保育園で子供が鼻血を出したら?適切な処置で対応しよう【止血方法・原因・耳鼻科を受診・白血病】

保育園で子供が鼻血を出すことはよくありますよね。冬になると特に、寒くて乾燥しているため鼻血を出す子供が増えるのではないでしょうか。子供の鼻は粘膜が弱いため、ぶつけたり、指で触ったりすると些細な刺激でもすぐに鼻血が出てしまいます。急に鼻血が出てしまうと、慌ててしまうことも。今回は、子供が鼻血を出してしまった時の適切な処置の仕方や、鼻血が出る原因についてご紹介します。医療機関を受診した方が良い場合や、白血病を疑うべき時についても解説しているので是非参考にしてみてくださいね。

子供が鼻血を出した時の止め方

座って下を向き鼻を押さえる

鼻血が出てしまった場合は、まず子供が不安にならないように「大丈夫だよ」と声掛けを行い、椅子に座らせましょう。少し前かがみになり、下を向くようにして強目に鼻の下部をつまみます。上を向かせたり、首の後ろをたたいたりしないように注意してください。喉や口の中に血液が溜まり吐き気をもよおすこともありますが、吐き出させて問題ありません。乳児が鼻血を出した場合は、保護者や保育士の方の膝の上に座らせて対応しましょう。

脱脂綿を鼻に入れて圧迫止血する

鼻を摘んで圧迫止血する際は、脱脂綿やガーゼを鼻の出口部分に当てます。鼻の真ん中には仕切りがあり、血管が多くある場所はキーゼルバッハ部位と言われています。鼻血はこの部位からの出血がほとんどのため、鼻先の柔らかい部分をしっかりと押さえると良いでしょう。数分程度圧迫して止血できていれば大丈夫です。出血が続く場合であっても、再度しっかりと圧迫すれば鼻血を止めることができます。よく鼻血を出す子供には、やり方を教えてあげると一人でも対処することができますね。

安静にする

止血後は動き回ったりせずに、安静に過ごすことが大切です。血が止まった後も、子供が鼻を触ったりかんだりして、止血部分を刺激しないように注意することが必要です。口を閉じたままくしゃみをすることも再出血の可能性があるので注意しましょう。繰り返す鼻血の傷が治るまでには2〜4週間かかります。止血直後は入浴をさけ、安静に過ごした後でも入る場合は温度を下げてぬるめのシャワーにしましょう。

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鼻血が出る原因

1. 鼻を触りすぎてしまう

子供が鼻血を出す原因の一つは、鼻を触りすぎてしまうことです。無意識に鼻の中を触り、傷つけてしまうことで鼻血が出ることがあります。子供が鼻血を出したときは、必ず両手の指を確認し血がついていないか確認しましょう。普段から子供には、鼻をいじりすぎないように教えておくと良いですね。幼児期は、大人に比べて鼻の粘膜は弱く敏感なため、傷がつきやすいです。出血しやすいため、鼻血を頻繁に出すこともあるかもしれませんが、すぐに出血が止まる場合は心配いりません

2. 鼻の中が乾燥している

風邪をひいて鼻をかんだり、鼻の中が乾燥したりしていると粘膜が傷つき、血管が破れて鼻血が出やすくなります。鼻の内部の粘膜は繊細なため、乾燥させずにできるだけ湿潤な状態を保つ必要があるでしょう。特に、冷暖房の効いた環境や低温度のような乾燥した季節は鼻の中が乾燥しやすいので注意が必要です。乾燥する冬の時期だけでなく、普段から保湿を心がけると良いですね。加湿器を使うと部屋の湿度を高めることができますよ。また、加湿器の代わりにペットボトルやコップに水を溜めて置いておくこともおすすめします。

3. 外の気温が高い

暑い季節になると、外の気温が上昇し気温差による影響が生じることがあります。急激な気温変化によって、身体の血流が良くなることで鼻の粘膜が収縮・膨張することがあり、鼻血の原因になります。特に夏場の外遊びでは熱中症だけでなく、鼻血の危険性にも十分に注意することが必要でしょう。屋外での活動の場合は、体温調節のために血管が拡張するため、身体が急激に熱くなることを防ぐことが大切です。

4. 外傷

転んだ時や事故、スポーツによる怪我などの外傷を受けると、鼻血が出る可能性が高まります。鼻への物理的な衝撃や傷つきにより、鼻の粘膜や血管が損傷し、鼻血が出てしまいます。また、衝撃が大きいと鼻の骨を折ってしまうこともあるため、外傷による鼻血には十分に注意する必要があるでしょう。動脈からの出血の場合は、鼻血が止まりにくく、血圧の低下や意識障害などにもつながります。すぐに出血が止まらない場合は医療機関を受診することをおすすめします。

5. 特定の疾患がある

出血性障害やアレルギー性鼻炎、鼻のポリープ、高血圧など特定の疾患がある場合も鼻血の原因となります。次のような疾患が疑われる場合は、医師に相談することが大切です。

・出血性障害:出血しやすい体質のため、小さな外傷でも出血が過度になる。

・アレルギー性鼻炎:慢性の鼻詰まりや鼻の粘膜の炎症が鼻血を引き起こすことがある。

・鼻のポリープ:鼻のポリープが粘膜に損傷を与え、鼻血の原因となることがある。

・高血圧:高血圧の場合、鼻の血管に負担がかかり出血が増える。

医療機関・耳鼻科を受診する場合

30分以上経っても血が止まらない

子供が鼻血を出した場合、医療機関を受診するべきか迷うこともありますよね。大抵の場合は、30分もあれば止まりますが、それでも止まらない場合は病院に連絡をしましょう。”血の量は少ないが、いつまでも止まらずダラダラと出てしまう”、”ドバッとした鼻血を出す”場合は、注意が必要なため、耳鼻科を受診してください。鼻血を頻繁に繰り返したり、鼻血と一緒にあざができてしまうなどの症状が出ている場合も、医療機関を受診することをおすすめします。

