心理担当職員とは?近年注目されている職種!【専門的支援加算・仕事内容・やりがいなど】

今回は、心理指導担当職員にフォーカスを当てていきます。心理指導担当職員といってもパッとどんな仕事をするのかわからない人も多いと思います。心理指導担当職員は、心理学をベースに障害を持つ子供たちの成長や発達をサポートする役目を担います。この記事では、そのような役割を持つ心理指導担当職員の仕事内容や、やりがい、必要な資格の有無などについて詳しく紹介していくので、ぜひ参考にしてくださいね。

心理指導担当職員とは

障害を持つ子供を心理学をもとに指導する役目

心理指導担当職員とは、どのような職業であるのかをみていきましょう。心理指導担当職員とは、障害をもつ子供たちを心理学をベースに指導していく役割をもちます。つまり、心理学の知識を用いて、子供たちの気持ちに寄り添いながら学習をサポートすることが求められますよ。そのため、心理指導担当職員になるためには、大学の学部で心理学を専攻していなければなりません。またはそれに相当する課程を修了していなければならないなどの条件があります。条件については、この記事でも紹介しますよ。

最近ニーズが上がっている職種

心理指導担当職員とは、最近ニーズが上がっている職種として注目を集めていますよ。以前から、児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、配置が必須ではありませんでした。しかし、障害をもつ子供たちの成長をサポートするためには必要な職業として認識されていました。令和3年の法改正により、専門的支援加算という制度が創設されたことをうけ、専門職員の1つである心理指導担当職員は最近、ニーズが上がってきていますよ。

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専門的支援加算とは

通常支援に必要な人数に加えて専門職を加算できる制度

先ほど紹介した専門的支援加算という制度について詳しくみていきましょう。専門的支援加算とは、通常の支援に必要な人数に加えて、児童発達支援や放課後等デイサービスにおいて、専門的なサポートができる専門職員を加えることができる制度。専門職員がいることで、より子供たち一人一人に合わせたサポートを提供することができたり、個別支援計画を作成する際の助けになったりとメリットがさまざまありますよ。そのため、専門職員を配置している事業所が増えてきています。

専門的支援加算の要件

専門職を1名以上配置すること

次に、専門的支援加算を請求するため必要条件について紹介します。専門的換算支援を請求するための必要条件は、事業所に通常在籍している職員の数に応じて、専門職員を1名以上配置すること。専門的支援加算を請求するときに必要な専門職員は、児童発達支援と放課後等デイサービスとで異なりますよ。自治体によっても異なる場合があるので、専門的支援加算を請求するときに必要な専門職員を必ず確認するようにしましょう。

児童発達支援における該当専門職

児童発達支援における該当専門職を紹介します。
児童発達支援における該当専門職員
・作業療法士
・理学療法士
・言語聴覚士
・保育士
・児童指導員
・公認心理士
・臨床心理士
・国立障害者リハビリテーションセンター視覚障害学科履修者
これらが児童発達支援における該当専門職員です。ただし、保育士と児童指導員については、5年以上児童福祉事業において実務経験がなくてはならないという条件があるので注意が必要ですよ。

放課後等デイサービスにおける該当専門職

次に、放課後等デイサービスにおける該当専門職を紹介します。
放課後等デイサービスにおける該当専門職員
・作業療法士
・理学療法士
・言語聴覚士
・公認心理士
・臨床心理士
・国立障害者リハビリテーションセンター視覚障害学科履修者
これらが、放課後等デイサービスにおける該当専門職員です。放課後等デイサービスに関しては、学校に通わなければ取ることができない資格を持つ者を専門職員として配置することが、専門的支援加算を請求する条件となっていますよ。この点が、児童発達支援との違いですね。

心理指導担当職員の仕事内容

アセスメント業務

ここからは、心理指導担当職員の主な仕事内容について説明していきます。心理指導担当職員の仕事としては主に4つあります。まずはアセスメント業務について。アセスメント業務とは支援を受ける本人やその家族との面談をもとにアセスメントシートを作成すること。そして、そのアセスメントシートをもとに、子供たち一人ひとりに合わせた支援計画書を作成すること。子供の家庭状況や兄弟構成、発達における課題などの情報を収集し、実際の子供の行動を観察してみましょう。どのような支援が必要であるのか、またどのような目標を立てるのかを決めることができます。

子供への支援

次に、子供への支援について紹介します。子供への支援やアプローチの方法はさまざまあり、その子供の特性や特徴に合わせることが必要です。多くの場合、社会生活に適応できるようにと、ソーシャル・スキル・トレーニング(SST)やペアレントワークが行われます。ソーシャル・スキル・トレーニングは、あいさつや人とのコミュニケーションはもちろんのこと、歯を磨いたり決まった時間に〇〇をしたりと、日常生活を送る上で必要となるスキルを備えることを目的に行われます。ペアレントワークは、子供本人ではなく保護者に対して行うもの。本人にあった指示や褒め方をすることで、子供たちは意欲的かつ向上心を持って物事を進めることができますよね。そのため、保護者に褒め方や指示方法のトレーニングを行うことで、子供たちの行動改善や発達促進を目指すものですよ。

