言葉が遅い子供の特徴と原因は?【なぜ・特徴・発達障害・2歳・3歳・4歳】

子供の言語発達が周りや一般的な成長よりも遅いと、なにか問題があるのではと不安になる方は多いのではないでしょうか。今回は、そんな言葉の遅れの原因や対処法、言語発達のポイントなどをまとめました。また、年齢ごとの言語発達の特徴もまとめていますので、言葉が遅れているかどうかのチェックに活用してみてください。今回の内容が、子供の言葉の遅れに悩んでいる方の参考になれば幸いです。

言葉が遅いとは?

言葉の発達が遅れること

言葉が遅いとは、子供の言葉の発達が遅れることを意味します。子供は年齢ごとに言語発達の段階がありますが、その段階よりも言語の発達が遅れると、言葉が遅いと表現します。専門的な用語でいうと言語発達遅滞と呼び、これには様々な原因が。言葉の遅れは乳幼児の時期に起きやすいため、早いうちから言語発達を促す工夫を取り入れることをおすすめします。言語発達を促す方法は記事後半にまとめていますので、ぜひご覧ください。

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年齢ごとの言葉の発達

生後2ヶ月~1歳:「あー」「うー」などの喃語

生後2ヶ月~1歳の子供は、「あー」や「うー」などの喃語を話します。喃語は母音と子音で構成されており、成長すると発する言葉が増えていきます。ここでは言葉が遅いと感じる場面は少なく、そこまで心配する必要はありません。しかし、ずっと同じ喃語しか話さないときは、これからの成長過程でも言葉の成長が見られなくなる可能性があります。ご機嫌なときは喃語が出やすいので、子供を楽しませる工夫をしながらコミュニケーションをとりましょう。

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1歳~2歳:「ぶーぶー」などの一語文

1歳をすぎると、「ぶーぶー」や「まんま」といった一語文を話すようになります。喃語とは異なり、話す言葉に意味が含まれるようになるため、よりコミュニケーションが楽しくなる時期ですね。また、1歳半~2歳になると次第に話す言葉が増え、「ぶーぶー、ある」や「まんま、たべる」などの二語文を話すようになります。このように話す子供がいる他、あまり喋らない子供もいるでしょう。心配するとは思いますが、寡黙な性格がゆえかもしれません。そのため、子供がどんな子なのかを把握しておくことは重要になりますね。

2歳~3歳:「ママ、ごはん、たべる」などの三語文

2歳~3歳ごろになると、「ママ、ごはん、たべる」 といった三語文を話すようになります。より具体的な状況説明が出来るようになるため、一語文や二語文に比べて言語のレベルが向上します。また、子供の好奇心もより旺盛になり、様々なものに興味を示すため、自然と話す機会が増えるでしょう。コミュニケーションの回数が増えることで、子供の異変に気づきやすくなるはずです。まだ一語文や二語文を話したり、言いたいことを言えなかったりしたときは、言葉が遅れている可能性があるため注意です。

3歳以上:主語と述語を含む文

3歳以上になると、主語と述語使った文章を話すようになります。「まま が いない」や「ごはん を たべる」といったように、助詞を使って主語と述語をつなげるようになります。また、知っている単語が増えるため、2歳~3歳までの時期よりも話す機会が増えるでしょう。この時期は、大人がはなす言葉を模倣する時期です。大人側が誤った言葉を話していると、それを真似されてしまう可能性があるので注意しましょうね。

言葉の発達が遅い原因は?

言葉の意味を理解出来ていない

言葉の発達の第一段階は、言葉の意味を理解することです。例えば、ごはんのことをよく「まんま」と言って表現しますよね。子供がまんまの意味を理解していると、お腹が空いたときに「まんま」と自発的に発言するようになります。子供が言葉を話すようになるためには、発音とともに言葉の意味を理解させることが大切です。言葉を覚えさせるときは、言葉の意味を理解しやすくする工夫が出来るとよいですね。そして、言葉は一度教えただけでは中々定着しません。日常の中で繰り返し練習するようにしましょう。

言葉を聞き取れていない

0歳~3歳の子供はまだ読み書きが出来ない年齢のため、耳から聞いて言葉を覚えます。そのため、言葉に遅れが見られる場合、聴力に原因があるかもしれません。言葉が聞き取れないと、適切な発音が出来ず、会話の際に言葉が伝わりにくくなってしまいます。日本では母子健康法により、幼児に対して聴力を含む健康診断を行うことを義務付けられています。満1歳半を超え満2歳に満たない幼児と、満3歳を超え満4歳に満たない幼児が対象となるので、忘れずに行うようにしましょう。

本人の性格や周りの環境

また、子供本人の性格が内向的な場合、積極的に話をしないことがあります。普段無口で言葉が遅れているのか不安だという方もいると思いますが、呼びかけに応答したり、質問にしっかり答えられるのであれば心配はいらないでしょう。また、子供の考えに合わせて大人が先回りした行動をとってしまうと、子供は発言の機会を失ってしまいます。子供に気を遣ってあげることはよいことですが、子供のためにと先回りしすぎると、子供の発言の機会を奪ってしまうため注意しましょう。

発達障害の可能性も

聴覚障害

3歳を過ぎてもほとんど言葉を発さない場合、上記の原因以外に発達障害の可能性もあるかもしれません。一つは聴覚障害で、大人が話した言葉を適切に聞き取ることが出来なかったり、聴力が弱く音を聞き取りにくかったりする症状があります。音を適切に聞き取れないと、正しくない発音につながってしまいます。言葉は正しい発音とともに覚えるものですので、子供の聴力が正常化を一度検診してみることをおすすめしますよ。

