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保育目標をおさらい!
保育園や幼稚園など、保育の現場において定められたり掲げられたりするものに、「保育理念」や「保育指針(方針)」、「保育目標」などがあります。
どれも保育を行う上で大事な目安となるものですが、どう違うのかと言われれば明確に説明しづらいよく似た言葉です。
今回は、どの保育園でも必ず使われるであろう「保育目標」についてリサーチしました。
保育目標とは何なのか、保育理念や保育指針との違い、そして保育目標の例を分かりやすく詳しく紹介します。
保育目標とは
「目標」は、「実現する達成するべき目安」という意味です。
同じような意味の言葉に「目的」がありますが、目的は「抽象的なねらいや目当て」。
目標は数字や到達点などがあり、より具体的です。
保育における目標はもちろん、園児たちがどう過ごし、どんな風に育っていくのかを示す標(しるべ)です。
たとえば、実習や就職・転職の前にその保育園がどういった保育をしているかを知りたければ、その保育園の保育目標や保育方針をチェックすることが近道となります。
では、実際に保育園ではどういった保育目標を立てているのかを見ていきましょう。
経済専門誌「ダイヤモンドQ」の創刊準備1号(2014年9月)で特集された「東京ベスト保育園594」で1位にランキングされた、認証保育所ベビールーム桜新町(当時)※の保育目標を紹介します。
※現在は、認可保育園・スマイルキッズ桜新町
スマイルキッズの保育目標
東京都世田谷区で、2つの認可保育園、2つの認証保育所、2つの保育室、1つの病児・病後児保育室を運営する㈱スマイルキッズ。
グループ全体の保育目標は…
- 健康的な心と体を育てる
- しっかり取り組む意欲を育てる
- 人を思う優しい気持ちを育てる
- 五感を通して豊かな感性と創造性を培う
となっています。
出典:スマイルキッズ
保育理念、保育方針との違い
冒頭でも少し触れましたが、保育目標・保育理念・保育方針(指針)の違いが今ひとつわからないという人も少なくないのではないでしょうか?
おおまかに言えば、どれも「こんな保育をします」といった意味で使われています。
保育理念
「保育理念」は、基本となる最も根幹的な理想、つまり保育園のあるべき姿を分かりやすく示したコンセプトともいうべきものです。
「私たちの保育園は、こういった保育園を目指しています」といった保育園自体の大きな目的や、「地域社会に貢献する」といった組織のコンセプトが示されます。
保育方針
一方、保育指針や方針ですが、「指針」と「方針」も微妙に違う意味で使われるようです。
指針も方針も、これから進むべき道や方向を指し示すものですが、「指針」は他者・外部から示される基準で、ガイドラインとも呼ばれます。
厚生労働省から発表される保育指針などがこれにあたります。
それに対して「方針」は、個人や団体が自ら「こうする、こう進む」といった意思表示をするといった意味合いが強い言葉で、ポリシーと言い換えられることもあります。
保育方針は、保育理念に基づいて実際に行う保育を示すポリシーと言えるかもしれません。
保育目標
保育方針はその保育園の向かう方向を示すもので、保育目標は到達点である保育方針にたどり着くために、どういったことを行うかを具体的に示した過程や手段です。
「こんな人に育って欲しい、そのためにこんな保育をします」といった保育の目安・目印です。
○○を培う、○○を養う、○○を育てるといった表現がよく使われます。
年齢別の保育目標のポイント
最後に、保育目標を立てる上で参考にしたいポイントを具体的に紹介します。
厚生労働省「保育所保育指針」を参考にしながら、年齢別の保育目標を考えていきましょう。
第1章 1項 保育所保育に関する基本原則の保育の目標より引用。
ア 保育所は、子どもが生涯にわたる人間形成にとって極めて重要な
保育目標(保育所保育指針解説)
時期に、その生活時間の大半を過ごす場である。このため、保育所
の保育は、子どもが現在を最も良く生き、望ましい未来をつくり出
す力の基礎を培うために、次の目標を目指して行わなければならな
い。
(ア) 十分に養護の行き届いた環境の下に、くつろいだ雰囲気の中
で子どもの様々な欲求を満たし、生命の保持及び情緒の安定を図
ること。
(イ) 健康、安全など生活に必要な基本的な習慣や態度を養い、心
身の健康の基礎を培うこと。
(ウ) 人との関わりの中で、人に対する愛情と信頼感、そして人権
を大切にする心を育てるとともに、自主、自立及び協調の態度を
養い、道徳性の芽生えを培うこと。
(エ) 生命、自然及び社会の事象についての興味や関心を育て、そ
れらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと。
(オ) 生活の中で、言葉への興味や関心を育て、話したり、聞いた
り、相手の話を理解しようとするなど、言葉の豊かさを養うこと。
(カ) 様々な体験を通して、豊かな感性や表現力を育み、創造性の
芽生えを培うこと。
年齢別の保育目標を指針から抜粋しています。
0歳児の保育目標
保育指針の(ア)の「心身の健康の基礎を培うこと」のように、まずは安全に健やかに育つことが大事です。
そして、「十分に養護の行き届いた環境の下」で「生活に必要な基本的な習慣や態度」をみつけることを目標とします。
1歳児の保育目標
基本的な生活のリズムや習慣が身に付き始めた1歳児は、「人との関わりの中で」周囲への関心や好奇心を養い、「心身の健康の基礎を培うこと」が大切です。
また、「言葉への興味や関心を育て」ながら、あそびなどを通じて自由に体動かすことを楽しみます。
2歳児の保育目標
基本的な身の回りの事が少しずつできるようになる2歳児は、「相手の話を理解しようとする」ことや自己主張を覚え、保育者や友達と関わる楽しむ気持ちを養います。
また、いろいろな事への「興味や関心を育て、それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと」が大事です。
3歳児の保育目標
運動機能も発達し好奇心や関心が広がる3歳児には、「人に対する愛情と信頼感、そして人権を大切にする心を育てる」ことで、我慢や自分を抑えることを知らせます。
「生命、自然及び社会の事象についての興味や関心」を持ち、周囲や環境に積極的に関わっていく大切さを養います。
4歳児の保育目標
「生活に必要な基本的な習慣や態度」が身に付き、身の回りの事が自分でできるようになる4歳児は、お友達や家族など周囲の人間や環境などへの興味と「それらに対する豊かな心情や思考力の芽生えを培うこと」が大事です。
集団での活動などを通じ、目的を持った行動やルールを覚える気持ちを育てます。
5歳児の保育目標
身体能力や運動能力がさらに高まり就学準備が必要な5歳児は、「自主、自立及び協調の態度を養い」、団体での行動や社会生活に必要な事柄も身に付けます。
「相手の話を理解」し相談しながら行動し、役割分担や自分なりの判断ができる自主性を養います。
また年齢の低いものへのいたわりや、年長者への敬意も培います。
保育目標のまとめ
少し大げさに言うと、保育目標を設定・作成することは保育園の保育を社会に表明することです。
大切な保育目標をよく理解し、就職や実習の下調べに役立てたり、お勤めの保育園の目標を今一度見直してみると良いかもしれません。
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