指しゃぶりとは?いつまで続く?やめさせ方はある?【歯並び・防止・なぜ】

赤ちゃんや幼い子供に見られる指しゃぶり。誰しもが幼いころに経験するものですよね。そんな指しゃぶりは、成長とともにしなくなることがほとんどであるといわれています。しかし、中々癖が抜けずに怒られたことがある人も多いのでは?それでは、どうして指しゃぶりはやめさせなければいけないのでしょうか?今回は、そんな指しゃぶりの原因ややめさせるべきと考えられている理由などを解説し、対処法を紹介していきます!

指しゃぶりとは?

乳幼児が自分の手や指を吸うこと

指しゃぶりとは、乳幼児が自分の指を上の歯の裏側にある【口蓋】という部分に押しつけるしぐさのことです。かなり強い力で指を吸うため、指しゃぶりをしている子供の口から指を抜こうとしても、抜けません。指しゃぶりによって口の中の圧力が高まるので、指しゃぶりを長期間続けることは避けた方が良いでしょう。ただし、すべての指しゃぶりがダメというわけではありません。実際に、小児の精神発達の面からは、指しゃぶりを【心の栄養】といった形でとらえ、成長に必要な生理的行動として認識されています。

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なぜ指しゃぶりをするの?

乳児:母乳を飲む練習

指しゃぶりをする理由は、成長によって様々に変化します。新生児の指しゃぶりは、母乳やミルクを飲むための練習。口についたものを吸うという原始反射からきている行動で、口のそばに来たものを無意識に吸っています。これを【吸てつ反射】といいます。赤ちゃんはお母さんのおなかの中にいる時から、母乳を飲む練習として指しゃぶりをしていて、吸てつ反射は生まれつき、誰もがする行動です。

乳児期:自分の指で遊ぶように

乳児期には、自分の指で遊ぶようになり、指しゃぶりをします。赤ちゃんにとって、生まれて初めてのおもちゃは、自分の指。生後1か月を過ぎると、活発に手や足を動かせるようになり、手が口の周りに触れることによって指しゃぶりが始まります。生後4か月を過ぎると、手や足だけでなく、おもちゃやタオルなどなんでも口にいれて遊ぶようになります。これは、口の中に入れて形や感触を学ぶ赤ちゃんの発達過程です。

幼児期前半:退屈な時や眠い時に

幼児期前半の1歳~2歳半になると、退屈な時や眠い時に指しゃぶりをするようになります。乳児期の間は、自分の指を使って遊ぶことが、指しゃぶりをする主な理由でした。成長とともに、おもちゃや道具を使って遊ぶことが増える幼児期前半。指や手をおもちゃにする年齢の時よりも、眠い時や退屈な時といった限定的な場面で見られることが多くなります。そのため、1歳~2歳半になると指しゃぶりをする時間は徐々に減少すると考えられています。

指しゃぶりを続けるとどんな影響がある?

歯並びが悪くなる原因に

一般的に、指しゃぶりを続けると悪影響があるといわれていますよね。指しゃぶりをすることによって、具体的にどのような影響があるのでしょうか?まず1つ目に考えられるのは、歯並びへの影響。歯列矯正をするときは、歯列にワイヤーを用いて、圧力をかけて歯並びを整えますよね。指しゃぶりによって考えられる歯並びへの影響も、歯列矯正と同じ仕組みです。指しゃぶりをしているときは、実は大人が指を引き抜こうとしても、抜けないくらい強い力で指を吸っています。強い力で指を吸っているため、口の中の圧力が高まり、歯列自体も外側に引っ張る力で押されてしまうのです。このように、前に引っ張る力が歯列全体に強く加えられることによって、歯並びが悪くなってしまうのですね。詳しく説明すると、上の歯列は、外側に引っ張られ、下の歯列は、奥に押されてしまい、咬み合わせが悪くなってしまうのです。

