療育保育士とはどんな仕事?【仕事内容・職場・保育園との違い・待遇など】

みなさんは療育保育士という言葉を聞いたことがあるでしょうか。近年、保育士の求人の中でも注目されているものです。療育の知識を身につけていたり、療育に関わる施設で働いていたりする保育士のことですね。今回の記事では、そんな近年注目されている療育保育士について説明していきます。療育保育士として働く上での職場や仕事内容、保育士の仕事との違いなど幅広く触れていきます。次はどのような施設で働こうか悩んでいたり、転職を考えたりしている方は特に読んでみてくださいね。

療育保育士とは?

療育施設で働いていたり療育分野に長けている保育士のこと

療育保育士は療育施設で働いている保育士など、療育の知識を持ち療育の分野に関わる仕事をしている保育士全般を指す言葉です。実際に療育保育士という資格や職種が存在しているわけではなく、浸透し始めている総称のようなものですね。実際に療育施設の求人でも保育士資格の所持を条件としていることも多くなっています。発達障害をはじめさまざまな障害を抱えている子供たちに保育と療育の両方を提供するためにも、両分野を担える人材の需要は高まっていると言えるでしょう。

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療育とは?

障害を持つ子供に対して特性に応じた発達の支援をすること

療育とは、障害を持っていたり障害を持つ可能性があったりする子供たちに対してそれぞれの特徴や発達状況に合った支援を行い、今後の社会参加や自立をサポートするものです。療育は発達支援と表されることもありますね。もともと療育という言葉は身体障害を抱える子供たちへの支援に対して使われていましたが、現在は範囲が障害全般に拡大しています。これは近年障害者数が増加しており、サポートを必要としている子供が多くなっていることも一因と言えるでしょう。子供の発達具合に合わせた支援を行うことで、子供たちの成長を促進したり、新たな面を引き出すことにもつながっていきますね。

療育はどこで受けられる?

療育施設と呼ばれる施設で受けられる

療育施設はその名の通り療育を提供している施設のことで、一般的に障がいのある子供それぞれに合わせた治療と教育をおこなっている場所です。年齢や発達状況によって提供されるサポートの内容はまちまちで、運動などの体の動かし方からコミュニケーションや勉強に至るまで、幅広くサポートしていますね。単に、療育施設と言っても多くの種類が存在しており、受けることができる支援もさまざまです。ですから、サービス内容や特徴に合わせて、どのような施設に入所、通所するのか選馬なければなりませんね。

保育園に通いながら療育を受けることも可能

できれば、保育園で他の子どもたちと関わりながら、療育施設で療育を受けたいという家庭も多くあることでしょう。療育施設と保育園を併用することは可能で、実際に両立している子供たちも多くいます。一番多いパターンとしては、保育園や幼稚園と療育施設に通う日を分けて両立する方法です。自治体によっては併用を認めてもらえなかったり、障害を持っていると保育園や幼稚園への通園を推奨されなかったりすることもあるのでチェックが必要でしょう。他にも、もともと療育に対応できる保育園や幼稚園に通うことも一つの方法として挙げられ、この方法ではどちらかを休んだりすることなく両立できます。そういった施設が、付近にあるか調べることをお勧めします。

療育保育士の仕事内容や待遇は?

療育の知識を用いて子供たちをサポートする

療育保育士は療育施設で子供たちの保育、療育の両方の役割を担います。子供たち一人ひとりの特性を理解して、それぞれの日常生活のサポートを行うことが主な仕事となりますね。療育施設では、療育保育士の他に医師や臨床心理士など多くの分野の専門スタッフが在籍しています。ですから他の専門分野のスタッフと連携して、それぞれに合ったサポートを提供していくことになるでしょう。療育保育士の待遇については、もちろん地域や資格の有無によって変わってきます。ただし、近年保育士の低賃金が問題になっているように、保育士の待遇は不十分であるのが現状と言えるでしょう。保育士の月給は20万円前後がボリュームゾーンとなっているようですね。療育保育士の待遇もまだまだ十分とは言えないでしょうが、月給24万円以上の求人もあるようなので、比較的高いと言えるでしょう。

療育保育士としての知識はどのように学ぶ?

保育士には早期発達支援士の資格がおすすめ

保育士資格を持っていたり、保育士として働いたりしている方におすすめするのが早期発達支援士の資格です。早期発達支援士は、一般社団法人こども家族早期発達支援学会が認定している資格ですね。こども家族早期発達支援学会によると「子どもの発達とその支援に関する基本的知識があり、子どもの発達および家族の支援を一定期間行っている方に与えられる資格」とされていますね。保育士の方にお勧めしている理由は受験資格に実務経験が必要だからです。保育園や幼稚園、学校での400時間以上、5年間以上の実務経験がある方は受験資格を満たしているということになります。興味を持った方はぜひホームページを確認してみてくださいね。(一般社団法人こども家族早期発達支援学会)

療育保育士が働く職場は?

