気温も下がり、いよいよ冬を感じる季節になってきました。今回はそんな冬の風物詩である、冬至の日についてご紹介します。日本における冬至の意味や風習、保育園での過ごし方や、海外での冬至の意味について解説していきますよ。冬至の日に自宅で何をしようか迷っている方や、冬至の日は保育園でどのような活動をしようかな?と、アイデアをお探しの保育士さんは、是非この記事を読んで参考にしてみてくださいね。
冬至とは?
1年の中で最も日照時間が短い日

冬至(とうじ)を一言で表すと、1年の中で最も日が短い日のことです。基本的に日本では、寒くなるにつれて日照時間が短くなっていくイメージがありますよね。このように日照時間が1年の中で最も短くなる日が冬至なのです。こうした現象になる原因として、地球の回転軸が傾き、地軸が公転面に対して太陽とは逆に向くという点が挙げられます。一方、暑い夏には日照時間が1年の中で最も長くなる夏至と呼ばれる日がありますよ。
2024年の冬至は12月21日
2024年の冬至の日は12月21日です。冬至は毎年決まっているわけではありません。その年によって多少の変動は生じますが、大体12月22日ごろです。ちなみに2023年は12月22日でしたね。気になる年があれば、調べてみることをおすすめします!特に祝日になるわけではありませんが、日本では冬至の日にちなんだ風習を大切にしている家庭もあります。そのため、冬至をイベントとして楽しみにしている人もいるかもしれませんね。この記事では冬至の日の風習についても紹介しているので、参考にしてみてください。
冬至と夏至の関係は?
どちらも二十四節気という古い暦の1つ

冬至と夏至は、どちらも二十四節気という古い暦の1つです。二十四節気とは、太陽の日長変化に関わる暦で、春夏秋冬をそれぞれ6つに分けることで24等分としています。聞き馴染みのある、春分や秋分も二十四節気の1つです。そんな二十四節気の中の冬至と夏至の違いは、日照時間の長さです。1年で最も日照時間が短い日を表す冬至に対して、夏至は1年で最も日照時間が長い日とされていますよ。
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冬至の日の風習とは?
かぼちゃを食べる

冬至の日には、かぼちゃを食べる風習があります。栄養価が豊富なかぼちゃは、風邪や病気の予防に効果的とされており、昔から寒い時期の冬至に食べられるようになりました。また、かぼちゃは本来、夏に収穫して食べられる食材ですが長期保存が可能なため、冬至に食べることがベストだと考えられたのです。かぼちゃは、焼いたり煮たり、スープに入れたりなど様々な料理に取り入れられますよ。冬至の日に限らず、寒い時期はかぼちゃを食べて栄養をつけても良いですね。こうした冬至の風習を苦手克服のチャンスと捉えて、かぼちゃが苦手な子どもには、子どもが好きな料理や味付けで少量のかぼちゃを提供してみても良いかもしれません!
冬至粥を食べる

冬至の風習として、冬至粥を食べることがあります。ご存知でない方もいるかもしれませんが、冬至粥という料理があります。別名で、小豆粥とも言われていますよ。冬至粥は小豆を入れることが一般的ですが、かぼちゃを入れたり他の食材を入れても美味しく食べることができます。お粥に小豆を入れる理由は、小豆のような赤色には邪気を払う力があり、縁起が良いものとされているからです。また、小豆を冬至の日に食べることで邪気を払い、運気を上げるという意味も込められていますよ。いわゆる魔除けとしても非常に優れた料理なのですね。新年を迎える前ということもあり、取り入れておきたい風習の1つです。
「ん」が付く食べ物を食べる
冬至の日の風習として、運気を上げるために「ん」が付く食べ物を食べることがあります。これは、運がつくという語呂合わせからきていますよ。例えば、れんこんは先を見通す、にんじんは健康を保つ、といった意味合いがあると言われています。他にも、みかんやうどんなども冬至に食べられることが多いですよ。これらの食べ物を取り入れる理由には、健康や幸運を願い、寒さが厳しい冬を元気に乗り切ろうとする思いが込められています。こうした風習は家族や地域で楽しめるため、みんなで季節感を味わう1つの方法でもありますね。
いとこ煮を食べる

