七草粥を子供向けに説明する方法!保育に活かすアイデアも【意味・由来・学習アイデア・レシピ】

年末年始の豪華な食生活に飽きると恋しくなる七草粥ですが、どんな意味があるか知っていますか?なんとなく知っていても、説明しようとすると難しいという方もいるのではないでしょうか。この記事では七草粥を食べる意味や由来、春の七草の種類などを解説しています。七草粥について子供に伝える方法も紹介しているので、七草粥について詳しく知りたい方や、七草粥や春の七草を保育で活かしたい方に読んでほしい記事です。

七草粥を食べる意味は?

無病息災を願うため

七草粥を食べる意味は大きく分けて二つあります。一つは無病息災を願うためです。春の七草は早春に芽吹くため縁起が良いとされました。そこから生命力を取り入れることで健康になろうと、七草粥を食べる習慣ができました。現代ではあまり気にされていませんが正式な作り方もあります。前日6日の夜から7日の朝にかけて、春の七草を2時間ごとに1種類ずつ叩いて作っていたようです。また、地域によっては歳神様を祀る神棚の前で七草囃子を歌いながら叩いたと言われています。

お正月のごちそうで疲れた胃を休めるため

もう一つの意味は、ごちそうで疲れた胃をいたわるためです。七草粥に入っている春の七草は豊富なビタミンを含んでいます。年末年始にはおいしいごちそうを食べて胃が疲れてしまったり、栄養が偏ってしまったりしがちです。昔の人々は、それらが体の不調を引き起こさないよう、体に良い七草粥を食べました。今は季節を問わず様々な野菜が売られ、サプリメントや健康食品などから栄養補給をすることもできます。しかし、かつては野菜が少ない冬の栄養補給に、季節の野草を食べていました。お正月明けはぜひ昔ながらの方法でビタミンを摂りましょう。

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七草粥を食べる日はいつ?

1月7日の朝

七草粥を食べるのは、1月7日の朝です。夜に食べても悪くはないのですが、一般的に、新しく何かを始めるときの縁起物は朝にいただくのがよいと言われています。また、七草粥は消化に良いです。そのため、朝食にぴったりの食べ物と言えます。温かい七草粥を食べれば、春の七草からビタミンを、お米からエネルギーを摂って、朝から元気いっぱいに活動できますよ。

七草粥の歴史や由来は?

発祥は中国、若菜の汁物を飲む伝統が由来

七草粥を食べる習慣は、平安初期に中国から伝わった伝統文化が元になっているようです。もともと中国では元旦から1月7日までの七日間に、1日ずつ獣や人を当てはめて、それぞれの1年を占う風習がありました。そして1月7日は人を占う人日の節句として七草を入れた汁を飲む習慣ができました。それが日本に伝わってから、15日に小豆のお粥を食べる風習と混ざって七草粥に変わったそうです。子供に説明するときは、中国から伝来したことをできる限り簡単な言葉で説明してあげましょう。

春の七草の種類は?

せり

せりは、競り合うように生えていることからこの名前が付いたと言われるセリ科の植物で、「競り勝つ」とかけて縁起物として扱われています。野生下では川や沢など水辺に生えています。独特の歯ごたえと香りがしておいしい野菜です。すぐに煮えて柔らかくなるので、特有の歯ごたえを楽しむために、七草粥に入れるときは最後に入れましょう。せりはビタミン、ミネラル、鉄分を多く含み、さらに現代人に不足しがちな葉酸が多いことが特徴です。葉酸や鉄は貧血予防に、各種ビタミンは風邪予防や美容に効果があります。

なずな

なずなは春に白く小さな花を咲かせるアブラナ科の植物です。撫でたくなるほどかわいいという意味の「撫で菜」から「なずな」という名前になったと言われています。「撫でて汚れを取り払う」という意味の縁起物です。古くから漢方薬にも使われていたなずなは、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富で、栄養価が高いです。これらの栄養素は高血圧や解熱、利尿、肌荒れに効果があります。癖がなく食べやすいので、七草粥以外にも様々な料理に利用できます。なずなは全国の日当たりのいい田畑や道端に生えています。お散歩のときに探せば見つかるかもしれませんね。

ごぎょう

朝鮮半島から伝わったごぎょうは別名ハハコグサとも言い、「仏体」を表す縁起物とされています。日本では全国に分布しているので、この草も簡単に見つけられます。ごぎょうには、せきやのどの痛みを和らげるほか、利尿作用でむくみを改善する効果もあるようです。呼吸器系に効能があるので、ハーブティーに入れて飲むこともあります。また、今はヨモギで作られている草餅も、かつてはこのごぎょうで作られていたようです。最近は使われる機会が減っている野草ですが、お正月の機会にぜひ食べてみてください。

はこべら

はこべら(はこべ)は小鳥のえさになることから別名ひよこ草と呼ばれており、全国で見つけられる草のようです。非常に種類が多い草で、日本に約18種類、世界では役120種類あります。根が広がって、種が落ちるとすぐに芽が出ることから「繁栄がはびこる」にかけて縁起物とされています。畑の厄介者と言われることもありますが、その効能は優れています。胃腸を整える作用があるほか、中国ではかつて歯磨き粉としても使われていたそうです。

ほとけのざ

ほとけのざは漢字表記で「仏の座」で、名前に仏とついている縁起物です。正式名称はコオタニビラコというキク科植物ですが、放射線状に広がる葉っぱの形が仏様の座る台座に似ていることからほとけのざと呼ばれるようにもなりました。シソ科にも同じ名前のほとけのざという植物がありますが、こちらは食べられません。ほとけのざには胃の調子を整えるほか、高血圧予防や解熱、鎮痛などの効果があります。

