戸外活動で気を付けるべき危険な虫の種類と対処法を解説【危険な虫・対処法・持ち物】

保育園の園庭や公園などで遊ぶ戸外活動では、こどもが様々な生き物と触れ合う機会があります。しかし、生き物に触る際には、危険な虫に気を付けないといけません。なぜなら、身近な虫の中には触れるだけでも毒を発生させる虫もいるからです。そこで、この記事では知っておくだけで役に立つ危険な虫の種類やその虫の毒性などを詳しく解説していきます。記事の後半では、危険な虫に刺されたり触れてしまった際の対処法も紹介していますので、是非参考にしてくださいね。

戸外活動で注意すべき危険な虫

毛虫

住宅地などでよく見られる毛虫は、イラガやチャドクガの幼虫です。これらの毛虫は園庭や公園にも生息しているので、目にする機会が多いでしょう。毛虫の中には害のないものもいますが、基本的には触らないのが得策です。

イラガの幼虫
発生時期:7~10月頃
症状:触れると痛みはあるが、数時間で収まる
   かゆみが残ることも
対処法:掻いたり触ったりせずに患部を流水で流す
チャドクガの幼虫
発生時期:9~10月頃
症状:毒を盛った毛が風に舞うことで、触れなくても被害を受ける可能性あり
   痛痒い状況が2週間ほど続く
   赤い発疹が出る
対処法:掻いたり触ったりせずに患部を流水で流す

ハチ

ハチも危険な虫の1種です。ハチも種類が多いのですが、中でも注意が必要なのがアシナガバチ、スズメバチ、ミツバチです。これらのハチは住宅地などでも現れるので、戸外活動の際は子供が近づかないようにしないといけません。

アシナガバチ
発生時期:4月半ば~10月頃
症状:刺されるとすぐに痛みを感じる
   直径1センチメートル程度の赤い腫れを生じる
対処法:刺されたら傷口をつまみ毒を絞り出し水道水で洗い流す
スズメバチ
発生時期:4月~10月頃
症状:刺されるとすぐに激しい痛みを感じる
   アナフィラキシーショックを起こすと死に至る可能性もある
対処法:刺されたら傷口をつまみ毒を絞り出し水道水で洗い流す
ミツバチ
発生時期:2月頃~11月頃
症状:刺されると激痛
   毒針を皮膚に残す
対処法:刺されたら傷口をつまみ毒を絞り出し水道水で洗い流す
    毒針が残っている場合はピンセットなどで抜く

セアカコケグモ

セアカコケグモは、もともとは外来種のクモですがすでに日本に定着、繁殖している毒グモです。ニュースでも一時期取り上げられていましたよね。基本的にはおとなしい性格で、素手で触らない限り噛まれることはないと言われています。セアカコケグモは花壇やブロックの裏に生息しているため、そのような場所に子供がうっかり手を入れてしまわないように見ておきましょう。

セアカコケグモ
発生時期:4月頃~10月頃
症状:嚙まれると瞬間に針で刺されたような痛みを感じる
   刺された部位が腫れて赤くなり、全身に痛みが広がる
対処法:刺されたら余分な毒液を温水や石鹸で傷口を洗い流す
    包帯や絆創膏などで止血をせず早急に医療機関に連れていく

マダニ

マダニは日本全国で見られるダニの仲間です。皮膚にとりついて吸血するため、こどもが野山や草むら、やぶに入った際は注意が必要です。そのため、野山や草むら、やぶで活動した後は、こどもの全身をチェックしましょう。特に、脇や股などの皮膚が柔らかい部位が噛まれやすいため、長袖や長ズボンを履いて噛まれないように対策をしましょう。

マダニ
発生時期:3月~11月頃
症状:噛まれてから6日~2週間発症
   発熱、嘔吐、下痢、腹痛などの症状がみられる
対処法:マダニに気付いたら自分で何とかしようとせず医療機関で処置してもらう

ムカデ

ムカデも危険な虫の1種です。中でも毒性が強いのはアカズムカデ、トビズムカデ(オオムカデ)です。ムカデは木や草むら、植木鉢や大きな石の裏などで多く見られます。ムカデは動きが早く、瞬時に噛まれてしまう可能性もあるので注意してください。

