ベビーサインを使って赤ちゃんとコミュニケーションを取りましょう!【いつから・メリット・デメリット・種類など】

ベビーサインという言葉を初めて聞いたという人が多いのではないでしょうか。ベビーサインは、言葉をうまく話せない赤ちゃんともコミュニケーションをはかることができるもの。育児をしていると、不安を感じたりストレスになることもあるでしょう。それらを軽減して、ポジティブに育児をすることができるサポートとなるのがベビーサインです。今回は、そんなベビーサインについて、具体例を含めながらメリットや教え方のポイントなどを紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

ベビーサインとは

赤ちゃんと手話や手振りで「お話し」できるもの

ベビーサインとはどのようなものか知っていますか。ベビーサインとは、まだうまく言葉を話すことができない赤ちゃんと、手話や手振りを通して「お話し」をする育児法の1つ。赤ちゃんがなぜ泣いているのかわからない、何を伝えようとしているのかわからないときがありますよね。そんなときに、ベビーサインは保護者の育児への不安や自信低迷の解消や軽減につながることが期待されています。赤ちゃんとのコミュニケーション方法の1つとして取り入れてみてくださいね。

アメリカのカリフォルニア大学で研究された

そもそもベビーサインがどのように開発されたのかみていきましょう。ベビーサインは、1980年代にアメリカのカリフォルニア大学でリンダ・アレクドロ博士とスーザン・グッドウィン博士の2人によって研究されました。そして、2000年に入ってから世界中に広まっていったものです。日本では、日本ベビーサイン協会が彼女たちのパートナーとして、ベビーサインの普及に携わっていますよ。

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ベビーサインはいつから

おすわりができる生後6ヶ月〜8ヶ月

では、ベビーサインはいつから赤ちゃんたちに教えれば良いのでしょうか。教えること自体は、生後から上手におしゃべりができるようになるまでであればいつでも大丈夫です。ただ、教えていても赤ちゃんからベビーサインで返ってくるようになるのは、おすわりができるようになる頃の生後6ヶ月〜8ヶ月以降と言われています。歩けるようになる頃には、ベビーサインの覚えや取得がはやくなり、より円滑なコミュニケーションができるようになりますよ。

ベビーサインのメリット

親子の絆を深められる

次にベビーサインのメリットについて紹介していきます。メリットの1つ目は、親子の絆を深められること。ベビーサインを教えるときには、保護者と赤ちゃんの目が必ず合います。加えて、赤ちゃんが何を言いたいのかわからないという不安をベビーサインの活用によって軽減することができます。すると、一方的なコミュニケーションではなく、相互的なコミュニケーションをとることができるため親子の絆を深めることができますよ。

言葉の習得のサポートになる

メリットの2つ目は、ベビーサインが言葉の習得のサポートになること。ベビーサインは、言葉を用いるものではありません。しかし、教える時に保護者は言葉を発しながら教えます。すると、自然と子供たちは語彙をつなぎあわせて覚えていくのです。実際の実験結果としても、長期的に見てみるとベビーサインを教えた子供の方が教わっていない子供よりも豊富な語彙力がついていたり、長い文章を理解する力がついていました。つまり、ベビーサインは子供の言語能力のサポートになります。

赤ちゃんの健康・安全管理につながる

メリットの3つ目は、赤ちゃんの健康や安全管理につながること。例えば、ベビーサインで「痛い」という意味のものを教えたとしましょう。そして、赤ちゃんがそのベビーサインをしてくれた時には、どこが痛いのかまではわからなくとも、どこかが痛いのだということはわかりますよね。このように、ベビーサインを用いて赤ちゃん自身が自分の体に起きている異変を教えてくれれば、大事になる前に対応することができます。

育児を楽しむことができる

メリットの4つ目は、育児を楽しむことができること。赤ちゃんが何を考えているのかわからない、泣いているけど何をしてほしいかわからないなど育児はわからないことばかりですよね。しかし、ベビーサインが活用できれば、ベビーサインをヒントに赤ちゃんが何を求めているのか推測することができますよ。すると、育児に対する不安感やストレスを少し軽減することができます。また、赤ちゃんの言いたいことがわかれば育児に対してポジティブに楽しむことができますよ。

ベビーサインのデメリット

教える・覚えるのに時間がかかる

次にベビーサインのデメリットについてみていきましょう。ベビーサインのデメリットは、ベビーサインを赤ちゃんに教えることや赤ちゃんが覚えるのに時間がかかってしまうことが挙げられます。ベビーサインにも種類があるため、生後数ヶ月の赤ちゃんにベビーサインを教えても、すぐに覚えられるものではありません。そのため、根気よく赤ちゃんにベビーサインを伝える必要があります。なかなか反応してくれないときもあるででしょう。それでも挫けずに伝え続けることで子供たちもだんだん覚えていくことができますよ。

ベビーサインの種類

【初心者編】基本のサイン5種類

ここからは、たくさんあるベビーサインのなかで、赤ちゃんに最初に教えたい基本のベビーサインを5種類紹介していきます。
①おっぱい・ミルク:胸の前で、片手を開いたり握ったりする。「おっぱい飲もうね」と声をかけながら行うと良いですよ。
②替える:両手でこぶしをつくり手首をくっつけた状態から、手首を軸に回転させる。おむつを替えるときや着替えをする時に使って見せましょう。
③ねんね:両手のひらをあわせてほっぺたにつける。お昼寝や夜寝る時に使いましょう。自分から眠たさを伝えてくれるようになりますよ。
④もっと:両手の指先をかるく閉じたまま、トントンとあわせる。食事中、「もっと食べたい?」と聞く時に使うのが良いですよ。
⑤おしまい:上を向いている両手を同時に、下にくるっとひっくり返す。遊びの時間が終わる時や絵本が終わる時に使ってみてくださいね。