言葉の発音にも影響が

歯並びが悪くなることに付随する影響として、発音が悪くなってしまうことが挙げられます。上下の前歯に隙間が空いてしまうことによって、言葉を話すときに、上下の前歯の隙間に舌が入ってしまいます。前歯の隙間に舌が入って、発音が不明瞭になると、舌足らずな印象に。それにより、サ行、タ行、ナ行、ラ行など、舌を使って発音する音に大きな影響を与えます。また、舌がうまく動かなくなってしまうため、話しているときに唾液が飛びやすくなってしまいます。

お口ポカンになりやすくなる

上下の歯列がずれ、前歯が前に出てしまうと、口呼吸が進み、お口ポカンになりやすくなるようです。お口ポカンになってしまうと、食事中にクチャクチャと音が出るようになったり、よく噛まずに飲み込むようになったりします。お口ポカンは、虫歯や歯周病、顔の歪み、ウイルス感染などの要因に。鼻呼吸をしていると、鼻の中で空気の温度や湿度を調整できます。しかし、お口ポカンの状態で口呼吸をしていると、冷たく乾燥している空気が直接的に気道や肺に入ってしまい、肺やのどを痛めやすくなります。肺やのどを痛めると、風邪やインフルエンザなどウイルス感染の原因に。指しゃぶりをやめさせることによって、お口ポカンを防ぐことができます。

よだれかぶれなど衛生面においても注意

指しゃぶりをすることによって、衛生面においても問題が生じます。例えば、よだれによる口や顎、手指のかぶれ、肌荒れ。かぶれを放置してしまうと、ひどい肌荒れにつながります。肌荒れについては、指しゃぶりをやめさせなくても良い年齢の時から、起こりうる問題です。ケアの方法は、濡れたガーゼで拭き、保湿することや、皮膚科を受診してみること。乳児のときから、よだれかぶれに対処できるよう、日ごろから子供の肌をケアしておきましょう。

指しゃぶりはいつからやめさせるべき?

2歳半~3歳までにはやめられるようにしよう

指しゃぶりは、成長に伴う自然な行動の一つであると紹介しました。しかし、指しゃぶりが与える影響がかなり大きいのも事実です。それでは、何歳までにやめさせると良いのでしょうか?指しゃぶりをやめさせる年齢として、2歳半~3歳が良いとされています。2歳半~3歳までに自然に指しゃぶりをしなくなりますが、ずっと続けているときは、要注意。4歳ごろになると、口や顎の発達が著しくなります。その時期までには、指しゃぶりをやめさせておかないと、歯並びに大きな影響を与えてしまいます。その為、2歳半~3歳の間にやめられるようにしておくと良いでしょう。

やめさせる方法はある?注意するべきことは?

「指しゃぶりはやめようね」と声をかける

指しゃぶりをやめさせる方法として、まず1つ目に声掛けを紹介します。指しゃぶりをしているところを見かけたら、「指しゃぶりはやめようね」と声をかけましょう。このとき、怒ったり責めたりして注意するのではなく、優しく声をかけることから始められると良いです。子供が指しゃぶりをしているとき、ほとんどの場合はリラックスしている状態です。そこで、責めたり怒鳴ったりするような態度で接してしまうと、子供を心理的に抑圧してしまうため、あまりよくありません。まずは、やめようねと声をかけるところから始めましょう。

子供が退屈に思う時間を減らす

幼児期前半の指しゃぶりは、退屈な時や眠い時に見られると紹介しました。それをふまえて、子供が退屈に思う時間を減らすことも一つの有効な対策として挙げられます。今まで以上に話す時間を増やしたり、遊ぶ時間や絵本を読む時間を増やしましょう。こうすることによって、退屈な時間に、子供がなんとなく指しゃぶりをしてしまうことを防ぐことができます。また、眠い時にしてしまう指しゃぶりをやめさせるために、手をつなぎながら添い寝してあげることも効果的です。