一部の地域では、冬至の日にいとこ煮を食べる風習があります。いとこ煮は、主にかぼちゃや小豆などを使って作られる煮物料理で、冬至の日に食べることで無病息災を願う意味が込められています。名前の由来は、硬いものをおいおい(甥)めいめい(姪)炊き込むことから名付けられたと言われています。栄養豊富なかぼちゃと小豆を組み合わせることで、寒さの厳しい冬を健康に乗り切るためのエネルギー補給にもなりますよ。冬至の日に家族でいとこ煮を囲むことで、古くからの伝統を感じながら暖かい食卓を楽しむことができますね。
こんにゃくを食べる

冬至の日の風習として、こんにゃくを食べる風習もあります。これは、砂おろしと言われており、こんにゃくを食べることによって体内にたまった砂を出すのです。この風習には、こんにゃくが体内の毒素を取り除く、お掃除役としての役割を担うという意味が込められています。冬至を新たなスタートの節目と考え、健康を祈願して体の内側も清めるという考えから生まれたと言われていますよ。また、こんにゃくは低カロリーで栄養価も高く、消化を助ける働きもあるため、冬の重たい料理とのバランスを取る役目も果たします。
柚子風呂に入る

冬至の日に行う風習として代表的な一つに、柚子風呂に入るということがあります。自分が入るお風呂に、柚子本体をそのまま入れます。柚子の皮は、血行改善を促す他、風邪予防に効果的なビタミンCが豊富に含まれており、冬の寒い季節にはぴったりです。また、柚子の強い香りは、邪気が起こらないとされています。さらに、柚子が実るまでに時間がかかることから、長年の苦労が実るよう願いが込められているなど、縁起の良い果実として冬至の日の定番となっていますよ。柚子が家にない場合は、柚子の香りの入浴剤などを入れて柚子風呂を楽しむのも良いかもしれませんね。柚子をお風呂に入れる際には、そのままではなくネットや桶に入れる人も多いと思います。柚子に軽く切れ目を入れてからお風呂に入れると、香りがより楽しめてリラックス効果の向上にもつながるでしょう。
子どもたちに冬至についてわかりやすく伝えるには
わかりやすい言葉で言い換える
冬至について子どもたちにわかりやすく伝えるためには、わかりやすい言葉で伝える必要があります。特に、冬至などの伝統用語は難しく理解しにくい言葉遣いも多いので、わかりやすく言い換えましょう。例えば、
「冬至の日っていうのはね、1年の中で1番冬を感じる日なんだよ。」
「今日は、悪いものを追い払うために柚子が入ったお風呂に入ったりかぼちゃを食べると良い日なんだよ。」
「今日は、1年の中で1番太陽さんが出ている時間が少ないんだって。」
など、かみ砕いた言い回しにすることが大切です。
紙芝居やペープサートを活用する