すずな

すずなとは、かぶの別の名前です。すずなは漢字で表記すると「鈴菜」となり、神を呼ぶ鈴の意味をもつため縁起物とされています。このすずなという呼び方は、錫製の容器の形に似ているから名付けられたという説と鈴の形に似ていることから名付けられたという説の2つがあります。また、春の七草としてのすずなは葉の部分のみを指し、今は根も七草粥に入れることが多いですが、昔は根の白い部分は使っていませんでした。葉の部分にはブロッコリーの3倍のカロテン、ほうれん草の5倍のカルシウムを含み、骨粗しょう症予防や免疫を上げる効果があります。

すずしろ

すずしろは大根のことです。根が白くて清々しいので「潔白」と呼ばれていたこともあり、現在も縁起が良いものと言われています。現在七草粥に入れるときは根も葉も両方使うことが多いですが、かつては根を使っていませんでした。すずしろの根は消化に良く、胃腸の働きを改善する作用があるほか美肌に欠かせないビタミンCも豊富です。また、葉には根よりもさらに多くの栄養素が含まれています。カルシウムや鉄分、βカロテンなどです。

七草粥について子供に伝える方法

春の七草を実際に触ってみよう

子供の学びを育てる食育の一環として、春の七草を買ってきてみんなで見てみるのはどうでしょう。七草粥として食べてみるのはもちろん学習に効果的ですが、お粥の具材として見るのと植物として見るのでは感じ方が全く変わります。かぶ(すずな)や大根(すずしろ)は食べる機会も多いですし、スーパーで見かけたりして形を知っている子供も多いでしょう。その一方、はこべらやほとけのざなどはあまり意識して見ることがない植物なので、この機会に見せてあげると新しい知識がつくかもしれません。

春の七草を歌で覚えてみよう

春の七草について知ったら、7つ覚えてみませんか。手遊び歌の「不思議な指」のメロディーをつけて、「春の七草知っているかい 春の七草知っているよ ごぎょう はこべら せり なずな すずな すずしろ ほとけのざ」と歌ってみましょう。

「セナはゴッホとすず2つが好き」という語呂合わせで覚える方法もあります。セ(せり)ナ(なずな)は(はこべら)、ゴ(ごぎょう)ッホ(ほとけのざ)、すず2つ(すずな、すずしろ)ですね。楽しくチャレンジしてみてください。

お散歩のときに探してみよう

園児を連れて自然豊かな場所をお散歩するときは、ぜひ春の七草を探してみましょう。春の七草は1月7日が近づくとスーパーで売られるようになりますが、じつは身近なところでも手に入るのです。もちろん食用にはスーパーなどで売られているもののほうが適していますが、どんなところに生える草なのか生態を観察することができます。また、春の七草の中にはほとけのざやなずなのように、かわいい花が咲いて見た目がきれいな草もあります。味わうだけでなく目で見て楽しむのもおすすめですよ。

絵本や動画で学びを深めよう

絵本や動画を見ると難しい内容のことでも理解が簡単です。子供向けのものもたくさん出ています。また、春の七草や七草粥について学んだ後、子供たちと協力してみんなで絵本を作ってみるのもおすすめです。子供たちをいくつかのグループに分け、先生たちが描いた文章に合わせて子供たちが1人1ページずつ絵を描けば、オリジナルの絵本が作れます。自分たちで春の七草の絵を描けば記憶に定着して学びが深まるでしょう。

子供はいつから七草粥を食べられる?

離乳食を食べられる頃からOK

七草粥はお粥なので消化が良いです。離乳食が食べられる年齢から口にしても問題ありません。使う材料も、お米と草とお水だけなので、アレルギーがなければ子供の体に良いですよ。しかし七草粥が苦手で食べたくないという子供も中にはいます。そんなときは、子供が食べやすいようにアレンジして食べさせてあげるのも手です。七草粥が苦手だと感じる理由で多く挙げられるのは、春の七草の青臭いにおいです。ごま油を入れてにおいを隠したり、ツナ缶を入れて子供好みのマイルドな味に調整したりするのがおすすめです。

親子で作れる簡単な七草粥レシピ!

炊飯器で簡単七草粥

簡単なレシピを紹介します。炊飯器で作るので鍋やフライパンはいりません。包丁を使うときは大人が見守ったり、いっしょに切ってあげてくださいね。子供たちの初めての料理にもぴったりです。[材料]2~3人前 春の七草(せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ)、米 1合、和風だしの素 小さじ2、しょうゆ、塩 [作り方]①かぶ、大根を薄く切る。ほかの葉物野菜は食べやすいサイズに千切るか包丁でカットする。②お米を研いで内釜に入れ、全粥の表示のところまで水を入れる。③和風だしの素としょうゆ、塩を混ぜ、かぶと大根も内釜に入れ、炊飯を開始する。④お粥が炊き上がったら、細かくした葉を釜に入れて混ぜ、ふたを閉めて5分ほど蒸らして完成。

まとめ

七草粥を通して子供に学ぶ楽しさを伝えよう

七草粥を食べることは、厳しい冬を乗り切るために昔の人が考え出した伝統文化です。保育に取り入れることで、次の世代へ文化を伝えることにも繋がるので、ぜひ子供たちの学習に活かしてみてください。実際に実物に触れてみることは効果的な学び方ですが、春の七草ならそれも簡単ですね。絵本や動画で学んだり、お散歩のときに探したり、いろんなアプローチで楽しみましょう。今回紹介したアイディアを使って、子供たちの学びをサポートしてみてください。

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