指しゃぶり防止のネイルなどを爪にぬる

指しゃぶりをやめさせる最終手段として、指しゃぶり防止のネイルを紹介します。これを爪に塗ることによって、指を口に入れると、苦い味がします。子供は、指しゃぶりをするときにひどく苦みを感じるので、かなり効果的にやめさせることができるようです。これは、子供用のおもちゃにも応用されている方法。レゴなどの小さいパーツを含むおもちゃは、子供たちが誤飲しないように、口に入れると苦い味がするようにしてあります。しかし、この方法は無理やりやめさせているのと同じです。そのため、子供の心理的影響を考えて、オススメしない専門家がほとんど。声かけなどを実践しても、改善できなかった場合に、最終手段として取り入れてみてください。

保育士さんが気を付けられることはある?

子供がどんな時に指しゃぶりをするかよく理解する

指しゃぶりをする子供たちに対して、保育士さんが気を付けられることにはどんなことがあるでしょうか?保育士さんが気を付けられることの一つ目として、どんな時に指しゃぶりをしているのか、理解しておくということが挙げられます。この記事では、年齢別に指しゃぶりの主な原因をまとめました。しかし実際には、子供たち一人一人が具体的にどのような場面でしているか、一概にすべて同じではありません。毎日様子を見てあげられる保育士さんたちは、まずはどんな時に子供たちが指しゃぶりをしているのか、理解しましょう

指しゃぶりをする時間を作らないようにする

どんな時に指しゃぶりをしているのか理解できたら、その場面をなるべく作らないよう心がけましょう。例えば、ぼーっとしている時間、退屈に感じている時間に指しゃぶりをしているとわかったら、なるべく話しかけたり一緒に遊んだりしましょう。子供たちの様子を見て、指しゃぶりの原因そのものをなくすよう心がけます。指しゃぶりをやめさせるために、まずは、指しゃぶりをしない時間を長くしていきましょう。生活の中で指しゃぶりの時間を短くしていくことによって、指しゃぶりの癖をなくすことにつながります。

保育の中で手遊びを取り入れる

保育の遊びの中で、手遊びを取り入れることも指しゃぶり対策に効果的です。手遊びをしている間は、指しゃぶりをすることはできないので、指しゃぶりをする時間を短くすることにつながります。たとえば、絵本を読んでいる時に指しゃぶりをしてしまう子供がいれば、絵本のストーリーと一緒に手や腕を動かす動作をつけてみるのも良いでしょう。手遊びを多く取り入れることは、退屈な時に指しゃぶりをしてしまう子供にもかなり効果的。手遊びを通して、指しゃぶり以外の方法で手を使って遊べるようになります。

必ず保護者の方と相談して対応

指しゃぶりをやめさせるために、保育士さんができることはたくさんあります。ただし、まずは保護者の方が指しゃぶりをやめさせたいという意思があるのかを確認しましょう。指しゃぶりに対する考え方は、保護者の方によって様々。保護者の方が、指しゃぶりをやめさせたいと考えていて、保育士さんが協力してほしいという場合には、保護者の方と協力して対応すると良いでしょう。毎日の生活での気付きを共有したり、実際に声かけや対策をしたりすることによって、より効果的に指しゃぶりをやめさせることができます。また、指しゃぶりをやめさせるためにマニキュアなどを使用するときは、必ず保護者の方に相談しましょう。

まとめ

じっくりと時間をかけて指しゃぶりと向き合っていきましょう!

指しゃぶりは、成長に必要な習慣の一つです。年齢とともに指しゃぶりの理由は変わり、自然としなくなる場合がほとんど。その習慣をなくして、やめさせるためには、長い時間と根気が必要になるので、あまり焦らずじっくりと向き合っていくことが大切です。また、成長や発達によって、やめさせる年齢ややめさせ方も異なります。子供とのコミュニケーションや子供との生活をとおして、やめさせるべきか考えると良いでしょう。

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