児童発達支援事業所

児童発達支援事業所は障害発達支援のための施設の一つで、企業やNPO団体などが運営している施設を指します。就学前の療育の支援が必要な子供たちを対象としています。各自治体に多く存在していて身近な療育場所として子供たちや家族が通いやすい施設と言えるでしょう。発達に不安がある子供たちのケアを担ったり、家族の相談に乗ったり、家族の負担を減らすことを目的としていますね。毎日のように通うタイプの施設から習い事のように週に何度か通うことができる施設まで存在しており、バリエーションが豊富です。子供たちや家族のニーズに合わせて選ぶことができることも特徴の一つでしょう。

児童発達支援センター、放課後等デイサービス

児童発達センターや放課後等デイサービスは児童福祉施設に分類される施設の一つで、自治体が管轄しています。障害を持つ子供たちが定期的に通い、療育や日常生活のための支援を受けることができる施設ですね。福祉サービスを提供する福祉型児童発達支援センターと、福祉サービスに加えて医療サービスも提供する医療方児童発達センターに分かれています。通所支援の他にも、児童発達センターは保育園への訪問支援や家族からの相談などを担ってる施設ですね。児童発達センターは一般的には就学以前の子供たちを対象とした施設で、小学生以上の子供は放課後等デイサービスに通うことになります。現在では児童発達センターと放課後等デイサービスが併設されていることもあり、一貫した支援をおこなっているケースもあります。

保育園と療育施設での働く上での違いは?

専門スタッフが多い

保育士として保育園で働いていた方からすると、療育施設の職場環境はどう違うのか気になるポイントですよね。一つ大きな違いとしては、さまざまな領域の専門家が在籍しているということが挙げられるでしょう。療育施設に来る子供たちが抱える障害の種類や重さはまちまちでしょう。ですから、それぞれに対応できるように多くの分野に携わっている職員が在籍しています。保育園とは人も環境も異なるので、違いを感じることも多いでしょう。

担当する人数が少ない

保育園と療育施設で働く際の違いとしてスタッフ1人当たりの担当する子供の数が少ないという点も挙げられますね。保育園では子供20人あたりに1人の保育士というのが配置基準です。療育施設では担当する子供の数はかなり少人数で、多い方でも8~10人程度を担当することになりますね。少人数クラスを担当する場合は2~3人というケースもあるようですね。担当する子供の数が少ないということは、それだけ1人の子供に多くの時間を費やせるということになりますね。

施設外の勤務もある

児童発達センターなどの施設で療育保育士として働くと、施設外での業務を担当することがあるのも特徴の一つと言えるでしょう。特に療育施設から保育園への訪問業務を行う際には、保育園の勝手がわかっている療育保育士が担うことになります。療育施設と地元の保育園を併用している子供たちも多くいます。ですから、療育保育士は地元の保育園をはじめとする療育施設以外の施設との連携が求められるケースも多いようですね。二つの施設の関係性を強固にし、しっかりとした連携ができる環境を作るためにも、療育保育士の担う役割は大きいと言えるでしょう。

療育保育士として働く動機やメリットは?

知識やスキルが向上する

保育業界、特に療育に関わる内容の仕事をしていると、社会的な責任が大きかったりやりがいを感じたりすることでしょう。その中でも療育保育士という仕事を選んで働く理由としては、知識やスキルが向上しやすい環境であるということが挙げられるでしょう。仕事内容でも触れましたが、療育施設には多くの専門分野のプロが在籍しており、さまざまな知識に触れる機会を得られます。保育士として働く中で、他の分野の知識を得られることによって仕事に幅が出てくることでしょう。

療育保育士として働く上でのポイント

子供の特性を理解しよう

療育保育士として働く上で、気を配るべきポイントは子供の特性を理解することでしょう。健常児と発達障害児の大きな違いは特性が有るのかないのかという点です。療育施設に通う子供たちはそれぞれが特性を持っています。子供たちに合わせた療育を提供するためにも特性に気を配ることが重要ですね。子供たちの動きをしっかりと分析して把握することが大切になるでしょう。加えて保護者との会話の中からも情報を集めると良いですね。子供たちそれぞれに合った療育をするためにも、子供の特性を理解することは非常に重要と言えるでしょう。

子供のペースに合わせて焦らず対応しよう

子供のペースに合わせて焦らず対応することも療育保育士として働く上でのポイントとして挙げられるでしょう。療育に携わると時には辛抱も重要ですし、焦ってもあまり良いことはないでしょう。療育という分野ではスモールステップが基本で、小さな成功を繰り返すことで徐々に子供たちは成長していきます。全体のステップをいくつかに分解してみて、ひとつずつ教えていくことも重要でしょう。特に子供たちの発達度合いや特性の差があるので、療育保育士はそれぞれのペースに合わせて対応することが求められていますね。

まとめ

療育保育士として働く選択肢も持とう

いかがだったでしょうか。今回は療育保育士について解説しました。仕事内容や実際の求人、保育園で働くこととの違いなど幅広く触れましたね。保育士として働いていた方が転職すると、違いに戸惑うこともあるかもしれません。しかし、子供たちの将来に直結するやりがいのある仕事であることに間違いはないでしょう。もしもこの記事を読んで療育

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