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保育園のお仕事の中で、緊張する業務内容の上位に入るのがおむつ替え。保育士さんとして勤務するうえで避けては通れない業務内容のひとつですね。お人形で沢山練習をしても、実際の赤ちゃんは動いているので全然想像と勝手が違います。初めてや慣れていない保育士さんにとって、とても難しく感じることも多いでしょう。コツが分かれば意外とすぐにできるようになります。本記事を読んで、おむつ替えの苦手意識をなくしていきましょう。新人保育士さん、今まで幼児クラス担当だった方、新しく乳児クラスの担当になった保育士さんなど必見です。
おむつ替えの基本
赤ちゃんが快適に過ごせる環境づくり
そもそもおむつ替えとは、赤ちゃんが気持ちよく過ごすために必要な業務内容です。0~2歳児のクラスを持っている先生は、必ず業務内容として組み込まれていますよね。まだ0歳児で言葉を発せない子どもは、泣くことで自分の不快感を訴えます。言葉にできないけれど嫌だという気持ちで泣いたり、足をばたばたしたりして態度で全面に表すのです。子どもが急に泣き始める理由はいくつかありますが、そのうちの一つですね。泣いている理由が分からなかったら考える時の候補にしてみてください。また、赤ちゃんはとても体温が高く平熱が36.5~37.5度もあります。おむつ替えを行わず、長時間放っておくと細菌やカビが増えやすく、おむつかぶれの原因になります。夏の暑い日は特におむつの中がとても蒸れやすいのでこまめに見ましょう。
おむつ替えの頻度
1日10回~13回程度
赤ちゃんは1日の保育の中で10回から13回程度おむつ替えを行います。年齢によっても、おむつ替えの回数の目安があります。
0歳児:新生児10~13回
3か月:8~10回
半年:8回
時間でいうと2~3時間に一回くらいは確認するのが必要です。おむつ替えの頻度が減る理由は、赤ちゃんは体の大きさに比例しておしっこを貯めておいておける量が増えます。その為、ある程度まとめてできるようになったので頻度が減ります。
おむつ替えのタイミング
おむつが汚れたり臭いがした時
おむつを替えるタイミングは赤ちゃんの月齢によって異なることが分かりましたね。それでは、いつどのタイミングでおむつを換えればよいのでしょうか。一番わかりやすいタイミングはおむつが汚れたり、おむつから臭いがした時です。最近のおむつにはおしっこのおしらせマークがついているものが多く、おむつを毎回外して確認する必要がありません。怪しいと思ったときは、まずそのマークを確認してみてください。マークに印がないのに赤ちゃんが不機嫌であれば、顔を少し近づけて臭いを確認してください。少し臭いがしたら便をしている場合があるので、すぐに取り換えてあげましょう。また、おむつが汚れていることが分かったらすぐに取り換えてあげましょう。
赤ちゃんが泣いている時
次に赤ちゃんが泣いている時も、おむつ替えのタイミングを疑ってみてください。赤ちゃんが泣く時の理由は主に5つ。おなかが空いた、暑い、寒い、眠い、不快などの言葉で言い表せない生理的欲求を泣いて示すことが多いです。おむつが濡れていたり、なにかおしりに当たっていたりすると、不快感を感じて伝えようとします。泣いたら必ず確認しておむつを変えなくてはいけないわけではありませんが、あくまで目安として気にかけてあげてください。
食事の前後
次に、赤ちゃんの食事の前後のタイミングも確認してみましょう。人工乳は消化するのに約3時間ほどかかるので、消化スピードがとて速いです。その為、ちょうどおやつのタイミングや食事のタイミングに都度確認してみましょう。おむつを替えてすっきりした直後に、もう一度してしまうというエピソードはよく聞くあるあるですね。食事をするとすぐにまた取り換えることになる可能性もあります。タイミングと赤ちゃんの様子を見て適宜柔軟に対応してくださいね。sss
お昼寝の前後
お昼寝の前後もおむつ替えのタイミングです。寝る前や起きた後に汚れていると、赤ちゃんもご機嫌ななめになってしまいますよね。すっきり気持ちのよい状態でお昼寝できるように、前後に確認してあげてください。また暑い日などは、寝ている間におむつの中が蒸れてしまう事が良くあります。蒸れたままですとおむつの中は快適ではない状態です。おしっこなどでおむつの中が汚れていなくても、取り替えてあげましょう。
お迎えの前
夕方の会が終わった時や、保護者の方々がお迎えに来る前にも一度おむつの状態を確認しておきましょう。保育園からご自宅までの距離が遠い場合、不快感を長い間感じてしまうと赤ちゃんがかわいそうですよね。おむつを必ず取り換えてあげてから保護者の方をお迎えできるようにしておきましょう。また保護者の方と話すタイミングで今日の便の色や大きさや固さなどをお伝えしてあげましょう。健康状態のチェックにもなる大切な情報です。
おむつの種類
テープタイプ
おむつは大きく分けて3種類に分かれています。テープタイプのおむつは生まれてすぐ~はいはいやお座りをする頃までに適しています。赤ちゃんがじっとしていられなくて、テープタイプでのおむつ替えが困難になってきたら、保護者の方に相談するのも良いですね。大体6か月から12か月ごろの期間に、テープタイプからパンツタイプに移行するご家庭が多いそうです。また、おむつ替えを行う際には、必ずこの3点セットの準備をしてから行ってください。
・新しいおむつ
・おしりふき
・使用済みおむつを入れる袋
【テープタイプの履き方】