アカズムカデ
出現時期:6月~10月頃
症状:嚙まれると強い痛みやしびれを感じ、全身症状になる場合もある
   症状は個人差があり、数時間~2週間で症状が治る場合もある
対処法:患部を水で洗い流す
トビズムカデ
出現時期:5月~10月頃
症状:嚙まれると患部に激痛が走り、赤く腫れあがる
   ひどい場合は発熱やめまいなどの全身症状
対処法:患部を水で洗い流す

ヒアリ

ヒアリも危険な虫です。ヒアリのようは外来種は、未定着、定着初期、分散拡大期~まん延期の3つの段階に分類されます。現在、ヒアリは外国から侵入している状態で未定着と言われています。そのため、園庭や公園でヒアリが見つかる可能性は非常に低いですが、絶対にいないわけではないので注意してください。

ヒアリ
活動時期:3月~11月
症状:攻撃性が強く、刺された部位に激しい痛みを感じる
   患部にかゆみが発生する
対処法:刺された直後、20分~30品程度は患部を冷たいタオルや保冷剤などで冷やす
    安静にし、症状が悪化する様子がなければゆっくりと病院に連れていく

ニホンマムシ

ニホンマムシは、危険な生き物の中でも代表的なヘビです。ニホンマムシはやぶの中を好んでおり、外周道路沿いの切り株の上や石の上で日光浴をしていることがあります。近づかなければ基本的に攻撃してくることはありませんので、こどもが不用意に近づかないように見ておきましょう。

ニホンマムシ
発生時期:5月頃~10月頃
症状:嚙まれると20~30分で激しい疼痛や出血、腫れがでてくる
   1時間~2時間で皮下出血や発熱、めまいなどが起こる
対処法:傷口よりも心臓に近い方を軽く縛る
    水で患部を洗い流す
    直ぐに病院に行きましょう

カエル

カエルに触る時も注意が必要です。なぜなら、カエルは皮膚から毒性のある皮膚分泌液を出すからです。見つけた場合は、こどもが素手で触ってしまわないように注意してください。

アマガエル
発生時期:4月~11月
症状:触るだけなら毒の被害を受けることはない
   触った手で目をこすったり、食べ物を食べると炎症などの症状あり
   目などに触れてしまうと、失明してしまう可能性あり
対処法:素手で触った場合は手をしっかりと洗う
ヒキガエル
発生時期:3月~11月
症状:両目に後ろにある耳腺から毒を分泌する
   幻覚作用を引き起こす毒のため、触った手で目を触れたり食べ物を食べないようにする
対処法:素手で触った場合は手をしっかりと洗う

ヒル

わずかな服の隙間からでも侵入するヒルにも注意しましょう。なぜなら、ヒルは血液が固まるのを妨げる物質(ヒルジン)を分泌し、1度噛まれるとなかなか出血が止まらないからです。死に至る毒をもっているわけではありませんが、まれに細菌による二次感染を起こす危険性もあるので注意が必要です。ヒルを予防するために、ズボンの裾を入れることができるような靴を履いて戸外活動に行きましょう。

ヤマビル
発生時期:4月~11月
症状:噛まれているのに気づきにくい
   血が止まりにくく、赤くはれる
対処法:皮膚を出さない
    傷口をつまみヒルジンを流しだす
    絆創膏などで傷をふさぐ
保育士くらぶ

戸外活動で危険な虫から園児を守るためには?

素肌を露出させない

危険な虫からこどもを守るためは、素肌を露出させないようにしましょう。なぜなら、虫は露出している部分から刺したり噛んだりするからです。長袖と長ズボン、出来れば帽子や軍手、首にタオルを巻くなどして素肌をなるべく覆うような服を着せてあげましょう。草むらで活動する際は、靴の中に虫が侵入しにくいスニーカーや長靴を履くことも大切です。一度ハチなどの毒をもつ生き物に刺されたことがあるこどもは、もう一度刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性が高まります。そのため、毒をもつ生物に刺されたことのある子どもの服装には一層注意を払う必要があるのです。

虫を素手で触らせない

危険な虫から園児を守るためは、うかつに虫に触らないようにしましょう。なぜなら、カエルのように皮膚分泌液に毒を持っている生き物や、ムカデのように刺激すると噛んで毒を出す生き物がいるからです。仮に、子供がどうしても虫に触りたがる場合は軍手などをつけさせるようにしてください。もしも噛まれてしまったら、なるべく早く洗い流すようにしましょう。痛みや腫れなどの症状は冷やすと和らぐことが多いです。

帰ったらしっかりと手を洗わせる

帰ったらすぐに手を洗うことも危険な虫からこどもを守る方法の1つです。なぜなら、知らない間に毒液に触れてしまっている場合もあるからです。例えば、上記で紹介したカエルや毛虫などに素手で触ってしまった場合は、手に毒が残っている場合があるので直ぐに手を洗ってあげるようにしましょう。たまにアレルギー反応を起こしてしまう場合もあるので、腫れやじん麻疹が見られる場合は直ぐに医療機関で受診してください。

戸外活動で危険な虫に刺された場合の行動は?

