏食が治らないときも平常心で改善に取り組めますよ。偏食の改善をサポートする立場がイライラしてしまっては、子供も気持ちよく食事が出来ませんよね。偏食はゆっくり少しずつ改善されることを頭に入れておき、あとはやることをやって信じて待ちましょう。

子供の偏食を治すコツ

なぜ食べないのかを考える

偏食を治すコツの一つとして、まずはなぜ子供が食べないのかを考えることを心がけましょう。問題の解決には、根本の原因解明が必須ですよね。それと同じく、偏食の原因を考え、その原因を改善する手を考えるとよいですよ。子供が偏食をする原因は人それぞれで、味が苦手だったり、食感が苦手だったりします。または、その食事空間にイヤな記憶があり、トラウマになっているということも考えられます。子供のバックグラウンドをできるだけ細かく把握し、なぜその食材が苦手なのかを知っておきましょう。

毎日コツコツと食べる挑戦をしていく

子供の偏食はいきなり治るものではありません。毎日少しずつ食べる挑戦をしていくことが、子供の偏食を治すコツになります。子供の偏食改善に取り組むにあたり、焦ってしまいがちではありませんか?苦手なものを早く食べれるようになってほしかったり、成長したあとも偏食が心配だったりするでしょう。しかし、焦って無理に食べさせると、子供が持つその食べ物に対してのイメージは悪くなります。食べなければならないものではなく、食べたいものとして認識してもらうには、長い時間が必要です。焦らずゆっくり挑戦していきましょうね。

褒めながら共感する

時間をかけながら偏食改善に取り組んでいると、子供はきっと少しずつ食べるようになってくるでしょう。その時に少しでも食べる姿勢が見られたら、しっかり子供を褒めてあげてください。そして、その食べ物がおいしいということを共感してあげましょう。「食べれて偉いね。これ美味しいもんね!」というように声をかけるとよいでしょう。ただ褒めるだけでは、子供は褒められるために食べるようになってしまうかもしれません。そうではなく、美味しいから食べたいと思わせることが重要です。そのためには、褒めながらその食材が美味しいことを潜在的に意識させることが必要になります。

子供の偏食を治すときの注意点

食べられないことに対して怒らない

子供が食べ物を食べられない場合、それに対して怒ってはいけません。食べられなくて怒ってしまうと、せっかくの子供のやる気が削がれてしまう恐れがあります。子供の取り組みには、褒め言葉と共感の言葉をかけながらサポートをしてあげましょう。食べられるようになるまでは、焦らずに待つというマインドでいたほうが気が楽ですよ。食べることが出来たときはこちら側も嬉しいはずです。子供と一緒に楽しんで偏食を治していきましょう!

1人ひとりの個性を尊重する

人間の考え方は人それぞれ。これはもちろん子供にも当てはまります。そのため、食事に対しての意識や食材に対しての興味も子供それぞれです。健康になりたくて苦手なものを頑張って食べる子がいますし、どうしても食べられない子もいるでしょう。だからこそ、様々な考え方の子供に対して、一つの改善方法を統一して行うのは効果的ではありません。一人ひとりの個性を尊重し、子供一人ひとりに合った改善方法を探すのが保育者の役目といえます。

子供の偏食を治す時期はいつがいい?

就学前がオススメ

子供の偏食を治す時期は、小学校に入学する前が望ましいです。4~6歳、早ければ3歳ほどから始めるのがよいでしょう。しかし、あまり早すぎても子供がプレッシャーを感じてしまうかもしれません。子供がある程度食事に対して興味を持ちはじめた段階で、ゆっくりスタートすることをおすすめします。また、いきなり苦手なものを食べさせることはせず、その食材がなぜ苦手かを知ることから始めましょう。そうすることで、これからの偏食改善をスムーズに始めることが出来ますよ。

偏食が多い子供におすすめのレシピ

野菜たっぷりカレーライス

最後に、偏食が多い子供におすすめのレシピ例を2つご紹介します。 一つは、野菜たっぷりカレーライス。カレーライスは子供に人気の料理ですし、野菜の味を直接感じにくいカレー味だからこそ食べやすいですよ。

【材料】(2人分)
もも肉 ・・・ 150g
玉ねぎ ・・・ 半玉
人参 ・・・ 1/2本
ピーマン ・・・ 2個
ナス ・・・ 1本
エリンギ ・・・ 半パック
水・・・ 350cc
お好みのカレールー ・・・ 2個

【作り方】
① 鍋に油を敷き、玉ねぎを飴色になるまで炒める。
② もも肉を入れ、表面に火が通るまで炒める。
③人参、ピーマン、ナス、エリンギを好きな大きさに切り、鍋にいれ炒める。
④ある程度火が通ったら、水を入れ20分ほど煮詰める。
⑤アクをとり、カレールーを入れてとろみがつくまで煮詰めて完成。

カレーには沢山のアレンジ方法があるので、お好みの味になるようにご自由に調整してみてください。

具だくさんチャーハン

2つめは、具だくさんチャーハン。こちらもお米と一緒に野菜を摂ることが出来るためとてもおすすめです。

【材料】(2人分)
炊いたご飯 ・・・ 1合
卵 ・・・ 1個
玉ねぎ(小) ・・・ 1/2個
人参 ・・・ 1/4本
舞茸 ・・・ 1~2枚
ピーマン ・・・ 1/2個
塩コショウ ・・・ 2~3振り
鶏ガラスープの素 ・・・ 小さじ2
ブラックペッパー ・・・ お好み

【作り方】
①フライパンに油を敷き、よく温めたあとに卵とご飯を入れる。
②強火で少し火を野菜をすべていれ、そのまま強火で炒める。
③全体に火が通り始めたら塩コショウと鶏ガラスープの素を入れ、さらに強火で炒める。
④お好みでブラックペッパーを振って完成。

チャーハンの強みは具材に制限が無いことです。お好きな具材を入れて子供に食べさせてあげてくださいね。

まとめ

子供たちの個性を尊重し少しずつ偏食を改善していこう

いかがでしたでしょうか。今回は偏食を治す方法やコツ、レシピ例などをご紹介しました。子供の偏食はいきなり治るものではないため、長い時間をかけてゆっくり行っていくことが重要です。保育者側が焦ってしまうと、子供はそれをプレッシャーに感じ、せっかくの取り組みの効果が薄れてしまいます。食への考えは人それぞれのため、子供一人ひとりに寄り添い、一緒に楽しみながら改善が出来るとよいですね。

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