年齢別課題と指導例を紹介!【発達課題・指導例・療育・乳児・幼児・学童・青年】

子どもには、各年齢によって様々な発達課題があります。そして子どもは大人になる過程において、愛着や自発性、社会性などが形成され、心理的に大きく成長します。ですが、その過程で適切な指導を行わなければ、子どもを最大限に成長させることは難しくなるでしょう。今回は、各年齢ごとの発達課題を紹介するとともに、年齢ごとの指導法を紹介しています。子どもにどのような指導をすればいいか分からない人は、記事の内容を参考にしてみてくださいね。

年齢別で指導を変えるのはなぜ?

子どもの各発達段階における課題に対応するため

年齢別で指導を変える主な目的は、子どもの各発達段階における課題に対応するためです。子どもは大人になるまでに様々な発達をしますが、年齢ごとに発達の特徴が異なります。それぞれの発達段階において適切な対応をするためには、年齢別で指導を変えていくことが欠かせません。では、年齢別にはどのような課題が存在するのでしょうか。これから、乳幼児期・幼児期・学童期・青年期における発達課題を紹介するとともに、それぞれの指導法を紹介していきます。具体的な指導例も紹介していますので、ぜひ実践していきましょう。

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乳児期(0〜2歳)の課題

愛着や信頼感の形成

乳児期の発達課題の1つめは、愛着や信頼感の形成です。乳児期の子供は、母親や父親などの大人との間に愛着を形成する時期です。その中で愛情のあるふれあいをすることで、その大人への信頼感や安心感を覚えますよ。ですが、なかには、子育てへの無関心や虐待などにより愛着の形成が出来なくなってしまう例も。子どもが少しでも愛着や信頼感を得られるよう、大人は愛情を持ち、子どもに寄り添って子育てをしなければなりません。

自己と他者間の関わり

乳児期の発達課題の2つめは、自己と他者間の関わりです。乳児期は他者と関わることで、自己と他者を区別し始める時期でもあります。そのため、なるべく多くの人たちと関わることが、自他の区別を促進させるコツですよ。ですが、その中で子どもを怖がらせるような態度で接してしまうと、子どもは自分と他人間に大きな壁を作ってしまうおそれがあります。そのため、この時期の子どもと関わる際は優しく接し、安心できる環境を作ってあげることが重要です。

乳児期(0〜2歳)の指導例

安全で愛情深い子育てをする

乳児期の指導例の1つめは、安全で愛情深い子育てをすることです。愛情を持つことはどの時期においても大切なことですが、他者への愛着や信頼感を形成するこの時期では特に重要になってきますよ。また、安全な環境を整えてあげることで、子どもに居場所を安全な場所だと認識させ、健全な発達の基盤を築くことが出来ます。このように安全で愛情深い子育てをすることは、子どもの発達においてとても重要です。愛のある接し方で、子どもに安心感を与えましょう。

まねっこ遊びなどの遊びを一緒に楽しむ

乳児期の指導例の2つめは、まねっこ遊びなどの遊びを一緒に楽しむことです。乳児期にまねっこ遊びなどを行うことは、子どもの愛着と信頼の形成に非常に効果的です。大人が子どもの行動を真似ることで、子どもは自分が大切にされ、理解されていると感じますよ。これにより、安心感と自己肯定感が育まれ、同時に大人と強い絆が築かれます。また、まねっこ遊びは言語能力や社会的スキルの発達にも寄与し、子どもの全面的な成長を促す効果も期待できますよ。一見ただの遊びに見えますが、乳児期においてはとても重要な成長プロセスとなるのです。

幼児期(3〜5歳)の課題

自発性の形成

幼児期の発達課題の1つめは、自発性の形成です。幼児期では、子ども同士の交流が増え始め、次第に自己主張をするようになります。そのため、この時期の子どもは自発性が形成され始めます。自発性の形成は非常に重要で、子どもの積極性を育む基盤にもなりますよ。保護者は、日常の中で子どもが何を疑問に思ったか、何に興味を示しているかを質問しましょう。そうすることで、子どもは自分で物事を考えるようになります。自分で物事を考えることは、積極性や主体性を身につけるうえで重要な方法です。日頃から質問し、子どもの自発性を育みましょう。

社会性の形成

幼児期の発達課題の2つめは、社会性の形成です。幼児期は、子ども同士の交流が増えます。この時期の子どもたちは、他者との関わりを通じて共感、協力、順番待ちなどの社会的スキルを学びますよ。例えば、集団遊びや共同活動は、異なる意見や感情を理解し、共有する力が養われます。また友達とのやり取りは、他者とのコミュニケーションを実践する場となり、対人関係を築くための基礎の形成につながるでしょう。

幼児期(3〜5歳)の指導例

子どもの意思を尊重する

幼児期の指導例の1つめは、子どもの意思を尊重することです。子どもの意思を尊重してあげることで、子ども本人は自分の意見に価値があると判断するようになりますよ。また、子どもは他の子どもの意見を尊重することを学び、協調性や社会性、コミュニケーション能力が育まれます。このように子どもの意見を尊重することは、子どもの自発性を発達させるほか、社会的に必要なスキルの成長に繋がります。

学習環境を整える

幼児期の指導例の2つめは、学習環境を整えることです。学習環境を整えることは、子どもの自発性の発達に効果的です。整った学習環境により、子どもは自分が興味のあることを安心して追求することが出来ますよ。また整った学習環境では、子どもは自ら学びたいという積極的な気持ちをもつようになるでしょう。このように、適切に整備された学習環境では、子どもの学習モチベーションを向上や、自発性の成長が期待できます。

