土用の丑の日とは?子どもへの伝え方を解説【意味・由来・風習】

7月に入ると話題になる土用の丑の日。土用の丑の日と聞くと、ウナギを食べる日と言うイメージの方も多いのではないでしょうか。そんな土用の丑の日について、子どもたちに行事の由来を伝えるのは大切ですが、分かりやすい説明方法に悩む保育士さんは多いと思います。そこで本記事では、子ども向けに伝える言い換えのコツや、園で使えるおすすめの保育アイデアをご紹介します。これさえ読めば、今年の土用の丑の日の活動準備はバッチリです!

土用の丑の日とは?

『土用』は季節の変わり目を表す期間を指す

『土用』は季節の変わり目を表す期間を指します。 土用といえば、多くの人が夏のイメージを持っていますが、実は春夏秋冬のすべての季節の変わり目にあります。日本古来の雑節と呼ばれる暦では季節と季節の間に、それぞれ約18日間の次の季節へバトンタッチする期間を設けました。これが土用です。「なぜ土なの?」と思いますよね。これには古代中国の陰陽五行説が関わっています。古代中国では、万物は木火土金水の5つから成り立っていると考えていたのです。5つのうち、木火金水はそれぞれ、春夏秋冬に割り当てられ、余った土が季節の変わり目の象徴とされました。

『丑』十二支で数える日を指す

日本では、年を子(ね)丑(うし)寅(とら)…と十二支で数えていますよね。古来の日本ではそれと同じように、日付けも1日ずつ十二支に当てはめて数えていました。カレンダーが子の日 → 丑の日 → 寅の日…と進んでいき、12日経つとまた子の日に戻ります。つまり、12日に1回は必ず丑の日がやってくる仕組みです。これが土用という約18日間の期間と重なった日のことを、土用の丑の日と呼ぶのです。季節によっては、土用の期間約18日間の中に、丑の日が2回入ってくることがあります。その場合、1回目の丑の日を一の丑、2回目を二の丑と呼びますよ。

年に4回ある

土用の丑の日=夏と思いがちですが、実は土用の丑の日は最低でも年に4回、多い年はそれ以上あります。なぜなら、先述の通り土用は春夏秋冬のすべての季節の変わり目に約18日間ずつあり、その期間中には必ず1回以上、12日周期の丑の日が巡ってくるからです。

春の土用: 春から夏になる前(4月頃)
夏の土用: 夏から秋になる前(7月頃) ここが一番有名!
秋の土用: 秋から冬になる前(10月頃)
冬の土用: 冬から春になる前(1月頃)
保育士くらぶ

土用の丑の日の由来

由来とされる説が複数ある

土用の丑の日には、由来とされる説はいくつかあります。

【平賀源内説】
江戸時代の天才学者である平賀源内が「夏にうなぎが売れなくて困っている」と知り合いのうなぎ屋から相談されたことがキッカケです。源内は「本日、土用の丑の日」と書いた看板を店先に張り出しました。丑の日に『う』のつくものを食べると病気にならないという言い伝えがあったため、これを見た江戸の人々が大殺到したとされています。
【春木屋善兵衛説】
ある年、大量のうなぎの蒲焼きを注文された善兵衛さんは、土用の期間、丑の日、子の日、寅の日に分けて何日分かを事前に作り、土蔵に保管しておきました。 他の日に作ったものは悪くなってしまったのに、丑の日のうなぎだけは、傷まずに美味しさを保っていたのがきっかけとされています。

これらのほかにもいくつかの説があります。

参考:https://web.hh-online.jp/hankyu-food/blog/lifestyle/detail/001721.html

土用の丑の日の風習

うがつく食べ物を食べる

土用の丑の日の1つ目の風習は、うがつく食べ物を食べることです。日本では昔から丑の日にはうがつく食べ物を食べると縁起がいいとされ、無病息災を願う風習がありました。そんな風習から、丑の日には有名なウナギだけではなく、

・ウリ
・梅干し
・うどん
・馬
・牛

などを食する習慣があったようです。これは、園の給食や食育の活動でも非常におすすめのテーマです。うなぎだけでなく、子どもたちが大好きなうどんや、さっぱり食べられるきゅうり、デザートのすいかなど、身近な食材をたくさん見つけることができますよ。