構音障害

構音障害には、機能性構音障害と器質性構音障害の2つがあります。機能性構音障害は、神経や筋肉の異常が無いにも関わらず、正しい発音が出来ないという症状があります。言葉を聞き取れないゆえに正しい発音が出来ない場合がありますので、検診のときにしっかり診てもらいましょう。ほとんどの子供は4歳以上になれば改善されますが、言語訓練が必要になる場合があります。また、器質性構音障害は、口蓋裂や粘膜下口蓋裂など、肉体に異常があり正しい発音が出来ない障害を言います。これは医療的な対応が必要になりますので、異常が見られたときはいち早くかかりつけの病院に行きましょう。

言葉の発達を促すポイント

積極的に話しかける

乳幼児は耳から聞いた言葉を覚えます。そのため、周囲にいる人が子供に積極的に話しかけることで、子供の言語発達を促すことが出来ますよ。また、子供の周りにあるおもちゃを「からんからん」や「ぶーぶー」と表現すると、子供は次第にその言葉を覚え、自らおもちゃをそのように呼ぶようになります。しっかり言葉で表現するという見本を見せると、子供は自然と言葉を覚えていくでしょう。しかし、子供の前では過激な表現や間違った表現は避けましょうね。

絵本の読み聞かせをする

絵本の読み聞かせは、子供の聴力や想像力と同時に言語力を養う方法としてとても効果的です。乳幼児のうちは読み書きが出来ませんが、読み聞かせをすることで言葉と絵を結びつけ、語彙力や言語力、想像力などを育むことが出来ます。また、抑揚をつけて読み聞かせをすることで、イントネーションや発音の仕方なども楽しみながら養うことが出来ますよ。絵本の読み聞かせは寝かしつけのときに活用できますので、生活の中で簡単に取り入れることが出来るためおすすめです。

子供のおしゃべりに返事をする

子供が興味を持ったものに対し、独り言を言ったり指を指してなにかを伝えようとしたりしたときは、その声掛けに返事をしてあげましょう。相手が話を聞いてくれていると、もっと話したいと思うときはありませんか?子供も同じように、相手が自分のおしゃべりを聞いてくれていると感じると、嬉しくてもっと話したいと思うようになります。相槌を打ったり返事をしてあげることで、子供が積極的におしゃべりする機械を沢山作ってあげましょう。

口周りの筋肉を養う遊びをする

口周りの筋肉を養う遊びをすることで、滑舌を養うことができ、正しい発音につながりますよ。おすすめの遊びは、息を吹きかける遊びです。風船を膨らませたり、紙コップを息で遠くに動かしたりすると、口周りの筋肉と肺活量を養うことが出来ます。また、遊びを行う際は、怪我に気をつけてください。風船の取り合いで喧嘩になったり、誤って飲み込んでしまったりするととても危険です。楽しい雰囲気を崩さないように、かつ怪我のないようにしっかりと見守ってあげましょう。

遊びの中で会話を沢山取り入れる

以上のような遊びを行っていると、子供は自然と喜びや楽しさを言葉で表現するでしょう。「やったー!」や「もっと遊びたい!」など発言にはしっかりと反応してあげてくださいね。遊びはコミュニケーションを行う絶好の機会です。沢山会話を取り入れることで、子供が話す機会が増え、自然と言語発達が促されるでしょう。しかし、あまり感情的になりすぎると過激な表現をしてしまいがちですので、よくないと思った表現はしっかり訂正させることをおすすめします。

言葉の発達を促すときの注意点

言い直しをさせない

子供はどうしても言い間違いをすることが多いです。例えば「おくすり」を「おすくり」と言ったり、「エレベーター」を「えべれーたー」と言ったりします。このような言い間違いは早く直したほうがいいと思いがちですが、すぐ直そうとするとかえって子供はストレスに感じる可能性が。おしゃべりしても言い直しさせられることが何度もあると、おしゃべりしたくなくなりますよね。正しい名称は成長するにつれ、次第に覚えていきます。まずは自由に話すことを尊重し、おしゃべりすることの楽しさを覚えさせましょう。

子供が安心する話し方をする

会話の際は、子供が安心する話し方を心がけましょう。口調が強かったり、声が大きすぎたりすると、子供は怖いという感情だけが残ってしまう可能性があります。子供が安心するように高めのトーンかつゆっくりで、抑揚をつけて話すことで、子供はリラックスでき、会話にも集中出来ますよ。このような話し方はマザリーズまたはペアレンティーズと呼ばれており、子供を安心させる話し方として広まっています。

保育者側が楽しむ

子供の言語発達のためには、保護者側が楽しむことを忘れてはいけません。今日は何ができたかしっかりチェックし、日々の子供の成長を感じ取りましょう。そうすれば、毎日の生活は楽しくなるはずです。遊びの際に一緒に喜びを共有したり、絵本を読むときに一緒に感想を共有したりすることで、子供はより楽しさを感じるはずですよ。お互いが楽しむことで、子供は沢山おしゃべりをしてくれるでしょう。

まとめ

言語の発達スピードは人それぞれ

言語の発達は人それぞれペースがあります。すぐに言葉を覚えて使える子供がいれば、なかなか言葉を覚えられない子供もいるでしょう。しかし、子供の言語発達が遅いと感じたとしても、焦らずに対策を練ることをおすすめします。言葉の遅れには何らかの原因があります。まずは落ち着いて原因を考え、少しずつ改善をしてきましょうね。言葉の遅れに悩んでいる方にとって、今回の記事が参考になれば幸いです。

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