救急車をすぐに呼ぶ

こどもが虫に刺されてしまった場合に、医療機関に連れていくか救急車を呼ぶかの判断に迷ってしまう時もありますよね。こどもに以下のような症状がみられた場合は直ぐに救急車を呼んでください。

・呼吸がしづらそう
・顔色が悪く真っ青
・突然嘔吐してしまった
・ショック状態になった
・意識不明に陥る

上で挙げたような、刺された場所以外に何らかの症状が出ることを全身症状と言います。これらの症状が出た場合は、ためらわず直ぐに救急車を呼びましょう。

医療機関へ連れていく

上で挙げたような全身症状は無いけど、病院に連れて行った方が良いか迷うこともありますよね。早急に医療機関に連れて行かなければいけない場合の症状と、診療時間以内に医療機関に連れていけばよい場合の症状を紹介します。以下を参考にしてください。

早急に医療機関に連れていかなければいけない
・刺された箇所が赤く腫れあがっている
・刺された箇所をひどく痛がっている
・沢山刺された <>br・ハチに刺された
診療時間内に医療機関に連れて行けばよい(様子を見る)
・刺された箇所に腫れが見られる
・掻きむしって傷口がジュクジュクしている

こどもが虫に刺されてしまった場合に、直ぐに医療機関に連れていくべきか迷ってしまう場合は、これを参考にしてください。

戸外活動を行う際の服装や持ち物

季節を問わず長袖長ズボン

戸外活動を楽しむ際には、季節を問わずに長袖と長ズボンを着用するようにしましょう。なぜなら、長袖と長ズボンは危険な虫から身を守るのはもちろん、その他の様々な外的要因から体を保護することができるからです。例えば、夏は紫外線や熱中症の予防に役立ち、冬は寒風や冷たい地面から体温を守り、戸外活動を快適に行うことができます。ほかにも、足元が悪い場所で活動を行う際は転倒などによる怪我を軽減するのにも役立ちます。このような理由から、長袖と長ズボンは戸外活動を行う上で必須の服装だと言えるでしょう。

長靴か運動靴

戸外活動を安全に楽しむには、長靴かスニーカーを履くことが大切です。危険な虫からの保護に優れているのはもちろん、長靴は雨天時や湿地帯での活動に適しており、こどもの足が濡れるのを防ぐこともできます。靴の選択は活動の内容や環境によって変わりますが、いずれも足元の安全と快適性を確保するために不可欠です。このように、長靴やスニーカーを履くことで、危険な虫の侵入や虫刺されからも守られ、こども達が安心して戸外活動を楽しむことができます。

虫よけスプレー

戸外活動を行う際には、必ず虫よけスプレーを携帯するようにしましょう。なぜなら、虫よけスプレーは虫を近づけず、快適に活動を行うことができるからです。特に、夏に活動を行う場合や湿地帯、森林地帯などで活動する場合は虫が多いため欠かせません。虫よけスプレーを使用することで、蚊やダニ、その他の害虫から身を守ることができます。注意点として、虫よけスプレーでこどもがアレルギーや皮膚炎を起こす可能性があるので、あらかじめ保護者に連絡しておくようにしましょう。

まとめ

危険な虫への知識と対処法を知って楽しい戸外活動にしよう!

今回は、身近にいる危険な虫について紹介しました。戸外活動中に遭遇しやすい虫の種類や、虫に刺されてしまった場合にどんな症状が起こるのかなどを知っているだけでも、対応の速さに違いが出てきます。特に、ハチやマムシ、ムカデなどは特に強い毒をもっているので、救急車を呼ぶタイミングをしっかりと覚えておきましょう。中にはカエルのように一見無害そうに見えても、実は毒をもっているなんてこともあるため、戸外活動の際は生き物に注意してください。危険な虫からこどもを守るためにも、この記事を参考にして、危険な虫の種類や刺された場合の対処方法などの知識をもっておくようにしてくださいね。

保育士くらぶ

ABOUTこの記事をかいた人

保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/