きゅうり加持

土用の丑の日の2つ目の風習は、きゅうり加持です。これは、弘法大師空海が広めたとされる行事です。夏の食物の中でも水分が多く、栄養価が高いキュウリに病気や災いを封じ込めて夏の時期を無病息災に過ごすことを祈願する、真言宗などの熱病除けの祈祷ですよ。現在では、四国の一宮寺や永徳寺、神光院など、空海にゆかりのある寺院で行われています。保育園でも、 こうした一風変わった日本の伝統文化を分かりやすく紹介することで、子どもたちの食や健康への関心がさらに高まるでしょう。

土用の虫干し

土用の丑の日の3つ目の風習は、土用の虫干しです。これは、梅雨の間にたまった湿気を取り除き、カビや虫食いから大切なものを守るために行われてきた昔ながらの生活の知恵です。保育園でも、この風習を日々の保育環境づくりや子どもたちとの活動に活かすことができます。例えば、天気の良い日に園で使う布団や絵本などを風通しの良い日陰に干し

「お日様の光をたくさん浴びせて、きれいにしようね」

と声を掛けるのがおすすめです。一見難しそうな虫干しですが、物を大切にする気持ちを育む素晴らしい伝承行事として、子どもたちと一緒に実践してみてはいかがでしょうか。

丑湯

土用の丑の日の4つ目の風習は、丑湯です。これは、夏の土用の丑の日に、桃の葉やドクダミなどの薬草を入れたお風呂に浸かることで、夏バテやあせもといった症状を防ぎ、無病息災を願う健康法です。 夏の入浴のメリットは多岐にわたります。

・冷房で冷えがちな体を温める
・新陳代謝アップ
・むくみ解消
・安眠効果

園での活動に取り入れるなら、お昼寝前や水遊びのあとに、桃の葉のエキスを入れた足湯や手湯を子どもたちと体験してみるのがおすすめです。

薬狩り

土用の丑の日の4つ目の風習は、薬狩りです。薬狩りとは、薬草を摘む行事のことです。この薬狩りは古く、推古天皇が行ったという記録があるようです。また、新撰組で知られている士方歳三の生家はくすりを製造し販売していました。そのくすりを作るための薬草は、土用の丑の日にのみ摘むと決まっていたようです。また、厄除けや病除けとして土用の丑の日に薬狩りをする地域もあるようですよ。

土用の丑の日を子どもに伝える方法

クイズにして伝える

土用の丑の日を子どもに伝える1つ目の方法は、クイズにして伝えることです。難しい言葉や歴史の解説も、クイズ形式にすることで子どもたちはゲーム感覚でワクワクしながら参加でき、自然と行事への興味を深めることができます。例えば、

土用の丑の日に食べる、にょろにょろ長いお魚はなーんだ?
1.うなぎ 2.ドジョウ3. ウツボ

といった3択クイズや

名前に『う』がつく食べ物を食べると元気になるんだよ。みんなの周りの『う』のつく食べ物をいくつ言えるかな?

といったクイズがおすすめです。ただお話を聞くだけでなく、自分たちで考えて答える体験をすることで、子どもたちの心にスッと届きやすくなりますよ。

絵本で伝える

『うなぎのウーちゃん大冒険』

土用の丑の日といえば、うなぎを味わう日として親しまれています。そんな日にぜひ手に取りたいのが『うなぎのウーちゃん大冒険』です。普段は食卓で目にすることが多いうなぎですが、この絵本では「ウナギはどんな生きものなの?」という視点から、そのたくましい一生に触れることができます。読み進めるうちに、自然のつながりや命の大切さ、私たちの暮らしとの関わりについても話し合うきっかけが生まれるでしょう。土用の丑の日にうなぎを食べるだけでなく、その背景にある自然や生きものの姿にも目を向けることで、この日の過ごし方がより豊かなものになります。

参考:https://www.ehonnavi.net/ehon00.asp?no=103320&srsltid=AfmBOoo5nvUaS0tkBaCUIcD6y8dr14FW3B2gRj53QCwmkrmAu3ue5keF

『どようのうしのひ』

土用の丑の日を子どもに伝えるためにおすすめの絵本2冊目は、『どようびのうしのひ』です。これは「土用の丑の日って、どうしてうなぎを食べるの?」そんな子どもの素朴な疑問に答えてくれるのが『どようのうしのひ』です。これは、ただの絵本ではなく、YouTubeに読み聞かせ絵本として投稿されています。プロジェクターなどに大きく映し出して再生することで、大人数でも一緒に見ることができますよ。