保護者・家族のサポート

3つ目に、保護者や家族へのサポートが挙げられます。支援の対象は、子供本人だけでなく家族も含まれます。子供たちが安心して過ごすためには、保護者や家族の安定が必要です。保護者の中には、子供の障害のために教育がきちんとできないと親としての自信を無くしたり、周りの人に心ない言葉をかけられて精神的に病んでしまう方もいらっしゃいます。そのような保護者をサポートすることも重要な役割の1つですよ。保護者や家族の気持ちに寄り添い、話を聞いたりアドバイスをしたりすることで、子供たちがより安心できる環境づくりをサポートしましょう。

地域や関係機関との連携

4つ目に、地域や関係機関との連携が挙げられます。地域の自治体や小学校や中学校などの関係機関と子供たちやその家族についての情報を共有することで、子供たちの障害や課題などを理解してもらい、子供たちの成長を共にサポートしてもらうように連携を行います。これは、子供たちや家族がより安心して社会生活を送れるようにすることが目的ですよ。学校をはじめとする関係機関には、情報共有だけでなく、情報交換やアドバイス、指導を行うこともありますよ。

心理指導担当職員のやりがい

子供の成長を直に感じられる

心理指導担当職員のやりがいとして、子供の成長を直に感じることができるということが挙げられます。心理指導担当職員は、子供たち一人ひとりの気持ちに寄り添い、その子に合ったサポートを行いますよね。そうして日々、子供たちの近くにいるため、子供たちの成長が感じられたときの喜びや嬉しさはとても大きいですよ。普段から近くで子供たちと向き合うため、小さな成長や変化にも気づくことができるのも1つの特徴ですよ。

心理指導担当職員として働くためには

資格は必要ない

心理指導担当職員として働くためには、どのようなことが必要であるのかをみていきましょう。まず、心理指導担当職員として働くためには、必ずしも資格が必要となる訳ではありません。ただ、ある要件を満たさなければなりません。
〈心理指導担当職員になるための要件〉
学校教育法の規定による大学の学部で、心理学を専修する学科若しくはこれに相当する課程を修めて卒業した者であり、個人及び集団心理療法の技術を有するもの又はこれと同等以上の能力を有すると認められる者でなければならない。(厚生労働省文書より)
この要件を満たしていれば、心理指導担当職員として働くことができますよ。

放課後等デイサービスや児童発達支援などの事業所

心理指導担当職員として働くためには、一般の人と同じように就職活動を行わなければなりません。就職先は主に、児童発達支援や放課後等デイサービス、福祉型障害児入所施設や医療型障害児入所施設などです。今後のキャリアやどのような仕事をしたいのかをもとに決めると良いですよ。また、就職活動を行う際には、心理指導担当職員の就職に強い専門的なサイトや紹介業者を利用するのがおすすめですよ。

心理指導担当職員におすすめの資格

公認心理士

先ほども説明したように、心理指導担当職員になるためには要件を満たしていれば、資格は必要ではありません。しかし、資格所有者を求人の条件としている事業所は多いため、心理指導担当職員として働くために有利となる資格を3つ紹介します。1つ目は、公認心理士。公認心理士とは、公認心理士資格を取得する必要がありますが、幅広い心理分野で活躍することができる資格です。2017年に心理職としては初めて国家資格として認められたのが公認心理士で、国家試験を受験するためには受験資格があるので注意が必要です。

臨床心理士

2つ目は臨床心理士の資格です。臨床心理士の資格は、国家資格ではなく、民間資格です。そのため、臨床心理士になるためには公益財団法人 日本臨床心理士資格認定協会が認める試験に合格する必要があります。臨床心理士は、スクールカウンセラーや病院内のカウンセラーとして勤務することができる資格。公認心理士同様、試験を受験するためには受験資格があるため、事前の確認が必要ですよ。

臨床発達心理士

3つ目は、臨床発達心理士の資格です。臨床発達心理士の資格は、臨床心理士同様、民間資格です。臨床発達心理士は、発達の臨床に携わる幅広い専門家に開かれた資格で、人の発達・成長・加齢に寄り添い、その人に必要とされる援助を提供します(臨床発達心理士認定運営機構HPより)。臨書発達心理士になるためには、受験資格を満たすことはもちろん、一次審査と二次審査を通過しなければ資格を得ることはできません。

まとめ

ニーズが高まっている心理指導担当職員について理解を深めましょう

ここまで心理指導担当職員について紹介してきましたが、いかがでしたか。心理指導担当職員は、子供たちと直に関わり、寄り添うことで子供たちの成長や発達をサポートする重要な役割がありますよ。携わる支援によっては、資格なしに働くこともできるので、ご自身の希望に合った事業所を選んでくださいね。子供たちの成長を身近に感じることのできる心理指導担当職員は、ニーズが高まってきているので、是非この記事を参考に理解を深めてくださいね。

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