①おむつを開きます。テープがついている側を背中にしてください。
②赤ちゃんを上向きに寝た状態にします。
③赤ちゃんのおしりの下に手をいれておしりを浮かせます。おむつを腰の所まで差し込みましょう。
④両方の足を左右に開きおむつをお腹までかぶせます。
⑤ウエストのテープを止めます。この時におなかとおむつの隙間があまりないように手で押さえながらとめましょう。指が1本程度入るくらいが理想です。
⑥最後にウエスト回りや足回りのおむつが折れ曲がっていたり、ギャザーが寝ていたりしてないか確認してください。おむつをしっかりと履かせても、もれたりゆるんだりする場合は、サイズ感が違う場合があるので変更してみてくださいね。
パンツタイプ
次にパンツタイプのおむつについてです。パンツタイプのおむつは、普通のパンツと同じような形状をしています。保育園でよく使用するのは、パンツタイプのものが多いのではないでしょうか。ハイハイで動き回ったり、手足をばたばたさせたりして活動的になってきた頃に、ぴったりのおむつです。
【パンツタイプの履き方】
①内側から足をいれるところまで手を入れてしっかりと広げます。
②足を片方ずつ通します。赤ちゃんを寝かせている場合も、立たせている場合も片足ずつ行いましょう。
③ウエスト部分を広げながらその部分を持ち、おへそが隠れるまで持ち上げましょう。
④最後にウエスト回りや足回りのおむつが折れ曲がっていたりギャザーが寝ていたりしてないか確認してください。
布タイプ
最後に布タイプのおむつについてです。布おむつは肌に優しく、肌が弱い赤ちゃんにはとてもぴったり。ただ、保育園で布おむつを利用しているところはとても少ないです。通常のおむつだとかぶれてしまう赤ちゃんの場合は、保護者の方から布おむつの対応が可能か聞かれる事ももしかしたらあるかもしれません。対応する事になった場合にできるように覚えておきましょう。
【布タイプの履き方】
①輪型の布おむつとおむつカバーを用意します。
②輪型おむつを横長に広げます。手前から奥側に折りたたみます。
③輪形おむつを右から左に折りたたみます。この時横幅は赤ちゃんのサイズ、おむつカバーに合わせてください。
④輪型オムツをおむつカバーの上に置きます。
⑤おむつカバーのウエストにあるベルトを赤ちゃんのおへそより上になるように調整します。
⑥赤ちゃんをおむつの上にのせます。
⑦テープタイプのおむつと同じように、手前のおむつをあかちゃんのおなかにかぶせます。
⑧ウエストにあるベルトをお腹側で留めます。このときも指が1本くらい入るくらいゆとりを持ちましょう。
⑨最後に輪型おむつがしっかりとおむつカバーの中にしまわれている事を確認します。
おむつ替えをする際の注意点4つ
手早く行う
赤ちゃんは動きを拘束される事をとても嫌います。長時間同じ体制や自分の好きなように動けないと、足をバタバタさせて抵抗したり泣き出すことがあります。手早く行えるように必ずおむつ替えするときに必要な3点セットを近くに用意しておきましょう。赤ちゃんの肌が赤かったり、体調が悪かったりしたときは、いつもよりこまめにおむつの様子を確認してください。下痢や便が柔らかい場合と長時間座る姿勢が続く時も、排泄物の刺激を受けやすいので気を付けてあげましょう。
拭き残しをしない
おむつを替えるときには、かならず拭き残しがないように心がけましょう。お尻を拭く時も、ゴシゴシと強く拭くのではなく優しく丁寧に拭きましょう。保育園で何人もの子供達のおむつ替えを行っていると、だんだんと流れ作業になりがちです。自分では気が付かないうちに、赤ちゃんにとって痛い強さで拭いてしまっているかもしれません。また、女の子の場合は必ず前から後ろへ拭いてあげてください。後ろから拭いてしまうと雑菌が入り込んでしまう危険性があるので要注意です。また、おしっこだけの時は毎回おしり拭きで拭く必要はありません。おしりふきで濡れたままおむつをはくと逆に肌荒れの原因にもなります。しっかりと乾かしてからはくようにしてくださいね。
声掛けを忘れない
おむつ替えを行うときは必ず、赤ちゃんの顔をみて声掛けをするようにしてください。無言でおむつ替えを行うと、怖く緊張した雰囲気を感じ取って泣き出してしまうことがあります。赤ちゃんは大人より空気感に敏感です。「これからおむつを替えますよ」「おしりを拭きますよ」「きれいになったよ」などと、にこやかに声をかけながら行いましょう。声をかけてあげることで、自然とスキンシップも取れますよ。
手の温度
おむつ替えを行うときには、赤ちゃんの肌に触れます。その時に自分の手の温度に気を付けましょう。赤ちゃんは大人よりも触れられた時に敏感です。末端冷え性の方などは、おむつ替えを行う前に、軽く指先を温めてから取り組みましょう。冬の寒い日など、自分が思っている以上に手が冷たく、赤ちゃんをびっくりさせてしまうこともあります。お湯で温めたり、かいろなどで温めてから赤ちゃんに触れるようにしてください。
まとめ
いかがでしたでしょうか。おむつ替えは赤ちゃんと保育士さんの連携がとても大切です。しっかりとコミュニケーションをとり、赤ちゃんが快適な状態で過ごせるようにしてあげてください。月齢が低いほどおむつ替えの頻度が多く大変ですが、一度できるようになると自然と手が動くようになりスムーズにできるようになります。おむつ替えに対して苦手意識がある方も、注意点をきちんと守れば大丈夫。何回も挑戦してみて自分なりのコツを探してみてください。
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