冬至について子どもたちにわかりやすく伝えるためには、紙芝居やペープサートを活用する方法もあります。紙芝居やペープサートといった登場人物が出てくる製作物は、子どもたちの興味を引きやすくとてもおすすめです。その際、保育士さんたちで物語などのストーリーを考えてみるのも、楽しいかもしれませんね。子どもたちが楽しみながら冬至について学べるだけでなく、より具体的に想像を働かせることもできるようになります。
保育園での冬至の過ごし方
冬至について子どもたちに説明する
保育園での冬至の過ごし方1つ目は、冬至について子どもたちに説明することです。冬至について知らない子どももまだまだ多いのではないでしょうか。日本の伝統である冬至について、子どもたちに由来や風習を教えることもとても大切です。子どもたちに集まってもらい「今日は何の日でしょうか!」など、クイズ形式にしても楽しいかもしれません。「お風呂に柚子を入れて入ったことがある人!」など、子どもたちの経験をもとにして教えていくのもおすすめです。
子どもたちと一緒に「ん」がつく食べ物を探す
保育園での冬至の過ごし方2つ目は、子どもたちと一緒に「ん」がつく食べ物を探すことです。例えば、うどんやみかん、かんてんやだいこんなどがありますね。昔から「ん」には運がかけられており、縁起が良いとされていました。そのため冬至の日には、運気が来るという意味の「ん」の付く食べ物を食べることが良いとされていたようです。他にも、いろはにほへとが最後に「ん」で終わることから、新年に向けて縁起の良い意味合いがあった説もあります。こうした「ん」が最後につく食べ物を子どもたちと探すことで、冬至の日の風習を一緒に体感しましょう。
冬の手遊びで遊ぶ
保育園での冬至の過ごし方3つ目は、冬の手遊びで遊ぶことです。冬至は、日が短いということもあり1年の中で最も冬を感じる日でもあります。そのため、これから本格的に寒くなる真冬に向け、手遊びなど季節感のある遊びをしてみるのもおすすめですよ。歌や手遊びは、体をほぐす効果もあり、寒い冬にはぴったりです。
保育士くらぶでは、冬に遊べる手遊び歌や歌に関する記事を動画付きでご紹介しています。明日からでもすぐ実践できる内容となっていますので、是非ご覧ください!
冬の折り紙で遊ぶ
保育園での冬至の過ごし方4つ目は、冬の折り紙で遊ぶことです。冬至の日にちなんで冬らしい折り紙を作って遊ぶこともおすすめです。室内で遊べるということもあって、寒さしのぎにもってこいですね。冬至の日には、冬至ならではの柚子やかぼちゃなどを折り紙で作って遊んでみるのもおすすめですよ。以下は冬の折り紙の記事です。折り紙のアイデアをお探しの方は、ぜひ読んでみてくださいね。
夕方の空を観察する

保育園での冬至の過ごし方5つ目は、夕方の空を観察することです。冬至は1年の中で最も昼が短い日であり、夕暮れが早く訪れます。そのため、普段よりも早く見える夕焼けや夜空を子どもたちと一緒に楽しむことができますよ。夕方の空を観察することで、冬ならではの澄んだ空気の中で色鮮やかな夕焼けや、星の輝きを確認することができます。子どもたちに「どうして日が短くなるのかな?」と問いかけたり、冬至に関するお話をしたりすることで、自然や季節の移り変わりに興味を持つきっかけを作ることもできますよ。
海外の冬至の過ごし方
【北欧】ブッシュ・ド・ノエルを食べる

北欧では、冬至の日にブッシュ・ド・ノエルを食べる風習があります。ブッシュ・ド・ノエルは、薪の形をしたケーキという意味で、クリスマスの時期に欠かせないデザートとして知られていますが、冬至の日にも特別な意味を持ちます。北欧では冬至が1年の中で最も夜が長い日であり、この日を境に日が長くなることから、新しい光の到来を祝う日として大切にされていますよ。また、薪の形を模したブッシュ・ド・ノエルには、暖かな火が灯るようにという願いが込められているそうです。
参考:https://kunitachibrewery.com/new20211222/
【中国】靴を送る
中国では、冬至の日に靴を送るという風習があります。この風習は、靴が歩むや進むといった意味を象徴することから、特に大切な人に新たな1年を順調に進んでもらいたいという願いを込めて行われます。冬至は1年で最も夜が長い日であり、これを境に日が長くなっていくため、新しい始まりを祝う特別な日とされていますよ。靴を贈ることで、贈り手は受け取る人の健康や幸福、未来の成功を祈る気持ちを表現すようです。
参考:https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/261/
まとめ
子どもたちと楽しい冬至を過ごそう!
いかがでしたか?ここまで、冬至の日について紹介してきました。意外と大人でも知らないような由来や風習があり、趣がありますよね。幼い子どもたちでも、大人と一緒に日本の伝統を知り体感することで、知識や興味関心が深まります。そのため冬至の日には、家庭だけでなく保育園でも冬至らしさを体感できるように工夫していきましょう。また、伝統を楽しむレパートリーの一環として、海外の冬至の風習を取り入れてみるのも良いかもしれませんね。