顔色が悪く、反応が鈍い

子供の顔色が悪く、反応が鈍い場合は早めに医師に相談しましょう。鼻血を出した後に顔色が著しく悪化し、蒼白や青白くなっている場合は深刻な症状の兆候である可能性があるため、できるだけ早く医療機関(耳鼻科)を受診してください。また、反応が鈍く、意識が不明瞭な状態である場合も、緊急の医療対応が必要です。出血により、酸素が不足してしまうと低酸素症状が現れる場合があります。めまいや意識喪失、顔色が悪い、反応の鈍さが目立つときは急を要することがあるため救急車を呼ぶか、すぐに病院へ連れていきましょう。

1ヶ月に6回以上鼻血がでる

子供が1ヶ月に6回以上鼻血を出す場合は注意が必要です。短期間に頻繁に鼻血を出す場合、基本的に鼻が原因の出血とは異なり、疾患や身体に問題があると考えられるでしょう。また、頻度の高い鼻血は、鼻の血管や粘膜になんらかの異常がある可能性を示します。すぐに医師の診断を受けることが大切です。鼻血は、通常は軽度で治ることが多いですが、何度も繰り返し出血していると医師による診断と治療が必要です。根本的な原因を特定し、子供に適切な治療を受けさせましょう。

子供が鼻血を出した時のNGな止血方法

ティッシュを鼻に詰める

子供が鼻血を出した時に、止血のためにティッシュを鼻の中につめてしまいがちですよね。脱脂綿の代わりとしてティッシュを使っても大丈夫だと思いがちですが、どんなに柔らかいティッシュであっても鼻の中に入れるのはNGです。鼻の粘膜にはティッシュの刺激が強すぎて、ティッシュを抜き出したり、再度詰めたりするときに再出血を起こすこともあるでしょう。急な出血で脱脂綿が手元にない場合は、ティッシュを鼻に詰めるのではなく、鼻から流れ落ちてくる血の受け皿として使用してください。

鼻の付け根をつまむ

鼻血が出た時に圧迫止血をする場合は、親指と人差し指で鼻を押さえてふさぐようにすることが適切な処置の仕方です。鼻を止血する際に、目に近い上の部分を押さえがちですが、本来は鼻翼と呼ばれる鼻を膨らませる動作を行う部分です。乳児クラスの子は特に、鼻を塞がれると嫌がる場合もあるでしょう。そんな時は、膝の上に座らせ「お口でフーフーと息しようね」と声掛けを行い、一緒に息を吐く動作をしてあげると良いですよ。

子供の鼻血から白血病を疑うとき

鼻血以外にも出血が見られる

白血病は、血液や骨髄の異常に関連する疾患であり、出血する場面が増えることがあります。ほとんどの場合、鼻血のみであれば白血病の心配はありません。だだし子供が鼻血以外にも、口内出血や歯茎からの出血、皮下出血、消化管出血などの出血症状が見られた場合は注意しましょう。鼻血以外にも出血が見られる場合は、血小板や血液成分の異常など白血病の兆候の可能性が高いです。頻繁に出血が見られる場合はすぐに医師に相談しましょう。

皮膚の黄味やアザがある

白血病にはさまざまな症状がありますが、あざができやすくなるというイメージを持っている方は多いですよね。白血病からくるアザは一般的な”青たん””うちみ”と呼ばれるあざと似ていることがありますが、大きく異なる点は軽い刺激でもあざが生じてしまうことです。青あざのように強くぶつけた場合や出血に伴うあざとは異なり、子供がぶつけた記憶のないあざや少しの刺激であざができてしまう場合はすぐに医療機関を受診しましょう。

子供の鼻血が出ないようにするには

鼻を触りすぎないように注意する

子供の鼻血が出ないようにする対策として、鼻をできるだけ触らないようにさせると良いです。子供は鼻を触ったり、ほじったりすることがよくありますよね。鼻を触ったり、擦ったりすることは、鼻の粘膜を刺激し鼻血のリスクを高めてしまうでしょう。鼻をかみすぎないように注意したり、柔らかいテッシュを使用したりするなど、鼻に対する刺激を少なくする必要があります。子供と一緒に鼻を触らないよう習慣づけていくと良いですね。

鼻を保湿する

鼻血が出てしまう原因の一つは、鼻の粘膜が乾燥してしまうことです。特に寒い季節や乾燥した場所では鼻血が出てしまう可能性が高まるので、加湿器を使用しましょう。加湿器は室内の湿度を上げて、鼻の粘膜を保護してくれます。また、鼻の内側にワセリンや保湿クリームを塗ることで鼻の粘膜を乾燥から防ぐことができますよ。日頃から対策しておくことで、子供の鼻血を予防でき、鼻の健康を維持することができます。

まとめ

鼻血が出ても焦らず落ち着いて対応しよう

保育園で子供と過ごしていると、鼻血が出る場面は多いですよね。”遊んでいる途中に子供同士がぶつかった””転んで鼻をぶつけてしまった”など、子供が鼻血を出してしまう状況はさまざまですが、どんな場合でも焦らず落ち着いて対応しましょう。日頃からのケアや適切な止血方法も知っておくと、落ち着いて対応ができるので子供たちとも共有しておくことも大切です。鼻血以外の子供の様子もしっかり確認し、必要に応じて医療機関(耳鼻科)を受診してください。

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