手遊びや音楽で伝える

かばやきしらやき

土用の丑の日におすすめの歌は『かばやきしらやき』です。この歌は、うなぎの「蒲焼き」と「白焼き」をモチーフにした、とってもユニークで親しみやすい楽曲です。子どもたちでも覚えやすい「にょろにょろ」としたうなぎの動きをコミカルなダンスや手遊びで表現しながら、歌って踊って楽しく土用の丑の日の文化に触れることができますよ。一度聴いたら耳から離れないキャッチーなメロディとリズムは、乳児クラスから幼児クラスまで幅広い年齢の子どもたちが一緒になって盛り上がれるのが魅力です。

ゲームを通して伝える

土用の丑の日を子どもに伝えるのにおすすめの方法は、ゲームを通して伝えることです。難しい言葉での説明は退屈してしまいがちな子どもたちも、遊びの要素を取り入れることで、楽しみながら自然と行事の意味を理解できるようになります。例えば、

・新聞紙やPEテープで作った長いうなぎを制限時間内に捕まえる『うなぎ掴みレース』
・名前にうのつく食べ物のイラストカードを探し出す、『うのつくもの宝探しゲーム』

などがおすすめです。ゲームのあとに「うなぎを捕まえて食べたから、これで夏の暑さに負けない強い体になったね!」と声を掛けてあげることで、土用の丑の日のイメージが、子どもたちの体験と結びついてしっかりと心に残ります。

製作を通して伝える

簡単うなぎ折り紙

土用の丑の日におすすめの製作1つ目は、簡単うなぎ折り紙です。

必要なもの
・ペン(白、黒)
・はさみ
・スティックのり
・折り紙(黒)
作り方
①長方形になる様に半分に折って開く
②中心の折り筋に合わせて上下の辺をを折る
③広げて折り筋に合わせてハサミで切る
④1本を横置きにしたら半分に折って開く
⑤中心の折り筋に合わせて上下の辺をを折って開く
⑥端を三角形になる様に2回折って開く
⑦⑤の折り筋までハサミで切り込みを入れる
⑧切ったら下の部分だけ折る
⑧正方形の角を折りこむ
⑨下の角を飛行機を折る様に折る
⑩余った3枚の紙にペンでヒレと白目を描く
⑪線に沿ってハサミで切る
⑫すべてのパーツをのりで貼って完成!

今回は、リアルな黒の折り紙で作りましたが、子どもが好きな色で作ってみるのもいいかもしれませんね。

クラフト氏で作るうなぎ

土用の丑の日におすすめの製作2つ目は、クラフト紙で作るうなぎです。

必要なもの
・クラフト紙
・ハサミ
・ペン
作り方
①クラフト紙を三角形になる様に半分に折る
②三角形の底辺の部分にウナギの形を描く
③線に合わせてハサミで切る
④切り取った部分を開く
⑤頭や胸びれ、胴体や尾ひれを折る
⑤それぞれの位置を調整して完成!

参考動画ではフリーハンドなため、保育園などで製作する際は先生が紙にハサミで切るための線をあらかじめ書いておいてあげるのがおすすめです。

食育を通して伝える

土用の丑の日を子どもに伝えるには、食育を通して伝えるのもおすすめです。「夏バテしないように栄養のあるものを食べよう」という昔ながらの知恵を、言葉だけでなく、体験を通して五感で学ぶことができます。例えば、給食のメニューにうなぎやうどんを取り入れ足りするのがおすすめです。また、調理前のうなぎのイラストを見せながら「このお魚には元気になるパワーが詰まっているんだよ」と話してあげましょう。自分たちが今食べているものが健康な体を作っているという実感を伴うことで、子どもたちの食への感謝や夏を元気に過ごそうという意識が自然と育まれます。

まとめ

土用の丑の日を通して日本の文化を楽しもう!

今回は土用の丑の日について詳しく解説していきました。『土用』や『丑の日』の本来の意味、江戸時代から続く面白い2つの由来を保育士自身がしっかり理解しておくことで、子どもたちへの言葉掛けはぐっと深まります。また、園の活動では今回ご紹介した4つの風習をヒントに、クイズやゲーム、絵本や歌、そして給食と結びつけた食育など、多彩なアプローチを取り入れるのがおすすめですよ。この記事を参考に、子どもたちが日本の伝統文化に楽しく触れながら「夏の暑さに負けずに元気に過ごそう!」と思える活動を取り入れてみてくださいね。

おしえて!保育求人ガイド

ABOUTこの記事をかいた人

おしえて!保育求人ガイドは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。おしえて!保育求人ガイドでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/