学童期(6〜12歳)の課題

倫理観や価値観の形成

学童期の発達課題の1つめは、倫理観や価値観の形成です。この時期、子どもたちは家族や友人たちと関わるなかで、善悪の判断力が養われますよ。また、他者の多様な考えに触れる機会が増え、自分の価値観が形成されていきます。この段階で形成された倫理観や価値観は、大人になったあとも自分の考えの基盤となるでしょう。このように、倫理観や価値観は、子どもの考えや行動に直結します。子どもが間違った方向に進まないようにしっかりと見守ることが重要です。

自己効力感の形成

学童期の発達課題の2つめは、自己効力感の形成です。自己効力感の形成は、子どもが自分の能力を信じ、物事に挑戦する力を育む上で重要です。この時期に成功体験を積むことで、子どもは「自分にはできる」という信念を持つようになりますよ。成功体験は、学校での授業やクラブ活動、習い事のなかで積むことが出来ます。子どもの自己効力感の形成を促すように、これらを積極的に取り組ませてみましょう。

学童期(6〜12歳)の指導例

何が良くて何が悪いかしっかり教える

学童期の指導例の1つめは、何が良くて何が悪いかをしっかり教えることです。この指導は、子どもが適切な善悪の判断を出来るようにするためにとても重要なことですよ。良いことはしっかりと褒めてあげることで、子どもは「これはいいことなんだな」と認識します。そして間違いをはっきり指摘することで、「これはしてはいけないことだ」と子どもに認識させることが出来るでしょう。

学業や習い事などの経験をさせる

学童期の指導例の2つめは、学業や習い事などの経験を多くさせることです。そうすることで、挑戦する機会と成功体験を増やすことができます。習い事の種類は問いませんが、スポーツや競技系の習い事のほうが、競争心や向上心を育むことが出来るでしょう。また、成功体験が増えることで自己効力感が養われますよ。たとえ挑戦が失敗に終わっても、物事を振り返って改善したり、それをバネに成長したりする機会を得ることが出来ます。このように、学業や習い事は頭脳と身体の成長の他にも、精神的な成長を促進させます。

青年期(13〜18歳)の課題

アイデンティティの確立

青年期の発達課題は、アイデンティティの確立です。この時期の子どもはこれまでよりも自己の探求を深め、「自分とはなんだろう」と考えを巡らせることが多いです。その中で自分自身と向き合い、自分らしさを獲得していきますよ。自分らしさは、社会や学校、家族とのコミュニケーションを経て確立されていきます。その過程において、子どもは不安や混乱を抱くこともありますが、愛情を持って接してあげることでそれらは解決していくでしょう。

青年期(13〜18歳)の指導例

周りの人間と関わる機会を増やす

青年期の指導例として挙げられるのが、周りの人間と関わる機会を増やすことです。異なる背景や価値観を持つ人々と交流することで、子どもは自分自身とは異なる視点を知ります。そして、そのなかで子どもは様々な学びを得て、自分はどうなりたいかを考えるようになりますよ。注意点は、関わる人間がどういう人かをしっかり見極めることです。できるだけ信頼出来る人を選び、適切な関わりを持てるように指導することが大切です。

指導をするときの注意点

強要をしない

子どもを指導する際は、選択や考え方などを無理に押し付けないようにしましょう。選択や考え方などを強要をしてしまうと、子どもは自分の意見に対して価値があまりないと感じ、主体的に動く力を失ってしまいます。そのため、指導をする際は子どもの考えや行動を尊重することが重要です。また、子どもが主体的に考えることができるように、様々な質問をしながら行動を促すとよいですよ。そうすることで、子どもは自分で考えて自分で動くようになるでしょう。

過保護を避ける

また、指導する際は過保護を避け、適切なサポートで手助けするようにしましょう。あまり過保護になりすぎると、子どもは自分で試行錯誤する機会を失ってしまいます。また、自分で物事を判断したり、挑戦したりする力が育まれなくなる可能性が高いです。指導をする際は、適度に子どもに挑戦する機会を与え、自分の力でそれを乗り越える経験を積ませましょう。そしてその中で、一言アドバイスをするといったサポートをし、子どもの行動を促すようにするとよいです。そうすることで、子どもは主体的に動けるように成長しますよ。

まとめ

子どもの発達課題や指導例について理解を深めよう

いかがでしたでしょうか。今回は、子どもの各年齢における発達課題と指導例をご紹介しました。乳幼児期や幼児期、学童期などにおいて、子どもの発達課題は大きく異なります。そのため、保護者は子どもの各発達課題に合わせて指導を変えていく必要があります。また、指導をする際は強要や過保護は避け、適度にサポートをし、子どもの自主性を促しましょう。サポートの具体的な手法としては、一言アドバイスをしたり、質問をして自分で考えさせたりするとよいですよ。今回の記事を参考に、子どもに適切な指導をしていきましょう。

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保育士くらぶは保育士の転職キャリアサポートを行うアスカが運営しています。保育士くらぶ編集部のメンバーは元保育士や幼稚園教諭出身のメンバーを中心に「保育業界をもっと良くしたい!」という思いがあるメンバーが在籍し、日々執筆しています。保育士くらぶでは現役保育士さんが職場で活かすことが出来る、保育のノウハウやネタ、保育学生にとって必要な知識などを発信しています。 アスカは保育士の就職支援を行う会社です。1994年創業。全国で約10万名の保育士、幼稚園教諭の皆さまが登録しています。年間約1万名がアスカを通じて保育園や幼稚園、学童などの施設への就職を決めています。 保育士の求人情報は 【保育求人ガイド】 https://hoikukyuujin.com/ プロフィール入力で園からスカウトを受ける 【保育士スカウト】 https://www.hoikushiscout.com/