【応用編】便利なサイン10種類

次に、覚えると便利なベビーサインを10種類紹介していきます。
①お風呂:体の前で両手でこぶしを作り、体をこするように上下に動かす。お風呂で体を洗うような動きをしますよ。
②うんち:両手でこぶしをつくり縦に合わせ、トントンとこぶしを合わせる。
③痛い:両手の人差し指を胸の前であわせる。痛みを感じる時にこのサインをしてくれると助かりますよね。
④飲む:胸元で片手でコップを持つような形を作り、口元にもっていく。コップで飲み物を飲むような動きです。
⑤食べる:親指を軽く曲げてパンを掴むような形を作り、口元に近づけたり話したりする。
⑥おいしい:頬をてのひらで軽く叩きます。「おいしいねー」と声をかけながら行いましょう。
⑦ママ:てのひらを広げたまま親指で顎先をトントンとする。
⑧パパ:てのひらを広げたまま親指でおでこをトントンとする。
⑨おやつ:片方のてのひらの真ん中辺りに、もう片方の手の指先をおきくるっと回す。「おやつ食べようねー」と言いながらやってみましょう。
⑩りんご:親指と人差し指で何かを持つように曲げ、頬にあててくるっと回す。りんごは離乳食によく使われる食材なので覚えると便利ですよ。

ベビーサインの教え方のポイント

赤ちゃんと目線を合わせて教える

次にベビーサインの教え方のポイントをみていきましょう。ベビーサインを教える上でのポイントの1つ目は、赤ちゃんと目線を合わせること。ベビーサインを教えるときは、親が教えたいものを優先するのではなく、赤ちゃん目線で教えるものを選びましょう。いきなり複雑なものを教えても習得が難しいので、手の動きが簡単なものから始めてみましょう。赤ちゃんがよく目にするものや興味を持っているもの、好きなものから教えていくのがおすすめですよ。

楽しそうな雰囲気を伝える

ポイントの2つ目は、楽しそうな雰囲気を赤ちゃんに伝えること。教える側が仏頂面でベビーサインをやっていたら、赤ちゃんもその動きをやってみようと思ったり、その動きを見てポジティブな気持ちになったりはしませんよね。そのため、ベビーサインを教える時は少しオーバーなくらいに楽しそうな雰囲気を作りましょう。笑顔でやることはもちろん、反応を示してくれたら褒めてあげることも良いですね。

赤ちゃんの様子を見ながら進める

ポイントの3つ目は、赤ちゃんの様子を見ながら進めること。ベビーサインができるようになってほしいと思うがゆえに、どんどん進めてしまい赤ちゃんがおいてけぼりになる、なんてこともあるかもしれません。赤ちゃんがそっぽを向いたり、嫌がる仕草を見せているのにベビーサインを教え続けても赤ちゃんができるようになることはありませんよ。赤ちゃんの反応を見ながら、焦らずゆっくりとベビーサインを教えていきましょう。

どこでベビーサインを学べるのか

ベビーサイン教室に通う

ここまでベビーサインについて紹介してきました。では、ベビーサインはどこで学ぶことができるのでしょうか。まず1つは、ベビーサイン教室に通う方法。日本ベビーサイン協会が認めた講師が主催するベビーサイン教室では、親子でベビーサインを学ぶことができますよ。認定を受けた講師からベビーサインを学ぶことができるので、ベビーサインを初めて教えるママ・パパにはおすすめです。ただし、1〜2回通うというわけではなく、全6〜15回のコースに参加しなければならない点には注意が必要です。

本を読む

ベビーサイン教室に通うのが難しいという方には、本を読んで自分で学ぶ方法もありますよ。現在では、ベビーサインについての書籍が販売されています。はじめての方向けから発展的なベビーサインを学びたい方向けまで、種類がたくさんあるので自分にあったものを探してみてくださいね。ベビーサインをはじめてやる方におすすめなのは『今すぐできる 簡単ベビーサイン』。

日常生活で使えるベビーサインが139種類紹介されているので、できそうなものから教えていくことができますよ。

ベビーサインに関する資格

ベビーサイン講師

次に、ベビーサインに関する資格について紹介していきます。1つ目は、ベビーサイン講師について。ベビーサイン講師になるためには、日本ベビーサイン協会に認定される必要があります。保育士資格や保育経験の必要はありません。日本ベビーサイン協会が開催する6日間の講師育成プログラムに参加し、試験に合格するとベビーサイン講師として認定されます。ベビーサイン講師は、ベビーサイン教室や講座を開催することができ、ベビーサインを用いた育児法をママやパパに教えることができるようになります。

ベビーサインアドバイザー

2つ目は、ベビーサインアドバイザーについて。ベビーサインアドバイザーもベビーサイン講師同様、日本ベビーサイン協会に認定される必要があります。ベビーサインアドバイザーは、日本ベビーサイン協会が主催する1日完結型のアドバイザー育成プログラムに参加し、試験に合格すれば認定されます。ベビーサインアドバイザーが教えることができるのは、生後6ヶ月以下の赤ちゃんを育てる保護者のみであることがベビーサイン講師との違いですよ。

まとめ

ベビーサインを取り入れて楽しく育児をしましょう

これまでベビーサインについて紹介してきましたがいかがでしょうか。ベビーサインを用いた育児法は、子供の将来の語彙力や理解力を育むことができたり、親子の絆が深まったりとメリットがたくさんありますよ。育児における不安やストレスが、言葉がうまく話せない赤ちゃんとベビーサインを通して軽減されることも期待できますよ。ぜひベビーサインを育児に取り入れて、楽しく育児を行いましょう。

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